学校を休むと罪悪感を感じるあなたへ 罪悪感の原因と解消法を解説
こんにちは。学校が苦手な人や学校を休みたい人のための完全個別指導塾・キズキ共育塾の寺田淳平です。
学校を休むと、休んだ理由がなんであれ、罪悪感で胸がいっぱいになることがあるかと思います。
- 本当は学校に行けたんじゃないか
- 嫌な気分から逃げているだけじゃないか
- みんなは学校で勉強しているのに自分は甘えてないか
あなたもこのように、罪悪感を感じることはないでしょうか?
上記の悩みは、学校を休みがちだった私が、学生時代によく考えていたことです。
そこで今回は、不登校だった私の経験から、学校を休んだときに感じる罪悪感の原因や解消法を解説してみます。
学校を休むのは、決して「悪いこと」ではありません。
学校を休むと、どうしても罪悪感を感じるという方は、ぜひ一度読んでみてください。
共同監修・不登校新聞社 代表理事 石井志昂氏からの
アドバイス
前例を知り、罪悪感を取り除きましょう
学校を休むと、自分でもおどろくような罪悪感を感じるはずです。
ですがそれは、あなたが弱いわけでも、考えすぎなわけでもありません。
あなただけでなく、多くの人も経験することです。
そして、「罪悪感」を抱くことはとてもつらいことです。
このページを開いたあなたは、何かそのつらさを取り除く糸口があるのではと思ったはずです。
そのとおりです。このコラムに書いてある前例を知って、気持ちを和らげましょう。
目次
学校を休むと罪悪感を感じる原因
この章では、学校を休むと罪悪感を感じる原因について説明したいと思います。
どの罪悪感にも共通して言えることは、「自分は悪いことをしているのではないか」という疑問と、後ろめたい気持ちが元にあるということです。
その点に着目して、罪悪感を抱く原因が、どこにあるのかを一緒に考えていきましょう。
原因①仮病など嘘をついたから
よくある原因の1つは「仮病など嘘をついたから」です。
学校を休むときには、風邪を引くなどで病欠する場合が一般的ですが、その場合に罪悪感を感じる人は少ないでしょう。
一方で、体調不良などの明確な理由がないときに、仮病を使って「嘘をつく」と、罪悪感につながることが多いと考えられます。
とはいえ、自分でも理由がはっきりしなかったとしても、「どうしても学校を休みたい」というときがあると思います。
そういうときでも、学校を休むために「嘘をつく」のは、積極的にはオススメできません(ただ、どうしても行きたくないならOKです)。
なぜなら、嘘をつくことで後ろめたい気持ちが湧いて、罪悪感の元になるだけでなく、周囲の信用をなくし、より大きな不安を引き起こす可能性があるからです。
仮病などの嘘をついたという人は、それが罪悪感の原因になって、自分を苦しめる結果になっていないか、一度考えてみるとよいでしょう。
原因②勉強せずに自分だけが怠けていると思うから
原因の2点目は「勉強せずに自分だけが怠けていると思うから」です。
前に述べた仮病などの嘘をついていなくても、親御さんに正直に「今日はどうしても学校へ行きたくない」と伝えて休む人がいるかと思います。
そうした場合は次のような疑問が罪悪感につながっている可能性があります。
- 「みんなは勉強しているのに自分だけ怠けているのではないか」
- 「甘えているのではないか」
- 「これはズル休みではないのか」
しかし、ズル休み自体は、それほど珍しいというわけではありません。
東京FMのアンケートによると、大人も含めて、「60%」を超える人が、ズル休みをしたことがあるという回答が出ています。(参考:東京FM『調査結果 #476 [会社や学校をズル休みしたことありますか?]』)
ただし、みんなもしているからと言って、「どんどんズル休みをしてもよい」とは思わないようにしてください。
あまりに怠けたり、ズル休みをしたりすることは、決して好ましいことではありません。
上記のデータは自分を責めすぎないための参考に留めておくのがよいでしょう。
原因③「本当は学校に行けたのではないか」と疑問に思うから
3つ目の原因は「本当は学校に行けたのではないか」と疑問に感じるという点です。
人によっては、クラスの人間関係や苦手な授業のせいで、学校へ行こうとするとお腹が痛くなったりする人がいるかと思います。
私は学生時代、朝になって支度をするとお腹が痛くなって、その日は学校を休むということがたくさんありました。
しかし、休みが確定して、「学校へ行かなくてよい」となると、途端にお腹の痛みや頭痛などが引いてきて、普段の調子に戻ることがありました。
そして、「本当は学校に行けたのではないか」あるいは「今からでも学校に行けるのではないか」と、もやもやとした気持ちに駆られて、罪悪感を感じるようになるのです。
これは特に、「少しくらい体調が悪くても休まずに学校へ行くべきだ」と思う真面目な子に多い原因でしょう。
このように、「本当は学校に行けたのではないか」という疑問が、罪悪感を引き起こしている場合があります。
学校を休んだときの罪悪感を解消する方法5選
それでは、学校を休んだときに生じる罪悪感を解消するには、どうすればよいのでしょうか?
