自己否定とは? しがちな人の特徴や克服する方法を解説

お悩みを抱える人たちのための完全個別指導塾・キズキ共育塾です。

あなたは、「気づいたら自己否定をしてしまうこと」に悩んでいませんか?

自己否定をし続けると、どんどん悪い方向に考えて疲弊しますし、楽しく生きることが難しくなります。

このコラムでは、自己否定をやめられない人のために、自己否定をしがちな人の特徴と原因、克服する方法を解説します。

このコラムを読んで、克服方法を実践して、自己否定しない新しい自分に出会いましょう。(参考:古宮昇 『自己肯定感がドーンと下がったとき読む本』)

自己否定とは?

自己否定とは、「自分はダメだ」「自分のこんなところが嫌いだ」などと自分を責めるような思考で自分のあり方を否定的に評価する状態、悪い部分はもちろんよい部分も含めて自分の価値や存在意義を否定的に評価する状態のことです。(参考:実用日本語辞典「自己否定」)

自己否定が続くと新しいことに挑戦したり、困難な状況に立ち向かったりすることが難しくなります。

しかし、重要なのは、自己否定を単に悪いものと考えるのではなく、自己否定の原因や克服する方法を理解するなど自分の感情と向き合うことです。

自分の感情を上手くコントロールできれば自己肯定感を高めることができ、前向きな気持ちで日々の生活が送れるでしょう。

自己否定と自己肯定の違い

自己肯定とは、よい部分も悪い部分も含めて、自分のあり方を積極的に評価できる状態、自分の価値や存在意義を肯定的に評価できる状態のことです。(参考:実用日本語辞典「自己肯定感」)

「自己否定をすること」は、「自己肯定ができていない状態」と言い換えられるかもしれません。

自己肯定をすることには、次のメリットがあります。

  • 人の目が怖くなくなる
  • 明るい気持ちになれる
  • 人に助けを求めることができる
  • 自分を大切にできる
  • こころが落ち着く
  • 気遣いができる

