不登校から予備校通いで大学受験を目指すには?|選び方のポイントも解説

不登校から予備校通いで大学受験を目指すには?

こんにちは。学校が苦手な人の大学受験を完全個別指導でサポートするキズキ共育塾の寺田淳平です。

不登校から予備校に通って大学受験を目指す人は、決して少なくありません。

あなたも、予備校での勉強を通じて、大学受験ができないかと考えてはいませんか

不登校から大学受験を目指す方法はたくさんあります。

そこで今回は、大学受験を目指す不登校の人が「予備校を選ぶときのポイント」から、「メリット、デメリット」までを徹底解説します

このコラムが、不登校からの大学受験を目指す人、大学受験を目指して予備校をお探しの人の助けになれば幸いです。

共同監修・不登校新聞社 代表理事 石井志昂氏からの
アドバイス

不登校でも将来は広がっています

このコラムでは、「不登校から大学へ進学する方法」が書かれています。
学校では教えてくれない内容です。
教員でも、これほどの内容を把握している人は少ないでしょう。
「不登校だけど大学受験をしたい」と考えたことのある人は、ぜひ読んでいただきたいです。

また、「不登校を経験しても、将来は何一つ閉ざされていない」ということも、ぜひ知ってもらいたいです。
「中学校や高校に通わないと、大学に行けない」と周囲から言われた人もいるかもしれません。 けれども、決してそんなことはありません。

不登校から予備校に通って大学受験をすることは可能?

不登校から予備校に通って大学受験をすることは可能?

結論から申し上げますと、不登校から予備校に通って大学受験をすることは「可能」です

大学受験といえば、高校を卒業している人(高校卒業が確定している人)のみに受験資格があると思われがちです。ですが、高校不登校(高校中退、中卒)から大学に行く方法もたくさんあります。

具体的には、以下の6つのルートが考えられます

  1. 高等学校卒業程度認定試験を受ける
  2. 通信制高校に再入学する
  3. 定時制高校へ再入学する
  4. 通信制大学の特修生・履修生制度の利用
  5. 大学の入学資格審査を満たす
  6. 専修学校や高専を修了する

中でも、①の高等学校卒業程度認定(高卒認定)試験の受験は、大学受験を考えている中卒の人、高校を中退した人にとっては、主要な選択肢のひとつです

実際、高卒認定を経て大学受験への切符を手にする人は、例年1万人近くいます。

高卒認定は、高校に在学中でも受験することができます。

高校を不登校だとしても、高卒認定に合格すれば、高校の出席日数がどうか、留年や中退をしたかどうかに関わらず、大学受験・入学が可能になるのです(ただし高卒認定を取得しても、大学受験はあなたが18歳になる年度から可能になります)。(参考:『令和元年度第2回高等学校卒業程度認定試験実施結果について』)

令和元年度第2回高等学校卒業程度認定試験実施結果について

不登校などの理由で高校を卒業していない(卒業できなかった)としても、大学受験を目指す人は毎年、一定数いるのです。

しかし当然のことながら、大学受験の資格を得るには、高校卒業と同等の学力を付けなければなりません。

そのため、高卒認定資格の取得を目指すとしても、それ相応の勉強をしなくてはならないということは、前提としてお伝えしておきます

さらに、あなたの学力や現状を踏まえて、どのルートで大学受験を目指すのがよいかを、ご自身だけで判断するのは難しいことです。

こうした難点は、あなたの状況や学力に応じたサポートをしてくれる予備校に通うことで、ある程度、解消することができます

また、予備校では進路の相談も随時受け付けています。一人で不安や悩みを抱え込まずに、目標に向けて頑張りやすいというメリットもあります。

不登校から大学受験を目指す人にとって、予備校通いは有効な手段のひとつと言えるでしょう。

なお、中卒(高校中退)から大学受験に至るルートについては、以下のコラムに詳しくまとめてあります。ぜひあわせてご覧ください。

大学受験を目指す不登校の人が予備校に通うメリット3点

それでは、大学受験を目指す不登校経験者の人にとって、「予備校に通うメリット」とは何でしょうか?

