学校がめんどくさい中学生・高校生へ|学校を「休む」選択もアリです

学校がめんどくさい中学生・高校生へ|学校を「休む」選択もアリです

こんにちは。キズキ共育塾の清水優希です。

今回のコラムは、
「学校がめんどくさい…」
「学校に行くのがだるい」
そんな理由で学校に行きたくないと思っている中学生や高校生のあなたに向けたものです。

結論から言うと、学校がめんどくさいと思っているなら、「行かない・学校を休む」選択もアリです。

学校に「行く」「行かない」、どちらを選択しても間違いではありません。行かないからといって「甘えているだけかも…」と不安になったり、自分を恥じたりする必要も、もちろんありません。

ただ、「学校に行かない」場合、何もせずに過ごしていると、さまざまなチャンスや機会を逃す可能性があることも事実です。

大切なのは、自分なりにたくさんを考えたり、周りの人に相談したりして、納得できる選択をすることです。

このコラムでは、「学校がめんどくさい」と悩む中学生や高校生のあなたのために、次のことをお伝えします。

この記事を読んでわかること

  • 学校に行く意義
  • 学校に行かない場合の過ごし方
  • 「やっぱり通学を続けようか」「再び通学しようか」と迷ったときのモチベーションアップのヒント

ぜひ、「学校がめんどくさい」と思う気持ちとの付き合い方のヒントにしてください。

共同監修・不登校新聞社 代表理事 石井志昂氏からの
アドバイス

「その場から離れる」ことが大切です

学校自体が、または学校生活の一部が「面倒」「だるい」と思い行きたくない気持ちがあるなら、「その場から離れること」が大切です。

大人でも、例えば会社などで「離れることが大事な場面」が出てきます。
心から安心できる場所まで一度立ち戻って考えてみると、建設的な考えが浮かぶからです。
学校が面倒・だるいと思って休むことは、「人より早く大人になるための階段の一歩を踏み出したんだ」と思って、休んでみてください。

学校がめんどくさいのは、あなただけではありません

学校がめんどくさいのは、あなただけではありません

「学校行くのめんどくさいな…」
「学校だるい…早く家に帰って寝たい…」

この記事を読んでいるあなたは、このように思ってるかもしれません。

正直に言うと、その気持ち、ものすごくよくわかります!

私も中学生や高校生のとき、毎日「めんどくさい…早く帰りたい…」と思っていたからです

別に学校が嫌いなわけでもないし、勉強も好きでしたし、友達にも恵まれていました。

でも、毎日学校はすごく疲れるし、何だかめんどくさいと思っていたのです。

現在私は大学生ですが、「入りたかった大学・学部」に通っている今でさえ、中学生・高校生の頃と同じように学校に行くことがどうしようもなくめんどくさいと思う時があります。

「学校がいきなり休みにならないかな…」と期待することがあるほどです。

私の主観ですが、学校に通ったことがある人の中で「めんどくさい」「だるい」と思ったことがない人はほぼいないのではないかと思っています。(いたらとても尊敬します。ぜひ誇りに思ってほしい!)

毎日朝起きて、学校に行くことは当たり前のことのようですが、本当にすごいことであり大変なことです。

つまり、学校が「めんどくさい」「だるい」って思ってるのはあなただけではないのです。

あなたがTwitterユーザーなら、ぜひ #学校行きたくない で検索してみてください。

学校に行きたくないと思う中学生や高校生の人たちの本音がたくさん見つかります。

なので、「学校がめんどくさい」と感じることを、「甘えなのかも…」「恥ずかしい」などと思い、自分を責める必要はないです。

学校をめんどくさいと思うときは、ありのままの自分を受け止めて、自分の素直な気持ちを否定せず、受け入れてみてください。

そして、その気持ちと一緒に、焦らず一歩ずつ毎日を過ごすことで、少しずつ前に進めるようになります。

まずは、今日を一日乗り越えることから。
そうすれば、自然と明日がやってきます。

学校に行く意味とは?

