作文がすらすら書ける5つのポイント!〜原稿用紙の使い方、表現、準備〜
2019年4月16日 火曜日 投稿

こんにちは。
キズキ共育塾の佐野澪です。
あなたは、「作文」と聞くと、
どんなことが思い浮かびますか?
作文を書くのが得意・好きな人がいる一方、
面倒くさい、好きじゃない・苦手だ!
という人も多いかと思います。
「何をどう書けばいいのかわからない」
「書く内容が浮かばない」
「そもそもの書き方がわからない…」
このコラムは、そんなあなたに向けて、
作文の基本やコツ、
苦手克服のためのお役立ち情報を伝えます。
自分の考えや気持ちを
書いて自由に表現できると、
楽しいですよ。
いまこの記事を読んでくれている
あなたの重たいココロが、
ちょっとでも軽くなればうれしいです。
【目次】
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作文の基本をマスターしよう〜2つの基本で読みやすさアップ!〜

作文とは、カンタンにいうと、
みなさんが学校や塾で書いている、
体験文や感想文を指します。
「自分の気持ちや考えを伝えるための文章」
のことですね。
つまり、
「自分の気持ちや考え」を書いたなら、
それだけで「作文」です。
むずかしく考えすぎる必要はありません。
ですが、自分の気持ちや考えを
読んだ人に正確に理解してもらうためには、
より適切な表現が必要であり、
そのためにいくつかのルールがあるのです。
まずは作文の基本的なことがらについて、
学習していきましょう。
ポイント①原稿用紙の使い方
ではさっそく、
「原稿用紙の基本的な使い方」を
確認していきましょう。
次の作文を見てください。
画像クリックで大サイズ版が開きます。

画像中の赤い数字が、
次のルールと対応しています。
①題名は、最初の行に、上を2~3マス空けて書く。 |
②名前は、二行目(題名の左の行)の下に書く。 苗字と名前の間は一マス空ける。 一番下のマスも空ける。 |
③段落のはじめは、一マス空けて書く。 |
④小さい文字【ゃゅょっ】、句読点【。、】、かぎかっこ【「」】は、一つのマスに書く。 |
⑤句読点【、。】は、行の文頭にこないようにする(前の行の最後の文字と同じマスに書く)。 |
⑥会話文のときは行を変えて、かぎかっこ【「】を文の頭に書く。 |
⑦リーダ【…】」とダッシュ【ー】は、ふたつ重ねる(1マスに一字×2マス)。 |
⑧かぎかっこを閉じるときには、閉じかっこ【」】と句点【。】を一緒のマスの中に入れる。 |
⑨感嘆詞【!、?】の後は、1マス空ける。 |
あくまで基本であって、
この使い方以外は認めない、
というルールではないので、
むずかしく考えすぎないでくださいね。
※ただし、宿題や受験などでは、
「厳密に従うべき、独自のルール」が
ある場合もあります。
厳密なルールがあるかどうかは、
先生や受験先の学校に確認しましょう。
ポイント②表現や言葉づかいの方法
原稿用紙の使い方に従いつつ、
文章の表現や言葉づかいに気をつけましょう。
表現や言葉づかいのルールが上手な文は、
あなたの気持ちが読んだ人により伝わります。
■1:読点を上手に使おう
書き言葉で大切な読点。
読点とは「、」のことです。
適切な位置で読点を打つことで、
読みやすく、意味も伝わりやすくなります。
「どこで打ったらいいの?」
という疑問も多く聞かれますが、
ポイントは、意味の切れめで打つことです。
もしわかりづらかったら、
文章を音読してみて、
息つぎをするタイミングで打ちましょう。
■2:文体を統一しよう
常体(〜だ、である)と
敬体(〜です、ます)を
混ぜて使っていませんか?
これらの文体は、
会話文を除いて、混ぜてはいけません。
ひとつの作文の中では、
常体と敬体はどちらかに統一しましょう。
■3:主語と述語を対応させよう
主語(〜は、〜が)と
述語(〜である、〜する)は、
対応させるようにしましょう。
対応というとむずかしいかもしれませんが、
主語(A)と述語(B)が一致する、
つまり「A=B」の関係ならOKです。
たとえば、
月がきれいだ : 月=きれいだ
月がかがやく : 月=かがやく
というような書き方です。
次のような例もあります。
「私の夢は、お花屋さんになることです。」
(私の)夢=(お花屋さんに)なること
なのでOK。
「私は、お花屋さんになりたい。」
私=(お花屋さんに)なりたい
なのでOK。
「私の夢は、お花屋さんになりたい。」
(私の)夢≠(お花屋さんに)なりたい
と、主語と述語が一致していないのでNGです。
■4:かかる語と受ける語は近づけよう
国語の文法で、
「かかる」「受ける」という言葉を
聞いたことがありますか?
修飾語と被修飾語の関係…というと、
なんだかむずかしいですね。
「ある語を説明することば」
「ある語に説明されることば」
と考えてみてください。
かかる語と受ける語は、
近づけた方が読みやすくなります。
たとえば、
「カンタンな料理についての本」
という文で考えてみましょう。
この書き方だと、
「カンタンな」ということばは、
「料理」と「本」のどちらにかかるのか、
わかりづらいですよね。
次のように、ふた通りの解釈ができます。
【①:カンタンな「料理についての本」】
→料理全体について、カンタンな説明をする本
【②:「カンタンな料理」についての本】
→目玉焼きなど、カンタンな料理を紹介する本

