通信制高校はやめとけって本当?現実やメリット、選ぶポイントを解説
こんにちは。生徒さんの勉強とメンタルをサポートする完全個別指導塾・キズキ共育塾です。
通信制高校について、以下のような疑問や不安を抱えている人は少なくありません。
- 「通信制高校はやめとけ」って言われているけど、実際どう?
- 通信制高校のメリットは?
このコラムでは、「通信制高校はやめとけ」と言われる理由と現実や対策、メリットや選ぶポイント、卒業した後の進路や相談先について解説します。
後半では、通信制高校から大学へ合格した体験談も紹介します。
通信制高校への入学や転入を今まさに考えている人はもちろん、今後のために知っておきたい人もぜひ最後までご覧ください。
私たちキズキ共育塾は、通信制高校生や通信制高校を検討している人のための、完全1対1の個別指導塾です。
10,000人以上の卒業生を支えてきた独自の「キズキ式」学習サポートで、基礎の学び直しから受験対策、資格取得まで、あなたの「学びたい」を現実に変え、自信と次のステップへと導きます。下記のボタンから、お気軽にご連絡ください。
目次
通信制高校はやめとけと言われる理由と現実
この章では、通信制高校はやめとけと言われる理由と現実を解説します。理由には、偏見(事実ではないこと)もあります。対策は次章で紹介するので、そちらもぜひご覧ください。
理由①大学進学・就職に不利だと思われている
1つ目は、大学進学・就職に不利だと思われているということです。
まず、事実として、大学進学率と就職率は、高校のタイプ別に次のように異なります。
大学進学率
- 全日制高校・定時制高校:約61.9%
- 通信制高校:約26.5%
就職率
- 全日制高校・定時制高校:約14.0%
- 通信制高校:約14.6%
(参考:「学校基本調査 / 令和6年度 初等中等教育機関・専修学校・各種学校 卒業後の状況調査 卒業後の状況調査票(高等学校 全日制・定時制)」、「学校基本調査 / 令和6年度 初等中等教育機関・専修学校・各種学校 卒業後の状況調査 卒業後の状況調査票(高等学校 通信制)」)
大学進学率は、明確に差があります。ただし、これだけでは、「通信制高校だから不利」とは断言できません。全日制高校と通信制高校では、そもそも大学進学を目指している人に差があるとも考えられるからです。
一方で、就職率にはさほど差がありません。そのため、就職に不利というのは勝手なイメージだと思ってよいでしょう。
さらにこの就職率は、「高校卒業後、すぐの就職」の話です。高校卒業後に大学・短大・専門学校などを卒業すれば、「高校が通信制だったかどうか」はますます関係がなくなります。
理由②卒業には自己管理が必須である
2つ目は、卒業には自己管理が必須だということです。高校のタイプ別の中退率は以下のとおりです。
中退率
- 全日制高校:約1.0%
- 定時制高校:約7.4%
- 通信制高校:約3.5%
(参考:「令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」)
全日制高校と比べると、通信制高校の方が中退率は高くなっています。これは、通信制高校の特徴であるスクーリング日数の少なさと、それに伴うサポートの少なさが影響していると考えられます。
学校へ行くことが困難な人にとっては、スクーリング日数が少ないことはメリットです。しかし、学校へ行く機会が少ない分、生活リズムや勉強計画を自己管理する必要があります。
学校側からのサポートもありますが、ある程度の自己管理ができないと高校生活を維持できずに中退につながります。
理由③学費が高いと思われている
3つ目は、学費が高いと思われていることです。
公立の場合、全日制・定時制・通信制の違いによる学費の大きな差はありません。
一方で、私立の通信制高校は学校によって学費が大きく異なります。
高額な学費が必要な私立通信制高校があることは事実です。そのイメージが強いため、「通信制高校はどこも学費が高い」と思われているのかもしれません。
なお、2026年度から、いわゆる「高校無償化制度」が大きく変わります。私立の通信制高校への支援金額が大きく上がるため、学費の懸念点は薄れていくと考えられます。
理由④友だちができにくいと思われている
4つ目は、友だちができにくいと思われていることです。
通信制高校は、登校する必要のある日(スクーリング日)が少ないです。
そのため、全日制高校と比べると友だちと交流する機会が少なく、学校行事やクラスの一体感を味わいにくいことがあるのは確かです。
理由⑤世間に、通信制高校への偏見がある
5つ目は、世間に通信制高校への偏見があるということです。
