「自分がわからない」と悩むあなたへ 原因と解決法を解説

こんにちは。生徒さんの勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする完全個別指導塾・キズキ共育塾の宮野唯です。
あなたは、自分のことがわかりますか?
すんなりYESと言える人は、少ないのではないでしょうか。
大なり小なり自分がわからなくなる状況にぶつかることは、誰しもあると思います。
「自分がわからない」と悩むのは疲れますよね。
今回のコラムでは、自分がわからない原因、自分をわかるための対処法について書いていきます。
それぞれ理由も挙げていますので、自分に合った対処法を見つけるときの参考になれば幸いです。
私たちキズキ共育塾は、自分がわからないという人のための、完全1対1の個別指導塾です。
10,000人以上の卒業生を支えてきた独自の「キズキ式」学習サポートで、基礎の学び直しから受験対策、資格取得まで、あなたの「学びたい」を現実に変え、自信と次のステップへと導きます。下記のボタンから、お気軽にご連絡ください。
目次
自分がわからない9つの原因
自分がわからなくなる理由にはどのようなものがあるのでしょうか。ここから9つの理由をご紹介していきます。
原因①周囲に合わせてしまう

「自分さえ我慢すれば…」と常に自分を押し殺していませんか?
人間関係でいえば、空気を読みすぎている状態などが当てはまります。
「自分がどうしたいか」「自分がどう感じているか」ということよりも、「周りと対立しないように」「周りから浮かないように」ということを優先しているのです。
周囲に合わせることは、コミュニケーションを円滑にするために必要なことです。
とはいえ、過度に自分を押し殺してしまったり、プライベートなことでも人の意見ばかりを受け入れていると、自分の気持ちを知る機会が減ってしまいます。
いざ「あなたの意見は?」と自分の考えを求められたときにうまく答えることができないと、「何て答えればいいのか」「そもそも自分はどのように思っているのか」と、自分がわからなくなったような気持ちになるのです。
「他人に合わせる」ことと「自分の意見を持つ」ことを、自分の中で両立させられるとよいのかもしれません。
原因②ストレスを抱えている
ストレスを抱え続けることで、自分のことを考える余裕がなくなってしまうことがあります。
ストレスにもいろいろあります。
例えば、次のようなものが挙げられます。
- 仕事のストレス:ハードで体力的にきつい、うまく仕事をこなせない、やりがいが感じられない、キャリアアップのことなど
- 生活のストレス:食事や睡眠がおろそかになっている、休日でも予定が立て込んでゆっくり過ごせないなど
- 人間関係のストレス:職場、友人、夫婦・家族との関係性で悩みがあるなど
時間的にも精神的にも追い詰められていると、目の前のことをこなすだけで精一杯になってしまうでしょう。
疲労が溜まった状態では、自分のことを顧みる余裕がなくなるのは当然のことです。
自分のキャパシティーを超える忙しさの中で自分がわからなくなってしまうのです。
原因③頭で考えすぎてしまっている

行動を起こす前に頭で考え過ぎたり、何かの基準で計算しすぎたりしていると、自分の本心がわかりにくくなります。
例えば、金銭的な損得を基準にする考え方があります。
ある行動を「面白そうだからやってみたいな」と思っても、取り組む前に、次のように計算したり考えすぎたりしてしまうのです。
- これをやるといくら儲かるのか
- やったところで得することはないから、やらないでおこう
損得基準が重要な場面もあるでしょう。ですが、あらゆる行動を損得基準で判断すると、他の感情が満たされなくなり、だんだん自分がわからなくなっていきます。
その他、考えすぎや計算しすぎから、次のような状況になる可能性もあります。
- 何かをしようとするときに、必要以上に怖がる
- 完璧な結果が出せなさそうなら、行動に移せない
- ひとりでやってみることに勇気がいる
いずれも、頭の中で思考がグルグル回りすぎて、「〜したい」という気持ちを抑え込んでいる結果です。
心や気持ちが置き去りになってしまっているので、自分がわからないと感じるのでしょう。
原因④やりたいことがない
やりたいことがないことは、別に悪いことではありません。
ですが、やりたいことがないと、進学や就職など大きな選択を前にしたときに、「自分がわからない」と悩む場合があります。
やりたいことがないと、「どんな学校に行きたいのか」「どんな職業に就くのか」「何が自分に向いているのか」のようなこともわかりません。
進路の大きな方向性を決めるときに限らず、その他にも自己PRや自己分析など、「やりたいこと」を軸にする必要が出てくる場面もあります。
「やりたいこと」から地続きの将来像をスムーズに思い描くことができないと、次のように、自分に対してネガティブな気持ちになってしまうかもしれません。
- 自分は今まで何をしてきたんだろう
- 自分なんて空っぽじゃないか
- 周りはみんな将来に向けて順調に行動しているのに
- こんな自分では何も役に立つことがない
やりたいことが見つからないために、自分がわからなくなってしまうのです。
原因⑤親の教育スタイルによって自分を見失う

