子どもが不登校になったら親は仕事を辞めるべき? 体験談から解説

こんにちは。
生徒さんの勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする完全個別指導塾・キズキ共育塾です。
不登校状態にあるお子さんがいるあなたは、子どものために仕事を辞めた方がいいのか悩んでいませんか?
不登校状態にあるお子さんがいて、仕事をしている親御さんは、「子どもは、不登校状態になる前も不登校状態になった今も、苦しんでいる…」「自分が仕事を辞めて世話をした方がいいのだろうか…」といったお悩みを抱えることが少なくありません。
このコラムでは、不登校状態にあるお子さんがいる親御さんに向けて、不登校状態にあるお子さんの親が仕事を辞めるべきではない理由や、家庭・学校以外の第三の居場所の重要性について解説します。
私自身、中学3年生の秋から春にかけて不登校状態だったことがある不登校当事者です。
このコラムを読むことで、不登校状態にある子どもがいる親という立場と、仕事をしている個人という立場、両方を持つあなたの気持ちが、少しでも軽くなり次の一歩につながれば幸いです。

共同監修・不登校ジャーナリスト 石井志昂氏からの
アドバイス
体験談をたくさん読むと、解決策が見えてきます
このコラムは、かゆいところに手が届くコラムです。
不登校状態にあるお子さんがいる親御さんは、誰しも一度は子どものために仕事を辞めるかどうかを考えるものです。そのお悩みを解決するためには、このコラムをはじめ、たくさんの体験談を読んでいただくといいかなと思います。
読んだ体験談の内容があなたのお子さんに似ているかどうかは、あまり関係ありません。ただ、読んでいくうちに、お子さんの気持ちが見えてくる瞬間があるのです。
そして、お子さんの気持ちが見えてくると、実際のあなたがどうするべきか、答えも見えてくるはずです。
私たちキズキ共育塾は、不登校状態にある人のための、完全1対1の個別指導塾です。
10,000人以上の卒業生を支えてきた独自の「キズキ式」学習サポートで、基礎の学び直しから受験対策、資格取得まで、あなたの「学びたい」を現実に変え、自信と次のステップへと導きます。下記のボタンから、お気軽にご連絡ください。
目次
不登校状態にある子どもの親は仕事を辞めるべき?続けてもいい?
お子さんが不登校になると、お子さんのために「仕事を辞めた方がいいだろうか」と悩む親御さんは少なくありません。
お子さんを心配する愛情が、仕事を辞めようかと考える大きな理由だと思います。
では、親が仕事を辞めることで子どもは幸せになるのでしょうか?
この問いに対して、全ての家庭に当てはまる正解はありません。
収入・支出、仕事の内容、お子さんの状態など、それぞれの家庭によって状況は異なるからです。
ですが、できる限り「親は仕事を辞めるべきではない」と、私は考えています。
不登校経験者の体験談「お母さん、私のために無理しないで」

私は中学3年生の秋に不登校状態になりました。
不登校の直接のきっかけとなったのは、部活動のチームメイトのきつい言葉です。その言葉を思い出して、涙が止まらない日もありました。
また、高校進学を考えていた私は、不登校状態からの高校受験のプレッシャーに押しつぶされそうにもなっていました。
そんな日々、母は仕事を早退し、私の好きなご飯をつくってくれたり、「勉強疲れてない?彩の好きなお菓子を買ってきたよ」と声をかけたりしてくれました。
母は、当時のことを振り返って、「彩が受験のプレッシャーで苦しんでいたから、少しでもそばにいて励ましたかった。」と言ってます。
そんな母の対応は嬉しかったのですが、一方で、母が無理をしている様子も見てとれました。
- 仕事の早退について職場の同僚に電話で謝っている様子
- 「私が仕事をしてなかったらもっと彩の相談に乗れて、彩は不登校状態になるまで悩まなかったんじゃないか…」と親戚に悩みを打ち明ける姿
そんな姿を見て、「自分が不登校状態になったせいで、母は仕事を辞めるのかもしれない。」と罪悪感や不安でいっぱいになりました。
そのほかにも、昨日のことのように覚えている当時の気持ちがあります。
当時の気持ち
- お母さんが、自分のことを思ってくれて嬉しい
- お母さんに、自分のために仕事を早退させて申し訳ない
- お母さんはお母さんらしくいてほしい。無理しないでほしい
- でも、ひとりで家にいるのは寂しい…
このように、母への思いには、感謝と同時に罪悪感や、自分でも母にどうしてほしいのかわからない気持ちなどが入り混じっていたのです。
子どもが不登校状態でも親が仕事を辞めるべきではない理由