自己肯定は人が幸せに生きるために大切なことなので、自己肯定感を高めることを意識してみましょう。

自己肯定感については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

自己否定する人の5つの特徴

この章では、自己否定する人の特徴を解説します。

自己否定する人の特徴を知って、自分が自己否定していないか確認しましょう。

特徴①人を信じられない

自己否定をしがちな人は、人を信じられないという特徴があります。

「こんなダメな自分と仲よくなってくれる人なんていない」と思い込んでいるからです。

友人や恋人の言動の中に少しでもあなたを否定するような兆候があると、そこに注目して拡大解釈して、自己否定の声が正しかったのだと証明しようとします

自己否定する人は、少しずつ人を信じるようにしましょう。

特徴②すぐに賛同を求める

自己否定する人の特徴として、「すぐに賛同を求める」が挙げられます。

すぐに賛同を求めるのは、自分に自信がないからです。

他者の賛同を得ることによって、安心感を得ようとします。

賛同されればその場での安心感は得られます。ですが、自己否定傾向が変わらない限りはずっと賛同を求め続けることになります

また、賛同されないと自己嫌悪に陥り、自己否定が深まっていくのです。

自己否定する人は、他人の賛同ではなく、自分の中に軸を持つようにしましょう

特徴③ほめられるのが苦手

自己否定をしがちな人は、ほめられるのが苦手という特徴があります。

ほめられると、どう受け止めていいかわからずに、歪んで理解するためです。

例えば、「真面目だよね」というほめ言葉に対しても、「真面目だから面白みがない」と深読みしたりします。

自己否定してしまう人は、ほめ言葉を素直に受け取るようにしましょう

特徴④ストレスを抱え込みがち

自己否定をしがちな人は、自分だけで悩んでストレスを抱え込みがちな特徴があります。

何事についても、自分が悪いと思い込んで必要以上に責任を感じるからです。

  • 自分のせいで悪い状況になった
  • 自分が至らないからダメなんだ

何かトラブルがあった際も、自分に責任があると思い込みます。

例えば、友人とみんなで行こうとしていたお店が定休日だったとします。

そのときに、「あー自分が事前に調べてみんなに伝えていればこんなことにはならなかった」と思い込むのです。

「自分が悪いんだからしょうがない」などと思い込んだ結果、人に頼ったり相談することができず、1人で抱え込んでストレスを溜め込むのです。

自己否定しやすい人は、ストレスを溜め込まず、適切に発散したり相談したりするようにしましょう。

特徴⑤完璧主義者

完璧主義者の人も、自己否定しがちな傾向があります。

完璧でない自分が許せないからです。

例えば、旅行の際に、スケジュールを1つ見逃していて目的の観光地に行けなかったとします。

自分が完璧じゃないことが許せないので、「自分がスケジュールを完璧にしておけばよかった」と自己否定して考えるのです。

自己否定する特徴がある人は、「完璧な人間なんていない」「誰だってミスをする」「必要以上に失敗に落ち込まない」ことを覚えておきましょう。

完璧主義については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

自己否定をする3つの原因

この章では、自己否定をする原因について解説します。

もちろん、「原因」となる経験があるからといって、全員が自己否定傾向を持つわけではありません。

また、自己否定ではなく適切な自己批判は、生きていく上で必要な能力でしょう。

「『原因』はあるかもしれないし、自分を批判することもあるけど、これは自己否定なんだろうか…」と思う場合、自分が自己否定をしがちな人か判別したいですよね。

ここでは、その原因について解説します。

原因①自分に自信がない

自己否定は、自分に自信がない人がしがちです。

自分に自信がないと、自分の悪い部分をすぐ見つけるからです。

自己否定したくなければ自分に自信を持つようにしましょう。

自信を持つためには、小さな成功体験を積み重ねることが重要です。

原因②育った環境の影響

自己否定は、育った環境にも影響しています。

自己否定をする人は、小児期の両親からの教育が影響していることもあるのです。

例えば、「親がしてほしいこと」を子どもがやったとき、仮にうまくいかなくても、親からほめられれば子どもは自己肯定感を持つようになるでしょう。

逆に、「どうしてもっとうまくできないんだ!」と怒られると、自己否定の傾向が強くなるというのは、おわかりいただけるのではないでしょうか。

別のパターンで、両親が子どもの成果に納得せず、高い目標を何度も課したとします。

親を満足させられない状況が続くことで、子どもの心にいつしか「この程度ではダメなんだ」と思いが生じるようになります。

そうなると、自己否定しやすい子どもになるでしょう。

ですので、育った環境も強く影響しているのです。

育った環境は変えられませんので、自分の思考や行動を変えるようにしましょう

原因③他者からの批判にトラウマがある

自己否定をしがちな人は、他者からのダメ出し・批判にトラウマがあることも多いです。

誰しも完璧ではない以上、言動を批判されることはあるでしょう。

ですが、その批判があまりにも激しかったり、みんなの前で言われたり、よかれと思ってやったことが裏目に出たりしたトラウマがあると、「自分はできない人間だ」と思い込むようになるのです。

批判の内容はしっかり受け止めつつ、必要以上に深く考えすぎないようにするといいでしょう。

補足:自己否定とHSPの関係

HSPとは、「Highly Sensitive Person」の略語で、「生まれつき感受性が高く敏感な気質のある人」を意味します。(参考:武田友紀『「繊細さん」の本』)

