通信制高校=人生終わりではありません 誤解を解く事実を解説

こんにちは。生徒さんの勉強とメンタルをサポートする完全個別指導塾・キズキ共育塾です。

このコラムを読んでいるあなたは、以下のような悩みを抱えていませんか?

  • 通信制高校に通っても就職や進学ができるのか不安
  • 通信制高校の学習についていけるか不安
  • 通信制高校だと周囲からバカにされるのではないか

このコラムでは、通信制高校が「人生終わり」と言われる理由や、そうではないと言える事実について解説します。

また、通信制高校を卒業した後の進路や、通う際に意識しておきたいポイントについても解説します。

このコラムが、通信制高校に通うべきか迷っているあなたの助けになれば幸いです。

私たちキズキ共育塾は、通信制高校進学後の進路などに悩む人のための、完全1対1の個別指導塾です。

生徒さんひとりひとりに合わせた学習面・生活面・メンタル面のサポートを行なっています。進路/勉強/受験/生活などについての無料相談もできますので、お気軽にご連絡ください。

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通信制高校とは?

通信制高校とは、通信教育で学習する高等学校課程のことです。基本的に毎日通学する必要がないため、場所を選ばずに勉強できる点が特徴です。(参考:文部科学省「高等学校通信教育の質の確保・向上」

学校から送られてくる教科書や動画などの教材を利用して、自宅で学習します。成績は、レポートの提出やテストの点数で決まります。卒業の要件を満たせば、高校卒業資格が得られ、最終学歴は高校卒業(高卒)になります。

学習以外の時間を確保したい人や、自分のペースで学習したい人にオススメです。

通信制高校は、2023年時点で、全国に289校あります。うち、公立定時制高校が78校、私立定時制高校が211校です。(参考:文部科学省「学校基本調査-令和5年度 結果の概要-」

通信制高校の生徒数は、2022年時点で、26万4974人います。うち、公立通信制高校に5万7437人、私立通信制高校に20万7537人が在籍しています。(参考:文部科学省「学校基本調査-令和5年度 結果の概要-」

通信制高校が「人生終わり」と言われる理由

そもそも、なぜ通信制高校に通うと「人生終わり」と言われるのでしょうか?

理由①全日制高校が「普通」という思い込みがある

全国の高校数は全日制高校が4774校であるのに対して通信制高校は303校。(2024年現在)、

全日制高校の方が圧倒的に数が多いため、「高校」と聞くと一般的に全日制を思い浮かべる人が多いのです。<span class=”u-ft12″>(参考:文部科学省「令和6年度 学校基本調査」