不登校状態にある私たちは、親に対して、次のような複雑な気持ちを持っています。
不登校状態にある子どもの気持ち
- 親が働いていると寂しいこともある反面、自分のために仕事に支障があると申し訳ない
そのため、親が仕事を辞めることで、親に対する申し訳なさは増していきます。
もちろん、親が家にいると、寂しさは紛れます。
ですが、やがて次のような気持ちになることもまた、よくあるのです。
親が仕事を辞めた後の子どもの気持ち
- いつもいるからうっとうしくなってきた…。あまり話したくないな…
- 仕事を辞めるなんて、よっぽど自分は信用されていないんだな…
そして、不登校状態にあるお子さんが親に対して申し訳なく思うことの一つに、家計に関するものがあります。
例えば、お子さんが次のように思いこみ、さらに悩みが深くなることがあります。
親が仕事を辞めた後の家計への思い
- 自分のために親が仕事を辞めた
- 自分のために収入が減ったんだから、自分は高校や大学に進学しない方がいいな
- でも、進学以外で『次』に何ができるのかわからない…
- ますます悩みが深くなる…
決して不安にさせるつもりではないのですが、こういう状況になると、お子さんはなかなか次の一歩を踏み出せません。また、親も苦しくなるでしょう。
お子さんのために仕事を辞めるべきではないという理由が、ここにあります。
お子さんへの愛があるからそ、仕事を辞めた方がよいのではないかと、悩まれていると思います。
もちろん、親御さんがお子さんに寄り添うことは重要です。
ですが、仕事を辞めて、お子さんにつきっきりになることが本当に良いかどうか、少し立ち止まってみませんか。
ポイント
先ほど触れたように、お子さんは、親に対して複雑な気持ちを持っていて、自分でもうまく表現できていない場合があります。ですので、まずは、自分の気持ちをうまく表現できないお子さんの話をじっくり聞いてください。
その上で、お子さんがそばにいてほしいと願うときは、いきなり退職ではなく、次のような方法を取れないか、職場に相談することをオススメします。
- 柔軟な遅刻・早退
- 時短勤務
- 時間の都合がつきやすい部署への異動
- (一部を)在宅勤務化
お子さんの複雑な気持ちを理解するのが難しいときは、カウンセラーへの相談や、相談機関の利用も考えてみてください。 私たちキズキ共育塾も無料相談を受け付けています。
家・学校以外の第三の居場所を利用しましょう
お子さんが不登校になった場合は、家でも学校でもない、第三の居場所をぜひ利用してください。
お子さんとしても、家で一人っきりではさみしいはずです。そして、不登校の次のステップに向けた準備も必要です。
最近では、フリースクールや適応指導教室などが増えてきました。
そのような場所には、お子さんと一緒に趣味の話をする人や、一緒にご飯を食べる人や、勉強を教える人がいます。
ポイント
フリースクールのような、家でも学校でもない第三の居場所をうまく利用できると、お子さんが孤独を感じることが減っていきます。
また、「今日は楽しかったな」「そろそろ次のことを考えようかな」と前向きな気持ちを持てるようにもなります。親としても、家を空けている時間の心配が減ります。
近くにそういう場所がなかったり、送迎が難しかったり、行ってみた団体がお子さんに合わなかったりしたときは、オンラインで話ができるサービスもあります。
子どもの不登校と、親である自分の仕事についての体験談
この章では、我が子の不登校と、自分の仕事について、学校が苦手な人たちのための個別指導塾・キズキ共育塾の講師たちの、親の立場からの体験談を紹介します。お子さんへの接し方の参考として、ぜひご覧ください。(講師名は仮名の場合もあります)
また、私たちキズキ共育塾の無料相談では、ほかの事例もご紹介可能です。ぜひ利用ください。
加藤殿音講師の体験談
子どもは、小学校の入学式に行けなかったときから、学校には行っていません。最初の担任の先生とおりが合わず、不登校状態になりました。学年の変わり目で担任が変わるときを機に、がんばって保健室登校をしていた時期もありましたが、連休を境にして行けなくなりました。いまではもう学校に行っていない状況です。
親として何ができるのか、子どもになるべく付き添い、話をしてました。解決できないか、学校に行ける方法はないかと手を尽くしましたが、次第に反抗も加わるようになり、状況は悪くなる一方でした。
そんなときに、偶然、勤務先でリモートワークが始まりました。リモートワークのため、インフラを整えようと、タブレットとPCを購入しました。仕事以外に子どもと楽しめる使い方がないかと考え、私は絵が好きだったこともあり、タブレットのお絵かきソフトで絵を描くことをし始めたんです。
私自身、子どもの不登校という状況に追い詰められていたんだと思います。逃げるような気持ちはなかったのですが、私自身が楽しめることを見つけ、そちらに流れてしまったんです。
子どもは、初めはあまり興味を示しませんでした。ですが、私がネットを通じてイラストを販売し始めたあたりから、すごく興味を持ち始めたんです。そして、隣に来て一緒に絵を描くようになりました。
最近では、学校のプリントもやるようになってきました。無理矢理やらせようとしても嫌がってやらなかったのに、何も言わなくなったいま、なぜ自分でやるようになったのか、私にはわかりません。でも、そんな我が子を見ていて、何故かすごく愛おしく、自慢に思えてくるんです。いま思えば、私自身に余裕がなかったんだと思います。義務のように子どもと向き合い、言うことを無理矢理聞かせようとしていたのかと、反省しています。
まとめ〜子どもの不登校で仕事を辞めることはオススメできません~

