完璧主義だから疲れる?完璧主義の3つの特徴と、完璧主義を治す5つの方法

お悩みを持つ人のための完全個別指導塾・キズキ共育塾の宮野唯です。
あなたは、自分のことを完璧主義だと思いますか?
次のようなことでストレスを感じているとしたら、完璧主義が原因かもしれません。
- 仕事が大変だけど、他人の評価は気になるし、人に頼るのは考えられない
- 受験までに全ての範囲を完璧にできそうにないので、投げ出したい
- 「失敗したら」と思うと、行動にうつせない
完璧主義の人はうつになるリスクが高いという話もあります。
仕事や人間観関係などでの悩みが完璧主義を和らげることで少しでも改善されるといいですよね。
今回のコラムでは、完璧主義を和らげる方法はもちろん、特徴、原因、メリット・デメリットについてもご紹介したいと思います。
完璧主義の背景を知ることで、改善への糸口をつかみやすいこともあるでしょう。
少しでもお役に立つ内容になっていれば幸いです。
目次
完璧主義の特徴3つ!どのような人のことを指す?
まずは、完璧主義の人がどのような特徴を持つのかご紹介します。
あなたにも当てはまるものがあれば、完璧主義の傾向があると言えるでしょう。
特徴①ゼロイチ思考である

何かに取り組むとき、「完璧にできるかどうか」を重要視するという特徴です。
60点や70点ではダメなので、「100点にできないのであればやりたくない」と思うのです。
完璧主義の人は、「とりあえずやってみよう」「まんべんなく手をつけてみよう」ということが苦手な傾向にあります。
部屋の掃除ひとつをとっても、窓ふきや排水溝までやりたいけれど完璧にできないのなら一切やらない、と考え、部屋は汚いままということになりがちです。
特徴②自分の力でやりたい
完璧主義の人は、「物事は、自分の力でやり通してこそ意味がある」と考える節があります。
人に助けを求めたり、人に任せたりすることが苦手であるとも言えます。
「誰かに任せて、中途半端だったり、完璧でない結果になるくらいなら、無理をしてでも自分でやってしまおう」という思考になりやすいのです。
また、「完璧主義である自分」にプライドを持ち、「この仕事は完璧主義な自分が取り組まなければ」のように考えることもあります。
特徴③失敗を過度に怖がる
完璧主義の人には、「失敗をしたくない」という気持ちが強い傾向があります。
最終成果だけではなく、何かの資料を作成するようなときの途中段階、ちょっとした確認事項、日常のちょっとしたルーティーンなどでも同じです。
周囲の評価を非常に気にしており、「完璧ではない成果物」や「完璧ではない自分」を人に見せることに抵抗がある状態です。
ミスを指摘されることで、自分の人格まで否定された気分になるのです。
完璧主義の原因3つ!育った環境が影響している?
完璧主義の原因に、育った環境の影響があります。
どのような環境が完璧主義につながるか、以下ご紹介します。
原因①結果ばかりを評価されてきた

結果ばかりを評価され、その過程のがんばりを認めてもらえないことが完璧主義の原因となることがあります。
どれだけ上達しても、完璧でなかったからと評価してもらえないのはつらいものです。
例えば、次のようなことが考えられます。
- ピアノの練習をたくさんして上達したが、発表会で緊張して少し失敗して「練習不足だ」と言われた
- 一生懸命勉強してテストで90点をとったが、90点をとった努力を認められず、「100点で当たり前だ」と言われた
このように、結果だけしか認めてもらえないと、「どれだけ努力しても結果が伴わなければ意味がない」と完璧主義になるのです。
原因②大変なとときに助けてもらえなかった
大変なときに助けてもらえないと、完璧主義になることがあります。
子どものうちは、何か大変なことが起きたときに相談に乗ってもらったり、ミスをフォローしてもらいながら安心して学習していくことができます。
ですが、助けてもらう経験が少ないと、「誰も助けてくれないのだから自分で何とかしなければ」と思って他人に頼ることを選ばなくなるのです。
原因③順調であったため、失敗に慣れていない

失敗経験が少ないことが、完璧主義の原因となることがあります。
失敗が少ないことは、一義的には「いいこと」かもしれません。
ですが、そのために人から怒られたり責められたりする経験、自分を見つめ直す経験が少ないことで、「自分はなんでも完璧にできるはず」と思うようになることがあるのです。
その結果、「完璧にこなすことが当たり前」「完璧できる自分が当たり前」になり、何ごとにも完璧主義の姿勢で取り組むようになります。
完璧主義のメリット・デメリット
完璧主義には、メリットもデメリットもあります。
メリットだけを得ることができれば問題ないかもしれません。ですが、大方の場合、メリットとデメリットの両方が生じます。
メリット①完成度の高い成果を出す

完璧主義の人が出す成果は、質の高いものになります。
次のような長所を発揮して、最後まできちんとやり抜くためです。
- 細かいところまで手を抜かない
- 丁寧に進める
- 高い集中力を発揮する
完璧なものになるよう努力を惜しみません。
そのため、完成度の高い結果を残すのです。
メリット②人から信頼される
責任感を持ってまじめに取り組んでいる姿は、周囲から信頼されます。
「この人に任せておけば安心だ」と周囲からは頼りにされているのではないでしょうか。
目上の人から一目置かれていたり、後輩や部下からも尊敬を集めやすいでしょう。
指導者や責任者などリーダーに向いているかもしれません。
デメリット①目的を見失いやすい

