学校に行く意味とは?不登校を経験した私が「学校に行く意味」を考えてみた

学校に行く意味とは?不登校を経験した私が「学校に行く意味」を考えてみた

こんにちは。学校についてお悩みの人たちを完全個別指導でサポートするキズキ共育塾の土井です。

あなたは今、「学校に行く意味がわからない…」と悩んでいるのではないでしょうか?

  • 不登校で親から学校へ行くようにと言われている。でも学校に行く意味がわからない
  • 学校に行きたくないけど、がんばって登校している。どうして学校に行かなきゃいけないんだろう?

このように、「学校に行く意味」を考えるきっかけは、人それぞれだと思います。

ほかにも、納得できる答えを得られないことで、「学校の先生や親も、学校へ行く意味をわかっていないのでは?」と不信感がつのったことがあるかもしれません。

私は、中学生と高校生のときに不登校を経験し、あなたと同じように「学校に行く意味」を考えたこともあります。

このコラムでは、不登校を経験し現在は塾講師として生徒に接している私の視点から、学校に行く意味を考えたいと思います

さて、結論から言えば、学校に行く意味が分からなければ、行かなくても問題ありません。ただし、行かないなりの苦労があるいうことは知っておくことが大切です。

あなたの「学校に行く意味がわからない…」という悩みを少しでも解消できましたら、幸いです。

共同監修・不登校新聞社 代表理事 石井志昂氏からの
アドバイス

不登校を通じて、自分の「核」が見つかるかもしれません

「学校へ行く意味は何か」。これは、とても大事な問いです。
あなたが学校に行く意味に悩んでいるのならば、あなたは大人への階段を上っている途中、だということです。
この問いを大切にすることで、自分の中で譲れない「核」を見つけられるかもしれません。

自分の核は、自分でつかむものです。
学校で教わることでも、親が教えてくれることでも、YoutubeやSNSの情報から得られるものでもありません。

「なぜ自分は、学校に行くことに疑問や違和感を持つのか」という問いへの答えを、「自分はみんなと違うから」と片付けずに、自分なりに考えてみてほしいと思います。
私自身も、不登校の経験を通じて、自分の核を見つけられました。
あなたも、もし気づきがありましたら「不登校新聞」の私まで教えてください。

学校に行く意味とは?

学校に行く意味として、次の7つのことが考えられます。

  • 友達と会うため
  • 部活のため
  • 勉強のため
  • 学校生活を経験するため
  • 進学のため
  • 学校行事のため
  • 給食・弁当などお昼ごはんのため

