
やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための「キズキビジネスカレッジ」も運営。
こんにちは。キズキ共育塾の清水優希です。
今回のコラムは、
「めんどくさい」
「だるい」
そんな理由で学校に行きたくないと思っているあなたに向けて書きました。
結論から言うと、学校がめんどくさいなら、「行かない」という選択肢もアリです。
「行く」「行かない」、どちらを選択しても間違いではありません。行かないからといって自分を恥じる必要もありません。
ただ、「学校に行かない」場合、何もせずに過ごしていると、たくさんのチャンスを逃してしまうかもしれない、ということも事実です。
大事なのは、いろんなことを考え、相談し、自分で納得して決めることです。
この記事では、「学校がめんどくさい」と悩むあなたのために、次のようなことをまとめました。
この記事を読んでわかること
ぜひ、今後の学校との付き合い方に参考にしてみてください。
合わせて人気のページ
目次
「学校行くのめんどくさいな…」
「学校だるい…早く家に帰って布団に入りたいな…」
この記事を読んでいるあなたは、こんなふうに思っているんじゃないでしょうか?
正直に言うと、その気持ちめっちゃわかります!
私も高校生のときは、しょっちゅう「めんどくさい、早く帰りたい」と思ってました。
別に学校が嫌いなわけでもないし、勉強も好きでしたし、友達にも恵まれていました。
でも、毎日学校に通うのはめっちゃ疲れるし、何だかめんどくさいと思っていたのです。
現在の私は大学生なのですが、「入りたかった大学の、入りたかった学部」に通っている今でさえ、学校に行くことがどうしようもなくめんどくさい日があります。
「学校がいきなり休みにならないかな…」と期待することもあります。
私の主観ですが、学校に通ったことがある人の中で「めんどくさい」「だるい」と思ったことが一度もない人はほぼいないと思います。(いたらとても尊敬します。ぜひ誇りに思ってほしい!)
毎日朝起きて、学校に行くことって本当にすごいことです。
つまり何が言いたいかというと、他のみんなも、あなたと同じように学校を「めんどくさい」「だるい」って思ってるよってことです。
あなたがTwitterユーザーなら、ぜひ #学校行きたくない で検索してみてください。
学校に行きたくない仲間たちの本音がたくさん見つかります。
なので、「学校がめんどくさい」と感じることは決して恥ずかしいことや悪いことではないです。
学校をめんどくさいと思うときには、まずはありのままの自分を受け止めて、自分の素直な気持ちを否定せず、受け入れてみてほしいです。
そしてその気持ちと一緒に、焦らず、一歩ずつ毎日を過ごすことで、少しずつ前に進んでいくことができるようになります。
まずは、今日を一日乗り越えることから。
そうすれば、自然と明日がやってきます。
学校に行くか、行かないか。その答えを考えるにはまず、「そもそもどうして学校に行くの?」という疑問と向き合ってみるといいと思います。
なんとなく学校に通っていると、この答えを考える暇ってあんまりないですよね。
せっかくなので、ここで少しだけ学校に行く意義を考えてみましょう。
学校では、さまざまな教科の勉強ができます。
もしあなたに「将来やりたいこと」があるなら、勉強はそれに向かうための強力な武器になります。特に高校までの勉強は、どのように生きるとしても、「基礎」として大切になります。
やりたいことが特にない場合も、いつかあなたが目標を見つけたとき、勉強したことが活きてくることがあります。逆に、勉強を通じて「目標」が見つかることもあります。
また目標があってもなくても、「生きていく」上で勉強が活きる場面はたくさんあります。
つまり学校には、「将来」や「生活」につながる勉強をする意義がある、ということです
私たちは、他人との関わりなくしては、生きていくことはできません。
学校ではさまざまな人(クラスメイト、先輩・後輩、先生など)と一緒に学び、遊び、生活します。
つまり学校には、いろいろな人との関わり方を通じて、「社会性」を身につける意義がある、ということです。
「どうして学校に行くのか?」…その答えを少し考えてみることができたでしょうか?