学校に行くか、行かないか。その答えを考えるにはまず、「なぜ学校に行くのか」を考えることが大切です。

「早く学校をめんどくさいと思う気持ちの対処法を教えてほしい!」と思う人もいるでしょう。

ですが、なんとなく学校に通っていると、この答えを考える機会はあまりないと思います。

また、学校に行く意義を見出せると、「学校がめんどくさい…」と思う気持ちが和らぐこともあるのです。

せっかくなので、ここで少しだけ「学校に行く意義」を一緒に考えてみましょう。

学校に行く意義①:勉強し知識を身につけるため

学校に行く意義①:勉強し知識を身につけるため

学校では、さまざまなことを学べます。

もしあなたに「将来やりたいこと」があるなら、勉強はそれに向かうための強力な武器になるはずです。

特に高校までの勉強は、どのように生きるとしても「基礎」になるため、とても大切になります。

やりたいことが特にない場合も、いつかあなたが目標を見つけたとき、勉強したことが活きることがあるはずです。逆に、勉強を通じて「目標」が見つかることもあるかもしれません。

また目標があってもなくても、「生きていく」上で勉強が活きることはたくさんあります。

つまり、学校には「将来」や「生活」につながる勉強をする意義があるのです

学校に行く意義②:社会性を身につけるため

私たちは、他人との関わりなくしては、生きていけません。

学校ではたくさんの人(クラスメイト、先輩・後輩、先生など)と一緒に時間を過ごします。

つまり学校には、いろいろな人との関わり方を通じて、「社会性」を身につける意義があるのです。


「どうして学校に行くのか?」…少し考えられたでしょうか?

ここでは2つ紹介しましたが、ほかにも自分なりに考えを深めることで、面白い発見があるかもしれません。

学校がめんどくさいなら「休む」のもアリ

学校がめんどくさいなら、「学校を休む」選択をしてもいい

ここまでの内容を読んで、「やっぱり学校に行かなきゃダメか…」と思った人がいるかもしれません。

または、「学校に行く意義なんて、周りの人からしょっちゅう言われているよ。でもめんどくさいんだよ」と思っている人もいるでしょう

先述したとおり、学校に行く意義はもちろんあります。しかし、だからと言って「必ず学校に行かなければいけない」わけではないのです。

学校がどうしても「めんどくさい」「だるい」なら、学校を休む選択をしてもよいのです。

「めんどくさい」気持ちは、あなた自身が気づかない内に体や心が疲れていて、休みを必要としているサイン。

長い人生の中で、「休憩」が必要なときは誰にでもあります

そんなときは、無理をせず休むことが大切です。

まずは1日だけ休んでみてもいいかもしれません。そして、1日だけ休んでもめんどくさい気持ちがなくならない場合は、「学校に行かないこと(いわゆる不登校)」を選択してもいいと思います。