ここでは3つのメリットを見ていきます。

メリット①勉強をサポートしてくれる

勉強をサポートしてくれる

1番のメリットは「勉強をサポートしてくれる」ことです。

受験勉強をしていると、どうしてもあなた一人では理解しづらいところや、問題集の回答に納得できないところが出てきます。

予備校に通っていれば、先生に質問できるため、そうした理解不足を補うことができます

また、「どういう順序で勉強を進めるとよいか」「どの単元をもっと勉強すると点が取れるようになるか」など、具体的なアドバイスももらえるはずです。

予備校通いを考えている人にとっては、この「勉強のサポート」が一番のメリットになるのではないでしょうか。

メリット②相談に乗ってもらえる

相談に乗ってもらえる

メリットの2点目は「相談に乗ってもらえる」です。

予備校によっては、先に述べたような「勉強の相談」のほかに、以下のような相談に対してもアドバイスをしてくれます。

  • どのルートで大学受験を目指すのが合っているか
  • 同じルートを選んだ人がどんなことで悩むか
  • どういった態度で試験に臨めばいいか

こうした専門的で細かな相談に対しても、適切なアドバイスをもらえることが、大きなメリットです

メリット③同じ境遇の人と出会える

同じ境遇の人と出会える

3点目は「同じ境遇の人と出会える」です。

大学受験予備校の中には、不登校の人を積極的に受け入れているところがあります

また、発達障害で学習に困難を抱える人を支援した実績のある塾もあります。

このような予備校には、似た悩みを持っている人が多く通っているため、あなたと気が合う生徒さんがいるかもしれません。

似た境遇の人と同じ目標に向けて頑張ることや、同じ予備校で自分と同じ状況から大学に合格した人がいることを知ることで、よい刺激を得られるというのも、予備校通いのメリットと言えるでしょう

大学受験を目指す不登校の人が予備校に通うデメリット(注意点)2点

反対に、不登校の人が予備校に通うデメリットも、残念ながら存在します。

ここでは2点に絞って、デメリット(注意点)を見ていきましょう。

デメリット①お金がかかる

お金がかかる

1番のデメリットは「お金がかかる」という点です。

先生のサポートを得られる分、どうしても授業料などがかかります

経済的に余裕がないという人にとっては、特に大きなデメリットです。

予備校は、「安ければ安いほどいい」というものではありません(もちろん「高ければ高いほどいい」わけでもありません)。ですが、どの予備校に通うかを考えるときには、先に紹介したメリットや、次章「選び方のポイント」と合わせて、授業料やコマ数などをよく比較して考えることをオススメします。

デメリット②予備校の種類によっては馴染みづらい

予備校の種類によっては馴染みづらい

2つ目のデメリットは「予備校の種類によっては馴染みづらい」という点です。

現在も不登校の人、あるいは不登校だった人の中には、みんなで机を並べて勉強する学校の雰囲気や、人間関係が苦手だったという人もいるでしょう。

予備校によっては、クラス単位に分かれて授業を受けるなど、学校と同じスタイルを取っているところがあります

自然とグループができて、人間関係が生じる環境が少なくありません

また、予備校の方針次第では、熱く指導されたり、反対に自主性に任せたりと、ばらつきがあるのも事実です。

そのため、予備校の種類によっては馴染みづらいというデメリットがある点には、注意が必要でしょう。

不登校の人が予備校を選ぶときの4つのポイント

実際に予備校を決めるときには、あなたに合った予備校を選ぶことが大切です。

ここでは、予備校の選び方のポイントを、具体的に4点に分けて解説いたします。

ポイント①不登校の人を積極的に受け入れているか

不登校の人を積極的に受け入れているか

ポイントの1点目は「不登校の人を積極的に受け入れているか」です。

予備校によっては、学校と同じように、みんなで机を並べて授業を受ける「集団授業」の形式を取っています。

集団授業だと、不登校によって勉強から離れていた場合、「自分だけわからなかったらどうしよう」「クラスメイトに学校のことを聞かれたらどうしよう」といった不安を感じることが少なくありません

