不登校のあなたに読んでほしいオススメの本15選 親御さん向けの本も紹介
こんにちは。生徒さんの勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする完全個別指導塾・キズキ共育塾です。
ご自身やお子さんの不登校にお悩みの方は、不登校関連の本を読み解決の糸口を探したいと考えることもあると思います。
このコラムでは、不登校関連のオススメの本を内容別に紹介します。
不登校に関する本はたくさんあり、その切り口、内容、対象読者はさまざまです。
不登校理解の入り口になる本、不登校経験者が書いた本、いじめを中心に扱った本など幅広く紹介しますので、気になるものから読んでみてください。
目次
不登校についての本を読む意味
本の紹介に入る前に、まずは不登校に関する本を読む意味を考えたいと思います。
不登校に関する本を読むことで、いま実際に不登校に悩む自分やお子さんが、現状を理解したり考えたりするきっかけになることは確かです。
特に、不登校経験のある人が書いた本であれば、「こういう悩みを抱えているのは自分だけじゃなかったんだ」と勇気づけられるはずです。
また、親御さんの場合は、医師や専門家の意見を知ることで、子どもへの接し方を考える機会になるでしょう。
ただ、不登校に至る経緯や理由などは、人によって異なります。
そのため、本の内容が自分に当てはまる・当てはまらないことにこだわらず、不登校から次の一歩に進むために何をするべきかを考えるきっかけの一つとして読み進めることが大切です。
反対に、ただ本を読むだけで解決したつもりになることにも、注意が必要です。
不登校に関する本を読む際は、以下のような意識を持っておくことが大切です。
- 不登校を解決するいい方法が、本の中にないか
- 自分の生活の中で活かせそうなことはないか
このように、本の内容はあなた自身やお子さんが、次の一歩を踏みだすための参考程度に留めておいてください。
ここからは、不登校に関する基本的な本、経験者による本、いじめで悩む子のための本、保護者の方向けの本と、4種類に分けて紹介します。
私たちキズキ共育塾は、不登校状態にある人のための、完全1対1の個別指導塾です。
生徒さんひとりひとりに合わせた学習面・生活面・メンタル面のサポートを行なっています。進路/勉強/受験/生活などについての無料相談もできますので、お気軽にご連絡ください。
不登校への理解が深まるオススメ本4選
この章では、不登校への理解が深まる本を紹介します。
不登校と聞くと、ネガティブなイメージを持つ人もいると思います。ですが、ここで紹介する本は、そうした不登校の捉え方を考えたい人にオススメしたいものです。
不登校を前向きに捉えるきっかけにもなりますので、「不登校ってそんなに悪いこと?」と疑問に思っている人は、これから紹介する4つの本を手にとってみてください。
①『不登校になったら最初に読む本』
フリースクールの校長をされている、小林高子氏の著書です。
フリースクールとは、何らかの事情で学校へ通えない不登校の子を中心に、勉強や生活面のサポート・ケアを行っている学校です(正規の学校ではありません)。
現場で不登校の子どもに接している人の立場から、どういった点が登校を妨げるイヤの壁になっているか、不登校解決へのステップにつながる出来事とは何か、といったことが紹介されています。
不登校で悩んでいるご本人には、「自分と似た気持ちを持っている子がいたんだ」と思える部分が多いと思います。
また、不登校を家族で乗り越えるために親御さんができることも解説されています。不登校の悩みに向き合う人が、最初に手に取りたい本の一つです。
参考:『不登校になったら最初に読む本』(小林高子 著/クロスメディア・マーケティング)
②『不登校・ひきこもりの心がわかる本』
こちらは臨床心理士として不登校やひきこもりの子に関わってきた磯部潮氏の本です。
不登校とひきこもりは似たものと捉えられることが多いです。しかし、その内実は異なります。
この本の中では、そうした不登校とひきこもり、それぞれの心理状況や対処法の違いなどが詳しく解説されています。
また、「不登校の原因はひとつに特定できないため、原因探しをすることに意味はない」としながらも、身体的要因や社会的要因など、さまざまな視点から不登校・ひきこもりにアプローチしているのも、この本の特徴です。
不登校とひきこもりの子がどういう気持ちで生活しているのか、何に悩んでいるのかを知りたい人に、特にオススメの一冊です。