そのため、通信制高校に通うことが普通ではないと考え、「人生終わり」と感じることにつながるのでしょう。

しかし、教育の多様化が進む現代では、通信制高校も一つの選択肢として確立されています。学びのスタイルが異なるだけで、卒業すれば同じ高卒資格を得ることができます。

ただ、学校数の少なさも影響して、この事実が広く周知されているわけではないため、なかなか偏見の払拭が難しくなっているのが現状です。

全日制と通信制の違いについては、以下のコラムでも解説しています。より詳しく違いを知りたい人は併せて参考にしてみてください。

理由②進学や就職が不利と思われている

通信制高校は全日制高校と比べて学習時間が少ないため、学力が不十分になりやすいと考えられがちです。そのため、大学進学や就職に不利だと思われることがあります。

しかし、実際には通信制高校でも目標を立ててしっかり学習すれば、十分な学力を身につけて就職や進学をすることも十分に可能です。

通信制高校から大学に行きたいと考えている人は、以下のコラムで進学率や効率の良い勉強方法について解説しています。ぜひ参考にしてください。

また、就職を考えている人は、就職率や就職を有利に進める方法について解説した以下のコラムを参考にしてください。

理由③周囲からの偏見がある

通信制高校は問題のある生徒が行く場所という偏見を周囲から持たれることがあります。

しかし、実際にはスポーツや芸能活動と両立するために選ぶ人もいれば、自分のペースで学びたい人など、さまざまな事情で通信制高校を選ぶ人がいます。

こうした誤解や偏見が「人生終わり」というイメージを作っているのです。

通信制高校が「人生終わり」ではないと言える7つの事実

通信制高校に偏見を持っている人は一定数いますが、実際に入学したからといって人生が終わりになるわけではありません。

この章では、通信制高校が「人生終わり」ではないと言える事実について解説します。

事実①多様な進路に進んでいる人はたくさんいる

通信制高校を卒業した人の進路はさまざまです。大学や専門学校に進学する人、就職する人、起業する人など、多くの選択肢があります。

全日制高校を卒業した人と比べても、進路の幅に大きな差はありません。大切なのは、どの高校を卒業したかではなく、その後の行動や努力です。

通信制高校から大学を目指す人は、以下のコラムで受験勉強のコツや大学進学した人の体験談について紹介しているのでぜひ確認してみてください。

また、以下のコラムでは卒業後の就職について解説しています。こちらも参考に自分の進路について考えましょう。

事実②通信制高校特有のメリットがある

通信制高校には、通信制高校ならではのさまざまなメリットがあります。

  • 自分に合った高校を選びやすい
  • 自分に合ったペースで学校に通える
  • 自由な時間が多い
  • 入学や転入・編入がしやすい
  • 同級生との人付き合いが少ない

以下のコラムでは通信制高校のメリットについてより詳しく解説しています。メリットをもっとよく知りたい人はぜひ併せてご覧ください。

事実③大学や専門学校にも進学できる

通信制高校からでも、大学や専門学校に進学することは十分可能です。

実際に、多くの通信制高校には進学サポートが充実しており、指定校推薦やAO入試を活用して大学進学を果たす生徒もいます。

努力次第では難関大学への進学も可能であり、通信制だから進学できないというのは誤解です。

指定校推薦も視野に入れつつ大学進学を目指したい人は、指定校推薦の実績がある通信制高校を選ぶと良いでしょう。

事実④有名企業などにも就職できる

通信制高校を卒業しても、有名企業などに就職することは可能です。就職において重要なのは、学歴ではなくスキルや経験、人間性、企業とのマッチ度です。

最近では学歴を重視しない企業なども増えており、通信制高校を卒業後に専門的なスキルを身につけることで、高収入の仕事に就く人も多くなっています。

また、企業に限らず公務員試験を受験し、公務員になることも可能です。公務員試験は高卒者を対象としたものもあり、合格すれば学歴は関係ありません。

実際に、一部の通信制高校では公務員試験の受験を積極的にサポートしており、進路指導も充実しています。

事実⑤通信制高校出身の成功者もたくさんいる

通信制高校出身者の中には、以下のように有名な芸能人、プロスポーツ選手、起業して成功した人など、多くの成功者がいます。

  • 市原隼人(俳優)
  • 竹内智香(スノーボードアルペン選手)
  • 月本千景(マンガ家)
  • 大坪由佳(声優)
  • 上野愛咲美(プロ棋士)
  • 紀平梨花(フィギュアスケート選手)
  • 半田陸(プロサッカー選手)
  • 田村芽実(女優・歌手)

彼らは通信制高校の自由な時間を活かし、自分の夢に向かって努力してきました。

通信制高校に通うことが人生の成功・失敗を決めるわけではなく、本人の努力次第で成功への道は多様にあります。

事実⑥いじめや不登校から再スタートできる

全日制高校でいじめを受けたり、不登校になったりした人にとって、通信制高校は新たなスタートの場になります。

通信制高校は無理に学校に通う必要がないため、精神的な負担を減らしながら学習を進めることが可能です。

また、同じような経験をした人もいるかもしれません。よき理解者となってくれる友達ができることもあるでしょう。

事実⑦高校の種類が人生の成功・失敗を決めない

人生の成功・失敗を決めるのは、どの高校を卒業したかではなく、その後の努力や行動です。

通信制高校を卒業して成功する人もいれば、全日制高校を卒業しても苦労する人もいます。大切なのは、自分がどう生きたいのかを考え、それに向かって行動することです。

通信制高校を卒業した後の進路

通信制高校に通う場合、卒業後の進路について漠然とした不安を感じている人もいるでしょう。

この章では、通信制高校を卒業した後の進路について解説します。

進路①大学への進学

大学進学を目指す場合、通信制高校での学習の積み重ねが重要になります。

一般入試のために受験勉強をするのはもちろんのこと、推薦入試やAO入試を活用することで、一般入試よりも有利に進学できる可能性があります。

通信制高校の卒業後の進路は、以下のとおりです。(参考:文部科学省「令和6年度 学校基本調査」

通信制高校

  • 大学など:約26.4%
  • 専門学校:約24.4%
  • 公共職業能力開発施設など:約0.8%
  • 就職:約18.4%
  • その他:約28.1%