また、年度途中で入校した場合には、あなたが受けていない授業の内容も、すでに「わかっている前提」で進む可能性があります。

そのため、不登校の人が予備校を探すときには、あなたのペースで勉強を進められるオンライン予備校や、個別指導を行っている予備校がオススメです

集団授業をしている予備校に通いたいという人は、年度途中からでもフォローしてくれる塾や、年齢を問わないところ、併せて個別指導なども取り入れている予備校を探すとよいでしょう。

ポイント②希望する大学の受験レベルや受験方法に対応できるか

希望する大学の受験レベルや受験方法に対応できるか

2点目のポイントは「希望する大学の受験レベルや受験方法に対応できるか」です。

不登校から大学受験をするルートはさまざまで、対応の方法もそれぞれに異なります

一方、予備校も、基礎から教えるところや、学校の授業の補習をメインにしているところ、ある程度学校で勉強していることを前提に指導するところ、超難関校に向けた受験指導を行うところなど、さまざまです。

また、そうした予備校の中でも、「生徒の状況に応じてコースが分かれている」という場合がほとんどです

ですので、「あなたの希望する大学の受験レベルと方法」に対応している予備校・コースを選びましょう。

当然、そのコースによって授業料なども変わってきます。

予備校を選ぶ際には、「あなたの希望する大学の受験レベルに対応できるか」「どのコースであれば、その受験方法への備えになるか」を、最初に確認するようにしましょう。

一般的に、予備校に入学する前には、無料面談や電話相談が行われます。「どのようなコースが自分に合っているのかわからない」ということであれば、その際に確認してみましょう。

ポイント③学力に応じた指導を受けられるか

学力に応じた指導を受けられるか

ポイントの3点目は「学力に応じた指導を受けられるか」です。

前項の「希望の大学に合わせた内容」に加えて、「(現在の)あなたの学力に応じた授業」が必要なのです

不登校の場合、学校で通常行われている授業のペースから外れることになります。そのため、学習の進み具合や学力に差があるというケースが多く見られます。

さらに、先に述べたように、年度途中に予備校に入る場合は、それまでの授業内容を理解している前提で授業が進むことがあるため、勉強についていけなくなる可能性があります。

そういった事態を避けるには、「学力に応じた指導を受けられるか」という点を重視して予備校を探すようにしてください

中には、「そもそも自分の学力がどのくらいかわからない」という人もいるかと思います。

その場合は、検討中の予備校にその旨も相談するようにしましょう。

入校前に簡単な学力テストを実施する予備校もあります。お気軽に相談してみてください。

ポイント④個別の面談があるか

個別の面談があるか

最後のポイントは「個別の面談があるか」です。

不登校の人は、現時点での学力の他に、生活面やメンタル面のケアなど、相談したいことがさまざまあると思います。

また、座って聞くだけの講義形式が基本の予備校では、多数を占めると思われる「高校に通っている生徒」を前提としているため、不登校の人が授業を受けることを想定していない場合もあります。

そういったときに個別面談を受けることで、あなたのお悩みに考慮してもらえたり、ついていけないところがあるときにフォローしてもらえたりと、融通が利きやすくなるでしょう

不登校の人が予備校を探す際には、ぜひ「個別の面談があるかどうか」を確認してみてください。

あなたに合った予備校を見つけるコツとは?

あなたに合った予備校を見つけるコツとは?