もし「本がカンタン」であれば、
かかる語「カンタンな」と
受ける語「本」を近づけて、
「料理についてのカンタンな本」
と書きましょう。
「料理がカンタン」であれば、
「カンタンな料理を紹介する本」
のような書き方が考えられます。

作文のコツをつかもう〜3つの準備で楽に書ける!〜

基本をマスターしたら、
次はコツを覚えましょう。
あなたは、
「作文を書きなさい」と言われたら、
どうしていますか?
いきなり文章を書こうとしていませんか??
ちょっと待った!
原稿用紙に書きはじめる前に、
カンタンな準備をしましょう。
めんどうに思うかもしれませんが、
その方が楽に書き上げることができますよ。
次の3つのステップ(ポイント③〜⑤)に
分けて準備をしましょう。
今回は、
「春休みの思い出」
という主題の作文を例にしつつご紹介します。
ポイント③:テーマに関連することばや体験を考える
まずは、主題に関係する考えを
思い浮かべます。
自由に連想すればOKですが、
思いつかないこともあるでしょう。
そんなときは、
「5W1H」で考えてみましょう。
「5W1H」とは、以下の項目の頭文字です。
- Who:誰が・誰と
- When:いつ
- Where:どこで
- What:何を
- Why:なぜ
- How:どのように
「春休みの思い出」の作文を書く場合、
「楽しかった、ある一日」を思い出した上で、
5W1Hの項目別にメモします。
「お花見をしたあの日は楽しかったなあ…」
と思い出したなら、次のように、
その内容を項目に分けるのです。
- 主題:春休みの思い出
- 主題に関係する考え:お花見をした日
- Who(誰が・誰と):自分と家族が
- When(いつ):桜が満開のころに
- Where(どこで):家の近所の、桜がきれいな公園で
- What(何を):お花見を
- Why(なぜ):お父さんが見たがっていたから
- How(どのように):シートを広げてお弁当を食べながら
この準備によって、
「書く内容」がだんだん決まってきます。
ポイント④段落構成を考える
書く内容が決まってきたら、
つぎは段落構成を考えましょう。
「段落」というのは、
意味や話題のカタマリのことです。
一般的には、
「一つの段落に書くメッセージは1種類」
という基本があります。
話題を変えるときは、段落も変えましょう。
逆に言うと、話題と流れを考えると、
段落構成も決まってきます。
また、段落数が決められている場合には
話題の数を当てはめれば構成ができます。
今回は、
①思い出が花見であることを伝える段落
②花見をする経緯を伝える段落(一番伝えたい段落)
③花見の様子を伝える段落
に分けてみます。
段落構成のコツについては、
後の「構成編」にくわしく書いてあるので、
読んでみてくださいね。
ポイント⑤:各段落に大まかな字数をわりあてる
段落構成が決まったら、
各段落の文字数を決めましょう。
だいたいでよいので、
「この段落には◯◯◯字くらい」と、
各段落の文字数を決めておくのです。
この作業をしておくと、
「書きたいことを書ききれないないうちに
原稿用紙が埋まってしまった!」
という失敗がなくなります。
また、伝えたいことのバランスがとれて、
読みやすい作文になりますよ。
今回は、
①はじめの段落は40字
②一番伝えたいことを書く段落は300字
③おわりの段落は60字
と、大まかな配分を決めました。
このような準備を経て、
作文のルールに従って書いたものが、
最初に紹介した作文です。
もう一度掲載しますので、
ルールや準備も意識しながら
読んでみてください。

作文のステップアップ〜練習を重ねて上手くなろう!〜
ご紹介した5つのポイントを踏まえると、
作文が上手に書けるようになります。
ここからは、作文をより上手に書くための、
ステップアップの方法を紹介します。
キズキ共育塾の授業で
実際に効果のあった方法ですので、
ぜひ試してみてください。
①パターンにあてはめて練習しよう