ここでは2つ紹介しましたが、ほかにも自分なりに考えてみたら案外面白い発見があるかもしれません。
ここまで読んで、「やっぱ学校に行かなきゃダメか…」と思いましたか?
または、「学校に行く意義なんて、周りの人からしょっちゅう言われているよ。でもめんどくさいんだよ」と思いましたか?
お伝えしたとおり、学校に行く意義はもちろんあります。しかし、だからと言って「必ずしも学校に行かなくちゃダメ」というわけではありません。
学校がどうしても「めんどくさい」「だるい」なら、学校をお休みしてみてもいいのです。
「めんどくさい」という気持ちは、あなた自身が気づかぬ内に体や心が疲れていて、休みを必要としているサイン。
長い人生の中で、人はどうしても「休憩」が必要なときもあるのです。
そういうときは無理をせず休みましょう。
まずは1日だけ休んでみても構いません。そして、1日だけ休んでもめんどくさい気持ちがなくならないなら「学校に行かない(いわゆる不登校)」という選択を取ってもいいと思います。
学校を休むこと、不登校なことを、恥ずかしいと思ったり自分を責めたりする必要は一切ありません。
文部科学省も、「不登校とは学校に行かないことだから、よくないことなんですか?」という質問に対して、次のように答えています。
不登校は、取り巻く環境によっては、どの子供にも起こりうるものと考えています。不登校は決して問題行動でありません。
さて、「学校を休んでもいい」とお伝えしましたが、「学校を休むデメリットが全くないわけじゃない」ということは、正直にお伝えします。
まず、学校に通う意義の例である「勉強」と「社会性」に触れる機会が減る可能性はあります。
また、中学生で出席日数が少ないと進学できない高校があったり、高校生は進級できなかったり退学になったりすることもあります。
「じゃあやっぱり学校に行かなきゃいけないの…」と思うかもしれません。
ですが、悲観する必要はありません。
例えば勉強は塾などでもできますし、社会性は趣味の団体や地域のスポーツサークルなどでも身につけられます。
また、出席日数が少なくても進学できる高校はありますし、高校で進級できなくても高卒認定を取って大学や専門学校を受験することもできます。
つまり、学校に行かなくても、別の手段で「次の一歩」に進むことはできるということです。
長い人生の中で、道はたくさんあります。
例え「ある一つの道」に進めないとしても、他にもたくさん道があるのです。
だから、きっと大丈夫。
大きく深呼吸してみてください。
「それなら学校を休んでみようかな」と思ったあなたへ。
学校に行かないという選択を取ってもいいですが、だからといって毎日何もしないで過ごすというのは非常にもったいないと思います。次のようなステップを踏んでみてはいかがでしょうか?