私は、高校生の頃に半年近い不登校を経験した後、休みを挟みながらも学校に通い続けたことで、留年せずに卒業することができました。
私自身、学校を休んだとき、何度も罪悪感を感じたことがあります。
この項目では、そうした私の経験を交えながら、5つの方法を紹介します。
方法①理由は無いけど休みたいと正直に言う
方法の1つ目は、親御さんに「理由は無いけど休みたいと正直に言う」です。
基本的に欠席の連絡をするときは、親御さんから学校に電話を掛けることが多いかと思います。
そうしたときに、仮病や嘘の理由を言うと、学校に電話をする親御さんにまで嘘をつかせることにつながります。
そうした嘘の連鎖で生じる罪悪感を避けるためにも、「理由は無いけど休みたい」と正直に伝えることが大切です。
前の項目で挙げたアンケートのように、理由がなくても休みたい、いわゆるズル休みをしたい、ということは大人でもあります。
そのため、親御さんも「そういう日もある」と納得してくれる可能性が高いです。
とはいえ、正直に話しても、
「何としてでも学校に行きなさい」 「そんな甘えは許さない」
と返事をして、とにかく学校に行かせようとする親御さんもいるでしょう。
そのときは、前に述べたように、仮病などでズル休みすることは、決してよいことではないのですが、やむをえず体調不良といった「方便」を使ってもよいかと思います。
人には体調が悪くなくても、休みが必要な場合があるのです。
ひとまず、「理由は無いけど休みたい」と親御さんへ正直に相談して、様子を見ることをオススメします。
親御さんに正直に話すというのは、とても勇気がいる行為です。
人によっては難しく感じることもあるかと思います。
以下のコラムでは、そういった人に向けて、ご両親に「学校を休む理由」をどう言えばよいのかを解説していますので、よかったら参考にしてみてください。
方法②必要な休みと割り切って休養に集中する
罪悪感を解消する方法2つ目は、「必要な休みと割り切って休養に集中する」です。
前の項目でも書いたように、体調不良などの身体の不具合がなくても、心の方が休みを求めている場合があります。
学校は集団行動が基本になるため、気を遣うのが上手な人は、人に合わせすぎることでストレスをため込むことも少なくないでしょう。
そういうときに、「今日はひとりで静かに勉強したい」と思うのは自然なことです。
また、女性の場合は生理痛などの体調不良があっても、「我慢して登校している子もいるんじゃないか」と不安になる人がいるかと思います。
しかし、身体の痛みは人によって大きく異なりますし、生理痛は公に認められている体調不良のひとつです。
会社勤めの大人でも、「生理休暇」といって生理痛を理由に休むことがあります。あまり気にせずにゆっくりと休みましょう。
「今日はどうしても学校に行きたくない」というときには、必要な休みと割り切って休養に集中した方がよい場合もあるということを覚えておくと、気が楽になるでしょう。
方法③学校に行けなくても勉強は進める
休んだときは「学校に行けなくても勉強は進める」のがオススメです。
「勉強をするのが学生の本分」と言われるように、学校を休んだことよりも、勉強を進めていないことが罪悪感につながる人もいると思います。
そういった人は、「学校を休んでも勉強はきちんと進めよう」と決めて実行することで、「やるべきことはやっている」と自信を持つことができます。
また、学校を休む子の中には、自宅のパソコンなどから講義を受けられる「衛星予備校」などの塾に通っている子もいるでしょう。
学校を休んだ日は、その分、塾の勉強を進めるというのもひとつの手段です。
実際、学校を休みがちだった私は、「休んだときには塾の勉強を少しでも進める」と決めていたことで、気持ちが楽になることがありました。
わからない部分を先生に聞いたりすることはできないかもしれません。ですが、余裕のある人は無理のない範囲で、「できるだけの勉強はした」と思える程度の自宅学習をするのもよいでしょう。
方法④午後からでも学校に出てみる
4つ目の方法は「午後からでも学校に出てみる」です。
これは特に、朝になると嫌な気分になって体調が悪くなる人や、起床に時間がかかって頭がぼんやりするせいで学校へ行けない、という人に有効です。
朝、気持ちを整える余裕がなくて休んだ人も、午後になれば余裕ができて調子が出てくることがあります。
そういうときに午後も丸々休んでしまうと、前の項目で述べた「本当は学校に行けたのではないか」という罪悪感が生じやすいのです。
遅刻でもよいので、「午後からでも学校に出てみる」という選択肢を頭の片隅に残しておくようにしてください。