最後にこの章では、不登校の人に限らず、「あなたに合った予備校を見つけるコツ」をまとめて、ご紹介します。

あなたに合った予備校を見つけるために大切なことは、次の二つです。

  • それぞれの予備校の特徴のうち、どの点を重視するか
  • あなた自身の性格から、どういう予備校であれば無理なく通い続けられるか

より具体的には、以下の点に留意することをオススメします。

  1. 距離的・心理的に通いやすいか
  2. 指導方法があなたに合っているか
  3. 生徒同士の交流はどうか

コツ①距離的・心理的に通いやすいか

よく見落とされますが、予備校を選ぶときに重要なのは、「物理的な距離」です

これは自宅からの距離もですが、学校帰りにそのまま予備校に行きたいという人は「学校からの距離」、働きながら予備校に通いたいという人は「職場からの距離」なども考える必要があります。

一般的には、生活の中で難なく通える場所にある予備校を選んだ方が、勉強へのハードルが下がるでしょう。

一方、「同じ学校の人に会いたい」、逆に「同じ学校の人と会いたくない」…という場合には、「心理的な通いやすさ」を考慮して、同じ学校の人が多い(少ない・いない)予備校を選ぶ、ということも考えられます。

そのため、「通う時間」が長くなっても、予備校に行くハードルが下がる分、総合的にはよい結果となることもあります。

距離と心理の面から、通いやすさを考慮しましょう

コツ②指導方法があなたに合っているか

「指導方法があなたに合っているか」は、「指導方針が厳しめか優しめか」や「先生の関わり方が積極的か消極的か」が判断軸になってきます

具体的には、「できないところや問題点をどんどん指摘してくるような指導か、そうでないか」、あるいは「先生の方から学習状況を尋ねてくるか、あなたから相談に行かない限り放っておかれるかどうか」という点を考えてみてください。

あなたは性格的に、どちらの指導方法が向いているでしょうか?

積極的に関わってもらえた方がモチベーションが上がるのか、放っておいてもらえた方が勉強しやすいのかを、考えてみるとよいでしょう

コツ③生徒同士の交流はどうか

「生徒同士の交流が多いか少ないか」については、それが自分にどのような影響を及ぼすかを考えてみましょう。例としては、下記のようなものがあります。

交流が多い場合
  • メリット:交流が刺激になって、勉強に熱が入りそう
  • デメリット:交流が多いと、勉強がおろそかになるかも
交流が少ない場合
  • メリット:自分のことにだけ集中して勉強できそう
  • デメリット:誰とも全く話さないと、気が滅入りそう

キズキでの不登校から大学受験を目指す人の支援事例

私たちキズキ共育塾では、不登校から大学受験を目指すお子さんや親御さんのサポートを行っています。以下、「不登校から大学受験を目指した生徒さん」の声を一部ご紹介します。ぜひご参考にお読みください。

成田駿さん(高校3年生) 立教大学文学部に合格

高2の夏から不登校になり、ゲームばかりの生活で、昼夜逆転になっていました。そして高校は中退。高認(高校認定試験)取得を目指し、キズキ共育塾へ入塾しました。
受験に向け、改めて基礎からの学び直しをしてみると、どの科目も面白く感じられるようになりました。
そして、第一志望の立教大学文学部に合格! ほか、2校もセンター型で合格しました。
キズキ共育塾で学ぶうちに、「なんとかなる!」と思えるようになりました。


くわしくは、合格体験談「高校を不登校から中退。高認を取得して大学合格。キズキで学ぶうち、「なんとかなる」と思えるようになった」をお読みください。

富田克祐さん(高校3年生) 国士舘大学法学部に合格

学校に合わせて勉強をすることに疲れて、成績が落ちたことをきっかけに不登校になりました。
勉強の必要性は感じていましたが、なかなか合う塾が見つけられませんでした。そんなとき、両親にキズキ共育塾を勧められました。
完全個別指導で、しかも勉強にブランクがある人向け。「まさに僕のためのような塾だ」と感じ、キズキ共育塾へ入塾しました。
キズキでは、マンツーマンで僕のペースに合わせた授業を行ってくれました。 また、不登校になってから他人と交流することが少なくなっていたのですが、キズキ共育塾でのイベントを通して交友関係を広げたり、勉強しているだけでは得られない知識を実体験として学んだりすることができました。
そして、不登校から大学に通えるまでになりました。