このように、学校に行く意味は1つではありません。

また、「誰にでも当てはまる意味」があるわけでもなく、学校に行く意味は人によって異なります

他の人とは同じでなくても、自分で意味を感じられていれば、それでよいのです。

ここからは、それぞれの理由を詳しく解説します。考えの整理に役立ちましたら幸いです。

意味①友達と会うため

友達と会うため

友達と会うこと(が楽しいこと)は、学校に行く意味になります。

学校そのものや授業が楽しくなくても、休み時間に友達と話すことに意味を感じて学校に行く人は多いでしょう。

意味②部活のため

学校に行く意味を部活に見出す人もいます。

「放課後の部活のためなら授業もがんばれる」と考える人もたくさんいるでしょう。

「部活で県大会に出場する!」など、具体的な目標を持つことで学校に行く意味を感じられる場合もあるかもしれません。

意味③勉強のため

勉強のため

学校生活はほとんどが授業時間なので、「勉強」は学校に行く意味の一つになるでしょう。

英語、体育、美術など「科目の内容が好きで楽しい」「科目を学ぶことが楽しい」と思うことがあるかもしれません。

また、授業が面白い先生がいて、その先生の授業を受けることが学校に行く意味になる場合もあります。

意味④学校生活を経験するため

特定の理由はないものの、学校生活全体が好きで学校に行っている人もいるでしょう。

授業を受けて、休み時間は友達と遊び、部活をして帰るといった一連の学校生活が楽しいを感じると、それは学校に行く意味となります。

意味⑤進学のため

進学のため

いまの学校を卒業した直後や将来的に、高校・大学に進学したい場合、「今の学校」に行くことに意味を見出せるでしょう。

一般受験のための勉強をする、推薦を狙う場合は部活や生徒会活動などに取り組む、といったことです。

意味⑥学校行事のため

体育祭や文化祭などの学校行事は、学校に行っているからこそ経験できることです。

そうした学校行事が楽しめることを、学校に行く意味と感じる人もいるでしょう。

意味⑦給食・弁当などお昼ごはんのため

給食や弁当のようなお昼ごはんのため

給食や弁当が学校に行く意味になっている人もいるでしょう。

私自身も、「今日の授業は憂うつだなあ…」と思う日でも、給食のメニューが好きなものだと「給食のためにがんばろう」と思えていました

学校に行くことは「当たり前」ではない

ここまで、学校に行く意味を考えてきました。ですが、そもそも学校に行くことは当たり前ではありません。

学校に行くかどうかは、最終的には自分で選ぶことができます

ここでは、学校に行くことが当たり前ではない理由を解説します。

理由①学校に行くのは義務ではない

学校に行くのは義務ではない

小学校や中学校は義務教育なので、「学校に行くのが義務」と思っている人は多いでしょう。

しかし、ここで使われている義務とは、「子どもが学校に行く義務」ではありません

義務があるのは、子どもではなく親(保護者)なのです。

義務教育の義務とは、「親が子どもに教育を受けられる環境を整える義務がある」という意味になります。

つまり、子どもは学校に通って教育を受ける「権利」が与えられていますが、必ず行かなければならない「義務」があるわけではないのです。

理由②学校で学べることは学校以外でも学べる

学校で学べることは学校以外でも学べる

学校で学べることはたくさんあります。

しかし、学校で学べることは、「学校でしか学べないこと」ではなく、「学校以外の場所でも学べる」のです。

例えば、勉強であれば塾や家庭教師に教わったり、人間関係であれば習い事教室などで周りの人たちと触れ合いを持ったりすることができるでしょう。

学校以外の場所で学ぶことが向いている人もたくさんいます。

つまり、学校が合わなかったり、より自分らしく学べる場が学校以外に見つかったりすれば、学校以外の場で学ぶことが1つの選択肢になるのです。

私自身、実際に学校以外の場で、自分に合った学習方法で勉強したことで、成績が伸びた人をたくさん見てきました。

参考:学校に行かないことで「大変さ」が生じる可能性がある

学校に行かないことで「大変さ」が生じる可能性がある

ここまで、学校に行くことが「当たり前ではない」理由をお伝えしてきました。

ただ、学校に行かない選択をする場合、それなりの苦労があることも事実です。

例えば、学校では授業や宿題などの形で勉強の機会が整えられています。

そのため、学校に行っていれば「授業レベルの勉強」の機会を探す必要は基本的にはないでしょう。

「普通に授業を受けて行くうちに、勉強が自然と身についていく」のです。

一方、学校以外の場で勉強をする場合は、「(受験レベルの高度なものではなく、)授業レベル」であっても、塾や家庭教師や通信教育などの勉強方法を、自分で探す必要があります。