完璧主義の結果として、本来の目的を見失う傾向があります。
細かいことでも手を抜くことができないので、手段が目的になりがちです。
仕事のことを例に挙げてみます。
- 目的:目標どおりの営業成績を出す
- 手段:顧客用資料をつくる
このような場合、手段であるはずの資料づくりで「完璧」を目指して時間をかけすぎて、実際の営業にかける時間や労力が減るというイメージです。
枝葉末節にこだわるあまり、大きな目的を見失うのです。
デメリット②他人にも完璧を求める
完璧主義の人は、自分だけでなく、他人にも完璧を求めることがあります。
例えば仕事のプロジェクトは、様々なことを全体的に考えて進行することが大切です(他の業務との優先順位・現実的な予算・アクシデントへの対応・状況に応じた目標の修正・ワークライフバランスなど)。
そして、完璧主義の人は、その全てで完璧を目指します。
手を抜いていい…とは言いませんが、プロジェクトの進行においては、「完璧じゃなくてもよいもの」は、現実的に多いにあり得ます。
そんな中、必要以上に他人に完璧を求めると、周囲が完璧主義の価値観に振り回されて、チームとしての進行を乱し、結果的にプロジェクトも失敗する恐れがあります。
デメリット③妥協・リカバリーができない

完璧主義の人は、仕事や勉強や私生活などで、「完璧な結果が出せない」とわかったときに、「もう意味がない」「もうだめだ」と思い込んで、そのまま立ち止まります。
一度壁にぶつかると、途中で投げ出すのです。
テストでいえば、「100点を取れる自信がないときは、その時点で勉強もテストを受けることもやめる」というイメージです。
私の大学の友人でも、「授業に毎回出席していたけれど、完璧なレポートを出すことができそうにないので提出しないで単位を落とすことを選ぶ」ということがありました。
できる範囲でレポートを出せば単位をとることができたかもしれないですが、自暴自棄のような感じであきらめたのです。
理想と現実のギャップができているとも言えます。
完璧主義を治す5つの方法
ここからは、完璧主義を治す方法をご紹介します。
完璧主義で生きづらさを抱えるあなたの「生きやすさ」に少しでもつながれば幸いです。
①“とりあえず”を合言葉にする
完璧にできそうにないと思っても、とりあえず手を動かしてみましょう。
完璧主義の人は、何かに取り組むとき、それが完璧にできるかどうか事前にシミュレーションを綿密にしようとしすぎると、頭でっかちになります。
そうではなく、「どうなるかわからないけど、とりあえずやってみて、だめだったらまた考えよう」と思ってみましょう。
手を動かすうちに、アイディアが出てきたりと調子よく進むこともあります。
②優先順位をつける

やることがたくさんあるときは、優先順位をつけてみましょう。
全部大事!と思うかもしれませんが、時間には限りがあります。
私は高校で芸術関係の部活動をしていました。
ひとつの作品を何度も納得がいくまでひたすら枚数をこなしていくのですが、隅ずみまで納得のいく1枚は思うようにできません。
そんなときに顧問の先生が言っていたことがあります。
「最高の1枚を書くことにキリはない。次こそは今よりもいいものが書けるかもしれないと思ってしまう。だから締め切りがあるんです」
決まった時間の中でベストを尽くすことができるのも大切なことなのです。
③目的を確認する
一度、「取り組んでいることの目的」を思い出してみましょう。
途中で細かいことが気になったり、納得がいかなくて手が止またりしていることがあるかもしれません。
しかし、途中の「細かいこと」が完璧ではなくても、もともとの目的が「とりあえず」達成できればよいのです。
また、途中のことも、最初は「うまくいっていない」と思えても、後から見直すとそれほど変ではない、ということがあります。
ひとつのことにこだわりすぎず、視野を広く持つのも必要なことです。
④人を頼る

思い切って人の力を借りてみましょう。
「自分一人でできないから」といって、やる前にあきらめたり、途中で投げ出したりするのはもったいないです。
もちろん、「いきなり全てを人に任せる」という意味ではありません。
自分が取り組んでいる中でうまくいかないところがあるときに、気軽にアイディアを求めてみるだけでも十分です。
新たな発見があり、よい質の高いものに仕上がる可能性があります。
それに、あなたからアイディアを求められた人も、頼ってもらえたとうれしく思うかもしれませんよ。
人の力を借りて何かを成功させると、その後も「頼る」ことのハードルがグッと下がり、完璧主義も治っていきます。
⑤自分をほめる
完璧にできないことがある自分を認めてあげましょう。
誰しも向き不向きはありますし、成功も失敗もあるものです。
完璧でなくてもいい場面もあります。
また、一人で何とかできなくても、自分を責める必要はありません。
結果として「完璧」じゃなくても、途中経過を褒めましょう。
うまくいっていないような気がして途中でやめたくなったときも、そこまで取り組んてきたことを褒めましょう。
どんな自分のことも認められるようになることで、完璧主義は治っていきます。
まとめ

ここまで完璧主義についてお伝えしてきました。いかがでしたか?
完璧主義だからこそのよさ(メリット)は、確かにあります。
ですが、完璧主義でいることでストレスを感じるのであれば、この記事で紹介した方法を試し、ぜひ改善してみてください。
きっと、あなたの「生きやすさ」につながると思います。
この記事が、完璧主義でお悩みのあなたの役に立ったなら幸いです。
さて、私たちキズキ共育塾は、お悩みを抱える人のための個別指導塾です。
キズキ共育塾では、「完璧に勉強を進めようとして息切れした。これからどうしたらいいのかわからない」など、完璧主義に関する相談もいただいています。
そんな方には、ムリなく進められるよう、一緒に勉強の計画を考えながら学べる環境が整っています。
ご興味がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。