英単語の覚え方 復習の方法を解説

こんにちは。生徒さんの勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする完全個別指導塾・キズキ共育塾の千葉です。
英語の勉強の中でも心がふさぎ込んでしまいやすい分野、英単語の暗記。授業の中である生徒さんから受けた質問をもとに、考えてみました。
このコラムでは、英単語の覚え方について解説します。
私たちキズキ共育塾は、英語の勉強にお悩みの人のための、完全1対1の個別指導塾です。
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目次
一度で単語を覚えられる方法などない

チバさん、英語きついっす。。どうやって英単語を覚えればよいですか?

英単語かー。色々な考え方はあるけど、逆に質問していいかな?
何度も繰り返して英単語を覚える方法を知りたいの?それとも、一度で記憶する方法を知りたいの?

えーっと、できれば一度で記憶する方法です。

やっぱりねー。
他の生徒さんも「英単語の覚え方」について知りたいようなニュアンスで質問をしてくれるんだけど、本当のところは「一度で記憶する方法」を知りたいんだわ。
悪いことではないよ、もちろん。

やっぱり一度で覚えたりするのは無理なんですかね?

それは無理だよ(笑)。
考えてみて。もしみんなが英単語や英文を一度で覚えられるなら、どうなっちゃうかな?
日本人みんな、英語ペラペラじゃん(笑)。

それはないっすね(笑)

でしょ。だから、みんなわざわざ英語を学ぶために塾や予備校や英会話スクールに通ったりするんだ。

じゃあどうすればいいですか?

単純なことだと思うけどね。「一度で覚える方法など無い」というごく当たり前のことが解ったんだったら、何度も繰り返すしかないよー。

やっぱり繰り返しですか…。

そんなに嫌な顔しなくたっていいじゃんか(笑)。
「退屈な作業を繰り返している」とでも思えばいいのさ。
サッカー選手は何度もリフティングの練習をしたり、ボールを自由に扱う練習をしているでしょ。
「サッカーボールは友達」っていう言葉があったくらいだ。

古いですね。。。そのネタ。。。

まぁたとえ話なんだから、結論を聞きなよ。
「ボールと友達になる」みたいな感覚で、何度も単語とじゃれあってみたらいいと思うよ。
何度も声にだす、何度も目にする、そうする中で単語のそのものに奇妙な愛着が湧いてくるのがちょうどいいんじゃないかな。

そうなんですかぁ。。。僕はついつい知らない単語が文に出てくるとイライラしちゃうんですよね。。。。

結局のところ、原因はそこなんだと思うよ。
英語について勘違いをしないでおいたほうがいいと思うのは、英語はあくまでも「外国語」なんだ。
外国語なんだから知らないものがあるのは当たり前。
知らないものがたくさんあることに、ドキドキしながら取り組んでいったほうが気持ちも楽になるよ。
僕だって、今でも毎日単語は勉強しているんだもの。

そっかー。イライラは禁物ってことですね。
例文で単語を覚える

なんだか上手いこと話をすり替えられたような気がするんですが、結局のところ、英単語を覚えるためには繰り返すしかないんですね?

うん、そうだね。

そっかー。。「belong→属する、refer→言及する」みたいに何度も唱えているんだけどやっぱり覚えられなくて。

あぁ、それはよくない暗記法だよ。

え!?よくない暗記法なんてあるんですか?

そりゃあ、あるさ。優れた暗記法なんてものはないけど、悪い暗記法はたくさんあるんじゃないかな。

そうなんですね。。

「よくない」とは言ってしまったけど、受験生のときなんてそんなものだから、気にしすぎないでね。

はい。でも何が「よくない」のですか。それ以外に覚え方を知らないんですけど。

そんなもんだよね。じゃあ一つ問題を出すけど、「judge」ってどういう意味?

「裁く」です。

正解!!いいね!じゃあさ、「a judge」ならどういう意味?

え?「a judge」ですか?そんなのあるんですか?