方法⑤なぜ学校に行きたくないかを考え抜く
最後に紹介したいのが「なぜ学校に行きたくないかを考え抜く」という方法です。
学生時代の私のように、一日、二日学校を休むのではなく、もっと長い期間にわたって学校を休んでいる不登校の人は、心の中に湧いてくる罪悪感がより大きいかと思います。
そうした人は、この機会に、「なぜ学校に行きたくないかを考え抜く」のもひとつの手段です。
もちろん、学校のことを考えるだけで気持ちが沈んだり、お腹が痛くなったりする場合は、無理に考えなくても大丈夫です。
しかし、「学校に行きたくない」という、モヤモヤした気持ちや罪悪感の方がつらいという人は、なぜ行きたくないのかを考えることで、より根本にある不登校の原因が見えてくることがあります。
さらに、「自分は何が嫌いで、何が好きか」「何だったら我慢できるか、がんばれるか」を考えて答えを見つけることは、あなたが将来を考えるときにも必ず役に立ってきます。
学校を休むことで気持ちが回復してきた人は、少しずつでもよいので、「なぜ学校に行きたくないのか」を考えてみることがオススメです。
学校を休んでばかりいた私の経験
この章では、「どんな方法を試してみても、罪悪感を感じるという人」や、「こんなに休んでばかりいるのは自分だけじゃないかと思っている人」に向けて、実際に学校を休んでばかりいた私の経験をより深くご紹介したいと思います。
私は、高校2年生の春ごろから半年近く不登校を経験した後に、保健室登校をしながら、休み休み学校へ通って、高校を卒業しました。
当時の私が感じていた罪悪感を細かく分けて考えてみると、原因は2つあると思います。
「親に対する申し訳なさ」
基本的に両親は、私の味方をしてくれることが多かったのですが、どうしても学校へ行きたくないときには、やむをえず仮病を使うことがありました。そのたびに、両親に嘘をついて心配させているということに罪悪感を感じていました。
勉強が進んでいないことへの後ろめたさ
当時の私は「学生は第一に勉強すべき」と強く思っていたので、学校を休んで、あまり勉強が進んでいない状況に後ろめたさを感じていました。
とはいえ、どういうわけか「学校へ行きたくない、休みたい」という気持ちも強かったので、どうにかしてこの罪悪感を解消できないかと考えて、罪悪感を和らげる方法を実践していきました。
私の場合はまず、学校を休んでいる現状の根底にある「なぜ学校に行きたくないか」という疑問を考え抜きました。そしてそれを両親だけでなく、担任の先生にも話すことで、自分の考えをわかってもらうことから始めました。
授業のスピードが合わないこと、学校の人間関係に慣れないことが、「学校へ行きたくない」原因だったことが分かりました。それを周囲の人に話をすることで、その2つを多少なりとも解決する「保健室で自主学習をする」という方法を提案してもらえたのです。
さらに相談したことで、周りの大人も、私がどうして悩んでいるのかを理解してくれました。それぞれがお互いの考えを認め合うことで、私の罪悪感も和らいでいきました。
こうした体験からひとつ言えることは、罪悪感を感じすぎないためにも、「悩みをひとりで抱え込むことは避けた方がよい」ということです。
問題を放置し、誰にも相談しないことが、罪悪感につながっている場合があります。
そのため、できるだけ「周りの人に相談すること」が大切です。
周りの人とは、家族、友人、先生、スクールカウンセラー、塾や習い事の人たちのことです。
ただし、自分の気持ちが整理できるまで、時間がかかることもあると思います。
そういうときは、無理して話そうとしなくても大丈夫です。できる範囲であなたの悩みを人と共有するように心掛けてみてください。
周りに相談できそうな人がいないときは、住んでいる市区町村の相談窓口、メンタルクリニック、カウンセラー、不登校の人たちを支援するフリースクールや塾などを探してみましょう。
学校を休んで罪悪感を感じないための考え方
最後に補足として、「学校を休んで罪悪感を感じないための考え方」を紹介します。
まず覚えておいてほしいことは、「休んではいけない」とか「継続しなくではいけない」という考え方が、結果として自分を追い詰めているということです。
長続きをさせるためのコツは、適度な休みを取ることにあります。
それなのに、「絶対に休んではいけない」と思うことで、心も身体も疲れ切ってしまいます。さらに、「自分で決めたルールを守れなかった」と自分を責めることが、罪悪感に襲われる要因になる場合があります。