次のステップに進むための休憩は必要です。
十分なお休みを取ったら、せっかく時間があるのだから、自分の好きなことをとことんやってみましょう。
読書、ゲーム、スポーツ、映画鑑賞など何でもいいです。
自分の好きなことをとことんやってみることによって、新しい発見があるかもしれません。そこから将来につながって行くかもしれません。
このとき、趣味・習い事の団体や地域のスポーツサークルなどに通ってみたりすると、学校の代わりに人との交流を持ち、社会性を身につけることができます。
そして、好きなことに加えて、または好きなことが思いつかない場合は、「勉強」をしてみることをオススメします。
勉強をして損をするということは絶対にありません。
先に述べたとおり、勉強は、あなたの「将来」や「生活」につながるからです。
勉強する場所については、親をはじめ、周りの大人に相談もして探してみましょう。
例えば塾もありますし、学校に行きたくない人たちの相談に乗ったり、同じような気持ちの子どもたちが集まっていたりするフリースクールなどもあります。
いつか学校に戻るという場合にも、勉強をしておくとスムーズになります。
今まで学校に「行く」ことのメリットや、「行かない」という選択肢、行かない場合のデメリットや代替手段についてまとめてきました。
それをちょっと参考にしながら、もう一度「学校が『めんどくさい』けど、どうするか」について考えてみてください。
もし、
「『めんどくさい』けど、学校に行くことを続けよう」
「一回休んでみたけど、通学を再開しよう」
などと決めたなら、これから紹介するモチベーションアップの方法を参考にしてみてください。
何か将来の目標を考えて、それが学校に行くこととどうつながるかを考えてみましょう。
目標は、何でもいいです。
目標の例
目標はいくつあってもいいですし、途中で変えてもいいです。
とにかく、学校に行くことが目標に対してどうつながっていくのかを考えてみてください。
次のように、目標が学校とつながると、学校に行くモチベーションが上がります。
「めんどくさい」「だるい」…そう思いながら、学校に通えるということは本当にすごいことです。
「学校がめんどくさい」と思っていると、人間関係がうまくいかないこと、テストの点数が思ったように伸びないことなど、自分の悪いところに目がいきがちです。
しかし、すでにあなたができていることはたくさんあります。
ぜひ、どんな小さなことでもいいから、自分を褒めてください。
自分の小さな成長を見つめてください。
そうすると、今までより学校に行くことの負担が減っていくと思います。
「この先にいいことがある!」と思うと、めんどくさいことやつらいことも乗り越えられたりしませんか?
私は高校生のとき、自分が人生の中でトライしてみたいこと、いつかやりたいことなどをたくさん書いたリストをつくって、とにかく思いつくものはたくさん書いていました。
私のやりたいことリストの例
そして、そのリストを見ながら「今週がんばって学校に行ったら、映画を見よう」とか、「夏休みに入ったら、旅行に行こう」など、楽しいことを想像して、モチベーションを高めていました(実はこれは今もやっています)。
あなたもぜひ、「やりたいことリスト」をつくって、「学校に行ったらこれをする」、と決めて、めんどくさい毎日を乗り越えてみてください。
モチベーションアップの方法を3つご紹介しました。
他にも、人それぞれみんな違うモチベーションアップの方法を持っていたりします。
なので、友達、先輩後輩、親、学校の先生など、周りの人にモチベーションアップのノウハウをぜひ聞いてみてください。
よさそうなのがあったらトライしてみるのもいいし、「みんな『めんどくさい気持ち』に取り組んでるんだな」と知ることができるだけでも自分の気持ちが軽くなると思います。
私も「やりたいことリストをつくる」は、一緒に通学していた友達に教えてもらいました。
これまでのことをまとめます。
「学校、めんどくさいなあ」と思う気持ちは、みんな持っています。
どうしても学校に行きたくないなら、行かなくても大丈夫です。
心と体を休めましょう。
学校に行かないことによるデメリットはあるのですが、それらは学校以外で取り戻すことができます。
もし、「めんどくさいけど、学校に行こう」と決めたなら、モチベーションを高める方法を試してください。
最後に伝えたいのは、「めんどくさい」という気持ちや学校での不安は、決して一人で抱え込む必要はないということです。
学校に行くか行かないか悩んでいたり、学校に行かないけど勉強したいと思っていたりするなら、ぜひ周りの人に相談してみてください。
親でもいいですし、学校のカウンセラーさん、保健室の先生、地域の相談窓口など、さまざまな相談先があります。
「自分のめんどくさい気持ちをうまく話せるかわからない」という人も、「相談するのって、勇気がいるし、恥ずかしい」と思っている人も、心配しなくても大丈夫です。
相談に乗ってくれる人は、あなたと一緒に前を向いていきたいと思っています。もし相談した相手が自分と合わないな、と思ったら、次の相談相手を探しましょう。
キズキ共育塾でも無料相談を行っていますので、もしちょっとでも気になれば、お気軽にご相談ください。
あなたが「学校って、めんどくさい」と思う気持ちと向き合いながら、あなたの将来に向かって進めるよう、祈っています。