キズキ共育塾の体感としては、通信制高校にマイナスなイメージを抱く人は少なくなってきているように見受けられます。
しかし、現実として、いまだに通信制高校に偏見を持っている人はいるのです。
理由⑥ハイレベルな授業・部活がないと思われている
6つ目は、ハイレベルな授業・部活がないと思われていることです。
これは、通信制高校は大学を目指している人は行かない、部活を頑張りたい人は行かないという勝手なイメージから来ていると思われます。
実際には、通信制高校では、大学進学を目指すコースを設けていたり、全国大会に出場するくらい部活に力を入れていたりするところがあります。
もちろん、勉強や部活への力の入れ具合は学校によって異なりますが、「通信制高校にはハイレベルな授業・部活が全くない」というのは間違いだといえます。
通信制高校はやめとけと言われる理由への対策
この章では、通信制高校はやめとけと言われる理由への対策について解説します。
対策①大学進学・キャリア指導が手厚い学校を選ぶ
1つ目は、大学進学・キャリア指導が手厚い学校を選ぶことです。
大学進学・就職に向けて、学校によるサポートを受けたいと考えているならば、大学進学・キャリア指導への力の入れ具合を見ておきましょう。
大学受験の対策をしっかり実施してくれたり、就職に向けた面接練習やエントリーシート添削を実施してくれたりすると安心です。
対策②学習サポートが手厚い学校を選ぶ
2つ目は、学習サポートが手厚い学校を選ぶことです。
自己管理に不安を感じている場合は、学校側が学習管理をサポートしてくれると心強いです。スクーリングの日以外も、学習進捗を確認してくれるようなところがよいでしょう。
また、サポート校を利用するのもオススメです。サポート校は通信制高校に特化した学習塾のようなところで、学習支援やサポート校独自の教育を受けられます。
サポート校については、以下の記事で詳しく解説しています。こちらもぜひご覧ください。
対策③塾・家庭教師・就職サポート団体などを利用する
3つ目は、塾・家庭教師・就職サポート団体などを利用することです。
全日制高校生でも、よほどの進学校でなければ、学校の授業とは別に大学受験用の勉強は塾や家庭教師を利用しています。
そして、通信制高校生は自由な時間が多い分、きちんとした対策ができれば全日制高校生より有利になる場合もあります。
特に通信制高校生の勉強や生活に詳しい塾や家庭教師であれば、いっそう効率的です(私たちキズキ共育塾もそのひとつです)。
就職の場合も、自治体や民間企業が行う「高校生向けの就職サポート」を利用できます。
対策④学費が安い学校を選ぶ・就学支援金を利用する
4つ目は、学費が安い学校を選ぶ・就学支援金を利用することです。
学費が気になる場合は、もともと学費が安い通信制高校を選ぶことで学費を抑えられます。
また、就学支援金を利用すれば、経済的負担を軽減できます。受給資格や手続きなどは、事前にご確認ください。(参考:文部科学省「高等学校等就学支援金制度)
対策⑤友だちと交流しやすい学校を選ぶ
5つ目は、友だちと交流しやすい学校を選ぶことです。
通信制高校での交流を重視したい場合は、イベントが多かったり、部活動・サークルが盛んだったりする学校を選ぶと、友だちと交流しやすいでしょう。
また、通信制高校にも、週5日スクーリングするコースを設けているところもあります。友だちとの交流の機会を増やすなら、スクーリングの頻度を上げるのも一つの手です。
対策⑥学校内外の生活を充実させる
6つ目は、生活を充実させることです。
世間の偏見が気になる場合は、それを気にしなくなるくらい、生活を充実させてみましょう。勉強に打ち込んでもよいですし、友だちとの交流を充実させてもよいでしょう。高校生であれば、アルバイトもできます。
生活が充実していけば、周りの目は徐々に気にならなくなっていきます。何より、自分が通信制高校を選んだことを後悔しないように、自信をもって過ごすことが大事です。
対策⑦授業・部活に力を入れている学校を選ぶ
7つ目は、授業・部活に力を入れている学校を選ぶことです。
大学進学や部活での活躍を思い描いている場合は、同じく熱量を持っている学校を選ぶのがオススメです。
学校のウェブサイトやパンフレットで確認するのはもちろん、学校見学にも足を運びましょう。現場でしか分からない雰囲気を感じ取れます。
学校生活の中心にしたいものは妥協せず、後悔しないように選択しましょう。
通信制高校のメリット
通信制高校の主なメリットは、以下の5つです。
- 自分に合った高校を選びやすい
- 自分に合ったペースで学校に通える
- 自由な時間が多い
- 入学や転入・編入がしやすい