誰しも、親の価値観の影響を多かれ少なかれ受けるものです。
ですが、親からの過度な影響が、自分がわからなくなってしまうことにつながる場合もあります。
例えば、次のような状況です。
- 「学校には行かなくてはいけない」と言われた
- 一流企業や親と同じ職業を薦められた、逆に親と同じ道を歩むことに反対された
- 兄弟や身近な人と比較された
親が世間の目などを気にしていてこのようなことを言うこともあります。また、親自身が成功したから同じ道に進めば安心、逆に自分と同じ苦労をさせたくないから反対、という心境もあるでしょう。
また女性であるがゆえに、母親が娘に「自分が生きていない生き方」を期待することがあります。例えば次のような心境です。
- 自分は専業主婦だったから、娘には仕事をしてほしい
- 自分は大学に行かずに結婚したから、娘には大学に行ってほしい
- 自分は仕事で苦労したから、娘には「女の幸せ」をつかんでほしい
親御さんには親御さんの思いがあるでしょう。また、家庭それぞれ事情もあります。ですので、上記のようなことも一概に「悪い」というものではありません。
とはいえ、そういう環境で育ったがために、「強制された!」という思いを抱いて親に反発していたりしませんか。特に、子どものときは疑問に感じなかったけれど大人になってから「これでよかったのかな」と思い始める、ということはあります。
反発するにしても、大人になってから疑問を持つにしても、親の価値観が自分の人生の軸になっていると、「自分がわからない」と感じるときが出てくるのです。
【おすすめ体験談】
原因⑥HSC(HSP)の特性がある

HSCとは、”HighlySensitiveChild”の略で、「とても敏感・繊細であり、豊かな感受性を持った気質の子ども」を意味します。
HSPは、”HighlySensitivePerson”の略で、最後のアルファベットに着目していただけるとわかるように、HSCの大人版だと思ってください。
HSC(HSP)のDOESという特徴のうちのひとつに、「共感力が高い」というものがあります。
共感力が高いので、次のようなことが得意です。
- 親や他者の心を読む
- 誰かがつらい思いをしていることに気づく
- 細かいこと(物の移動、人の外見の変化)に気づく
相手のことを思いやることのできる素晴らしい特性ですが、他者の気持ちに敏感になりすぎることで、自分と他者の気持ちの境界線が曖昧になってしまうことがあります。
他者のことを自分のことのように感じやすく、自分がわからない感覚になりやすいといえます。
HSCについては、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
原因⑦アダルトチルドレンの傾向がある
簡単に説明すると、「アダルトチルドレン」とは、暴力や虐待などをする親のもと(機能不全家族)で育ったことにより、大人になっても自分を認めることができず生きづらさを抱えている人、という意味です。
「病気」ではなく、生きづらさなどにつながる「概念」です。
子どもらしくふるまうことが叶わず、親の顔色をうかがって過ごしてきた中で、次のような癖がつくのです
- 感情を抑えてしまう
- 自分を否定してしまう
- 依存しがち(人やアルコールなど)
- ありのままの自分を隠そうとする
- 自分で決断することに恐れを感じる
このように「自分を出す」機会に恵まれなかったことで、本音が埋もれてしまい自分がわからなくなってしまいます。
アダルトチルドレンについては、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
原因⑧うつの症状がある

うつの状態になると、会話や本の内容が頭に入ってこないということがあります。
気力がわかなかったり、気分が落ち込むこともあるので、「考える」ことが苦痛になるかもしれません。
本当に自分がわからない、というよりも、考える余裕がないのでわからないように感じてしまうのでしょう。
食欲がない、眠れないなどの身体的な症状があるかどうかも、うつの判断材料になります。
原因⑨境界性人格障害である
境界性人格障害も、自分がわからないことの原因になります。
境界性人格障害の代表的な症状には、次のようなものがあります。(参考:NHKハートネット「『生きるのがつらい…』境界性パーソナリティ障害とは?」)
- 見捨てられるのが不安で、必死にしがみつき相手を困らせる
- 自殺企図や自傷行為を繰り返す
- 対人関係が両極端で不安定
- めまぐるしく気分が変動する
感情をコントロールすることが難しかったり、他者に依存してしまうことがあります。
不安な気持ちでいることが多いので、自分のことがわからなくなってしまうのでしょう。
自分がわからない人に贈る、9つの解決法
ここからは、「自分がわからない」というお悩みにメスを入れていきましょう。
「自分がわかる」きっかけになる方法をご紹介します。
解決法①自分の感情を書き出す