HSPはそういった気質のある人を指す俗称であり、正式な病気・障害・医学用語などではありません

HSPと呼ばれるような気質のある人には、次のような特徴・傾向があるとされています。

  • 他人の機嫌に左右されやすく、無理に周囲に合わせる
  • 非常に繊細であるためストレスを抱えやすく、自分を否定的に考える

以上から、HSPと呼ばれるような気質のある人は、自己否定しやすいと言えるでしょう。

HSPは正式な病気・障害ではないため、「HSPの治療」のために病院を利用することはできません。

ですが、自己否定に限らず、「実際にこのような気質があり、そのために苦労している」という状況については、カウンセラー(公認心理師)などに相談することで、対策が見つかっていくと思います。また、HSPではなく、何か別の治療可能な病気・障害が見つかる可能性もあります。

自己否定しがちな性格を克服する7つの方法

自己否定をする自分が嫌いでも、その思考はこれから克服することができます

ここでは、自己否定しがちな性格を克服する方法を解説します。

方法①自分をほめる

自己否定の克服方法として、自分をほめることは有効な手段です。

自分をほめることで、自分に対しての否定的な意見が減り、前向きに考えられるようになります

自己否定が癖になっている人は自分を褒めることに慣れていないと思います。最初は意識的にほめる必要があるでしょう。

例えば、自分が勉強に1時間集中してできたら、「集中して勉強してすごい」と心の中でほめましょう。

自分で自分の好きなところやよいところを見つけ、うまくいったときは自分をほめる習慣がつけられるようにしましょう

そして、うまくいかなくても「チャレンジした自分はすごい」とほめるようにしましょう。

方法②感謝の言葉を伝える

ちょっと遠回りではありますが、自己否定を克服する方法として、感謝の言葉を伝えることも大切です。逆に、相手から優しさや感謝を表明されたときは、素直に受け入れましょう