くわしくは、合格体験談「高校の雰囲気についていけず不登校になった僕が、通い続けられた温かい場所」をお読みください。

不登校から大学受験を目指す際に、予備校・塾を利用した方がよい理由〜キズキ共育塾の講師からのアドバイス〜

この章では、「不登校の人が大学受験を目指す際に、予備校・塾を利用した方がよい理由」について、不登校の人たちのための個別指導塾・キズキ共育塾の講師たちからのアドバイスを紹介します。

実際に不登校から大学受験を目指す人たちに勉強を教えている講師の「生の声」です。きっと参考になると思います。(これまでの内容もキズキ共育塾の知見に基づくものであるため、一部重複する部分もあります。また、講師名は仮名の場合もあります)

また、私たちキズキ共育塾の無料相談では、「実際のあなた」のための、より具体的なアドバイスが可能です。ぜひご相談ください。

福田陽平講師のアドバイス

英語 世界史

大学受験自体の知識を得られる

キズキで授業を担当する中で、生徒さんの大学受験そのものに対する知識不足を感じてきました。

例えば私自身は全日制の進学校に通っていたため、進路に関する全体指導では大学受験の制度やスケジュールについて何度も説明がありました。また模試についても複数の種類が学校で実施され、年に複数回受験してはその結果に基づいて教員から指導を受けていました。

不登校・中退などからの高認経由で受験する生徒さんや、大学受験の指導が手厚くない通信制高校の生徒さんなどは、これらの点で差があると感じました。そのため私の授業では、教科の内容だけでなく、受験の仕組みや志望校の選び方・探し方などを教えることもあります。

一人で大学受験を乗り越えることも、もちろん可能です。ですが、あなたが受験を乗り越えられるよう後押しをしてくれる、予備校や塾を利用することは、合格への更なる近道になるはずです。素敵な校舎や先生に出会えることを願っております。

近藤翔平講師のアドバイス

英語 数学 現代文 古文 漢文 小論文 日本史 世界史 地理 地学

さまざまな情報を引き出せる

予備校(塾)を利用した方がよいのは、勉強法や進路情報など、さまざまな情報を引き出せるからです。

入試制度は毎年のように変更点があり、志望校選びから試験日程の組み方まで、悩む場面が多いです。一緒に調べてくれたり、自分では気づけない点を指摘してくれる存在は大変心強いです。

また、メンタルが不調のときや悩みがあるときの相談先にもなります。一人で抱え込まないためにも、予備校や塾を活用することは受験において必要だと感じます。

岩崎将大講師のアドバイス

数学 物理 化学

情報を共有できることで、不安も解消できる

一人きりで大学受験(勉強)に取り組むのは、孤独でとても不安だと思います。そこで、少しでも気持ちを落ち着かせる方法のひとつが、「情報の共有」です。情報を共有することで不安から解消されることはよくあることです。

例えば、「○○大学は△△の分野をよく出題するよね」「数学は、□□分野が難しくて大変だね」「毎日の勉強大変だよね」など情報(や不安)を共有することで、前向きになっていけます。私も受験生時代に予備校・塾で聞いた意外な内容から勉強がはかどり、前向きになれた記憶があります。

予備校・塾に通うことで、勉強がわかるようになっていくことはもちろんです。それに加えて、「先生や周りの人の話を聞いて、自分もがんばろうという気持ちになれる場所」だと認識すれば、一人きりで不安を抱え込み過ぎることを防げるので、勉強もはかどり明るい気持ちになれます。

西島智裕講師からのアドバイス

周りの人からのサポートを受けられる

予備校や塾を利用することをオススメする理由の一つに、「周りの人からのサポートを受けられること」が挙げられます。

例えば、予備校や塾を利用しないとなると、一人で家で参考書を買ってコツコツ勉強する、YouTubeなどにある解説動画を参考にするなどの勉強法が考えられます。そうした教材は年々進歩していて、よい教材もたくさんあるため、この勉強法で大学受験に成功する可能性は十分あります(実際にこの勉強法で成功した人もいます)。