また、中学生の場合は出席日数が足りないことが内申点に影響し、一部の高校には進学できなくなる可能性も考えられるでしょう。

学校が合っている人もいますし、学校以外の場所や勉強方法が合っている人もいます。

どちらが「よい・悪い」ということではありません。ただし、それぞれに「よいところ・大変なところ」があることを知っておきましょう。

「学校に行かない=社会に出られない」ではない

「学校に行かない=社会に出られない」ではない

ここまでの内容を読んで、「本当に学校に行かなくても大丈夫なの…?」と思った人もいると思います

そう思った人は、もしかしたら「学校に行かない=社会に出られない」と思っているかもしれませんね

私も昔はそう思っていました。

中学1年生で初めて不登校になったときは、「このまま学校にも行けず、社会に出られないのではないか」ととても不安で将来が心配でした。

「一度の決断で、これからの人生のすべてが決まったのでは…?」と、当時は激しく後悔したこともありました。

しかし、冒頭で自己紹介したように、現在は塾講師として働いています。つまり、無事社会に出られたのです(大学にも通えました)。

学校というレールから一度でも外れると、もう二度と戻れないような感覚があるかもしれません。

ですが、大学生になるタイミングや社会人になってから学校に復帰する人もいます。社会に出ることを目的とする場合、学校以外にもさまざまなルートがあるのです

例えば、小学校・中学校では意味を感じられず「学校に行かない選択」をしても、その後、中学や高校で学校に復帰するケースもあります。

また、高校に意味を感じられずに中退しても、「高等学校卒業程度認定試験(旧大検)」を取って、専門学校や大学へ進学する人もいるのです。

他には、就職したりやアルバイトとして働いたりすることも1つの選択肢です。自分で起業する方法もあるでしょう。

学校は、社会に出るための手段として、多くの人が経験するわかりやすいルートです。

しかし、学校以外にもさまざまな方法・ルートがあることを知っておくと、少し気持ちが楽になるかもしれません。

現役塾講師がオススメする5つの「学校以外の学びの場」

学校以外でも学びの場はたくさんあります。

ここからは、現役塾講師である私が選ぶ「学校以外の学びの場」を5つご紹介します。

学びの場①塾

塾

塾を利用すると、一人で勉強するよりも効率的に勉強を進められます

科目の内容を学べるだけではなく、勉強のペースメーカーになったり、進学の情報も入手できたりするからです。

特に集団塾の場合は、気の合う友達に出会う機会になるかもしれません。

私の場合は、勉強するため以上に、友達と会うために塾に行っていたくらいです。

学校を離れることで、友達と会ったり、人と話したりする機会も少なくなりました。そのため、塾を「人と会う場所」として活用していたのです。

さらに、塾も利用しつつ、「○月までに○個の英単語を覚える!」などの目標を決めて勉強することで、計画を立てる力・実行する力・継続する力を身につけられます

インターネットを通じて塾を探したり、気になるところがあれば資料請求や体験入塾をしたりして、あなたに合う塾を探しましょう。

中には、私たちキズキ共育塾のように、不登校の方の支援を目的とした学習塾もあります。

不登校からの受験・進学の実績を持った学習塾へ問い合わせてみるのも、一つの選択肢となるでしょう。

学びの場②フリースクール

フリースクールは、勉強の場にもなりますし、友人関係を学ぶ場にもなります。

定期的に通う場があると、外出する機会にもなりますし、生活のリズムを整えるのにも役立ちます

また、フリースクールでは、自分の好きなことを探究できたり、行事で周りと協力したりするなど、様々な経験ができるのです。

フリースクールは、住んでいる市区町村や近場の市区町村と組み合わせて検索すると、候補となるところが見つかるでしょう(例:「渋谷区 フリースクール」)。

フリースクールには、それぞれの特徴があります。「通えそうなところに見学に行く」「ひとまず資料を請求する」などをすることで、自分に合った場所が見つかるはずです。

学びの場③通信教育・動画授業

通信教育や動画授業

通信教育や動画授業には質の高い教材も多く、勉強する上で役立ちます。

塾やフリースクールと異なり、自分で勉強の計画をする部分が大きいです。そのため、計画を立てる力や計画を実行し継続する力などが身につきます

また、動画授業を見ていてわからない部分を、自分で調べることを習慣にすると、独学で学ぶ力が身につきます。

以下、独学で利用するのにオススメのサービスをご紹介します。ぜひ活用してください。

独学にオススメのコンテンツ
  • ちびむすドリル
    株式会社パディンハウスの運営です。
    幼児・小学生・中学生向けのプリントが揃っています。
  • 漢字検定WEB問題集
    漢字検定(漢検)に出題される漢字をサイト上で学べるファンサイトです。
    漢検のレベルに合わせて問題が整理されています。
  • Try IT(トライイット)
    「家庭教師のトライ」でおなじみの株式会社トライグループによる運営です。
    中学生・高校生向けの映像授業を無料で視聴できます。
  • 【YouTube】Historia Mundi
    「ムンディ先生」の愛称で親しまれている高校の社会科教師、山崎圭一先生によるYouTubeチャンネルです。
    世界史を中心に、日本史、地理といった大学受験に必要な科目をわかりやすく解説しています。