不登校状態にあるお子さんのために、「仕事を辞めて面倒を見た方がいいのだろうか」と悩まれる親御さんは少なくありません。
ですが、実際に仕事を辞めると、お子さんは嬉しい反面、次のような感情を抱えることもよくあります。
- 自分のせいで仕事を辞めさせて申し訳ないという罪悪感
- 自分を信じてもらえてないんじゃないかという不信感
- 家計に対する過剰な気遣い
仕事を辞めてつきっきりで面倒を見ていると、「いつも顔を合わせてうっとうしいな」とお子さんが思うようになることもあります。
そうすると家族仲がギスギスし、お子さんも親御さんも苦しい状況が続きます。
そのため、仕事を辞めることはオススメできないのです。
まずは落ち着いてお子さんの話を聞きつつ、仕事を辞めなくてもお子さんをケアできる方法を探してみませんか?
お子さんがどう思っているのかわからなかったり、お子さんに対して何ができるか悩んでいたりする場合は、相談機関等を利用しましょう。
相談することで、それぞれのご家族・お子さんに応じたより具体的なアドバイスをもらえると思います。
このコラムが、不登校に悩むお子さんと親御さんの、次の一歩につながれば幸いです。
さて、私たちキズキ共育塾でも無料相談を行っており、親だけのご相談も可能です。
キズキ共育塾では、不登校経験を乗り越えた講師やスタッフも大勢働いています。
私たちとの出会いを通して、何かお子さんの気持ちに気づくきっかけになればと思います。
少しでも気になるようでしたら、お気軽にご相談ください。
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