一方で、勉強を続けていると、一人での解決がなかなか難しい悩みも出てくると思います(例:途中で行き詰まった、成績が思うように伸びない…など)。予備校や塾を適切に利用して(両親以外からの)サポートを受けることで、そうしたの悩みを(すぐに)解決できる可能性が高まります。

カトウアイ講師のアドバイス

不登校の方が大学受験を目指す際に、予備校・塾を利用した方がよい理由は、大きく分けて次の3つがあります。
①生活リズムを一定にできる
②家族以外の人と関われる
③勉強のやり方が合っているのか確認できる

①生活リズムを一定にできる

予備校・塾などに通うと、始まる時間が決められていて、自分の気分には関係なく、予備校・塾の授業が始まります。家に居るとどうしても誘惑が多く、テレビを見たり、ゴロゴロしたりします(私もそうです…)。予備校・塾に通えば、半強制的に勉強しなければいけなくなるので、勉強時間が確保できます。また、授業前後で自習室などあれば、そこを利用することで、集中して勉強することもできます。

②家族以外の人と関われる

不登校中は、家族以外の人と関わる機会が少なくなりがちです。大学に入って急に関わる人の数が増えると、必要以上に疲れを溜める原因になります。予備校・塾で講師などの家族以外の人と関わる機会を少しずつ増やすことで、大学に入ってからの生活がスムーズに送れます。

③勉強のやり方が合っているのか確認できる

一人では、非効率な勉強をしていることがあります。もちろん、全く勉強しないよりは非効率でもした方がよいのですが、よりよい勉強方法、自分に向いた勉強方法があるかもしれません。そんなことを不安に思って、勉強が進まないこともあるでしょう。勉強のプロである予備校や塾に相談して、「よりよい方法」がわかれば、安心して勉強自体に集中できるのではないでしょうか。

川原叶講師のアドバイス

現代文 古文 漢文 日本史 倫理

知識を効率よく得られる

中世イスラームの最大の歴史学者にして哲学者であったイブン・ハルドゥーン(世界史を勉強中の方は名前だけでも聞いたことがあるかも知れません)は、人間の知性を大きく二つに分けました。

一つは対象を理解し分別する「識別知」、そしてもう一つが過去の記憶から習慣を形作る「経験知」です。イブン・ハルドゥーンは、いずれの知性についても重要性を指摘しますが、経験知については次のように述べています。

〈つまり、経験から獲得できる知性は、他でもないない自らの経験に基づいているため、きわめて純度の高いものである。しかし、すべての知性を経験から得るためには、あまりにも膨大な時間が必要になる。そこで、文明社会は教育というものの重要性を再確認するのだ。〉

学習塾に通う利点は、このような意見に集約されていると思います。しかも、塾にいる先生の全員が、自分自身の経験からさまざまな知識を持っているはずです。

教科書やインターネットには書かれていないこうした深い知識を効率よく得られるのが、学習塾に通うメリットだと思います。

M.Y講師のアドバイス

英語 現代文 古文 漢文

ある程度勉強を重ねた後には、主体性も身につく

まず、話をわかりやすくするために、予備校・塾がなくても大丈夫だと思われる人の特徴をいくつか挙げてみたいと思います。

①勉強の仕方がわかっている。例えば、科目に関する多くの情報を理解し覚えるために、わかりやすく体系づけたり、覚えるための方法がある。

②自分で過去問を解き自己採点をしてみて、何が課題なのか、その課題は何をすればクリアできるのかの見通しをつけることができる。加えて、自分のレベルと目的に合った(市販)教材の情報を得て、購入し実際に活用できる。

③ある程度安定して勉強を継続できる。する必要のある課題を一人でこなすことができる。例えば、困難な問題に当たったときでも、それが越えるべき壁なのか、自分の合格には必要ではないある種の「捨て問題」なのかを、自分なりに分析・判断して冷静に対処できる。