しかし、こうしたルールは、そもそも無理難題である場合が多いのです。
それよりは、「休みが必要なときもある」「調子がよいときもあれば、悪いときもある」と、のんびり構えてみましょう。その方が伸び伸びと勉強や通学を続けられるかと思います。
どうしても罪悪感を感じてしまうという人は、ぜひ「○○してはいけない、○○しないといけない」という考え方で自分を縛りつけずに、「こんなときもある」という余裕を持った考え方をしてみるとよいでしょう。
キズキ共育塾の講師たちからの、学校を休んで罪悪感を感じないためのアドバイス
この章では、個別指導塾・キズキ共育塾の講師たちによる、「学校を休んで罪悪感を感じないためのアドバイス」を紹介します。
参考として、ぜひご覧ください。(講師名は仮名の場合もあります)
加藤藍講師からのアドバイス
体調不良の場合
体調不良のまま、学校で授業を受けても効率が悪くなります。
体調が万全になるまで休んで、元気になってからでも、休んだ分は取り返せます。
まずは「自分の体調をととのえるのが一番大事な仕事」と考え、休みましょう。
体調不良ではないのに「体調不良」と言うことへの罪悪感について
体調不良は風邪やインフルエンザなど、目に見える不調だけではありません。
「心がつらい状態」も体調不良の一種です。
なので、心や気持ちがつらくて学校をお休みするのを体調不良と言ってお休みするのは、嘘をついているということには入りません。
罪悪感があるのなら、「心がつらいのでお休みします」と周りの方に伝えましょう。罪悪感が少なくなると思います。
学校を休むことで何もしてない1日を送ることの罪悪感について
学校を休むと、パッと見は「何もしてない1日」に見えます。
ですがそうではなく、「明日から頑張るための充電期間」です。
スマホも充電をしなければいずれ電源が切れたり、ずっと電源を入れっぱなしでは誤作動を起こしたりします。
同じく、人間も充電期間が必要です。必要な期間の長さは人によって違います。少し休めばすぐ回復する人もいれば、回復するのに長い期間が必要な人もいます。
休むことに対して深刻に考え過ぎないようにしましょう。
Y.I講師からのアドバイス
学校を休むと、多くの場合、休んでしまった罪悪感にとらわれることがあります。 ですが、生活の中で無理をしない時間を作ることは、心のゆとりを保つために必要不可欠です。 また、どこまでが無理に当たるのかは人によって異なります。 本人にしかわからないことなので、自分が無理をしていると思ったならば休みましょう。 とはいえ、責任感が強い人ほど学校という「世間で当たり前に行くとされている場所」に行かなかったことに対して、罪悪感を感じます。 そのときは、なるべく暇な時間を作らないようにしましょう。 暇な時間があると、自己分析を始め、それが自責の念を生み出します。 自分で思考を深めるのではなく、読書や映画鑑賞などに没頭するのがオススメです。そうすることで、ネガティブな感情から解き放たれると思います。
まとめ〜学校を休むことは「悪いこと」ではありません〜
学校を休むと罪悪感を感じる人に向けて、その原因と解消法を解説してきました。
あなたの学生生活に活かせる方法はあったでしょうか?
繰り返しになりますが、学校を休むことは「悪いこと」ではありません。
毎日学校に通っていれば、どうしても休みたい日が出てくるのは自然なことです。
そうしたときに、休むことに集中しようとうまく切り替えたり、自習をして有意義に時間を使えたりするかどうかで、あなたが抱える罪悪感の大きさはずいぶん変わります。
学校を休んでも勉強の遅れを取り戻す手段はあります。ですので、ぜひ「学校を休むことは悪いことだ」と思い詰めないようにしてください。
このコラムが少しでも罪悪感を感じやすいあなたの助けになれば幸いです。
私たちキズキ共育塾は、不登校などの「学校に行けないことを悩んでいる人」の支援をしている学習塾です。
「学校を休むことに罪悪感を感じる」「学校に行かないことは悪いことなのではないか」と悩む人も、たくさん相談にいらっしゃいます。
ご相談は「無料」ですので、もしよければお気軽にご連絡ください。
あなたのために、より具体的なお話しができると思います。
/Q&Aよくある質問
学校を休んだとき(休むとき)の罪悪感を解消する方法を知りたいです。
- 親に「理由はないけど休みたい」と正直に言う
- 必要な休みと割り切って休養に集中する
- 学校に行けなくても勉強は進める
- 午後からでも学校に出てみる
- なぜ学校に行きたくないかを考え抜く
学校を休んでも罪悪感を覚えなくなる考え方はありますか?