学びの場④習い事

習い事

習い事は、「目標に向かってコツコツ進めていく力を養う場」になります。

習い事を通じて友達ができることもあります。また、ライバルのような関係の友達と切磋琢磨する経験もできるかもしれません。

また、習い事がきっかけで自信がつくことも少なくありません。進学先や将来の仕事が見つかる人もいます

個人的に私がオススメする習い事は、「体を動かす習い事」と「プログラミング」です。

体を動かす習い事には、野球、サッカー、テニス、バスケ、陸上など、様々なものがあります。

体を動かす習い事をオススメする理由は、「学校へ行かないことで、運動の機会が減るから」です。

運動不足が続くと、肩こりなどの体調不良につながる可能性があります。

運動をすることで、そのような体調不良を未然に防げたり、基礎体力がついたり、ストレス解消になったりするなど、よい傾向が現れることもあります。

プログラミングもオススメの習い事の1つです。

2020年度から小学校でも学習が始まった、今後必要とされるスキルの1つになります。

プログラミングの魅力は、将来の可能性が広がるだけでなく、何かを作ることの喜びや達成感も味わえることです。

学びの場⑤趣味のコミュニティ

趣味のコミュニティ

趣味を通じて、さまざまなことを学ぶ機会が得られます。

趣味を探究することで、好きなことを極める能力にもつながるかもしれません。また、趣味のコミュニティで気が合う友人に出会うこともあるでしょう。

趣味が、将来的に仕事につながった人もいます。

私は学生時代に、趣味として囲碁をやっていました。

囲碁を通じて、同世代はもちろん、地域の大人やインターネットで出会った人など、色々な人と交流できました

その当時出会った友人は、今でも付き合いがあります。

また、囲碁をがんばることで、周りにも認められる機会となり自信にも繋がりました。

まとめ:学校に行く意味は「人それぞれ」です

学校に行く意味は「人それぞれ」です

学校に行く意味は、人それぞれ異なります。

どうしても学校に意味を感じられない人もいるでしょう。

ですが、学校に行く意味を感じられないことは、決して悪いことではないのです。

また、これまでお話ししてきたように、学校以外にも学びの場はたくさんあります。

もし、学校に行くことに意味を感じられない場合は、学校以外の場にも目を向けましょう。そして、自分が「行く意味」を感じられる場所を探しましょう。

学校だけにこだわりすぎず、意味を見出せる場所を見つけ、自分らしく学んでいくことが大切なのではないかと私は思います。

私たちキズキ共育塾では、学校以外の学びの場として、みなさんの勉強をサポートしています。

無料で相談も承っております。ぜひお気軽にお問い合わせください。

監修 / キズキ代表 安田祐輔

やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための就労移行支援事業所「キズキビジネスカレッジ」も運営。

【新著紹介】

『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法』
(2022年9月、KADOKAWA)
Amazon
KADOKAWA公式

【略歴】

2011年 キズキ共育塾開塾(2023年7月現在10校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)

【メディア出演(一部)】

2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

共同監修 / 不登校新聞社代表理事 石井志昂

いしい・しこう。
1982年、東京都町田市出身。NPO法人全国不登校新聞社代表。
中学校受験を機に学校生活が合わなくなり、教員や校則、いじめなどを理由に中学2年生から不登校。同年、フリースクール「東京シューレ」へ入会。19歳からNPO法人全国不登校新聞社が発行する『不登校新聞』のスタッフとなり、2006年から2022年まで編集長。これまで、不登校の子どもや若者、識者など400人以上に取材してきた。

【著書など(不登校新聞社名義も含む)】

「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること(ポプラ社)』『フリースクールを考えたら最初に読む本(主婦の友社)』『学校に行きたくない君へ(ポプラ社)』『続 学校に行きたくない君へ(ポプラ社)』

【寄稿など(一部)】

AERAdot」「プレジデントオンライン」「東洋経済オンライン」「FRaU」など多数

サイト運営 / キズキ

「もう一度学び直したい方」の勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする学習塾。多様な生徒さんに対応(不登校・中退・引きこもりの当事者・経験者、通信制高校生・定時制高校生、勉強にブランクがある方、社会人、主婦・主夫、発達特性がある方など)。授業内容は、小学生レベルから難関大学受験レベルまで、希望や学力などに応じて柔軟に設定可能。トップページはこちら。2023年7月現在、全国に10校とオンライン校(全国対応)がある。

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