以上のようなことができる人であれば、必ずしも予備校は必要ありません。

ただ、こういったことができるには、かなりの主体性が必要です。初めからこれらのことができる生徒さんは少ないです。多くの生徒さんを見てきて思うのは、ある程度勉強を継続した結果、こういったことが徐々に自分でできるようになっていくものだということです。

勉強の仕方がわからなかったり、体調面・メンタル面などに悩みを抱えていて一人での学習の継続に困難があったりするのであれば、目的に応じて塾や予備校を利用してもらえると、新しい見方が開けると思います。

塾や予備校という「ガイド」のようなものがあることで、ある程度のレベルや成果につながりやすくなる生徒さんはいると感じています。ぜひ、個別指導で少しずつ積み上げる経験をしてほしいと思っています。

M.J講師のアドバイス

英語 数学 現代文 小論文 化学 生物

スケジュール管理に利用できる

基本的に、自分のつくるスケジュールを完遂できる人はいないでしょう。人は弱い生き物なので、必要に迫られないと、「そのときの自分の考え」を優先して行動しがちです。

ですから、勉強のスケジュールの管理を、「自分の外(そと)」にも任せられるとよいと思います。

そのために一番利用した方がよいのは、予備校や塾です。これらは決まった時間に授業が行われます。自分と相性のよい塾や予備校を利用することで、勉強そのものも、勉強のスケジュールも、うまく進んでいきます。

I.M講師のアドバイス

英語 現代文 古文 漢文 小論文

勉強以外のサポートも得られる

大学受験を目指すとき、もちろん予備校や塾に行かずに自分で取り組むこともできます。しかしながら、独力で受験に挑むことは大変です。

予備校や塾に通うことで、受験に必要な情報収集や勉強の質と量の管理、不安や悩みの相談やモチベーションの維持などのサポートが得られることが期待できます。

長い受験期間をより効率よく過ごし、自分の希望する進路に近づくためにも、予備校や塾を上手に利用することをオススメします。受験の心強い味方となってくれるでしょう。

O.R講師のアドバイス

英語 現代文 小論文

私は高校卒業後、3年間の引きこもり生活を経験したのち、法政大学に進学しました。その際の経験から、不登校の人にも役立つ「予備校・塾に通うメリット」は大きく分けて3つあると考えています。

①生活リズムを維持できる

1つ目は、「生活リズムを維持できること」です。

私は3年間の引きこもり生活の間、昼夜逆転の生活を送り、家からほぼ出ないようになっていました。

受験にチャレンジすることを決めてからは大手の予備校に通うことにしましたが、その目的のひとつに、決まった時間に授業を受けることで乱れた生活リズムを調整し、維持する狙いがありました。

予備校に通い始めた当初は朝起きるだけでも大変でした。しかし、生活リズムを徐々に朝型に戻すことができ、授業を毎日受ける生活スタイルを確立することができました。

欠席や遅刻をするとモチベーションの維持も難しくなります。そうならないように、生活リズムを維持して継続して予備校に通えたことが、受験勉強を乗り切る上でもとても重要なポイントになっていたと感じます。

②不安や焦りを軽減できる

2つ目のメリットは、「不安や焦りを軽減できること」です。

受験勉強は非常に孤独で、大変なエネルギーを使います。1人で勉強していると、どうしても焦りや不安を感じて、挫折するリスクも高くなります。

私は予備校に通っている間、友達をつくることはなく、チューターさんとも必要最低限の接点しか持っていませんでした。それでも、1人で勉強していた頃よりは安心感があり、落ち着いて勉強に取り組むことができました。