今思っていることをどんどん紙に書き出していきましょう。
初めはうまくできなければ、単語を書くだけでも十分です。
書こうと意気込まずに、何か思いついたときに書き留めるというのでもいいです。
思考や感情を言語化することで、自分を知るきっかけをつかむことができます。
特に「自分の気持ちをおさえている人」にオススメです。
私自身には、この方法は効果がありました。
私は夜中に思考が活発になるので、枕もとにノートとペンを用意していました。
感情が湧き出てきたときに勢いよく書くこともありましたが、何も出てこないときは「つらい」などの単語だけでページを埋めていたこともあります。
書いていると、「こういうことがつらかったんだ」と理由が分かってすっきりしたものです。
また、単語を書くだけであっても、つらい気持ちを和らげる効果はありました。
解決法②自分を認める
自分を受け入れることで、過去のつらい経験を乗り越え、自分をわかるきっかけにつながることがあります。
最近のことでも、友人関係や恋愛で大変だったことに対してでも、なんでも構いません。これまでの失敗経験などでも大丈夫です。
「今までよくがんばったね」「あのときは傷ついたよね」と自分を認めてあげてください。
「たいしたことじゃないのに傷ついた自分は弱い」「もっとつらい思いをしている人がいるのに」などと思う必要はありません。
つらかったらつらいと思っていいのです。
自分を認めてあげることができると気持ちが楽になっていき、自分のことがわかるようになっていきます。
解決法③日常動作をじっくりやる

日常動作をじっくり行う、丁寧に時間を過ごすことで、気持ちが落ち着き、自分のことがわかるようになっていきます。
特に「ストレスを抱えている人」にオススメです。
例えば、次のようなことがあります。
- 目覚ましをかけずに起きる
- 朝食を用意してゆっくり食べる
- お風呂でバスタブにゆっくり浸かる
普段手が届かない場所の掃除を集中してやるのもいいですね。
日常のストレスから離れることで、「そうだ、自分は○○なんだ」ということがわかったり、思い出してきたりします。
解決法④雑念が出る環境から離れる
思考を巡らせる情報量の多い環境から離れることで、思考がクリアになり、自分のことがわかるようになります。
特に「頭で考えすぎてしまう人」にオススメです。
具体的には、次のような方法があります。
- 自然に囲まれ、五感を研ぎ澄ませて過ごす
- 自分の心がホッとする場所で過ごす
- スマホの電源を切って外部からの情報を断つ
自分の気持ちに素直に耳を傾け、どうしたいかを感じてみてください。
私の知人にも、「考えることが多かった時期に、座禅に出かけていた。本当に頭の中がスッキリして、自分のことが改めてよくわかった」という人がいます。
解決法⑤萎縮してしまう相手と距離をとる

接していると萎縮してしまうような相手からは離れましょう。
抑圧から解放され、自分のことがわかってくるようになります。
特に「子ども時代の環境」に影響されて自分がわからない人にオススメです。
自分の気持ちに素直でいられない相手、例えば次のような人との関係を見直すことを考えてはいかがでしょうか。
- 一緒にいて息苦しい友人
- 束縛してくる恋人
- 高圧的な先生や上司
解決法⑥いろいろな人と出会う

アルバイト先、学校、会社、サークル、どんな関係でも構いません。いろいろな人と出会いましょう。
どんな人といると楽しいか、楽しくないか。どんなことが好きか、苦手か。 そういったことをたくさん経験することが、「自分はどんな人間か」を知ることにつながります。
「自分のことを消極的な人間だと思っていたけど、あるコミュニティではいつの間にかリーダー的な役割を担っていた」など、自分が思っていた自分とは違う自分に出会うこともあるでしょう。
これまでの友人や新たに出会った人たちに、あなたのことを「どんな人に見えるか」を聞くと、客観的・具体的な「自分像」も見えてきます。
さまざまな価値観に触れることは、思っていた自分と違った一面を知ることにつながります。
解決法⑦気になることをどんどんやってみる