なかったら問題に出さないよ(笑)。

わからないです。。。

「a judge」は「裁判官」って意味だよ。
「裁く」は動詞で、「裁判官」は名詞だよね。

あぁ、なんだ、そんなことか。言われてみたら解りました。
やっぱり、一つの単語についてたくさん意味を覚えておかなければいけないんですね。
rightだったら、「右・権利・正しい」みたいに。。。

今日は冴えてるじゃん。
でも僕が言いたいことはそんなことだけじゃないよ。
問題は使われるシチュエーションと文の形なんだよ。

なんですか、それ?

judgeっていう単語で考えてみようね。
「裁く」っていう意味でjudgeを使うなら、「Only God can judge man」みたいな時。
つまり「God→judge→man」という言葉の順になっている時だ。
これは、わざわざ言われなくても気づくよね。
じゃあ、「裁判官」という意味のときはどういう形になっているかというと、「a wise judge」みたいなときだ。「a→wise→judge」という語順になっている。

そんなことは解りますよー。

まぁ、面倒くさがらずに聞いておくれ。
大切なことはね、一つの言葉の意味を前後の単語が決めているっていうことなんだ。
「judge」という単語はこれ自体では何の意味も持っていないし、僕だって「裁判官」なのか「裁く」なのか、決めることはできないよ。
この言葉の前後に「a wise」という単語が見えるから、この時の「judge」は動詞の「裁く」ではなくて、名詞の「裁判官」だと解るワケだ。

何だか難しい話になってきましたね。。。
そんなことと単語の覚え方に関係はあるんですか?

僕が言いたいのは、「言葉のかたまり」で単語を覚えてほしいってこと。
「judge」であれば「裁く、判断する、裁判官」と覚えるのではなく、「a wise judge.Only God can judge man」みたいに言葉をまとまりで覚えてほしいってこと。
さっきも言ったけど、「judge」って言葉が単体で意味を持ってるんじゃない。
周りの単語が「judge」の意味を決めてるんだからね。

理屈はそうかもしれないですけど、そんなことしたら大変じゃないですか?
英単語を覚えるだけで大変だし、英語には文法問題も長文もあって受験生には時間が足りないんですよ(笑)

笑いながら言うなよ(笑)。
じゃあ、解りやすいようにちょっと単語を変えてみよう。
「occur」はどういう意味だい?

なんだっけー、えーと、前に見たことがあるんですけど。。。

解らないんだね(笑)

はい(笑)

じゃあ、ちょっとヒント。
Pくんが「前に見たことがある」っていうのはこんな英文じゃないかな。
- The accident occured in the middle of the night.(真夜中に事故が起こった)
- A good idea occured to her.(彼女の脳裏にふとアイデアが浮かんだ)
- It never occured to him that she was lying.(彼には、彼女が嘘をついているという考えは浮かばなかった)

あ、そうです。思い出しました。
occurは「起こる、浮かぶ」ですよね。
それにしても、どうして僕が前に見たことがある英文が解ったんですか?

パターンが決まってるからね。
「occur」という動詞は、確かに日本語で意味を言うなら「起こる、浮かぶ」だよ。
でも「地震が起こる」の「起こる」の意味で使えても、「海の上に船が浮かぶ」の「浮かぶ」という意味では使えないんだ。
逆に言うとoccurは1.〜3.のパターンで使うことがほとんどなんだ。

へー。だから、僕が「前に見たことがある」って言った英文が解ったんですね。

そうだね。大切なのはここからだよ。
繰り返しになるけど、occurは1.〜3.のパターンで使うことがほとんどなんだ。
ということは、Pくんがやっているみたいに「occur→起こる・浮かぶ、belong→属する」方式の覚え方はかえって効率が悪いよ。
1.〜3.の例文を覚えてしまうんだ。そうすれば意味が覚えられるだけじゃなくて、長文だってスムーズに読むことができるし、A good idea occured ( ) herみたいな文法問題だって、すぐに「to」と答えられるでしょ。
覚えてるんだから。
いちいち文法問題で頭を抱えるよりもよっぽど効率的に勉強できるよ。

あぁそっか。じゃあ、どうやってこんなパターンを勉強すれば良いんですか?