いま振り返ると、予備校に所属しているという安心感が大きかったように思います。

③自分の実力を客観視できる

3つ目のメリットは、「自分の実力を客観視できること」です。

予備校や塾では、小テストや模試によって、自分の実力を把握する機会が用意されています。模試などは合否判定や偏差値も出るため、勉強の指針としてとても役に立ちます。

私の場合、予備校に通い始めてからは、模試で志望校の合格判定をもらっていたことが自信につながりました。

もちろん、結果が出ることで落ち込む場合もあります。自分の実力に自信がない場合は、無理に受けずに信頼できる先生などに現在の自分の実力を判定してもらうのもありです。

いずれにせよ、自分の実力を客観視することができるのは、予備校や塾を受講する大きなメリットです。

私の場合、これらのメリットをうまく活用することで、引きこもりから大学進学を勝ち取ることができました。

まとめ:不登校から予備校に通って大学受験を目指すことは可能です。

不登校から予備校に通って大学受験を目指すことは可能です

不登校から予備校に通って大学受験を目指すときのポイントについて、予備校選びのコツと一緒に紹介してきました。あなたの役に立ちそうな情報はありましたか?

不登校から大学合格に向けて勉強を始める人は、少なからずいます。そうした人のための受験方式も、現在では多数存在します。

一般論としては、大学受験を効率的に進めるためには、予備校や塾を含めて、いろんなサポートがあった方がよいでしょう。

「不登校」についても「大学受験」についても、一人で抱え込まずに、あなたに合った予備校を見つけてみてください。

このコラムが、不登校から大学受験を目指している人の助けになれば幸いです。

私たちキズキ共育塾では、不登校の悩みから次のステップへ進もうとしている人を支援しています。

高校・大学受験、高卒認定試験、学校復帰など、無料相談も随時行っておりますので、不登校や大学受験でお悩みを抱えている人は、ぜひ一度相談にいらしてください。

監修 / キズキ代表 安田祐輔

やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための就労移行支援事業所「キズキビジネスカレッジ」も運営。

【新著紹介】

『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法』
(2022年9月、KADOKAWA)
Amazon
KADOKAWA公式

【略歴】

2011年 キズキ共育塾開塾(2023年7月現在10校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)

【メディア出演(一部)】

2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

共同監修 / 不登校新聞社代表理事 石井志昂

いしい・しこう。
1982年、東京都町田市出身。NPO法人全国不登校新聞社代表。
中学校受験を機に学校生活が合わなくなり、教員や校則、いじめなどを理由に中学2年生から不登校。同年、フリースクール「東京シューレ」へ入会。19歳からNPO法人全国不登校新聞社が発行する『不登校新聞』のスタッフとなり、2006年から2022年まで編集長。これまで、不登校の子どもや若者、識者など400人以上に取材してきた。

【著書など(不登校新聞社名義も含む)】

「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること(ポプラ社)』『フリースクールを考えたら最初に読む本(主婦の友社)』『学校に行きたくない君へ(ポプラ社)』『続 学校に行きたくない君へ(ポプラ社)』

【寄稿など(一部)】

AERAdot」「プレジデントオンライン」「東洋経済オンライン」「FRaU」など多数

サイト運営 / キズキ

「もう一度学び直したい方」の勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする学習塾。多様な生徒さんに対応(不登校・中退・引きこもりの当事者・経験者、通信制高校生・定時制高校生、勉強にブランクがある方、社会人、主婦・主夫、発達特性がある方など)。授業内容は、小学生レベルから難関大学受験レベルまで、希望や学力などに応じて柔軟に設定可能。トップページはこちら。2023年7月現在、全国に10校とオンライン校(全国対応)がある。

/Q&Aよくある質問

大学受験を目指す、不登校の自分」が予備校に通うメリットはなんですか?

一般論として、次の3つがあります。(1)勉強を学べる、(2)相談ができる、(3)同じ境遇の人と出会える。詳細はこちらをご覧ください。

不登校の自分が、予備校を選ぶ際のポイントはありますか?

一般論として、次の4つを確認しましょう。(1)不登校の人を積極的に受け入れているか、(2)希望する大学の受験レベルや受験方法に対応できるか、(3)学力に応じた指導を受けられるか、(4)個別の面談があるか。詳細はこちらをご覧ください。

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