全日制・定時制高校

  • 大学など:約61.8%
  • 専門学校:約18.8%
  • 公共職業能力開発施設など:約0.4%
  • 就職:約13.9%
  • その他:約4.4%

全日制高校と比べると通信制高校を卒業した人の中で、大学進学を選ぶ人は少ないことがわかりますが、それでも3割近い人が大学に進学しています。

進路②専門学校への進学

通信制高校から専門学校への進学率は約24.4%です。全日制高校の進学率約18.8%に比べると高い傾向です。

専門学校は実践的なスキルを身につける場として魅力的です。例えば美容、医療、福祉、保育、情報処理など、さまざまな分野の学校があります。

自分の興味に合った分野を学ぶことができるでしょう。

進路③職業訓練を受ける

職業訓練を受けることで、即戦力として働けるスキルを身につけることができます。

職業訓練を受けられる職業訓練校は、ハローワークや自治体が運営しており、無料または低額で受講することが可能です。また、条件を満たせば給付金を受給しながらの受講もできます。

職業訓練校には、IT・プログラミング、介護・福祉、クリエイティブなどさまざまな分野の学校があります。

特に手に職をつけたい人にはおすすめの選択肢です。

進路④就職

通信制高校を卒業して就職する方法は、全日制高校と同じです。まずは自己分析を深めて、希望したい職種や企業を明確にしましょう。

続いて、アルバイトやインターンシップをして社会経験を積み、社会人としての基本的なルールやマナーを学びましょう。

また、高校から就職サポートを受けて、書類選考や面接対策を徹底するのが内定を獲得するためのポイントです。

通信制高校からの就職を有利に進める方法は、以下のコラムで具体的に解説しています。ぜひ参考にして就職を成功させてください。

補足:進路が未定

進路が決まっていない場合は、焦らず自分に合った道を模索することが大切です。

無理をして就職や進学をしても、それが自分のやりたいことでなかった場合、後悔につながるリスクがあります。

まずはアルバイトやボランティアを通じて社会と関わりながら、自分のやりたいことを見つけるのも一つの方法です。

あなたのペースであなたにあった進路を見つけてみてください。

通信制高校に通う際に意識しておきたい4つのポイント

通信制高校は、全日制高校と比較すると過ごし方に若干の違いがあります。

この章では、通信制高校に通う際に意識しておきたいポイントについて解説します。

ポイント①明確な目標を設定する

通信制高校は自由度が高い分、自分で学習計画を立てることが重要です。

そのため、卒業後に何をしたいのか、どんな進路を目指すのかといった目標を明確にすることが成功のカギとなります。

例えば、大学進学を目指すなら、目標の大学に合格するための学習スケジュールを立てなければなりません。専門学校の場合も入試があるため、行きたい学校が明確なら、学校に合わせた対策が必要です。

目標が明確であれば、モチベーションを維持しやすく、日々の勉強にも意欲的に取り組めるようになるはずです。

進路が明確でなくても、目の前の成績を上げることやカリキュラムをクリアすることなど、短期的な目標を明確にするのも有効です。

担当の先生と相談しながら、将来の進路を見据えた目標を立てましょう。

ポイント②生活習慣を整える

通信制高校は通学日数が少なく、オンライン学習が中心となるため、生活リズムを整えることが大切です。

生活習慣が乱れると学習習慣が崩れ、成績の低下や提出物の遅れにつながります。さらに、結果として単位を落とし、卒業が難しくなるケースもあります。

また、昼夜逆転や不規則な生活が続くと、睡眠不足による免疫力の低下で体調を崩しやすくなります。

さらに、不規則な生活は幸せホルモンとも呼ばれ、精神を安定させるセロトニンの減少につながり、うつ症状につながるリスクもあります。(参考:文部科学省「光資源を活用し、創造する科学技術の振興-持続可能な「光の世紀」に向けて-」