良いことを聞くじゃん!急にやる気になってきたね。
手元にある単語帳でも辞書でもいい、ためしにoccurを調べてみてよ。

「occur」ですよね。あ、ありました。

じゃあ、日本語で書いてある「意味」のところじゃなくて、英語で書いてある例文を見てみて。

あ、さっきチバさんが板書してくれたのとほとんど同じ例文が載ってます!

そうでしょ。しかも太字で書いてあるよね。
ほとんどの辞書では言葉のよく使われるパターンが、きちんと例文として書いてあるよ。
だからPくんはこの例文をしっかり覚えるのがいいと思う。

そっか。そうすれば、単語を覚えるだけじゃなくて、長文や文法の対策にもなりますもんね。
復習のやりかた

単語の覚え方にもいろんなコツがあるんですねー。
例文を覚えるって言うやり方は良くわかった気がするんですけど、じゃあ復習はどうすれば良いですか?
単語って覚えてもすぐ忘れてしまうじゃないですか。

そうだよねー。それに悩んでいるのはPくんだけじゃない。僕だってそうだもの。

チバさんもですかー。

僕もPくんもその点では差がないよ。
一つだけ違うのは忘れたときの復習の仕方じゃないかな。

復習の仕方ですか?

そうそう。忘れちゃうのは仕方がないんだよ。
でも大切なことはその度にやり直して、立ち上がることだ。

キズキっぽいっすね(笑)

だから、笑うなって(笑)大事なことなんだから(笑)でも本当に大事だよ。
忘れるのは仕方ないんだから、そのたびにちゃんと覚えなおすことだよ。
「occur」の意味は何だった?

あー、忘れました。。。

でしょ。そんなもんだよ。忘れるのは仕方ないんだ。
じゃあ「occur」という言葉の意味を単純に思い出そうとするんじゃなくて、その周りにあった単語を思い出してごらん。

えっと、、、toとかideaとかが周りにあった気が。。。
そっか「A good idea occured to her」でしたね。
occur自体は「起こる、浮かぶ」です。

素晴らしい!正解。しっかり意味を思い出せたでしょ。

ほんとですね。

いまPくんが単語の意味を思い出せたのは、「occur」というたった一つのヒントから日本語の意味を思い出そうとしたんじゃなくて、「idea,to,her」といった単語、そして「A good idea occured to her」という例文全体がぼんやりと頭に浮かんだから、意味が分かったんだ。

よく人様の頭の中がお分かりになる、講師ですこと。

Pくんはすぐ茶化すけど、これはすごく大事なことだよ。
こうやって例文全体から単語を思い浮かべる作業をしていくと、絶対に単語を忘れなくなるんだ。
「idea,occur,her」→「考え、○○、彼女に」という風に意味を類推することができるからね。

そういうことなんですね。

だから、単語の復習をするときは、「occur→起こる、浮かぶ」式に単純に意味を思い浮かべようとするんじゃなくて、「The accident→occured→in the middle of the night」、「an idea→occur→her」みたいに周りの単語を思い出してみてくれ。

なかなか難しそうだけど。。。確かにこのやり方だと文法にも強くなりそうですね。

まぁ、そこまで欲張ってはいけないけどね。
でもこの勉強法をしていると、英語を「話す」とか「書く」という時には役に立つと思うよ。
とはいえ、初めにも話し合った通りで、一回で単語の意味を記憶しようなんて言うのは最初から無理なんだ。
そんな大それたことを考えずに、地道に例文を思い出して頭の中で単語とじゃれあってみてね。
まとめ〜無理せず取り組みましょう〜

へぇぇー。ていうか、チバさん、しゃべりすぎじゃないですか?疲れません?

うん、疲れた。あ、もういい時間だね、じゃあ授業を終わろうか(笑)

そうですね、今日もありがとうございました(笑)無理せず取り組んでいきます