キズキ共育塾の高坂浩一講師は、
「パターンにあてはめて、
たくさん作文を書くことが大事」
だと言います。
パターンの中での表現力が上がりますし、
たくさん書くうちに、
パターンを崩しても
だんだん書けるようになります。
まずは、パターンの中で、
自分の持っている知識や言葉で
書いてみましょう。
足りないものは、
あとから身につけていけばよいのです。
「作文のパターン」はいくつもあるのですが、
今回は、「起承転結パターン」で、
読書感想文を書くという設定で、
具体例をあげてみます。
■起承転結の4段落構成
「起承転結」の4段落構成で書く、
と決めてから取り掛かります。
それぞれの段落の意味は次のとおりです。
【起…背景】 読んだことのない、知らない読者に対して物語を理解してもらうための段落。 話のあらすじや、内容の理解に必要な知識を読み手に提供する。 このあとに自分の考えに持っていくための入り口部分。 |
【承…問い】 その物語を読んで、自分の感じた疑問をかかげる段落。 |
【転…主張】 問いに対する自分の思いや考えを書く段落。 理由や根拠もここで書く。 具体例をあげてもよい。 |
【結…要約】 これまでのまとめや再主張をする段落。 |
以上のパターン(段落構成)を、
「桃太郎」の読書感想文に当てはめてみます。
【起】川で拾われ、桃から産まれた桃太郎が、鬼ヶ島で悪さをしている鬼を退治に行く話 |
【承】おばあちゃんが重たそうな桃を持って帰れた理由はなんだ? |
【転】おばあちゃんは筋肉があったから。なぜ筋肉があったからというと〜… |
【結】5〜6キロあったであろう桃を持って帰れたおばあちゃんはすごい |
このように、
パターンに基づいて構成を作成し、
文章にまとめます。
完成した作文は、次のとおりです。
画像クリックで大サイズ版が開きます。

②思考を図にして、発想をふくらませよう
次に、筆者自身が教えている
作文の練習法をご紹介します。
私が生徒さんに作文の授業を行う際には、
与えられたテーマに関して浮かんだことを、
一緒に紙に図式化する作業をしています。
(ちなみに、この作業は、準備の章で述べた「ポイント③:テーマに関連することばや体験を考える」にあたります)
「作文の手順」でも説明したように、
いきなり文章を書かずに、
一度頭の中を整理することが大切です。
書く紙は、ノートでもいらない紙でも、
なんでもかまいません。
中心となるワードは何か?
それに関連するワードは何か?
自分の体験とどう関連づけられるか?
など、思い浮かぶことを
どんどん図にしてみましょう。
なぜ図にするかというと、
文章化するよりも、
アイデアがふくらみやすいからです。
「高校生活の夢」というテーマの作文で
考えた例が、次の図です。

頭の中だけで考えるよりも、
いきなり文章にするよりも、
きっと構成を考えやすくなります。
③問題集などを利用しよう
最後に、作文力が身につく、
筆者オススメの2冊を紹介します。
作文が苦手な人はもちろん、
得意な人が読んでも参考になるはずです。
■ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集〔小学生版〕(大和出版)
【こんな人におすすめ】
→国語の基礎力をつけたい、
文章を書くのに慣れたい!
この問題集では、
言葉を話したり、書いたりするために、
「言い換える力」
「比べる力」
「辿(たど)る力」
の3つの力を身につける練習ができます。
たくさんの短文を、
さまざまな型にはめて書いていくことで、
文章を書く力が身につきます。
■2:天声人語書き写しノート(朝日新聞社)
【こんなひとにおすすめ】
→語彙を増やしたい、
要約力を高めたい、
構成力をつけたい!
「天声人語」とは、
朝日新聞の朝刊に毎日掲載されている
600字程度の作文です。
人の作文を毎日書き写し、
知らない漢字や言葉を調べることで、
文章の構成力やリズム、
語彙力、構成力が身につきます。
また、毎日続けることによって、
世の中の出来事もわかります。
まとめ〜自分の気持ちを上手に表現しよう〜

作文の基本やコツについて
お伝えしてきました。
ここまでのポイントをおさらいしましょう。
作文とは、
自分の考えや気持ちを伝える文章のことです。
基本的なルールを理解できると、
自分の考えを相手により適切に伝えられます。
作文を書くときは、まず、
①原稿用紙の基本的な使い方
を理解しましょう。
基本を守れば、
あまり完ぺきに使いこなせなくても大丈夫です。
次に、
②表現や言葉づかいの方法
を身につけましょう。
句読点の打ち方、
文体の統一、
主語と述語の対応、
かかる言葉と受ける言葉の位置、
などに気をつけると、
わかりやすい文章を書くことができます。
原稿用紙に書きはじめる前に、
かんたんな準備をすることが、
作文を書くコツです。
③テーマに関連することばや体験を考える
④段落構成を考える
⑤各段落に大まかな字数をわりあてる
のポイントを順番どおりに準備すると、
作文を書きすすめるのがラクになります。
ここまでの5つのポイントを踏まえれば、
作文を書くことはむずかしくありません。
作文をより上手に書けるようになるには、
・パターンにはめてたくさん書く
・思考を図にしてみる
・問題集などを使う
などの手段があります。
どうでしたか?
「作文、キライ!」という重たいココロが、
すこしは軽くなりましたか?
あなたが楽しく作文を書けるよう、
願っています!
さて、私たちキズキ共育塾は、
完全個別指導で授業を行う学習塾です。
作文の授業も、もちろん完全個別指導です。
作文をうまく書けるようになりたい、
入試科目の作文に自信がない、
他の人と一緒に作文を書くのは恥ずかしい…、
などの希望や不安があるようでしたら、
お気軽にご相談ください。
(相談は無料です)