気になっていることを片っ端しから試してみてはいかがでしょうか。
特に「やりたいことがない」人にオススメです。
試しているうちに「これをやりたい」という方向性で自分のことがわかることもあるでしょうし、「こういうのは苦手だな」というわかり方もあります。
現実的には興味のあることすべてに取り組むことはできないと思いますので、優先順位をつけたり、他の人の体験談を読んだりすることもオススメです。
解決法⑧カウンセリングやセラピーを受診する
つらい過去と一人で向き合うのがこわい、病気や特性があるかもしれない、という場合は、カウセリングなどの利用をオススメします。
特に「子ども時代の環境」が影響している人、「病気・特性」が関連する人に向いています。
自分一人でつらい気持ちに向き合うことには勇気がいります。
場合によっては、今までため込んでいた気持ちがふきだしてパニックになってしまうことも考えられます。
カウンセリング、心療内科などを利用すると、専門家があなたの力になってくれます。
自分について話すことを恥ずかしいと思ったり、病気だったら怖い、と思うかもしれません。
ですが、特に実際に「病気・特性」などが関連していた場合には、「自分がわからない」が解決され、生きやすさにつながっていきます。
自分を変える方法については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
解決法⑨参考となる本を読む
参考となる本を読むと、自己理解の一助となります。
以下、オススメ書籍を紹介します。
『自分を好きになりたい。自己肯定感を上げるためにやってみたこと(わたなべぽん著、幻冬舎)』
幼少期の親子関係から自己肯定感が低くなってしまい、「自分が嫌い」という辛い感情を抱えて生きてきた著者のエッセイ漫画。
自身と向き合い色んな工夫をし、素直に周りの人の意見を受け入れながら進んでいく姿が印象的です。
出版社の公式ページはこちらです。
『自分軸のつくりかた: 生きるのがラクになる50の方法(中山庸子著、原書房)』
『愛すべき娘たち(よしながふみ著、白泉社)』
タイトルのとおり、母と娘のエピソード5作が収められています。
親からの影響について気になる人にオススメです。
描かれている母と娘の姿に共感できるところや思うことがあるのではないでしょうか。
出版社の公式ページはこちらです。
まとめ〜あんまり思いつめなくても大丈夫です~

ここまで、自分がわからない原因と解決法をご紹介してきました。
私も自分がわからず悩むことがありますが、同時に、「自分」というものは「常に変わっていくものだ」ということも感じています。
例えば、次のようなことはよくあります。
- 昔好きだった音楽の歌詞に、当時とは違う解釈を思いつく
- まったく感情移入できなかった小説の登場人物に共感するようになる
上記はあくまでほんの一例ですが、「自分」というものは、経験などによっていくらでも変わっていくものかもしれません。
そして、変化するからこそ、自分がわからなくなることがあるのではないでしょうか。
「自分のことがわかっている」ときと「自分のことがわからない」とき、両方あることは自然なことなのだと思います。
「自分の核になるものがほしい」「芯の通ったかっこいい人になりたい」という気持ちもわかります。ですが、あまり思いつめすぎないようにしてください。「自分のことがわからなくてもいい」と割り切る時期があってもいいと思います。
あなたの「自分がわからない」について、このコラムが少しでもお役に立つことを祈っています。
さて、私たちキズキ共育塾は、不登校、引きこもり、中退の当事者・経験者などの学び直しを支援する個別指導塾です。
「自分がわからない」と悩む生徒さんも多く、授業では、そうしたお悩みの相談や雑談も可能です。
ご興味がありましたら、ぜひ一度ご相談ください。ご相談は無料です。保護者さまだけでのご相談も歓迎です。
Q&A よくある質問
自分がわからない原因を教えてください。
以下が考えられます。
- 周囲に合わせてしまう
- ストレスを抱えている
- 頭で考えすぎてしまっている
- やりたいことがない
- 親の教育スタイルによって自分を見失う
- HSC(HSP)の特性がある
- アダルトチルドレンの傾向がある
- うつの症状がある
- 境界性人格障害である
詳細については、こちらで解説しています。
自分がわからない場合の解決法はありますか?
以下が考えられます。
- 自分の感情を書き出す
- 自分を認める
- 日常動作をじっくりやる
- 雑念が出る環境から離れる
- 萎縮してしまう相手と距離をとる
- いろいろな人と出会う
- 気になることをどんどんやってみる
- カウンセリングやセラピーを受診する
- 参考となる本を読む
詳細については、こちらで解説しています。