参考:『不登校・ひきこもりの心がわかる本』(磯部潮・監修/講談社)
③『不登校・ひきこもりが終わるとき』
高校時代に不登校を経験し、7年かけて卒業した円山康彦氏の本です。
相談機関であるヒューマン・スタジオにて、代表だけでなく相談員も務めてきた経験から、当事者と家族(支援者)双方が不登校・ひきこもりと向き合う上で必要なことが、丁寧に綴られています。
構成は入門編と実践編に分かれています。実践編では具体的なケーススタディを紹介しながら、不登校・ひきこもりが終わるときが解説されています。
解決の糸口から見つからずに困っている方は、実践編まで読み進めることで、次の一歩を踏み出すためのよいイメージ作りができるはずです。
参考:『不登校・ひきこもりが終わるとき』(丸山康彦 著/ライフサポート社)
④『不登校 ひきこもり こころの道案内-今日からできる具体的対応法-』
不登校・ひきこもりを専門とするカウンセラー金馬宗昭氏の著書です。
青年期、成人期の不登校 ひきこもりのお子さんや、その親御さんに向けて、次の一歩を踏み出すための具体的な手段、実践的アドバイスが詰まった一冊です。
不登校やひきこもりの段階を「青信号」「黄信号」「赤信号」と分け、各段階に応じてわかりやすくシンプルな解説が展開されています。
また、著者自身も引きこもりを経験しており、専門家としてだけでなく、その当事者としての目線でも書き上げられた良書です。
参考:『不登校 ひきこもり こころの道案内-今日からできる具体的対応法-』(金馬宗昭 著/学びリンク株式会社)
不登校経験者が書いたオススメ本3選
この章では、実際に不登校を経験した人によって書かれた本を紹介します。
不登校経験者による本は、書かれている内容が生々しく、読んでいて気持ちが重くなることがあるかもしれません。また過剰に感情移入をしそうになることもあります。
そういった場合は、少し休憩をはさんだり一旦読むのをやめたりして、無理に読み進めようとしないようにしましょう。
一方で、単に挫折を乗り越えたサクセス・ストーリーとして消化するのではなく、自分だったらどうするかを考えながら読むことも大切です。
先述したように、本の内容と適度な距離を保つことを意識しながら、読み進めてください。
①『学校に行きたくない君へ』
1998年から不登校の情報交流紙を発行している不登校新聞社による、不登校経験者へのインタビュー集です。
インタビューに応じた人の中には、以下のような著名人が数多く名を連ねています。
- 『ジョジョの奇妙な冒険』で有名な漫画家の荒木飛呂彦氏
- マルチタレントのリリー・フランキー氏
- 小説家の辻村深月氏
- 棋士の羽生善治氏
- 脳科学者の茂木健一郎氏
対談形式で進むため、非常に読みやすいです。また、さまざまな人の不登校の捉え方に触れられるので、不登校への理解が深まるでしょう。
気になる人の章だけでも読んでみてください。
参考:『学校に行きたくない君へ』(全国不登校新聞社 編集/ポプラ社)
②『私たちも不登校だった』
ジャーナリスト、インタビュアーとして活躍されている江川紹子氏がまとめた、不登校経験者の記録です。
不登校経験のある人のその後を集めた内容です。
こちらは対談集ではなく、当事者の視点に寄り添って書かれた取材記録・取材報告の形式になっています。
また、取り上げられている人も、テレビに出演するような有名人よりも、一般の人が多いです。
年齢、性別、境遇ともに異なる6人の不登校経験者のその後が、小説に近い文体で書かれていますので、よりじっくり不登校に向きあいたい人にオススメの本となっています。
参考:『私たちも不登校だった』(江川紹子 著/文藝春秋)
③『学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで』
テレビアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』を代表作として持つ有名な脚本家、岡田麿里氏の自伝です。
岡田氏の、「小学5年生の頃から不登校になり、その後も中学・高校と進学するたびに、どうにか学校に通い続けようと思いながらも、学校へ通えなくなった体験や気持ち」が赤裸々に語られています。
アニメのライターを志した岡田氏が、担任の先生たちとのやり取りや家族の死などを乗り越えて、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』を書くまでの過程は、不登校の人でなくとも、引き付けられるものがあります。