「ありがとう」はポジティブな言葉です。積極的に伝え合うことで、良好な人間関係を築きやすくなります。

お互いに好意的に思う人や大切にしたい人が増えていきます。

そうした人たちが存在することで、1人ぼっちではないと認識できて、自己否定を克服するきっかけになるのです。

方法③欠点を必要以上に見ない

自己否定を克服するためには、自分の欠点を必要以上に見ないようにしましょう。

欠点ばかりを見つけたり見つめたりすると、どんどん悪いことばかり考え、自己否定も深くなってしまいます

自分の欠点を見つけたときも、「人間なんだから、1つや2つ欠点はある」と割り切ることが大切です。

自分の欠点を確認して修正することは大事なことではあります。ですが、欠点を見すぎないように気をつけましょう

方法④完璧な人間はいないという考えを持つ

自己否定の克服には、「完璧な人間はいないという考えを持つ」のが大切です。

前述しましたが、人間は、誰しも欠点を持っていますし、ミスもします

あなただけが完璧ではないのではなく、完璧な人間はいないのです。

完璧を求めると自分を否定しがちになるので、人間誰しも完璧ではないという考えを持ちましょう。

方法⑤他人と自分を比べないようにする

自己否定の幸福には、他人と比べないようにするのが大切です。

他人と自分を比べると、自分が劣っているところばかり見えて、自己否定しやすくなるからです。

例えば、「足が細い友人」と自分を比べると、「いいな。どうせ自分は、大根みたいな足だから」という自己否定に繋がります。

友人の方が足が細いのは事実だとしても、それが絶対的な優劣になるわけではありません

また、あなたも友人も、足が全てなわけではありません。

自分は自分という意識を持って、日々過ごしましょう。

方法⑥自己否定をしたら、次の行動を考える

自己否定をしたときは、自己否定の内容に関連する次の行動をすぐ考えるようにしましょう

自己否定の原因を根本から解消することができるからです。

例えば、「今日一日、勉強を怠けてしまった」と自己否定したら、「明日は勉強する!そのためにはこういうスケジュールで…」などと、失敗を取り戻す行動を考えます。

そうすることで、自己否定をポジティブに変換することができるのです。

気持ちを切り替えて次のことを考えられるのなら、自己否定する自分のことを受け入れた上で、前に進むこともできるでしょう。

方法⑦専門家を頼る

自己否定で悩みが続くようなら、専門家を頼るのも有効な手段です。

専門家は、(当たり前ですが)専門的な知識もあり、今までに同じ事例をたくさん見ているので、克服方法も熟知しているからです。

例えば、心療内科や臨床心理士などの心の専門家に頼るといいでしょう

自己否定して悩み続けるなら、恥ずかしがらずに専門家を頼って、楽しく過ごせるようにしてくださいね。

私たちキズキ共育塾は、自己否定しがちな人のための、完全1対1の個別指導塾です。

生徒さんひとりひとりに合わせた学習面・生活面・メンタル面のサポートを行なっています。進路/勉強/受験/生活などについての無料相談もできますので、お気軽にご連絡ください。

まとめ〜深く考え込んで悩まないようにしましょう〜

自己否定は、小さなきっかけからでも陥ることがあります。

自己否定しない自分になりたいなら、自分の考え方や行動を変えることが効果的です。

あまり深く考え込んで悩まないようにしましょう。

さて、私たちキズキ共育塾は、お悩みを抱える方々のための個別指導塾です。

入塾したばかりの生徒さんには、自己否定する人は珍しくありません。

しかし、勉強に加えて悩み相談や雑談なども可能な授業を通じて、少しずつ自己否定はなくなっていきます

あなたも、少しでも気になるようでしたらぜひ相談してください。

ご相談は無料です。保護者さまだけでのご相談も可能です。お気軽にご相談ください

Q&A よくある質問

自己否定する人の特徴はなんですか??

自己否定する人の特徴として、以下が考えられます。

  • 人を信じられない
  • すぐに賛同を求める
  • ほめられるのが苦手
  • ストレスを抱え込みがち
  • 完璧主義者

詳細については、こちらで解説しています。

自己否定を克服したいです。

自己否定しがちな性格を克服する方法として、以下が考えられます。

  • 自分をほめる
  • 感謝の言葉を伝える
  • 欠点を必要以上に見ない
  • 完璧な人間はいないという考えを持つ
  • 他人と自分を比べないようにする
  • 自己否定をしたら、次の行動を考える
  • 専門家を頼る

詳細については、こちらで解説しています。

監修 / キズキ代表 安田祐輔

やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための就労移行支援事業所「キズキビジネスカレッジ」も運営。

【新著紹介】

『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法』
(2022年9月、KADOKAWA)
Amazon
KADOKAWA公式

【略歴】

2011年 キズキ共育塾開塾(2023年7月現在10校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)

【メディア出演(一部)】

2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

共同監修 / キズキ相談担当 半村進

はんむら・すすむ。1982年、茨城県生まれ。東京大学文学部卒。
小学校時代から転校を繰り返し、運動ができないこと、アトピー性皮膚炎、独特の体形などから、いじめの対象になったり、学校に行きづらくなっていたことも。大学に入学してようやく安心できるかと思ったが、病気やメンタルの不調もあり、5年半ほど引きこもり生活を送る。30歳で「初めてのアルバイト」としてキズキ共育塾の講師となり、英語・世界史・国語などを担当。現在はキズキの社員として、不登校・引きこもり・中退・発達障害・社会人などの学び直し・進路・生活改善などについて、総計1,000名以上からの相談を実施。

【執筆記事・インタビューなど(一部)】

日本経済新聞 / 朝日新聞EduA / テレビ東京 / 不登校新聞 / 通信制高校ナビ

サイト運営 / キズキ

「もう一度学び直したい方」の勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする学習塾。多様な生徒さんに対応(不登校・中退・引きこもりの当事者・経験者、通信制高校生・定時制高校生、勉強にブランクがある方、社会人、主婦・主夫、発達特性がある方など)。授業内容は、小学生レベルから難関大学受験レベルまで、希望や学力などに応じて柔軟に設定可能。トップページはこちら。2023年7月現在、全国に10校とオンライン校(全国対応)がある。

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