リスクを避けるためには、起床・学習・休憩・就寝の時間を決め、毎日一定のリズムで過ごすことを意識しましょう。

また、適度な運動や栄養バランスの取れた食事も、集中力を維持するために欠かせません。

ポイント③学習サポートを活用する

通信制高校では、オンライン授業やレポート提出が中心ですが、学習サポートを積極的に活用することで理解を深めることができます。

学校が提供する学習支援ツールなどを上手に活用し、分からないことをそのままにしないようにしましょう。

また、進学や就職を目指す場合は、キャリア相談や受験対策講座を利用するのもおすすめです。一人で学習するのが不安な場合は、学習塾や家庭教師を活用するのも有効な手段です。

学習塾の講師や家庭教師は、勉強を教えるプロです。目標とするゴールを見据えたカリキュラムでサポートをしてくれるので、効率よく最短で進学や就職を目指せます。

また、通信高校のカリキュラムに沿ったサポートを希望する場合は、サポート校の利用もおすすめです。

サポート校の概要や利用方法については、以下のコラムで詳しく解説しています。ぜひ参考にして学習に役立ててください。

ポイント④自分の興味を大切にする

通信制高校では自由な時間が多いため、自分の興味を追求することができます。

例えば、プログラミング、デザイン、語学、音楽など、好きなことを学ぶ時間を確保することで、将来の進路につながる可能性も広がります。

特に、資格取得やスキル習得に力を入れると、進学や就職において大きな武器になります。

自分が本当に興味を持てることを見つけ、それを伸ばす努力をしましょう。

まとめ〜通信制高校は人生終わりではない! 過ごし方や進路選択が重要です〜

通信制高校に通うことは、決して「人生終わり」ではありません。むしろ、自分のペースで学びながら将来の可能性を広げることができる選択肢です。

通信制高校に通う上で重要なのは、どのように過ごし、どんな進路を選ぶかです。

自由な生活でさまざまなことを経験し、自分のやりたいことを見つけて目標を立て、それに向かって努力を重ねましょう。

このコラムが、通信制高校に行く決断の後押しになれば幸いです。

Q&A よくある質問

なぜ通信制高校が「人生終わり」と言われるのでしょうか?

以下が考えられます。

  • 全日制高校が「普通」という思い込みがある
  • 進学や就職が不利と思われている
  • 周囲からの偏見がある

詳細については、こちらで解説しています。

通信制高校に通う際に意識しておきたいポイントを教えてください。

以下が考えられます。

  • 明確な目標を設定する
  • 生活習慣を整える
  • 学習サポートを活用する
  • 自分の興味を大切にする

詳細については、こちらで解説しています。

監修 / キズキ代表 安田祐輔

やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための就労移行支援事業所「キズキビジネスカレッジ」も運営。

【新著紹介】

『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法』
(2022年9月、KADOKAWA)
Amazon
KADOKAWA公式

【略歴】

2011年 キズキ共育塾開塾(2023年7月現在10校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)

【メディア出演(一部)】

2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

共同監修 / キズキ相談担当 半村進

はんむら・すすむ。1982年、茨城県生まれ。東京大学文学部卒。
小学校時代から転校を繰り返し、運動ができないこと、アトピー性皮膚炎、独特の体形などから、いじめの対象になったり、学校に行きづらくなっていたことも。大学に入学してようやく安心できるかと思ったが、病気やメンタルの不調もあり、5年半ほど引きこもり生活を送る。30歳で「初めてのアルバイト」としてキズキ共育塾の講師となり、英語・世界史・国語などを担当。現在はキズキの社員として、不登校・引きこもり・中退・発達障害・社会人などの学び直し・進路・生活改善などについて、総計1,000名以上からの相談を実施。

【執筆記事・インタビューなど(一部)】

日本経済新聞 / 朝日新聞EduA / テレビ東京 / 不登校新聞 / 通信制高校ナビ

サイト運営 / キズキ

「もう一度学び直したい方」の勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする学習塾。多様な生徒さんに対応(不登校・中退・引きこもりの当事者・経験者、通信制高校生・定時制高校生、勉強にブランクがある方、社会人、主婦・主夫、発達特性がある方など)。授業内容は、小学生レベルから難関大学受験レベルまで、希望や学力などに応じて柔軟に設定可能。トップページはこちら。2024年10月現在、全国に11校とオンライン校(全国対応)がある。

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