語られている出来事は生々しい点も多いです。しかしそれを感じさせないようなさらっとした文体で読みやすいため、興味があれば一度読んでみてください。
参考:『学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで』(岡田麿里/文藝春秋)
いじめで悩む不登校の子に読んでほしい本3選
この章では、いじめで悩む不登校の子にオススメの本を紹介します。
いじめを受けていない子であっても、クラスの人間関係や、人とのつながりに悩んで不登校になっている子であれば、参考になることがあるかと思います。
学校での人間関係について考えたい人は、ぜひ手に取ってみてください。
①『いじめのある世界へ生きる君たちへ』
子どもの頃にいじめられっ子だった、精神科医の中井久夫氏の本です。
この本に記されているいじめ論は、多くの人の興味を引き、名著として長い間、さまざまな人に読まれてきました。
著書内では、いじめを孤立化・無力化・透明化という3段階に分けて進むものとして、それぞれに分析されています。
さらに、「いじめかどうかの見分け方」「安全な居場所の確保」などにも章が分かれています。総ページ数は100ページに満たないため、比較的読みやすいです。
参考:中井久夫『いじめのある世界へ生きる君たちへ』
②『いじめない力、いじめられない力』
教育ジャーナリストである品川裕香氏の著作です。
この本では、いじめが起こる原因などをまとめた上で、学校では教えてくれない、いじめに関わらない力を身につけるための方法が紹介されています。
この本の特徴は、「自分の気持ちを言葉にする力、自分自身の状態を理解する力、自己決定する力など、いじめを避けるために必要な力を細かく分けて解説していること」です。
また、ADHDなどの発達障害のある子に向けたメッセージが多い点も、この本の魅力と言えます。
教育的な観点から、いじめに関わらない力を身につけるために、親御さんが協力できることも書いてありますので、いじめの当事者だけでなく、親御さんにもオススメです。
参考:品川裕香『いじめない力、いじめられない力』
③『友だち幻想』
宮城教育大学の副学長であった菅野仁氏の本です。
本書は「全国1000人以上の先生が選んだ、中高生にいま一番読んでほしい本」に選ばれるなど、近年、人間関係に悩む学生が人付き合いを考えるきっかけとして定評がある本です。
菅野氏はこの本の中で、クラスの中で同じ意見を求められるときに働く圧力を同調圧力と呼び、それがどうして生じるのかを解説しています。
また、仲よくなりたい反面、傷つくのが怖くて距離を置くなど、人と人とのつながりの中で生じる矛盾した気持ちが、一つひとつ丁寧に分析されています。
特に、スマホやSNSの浸透などで、人との距離感がわからずに悩んでいる人にオススメです。
また、いじめに関しても、誰か一人を標的にすることでクラスの残りの人たちの結束が強まる「スケープゴート」の観点から分析されているため、興味があればぜひ読んでみてください。
参考:菅野仁『友だち幻想』
不登校の子の親御さんに読んでほしい本5選
この章では、不登校の子を持つ親御さん向きの本を紹介します。
あらかじめ注意していただきたいのは、本の中で書かれている対処法が、そのまま活用できるわけではないことです。
仮に「積極的に子どもに声掛けをしていきましょう」といったアドバイスが書かれていたとしても、ひきこもりの子などの場合は、お子さんの回復状況や性格次第でそっとしておいた方がいい場合もあります。
大切なのは、「あなたのお子さんとの接し方」に応用できるかを見極めることです。
その点に留意して、本に書かれていることを取り入れていくと、不登校解決の糸口につながる可能性が高くなるはずです。
ただし、親御さんだけ見極めることは簡単なことではありません。
公民を問わず、不登校の支援を専門とする機関は多くありますので、積極的にそちらへ相談されることをオススメします。
①『登校しぶり・不登校の子に親ができること』
中学校教諭であり、特別支援教育士でもある下島かほる氏の本です。
登校を渋っていたり、実際に不登校になっている子に対して、親の立場からできることに焦点を絞って解説しています。
特に、不登校の一般的な経過を不登校開始期・ひきこもり期・回復期に分けて、それぞれの経過に応じた働きかけ方のポイントを紹介している点が特徴的です。
また、休みたい発言が増えはじめる不登校の前兆期にできることなども手厚く書かれています。また、不登校の兆候が表れる時期から、解決後のフォローまで、幅広く書かれています。