- 同級生との人付き合いが少ない
通信制高校は、学校ごとに特色がある上に、住んでいる地域が関係ないので、自分に合った高校を選びやすいのがメリットです。スクーリングの日数も学校やコースによって異なるため、自分に合う学校を選択してみてください。
また、全日制高校と比べ、自由な時間が多いのもメリットです。アルバイトや将来に向けての勉強など、自分の好きなことに時間を使えます。
通信制高校は、入学や転入・編入がしやすい点も魅力です。もう一度高校生活をやり直したい人にもオススメです。
コミュニケーションが苦手な場合は、人付き合いが少ないことも利点といえます。
通信制高校のメリットと注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。こちらもぜひご覧ください。
通信制高校を選ぶポイント
通信制高校を選ぶ主なポイントは、以下の6つです。
- サポートの手厚さ
- 登校頻度
- 自宅からの距離
- 取得できる資格やコース内容
- 入学時期や転入・編入のしやすさ
- 学費
サポートの手厚さや登校頻度、自宅からの距離は、自分の希望と合う学校を選択しましょう。
専門科目を学びたい場合は、取得できる資格まで見ておくと将来に活かせるかもしれません。
また、タイミングの問題もあります。入学時期や転入・編入のしやすさもチェックしておきましょう。
学費は親御さんとよく話し合いましょう。
通信制高校を選ぶポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。こちらもぜひご覧ください。
通信制高校を卒業した後の進路
通信制高校を卒業した後の主な進路は、以下の5つです。
- 大学・短大への進学
- 専門学校への進学
- 就職
- 職業訓練を受ける
- 未定
大学進学や専門学校への進学を目指している場合は、学校のサポート、サポート校、塾・家庭教師などを利用するとよいでしょう。
就職の場合は、学校のサポートや就職サポート団体を利用することで、面接やエントリーシート対策を受けられます。
プログラミングや介護など、専門的な知識が必要な場合は、職業訓練校で学ぶのも一つの方法です。職業訓練校は、ハローワークや自治体が運営しており、無料または低額で受講できます。
また、卒業後の進路は、必ず決めておかなければならないものではありません。焦らずに自分に合った道を模索することも大切です。アルバイトやボランティアなどで社会と関わりながら、ゆっくり考えてみましょう。
通信制高校への通学についての相談先
通信制高校への通学についての主な相談先は、以下の通りです(親御さんに向けた内容もあります)。
- 学校の先生
- スクールカウンセラー
- 各通信制高校
- 日常の勉強や受験勉強を補強する塾やサポート校
- 地域の教育相談センター
- 自治体の子育て相談窓口
- 不登校の相談に対応しているNPO、不登校などの方を対象とした塾など
- 親御さん同士の情報交換の場
学校に信頼できる先生がいる場合は、まず相談してみるとよいでしょう。スクールカウンセラーも話を聞いてくれます。
各通信制高校の学校見学へ行き、直接話を聞くのもオススメです。私たちキズキ共育塾のような学習塾やサポート校、地域の教育相談センターなども相談先になります。
親御さんの場合は、自治体の子育て相談窓口や不登校の相談に対応しているNPO、不登校などの方を対象とした塾などに相談してみてください。
また、親御さん同士の情報交換の場があれば、そこで話してみるのもよいでしょう。リアルな意見を聞けるかもしれません。
通信制高校から大学へ合格した体験談
Aさんには起立性調節障害があり、全日制高校から通信制高校に転校して卒業していました。
起立性調節障害が完治していない状態で大学受験を目指していたため、勉強の進め方や大学選びで悩んでいました。
そんな中、ペースに合わせた勉強や先生との相性を考慮し、キズキ共育塾に通うことを決めました。
無理のないペースで勉強を続け、推薦入試に向けた小論文対策にも取り組んだ結果、Aさんは無事に合格。通信制高校を経て、大学への進学を果たしました。
Aさんの体験談については、以下の記事で詳しく紹介しています。こちらもぜひご覧ください。
まとめ:通信制高校にはさまざまな選択肢があります
「通信制高校はやめとけ」と言われる理由には、さまざまなものがあります。ただし、それらの多くは的外れであったり対策可能だったりします。
一口に通信制高校といっても、その特徴はさまざまです。家族や学校の先生、専門家にも相談しながら情報を集め、実際に学校を見学することで、自分に合う通信制高校がきっと見つかるはずです。