不登校が心配な親御さんが最初に手に取る本としてオススメです。
参考:下島かほる『登校しぶり・不登校の子に親ができること』
②『不登校は1日3分の働きかけで99%解決する』
長年スクールカウンセラーをされてきた森田直樹氏の本です。
不登校から次の一歩を踏み出すためには、「子どもの持つよさを見つけて『自信の水』をつくることが大切」という理念のもと、親が子どもに自信を持たせるためにできるポイントが語られます。
後半は支援の成功事例を通して、どのように子どもと接したらよいかが解説されていますので、親御さんの参考になる部分も多いと思います。
高校生に関連するものも書かれてはいますが、メインは小・中高生です。
参考:森田直樹『不登校は1日3分の働きかけで99%解決する』
③『ゲーム依存からわが子を守る本 正しい理解と予防・克服の方法』
発達障害やネット依存・ゲーム依存の治療相談に携わる精神科医、花田照久氏と八木眞佐彦氏による著書です。
不登校と並べて語られることが多いゲーム依存。この本では、ゲームは「学校や家庭での孤立感、対人関係のストレスなどを解消するもの」「生きていくための心の杖」であるため、ただ取り上げることは逆効果だと語られています。
「ゲーム依存の裏には、子どものどのようなSOSがあるか」、そして「親子で一緒にゲーム依存から抜け出すための解決法」が解説されています。ゲーム依存に悩む親御さんにとっては大きなヒントとなる一冊です。
全96ページと非常にコンパクトにまとめられているため、忙しくて時間がない親御さんでも読みやすくオススメです。
参考:花田照久・八木眞佐彦・監修『ゲーム依存からわが子を守る本 正しい理解と予防・克服の方法』
④『学校に行かない子との暮らし』
親御さん、不登校の元当事者、学校の先生など、さまざまな立場の著者が作り上げた書籍です。
「親はいつまで待てばいいの?」「将来は大丈夫?」といった、不登校に悩む親御さんなら一度は感じたことがある疑問に一つひとつ丁寧に回答されています。
また、不登校の子どもとの関わり方に関して、教師・親・当事者と、それぞれの視点で丁寧に説明されているのも、この本の特徴です。
「子どもの気持ちがうまくつかめない」「子どもとの距離感がわからない」とお悩みの親御さんにぜひ読んでいただきたい一冊です。
参考:岡崎勝・編著、浅野康弘・内田良子・香西真希子・里中和子・野田彩花・山下耕平・著『学校に行かない子との暮らし』
⑤『暗闇でも走る 発達障害・うつ・ひきこもりだった僕が不登校・中退者の進学塾をつくった理由』
私たちキズキ共育塾の運営元である、株式会社キズキの代表の安田祐輔の著書です。
発達障害によるいじめや、不登校、家出などを経験した当事者の視点を活かして、当時の自分が悩んでいたことや考えていたことを、自伝的に綴っているのが本書の特徴です。
学生時代のことだけではなく、その後の社会人生活や、キズキ共育塾を立ちあげるまでの過程にも紹介されているため、不登校経験者のその後を知りたいなら、特にオススメです。
また、本の後半では、進学塾の代表を務める立場から、学び直しなどを通じて「何度でもやり直せる社会をつくる」ことの大切さが語られています。
不登校やひきこもりを後ろ向きに捉えるのではなく、そこからどうやって次のステップを踏みだしてきたのかが説得的に紹介されているため、親御さんだけでなく、将来を考えるお子さんにも読んでいただきたい一冊です。
まとめ~不登校に関する本で知識を深めましょう
4つの切り口に分けて不登校に関する本を紹介してきました。手に取ってみたいと思えるものはありましたか?
繰り返しになりますが、不登校に関する本をただ読むだけでなく、それを自分の生活や将来に活かせないかと考えることが大切です。
また、本の中に書いてあるアドバイスは、すべてがあなた自身やお子さんに応用できるとは限りません。
あくまでも本は知識を深めるためのツールであり、それを参考にして自分なりに考え、実践していく姿勢を忘れないようにしてください。
そして何よりも、不登校に詳しい人たちへの相談も大切です。
このコラムを読んだあなたが、いずれかの本を手に取って理解を深め、不登校から次の一歩を踏みだすことに繋がりましたら幸いです。
私たちキズキ共育塾では、不登校の悩みから、次のステップへ進もうとしている人たちを支援しています。
高校・大学受験、高卒認定試験、学校復帰など、無料相談も随時行っております。お悩みを抱えているなら、ぜひ一度ご相談ください。