そして、学校を休むことや不登校であることを、「甘えてるだけかも…」「恥ずかしい」と思ったり自分を責めたりする必要は一切ありません

文部科学省も、「不登校とは学校に行かないことだから、よくないことなんですか?」という質問に対して、次のように答えています。

不登校は、取り巻く環境によっては、どの子供にも起こりうるものと考えています。不登校は決して問題行動でありません。

学校がめんどくさくて休んでも、他の手段で取り戻せる

学校がめんどくさくて休んでも、他の手段で取り戻せる

さて、「学校を休んでもいい」とお伝えしましたが、「学校を休むデメリットが全くないわけではない」ことは、正直にお伝えしておきます。

まず、学校に通う意義の例である「勉強」と「社会性」に触れる機会が減ることが考えられます。

また、中学生の場合は出席日数が少ないと進学できない高校があったり、高校生は進級できなかったり退学になったりすることもあるでしょう。

「じゃあ、やっぱり学校に行かなきゃいけないか…」と思う人もいるでしょう。

ですが、そんなことはありません。

例えば、勉強は塾などでもできますし、社会性は趣味の団体や地域のスポーツサークルなどでも身につけられるからです。

また、出席日数が少なくても進学できる高校はありますし、高校で進級できなくても高卒認定を取って大学や専門学校を受験することもできます。

つまり、学校に行かなくても、別の手段で「次のステップ」に進めるのです。

長い人生の中には、たくさんの道があります。

例え「ある一つの道」に進めなかったとしても、他にもたくさん道があるのです。

だから、きっと大丈夫。
まずは大きく深呼吸してみてください。

学校がめんどくさくて休むとき、何をするべき?

学校がめんどくさくて休むとき、何をするべき?

これまでの内容を読んで、「それなら学校を休んでみようかな」と思ったあなたへ。

学校に行かない・休む選択をしてもいいですが、だからといって毎日何もせずに過ごすのは、とてももったいないです。

学校に行かない時間で、次のようなステップを踏んでみませんか?

1、体と心のために、十分な休養を取る

病気などがなかったとしても、次のステップに進むためには休憩が必要不可欠です。

2、自分の好きなことをやってみる

十分な休養を取ったら、勇気を出して学校を休んで得た時間で、自分の好きなことをやってみてください

読書やゲーム、スポーツ、映画鑑賞など、何でもいいです。

自分の好きなことに取り組むことで、新しい発見があるかもしれません。そこから将来につながっていく可能性があります。

このとき、趣味・習い事の団体や地域のスポーツサークルなどに通うと、学校の代わりに人と交流ができ、社会性を身につけられるでしょう

3、勉強をしてみる

そして、好きなことに加えて、または好きなことが思い浮かばない場合は、「勉強」がオススメです

勉強をして損をすることはありません。

先述したとおり、勉強はあなたの「将来」や「生活」につながるからです。

勉強する場所は、親をはじめ、周りの大人に相談して探してみてください

例えば、塾もありますし、学校に行きたくない人たちの相談に乗ったり、同じような気持ちの子どもたちが集まっていたりするフリースクールなどもあります。

また、「いつかは学校に戻りたい」気持ちがあれば、勉強をしておくと学校に戻りやすくなるはずです。

めんどくさいけど学校に行く時の、モチベーションアップ方法

今まで学校に「行く」ことのメリットや、「学校に行かない・休む」選択肢、行かない場合のデメリットや代替手段をお伝えしてきました。

これらのことを踏まえて、もう一度「学校が『めんどくさい』けど、どうするか」を考えてみましょう

もし、
「『学校はめんどくさい』けど、通い続けよう」
「一度学校を休んでみたけど、通学を再開しよう」
などと決めたなら、これから紹介するモチベーションアップの方法を参考にしてみてください。

「学校がめんどくさい」と思う気持ちの対処法にもなっています

①将来の「目標」を決めて、学校に行く「目的」をつくる

将来の目標を考えた上で、それが学校に通うことと、どうつながるかを考えてみてください。

目標は、何でもいいです。

目標の例

  • 大学に進学して、医者になる!
  • 大学に進学して、可愛い部屋で一人暮らしをする!

目標はいくつあってもいいですし、途中で変えてもかまいません

まずは、学校に行くことが目標にどうつながるかを考えてみましょう。

また、次のように目標が学校とつながると、学校に行くモチベーションが上がりやすくなるはずです

  • 医者になるため
  • →大学に進学するため
  • →勉強するため
  • →学校に行く
  • 一人暮らしをするため
  • →実家から離れた学校に進学するため
  • →勉強するため
  • →学校に行く

②自分を褒めまくる

自分を褒めまくる

「学校がめんどくさい」「だるい」…そう思いながら、学校に通えることは本当にすごいことです。

「学校がめんどくさい」と思っていると、人間関係がうまくいかないこと、テストの点数が思ったように伸びないことなど、自分の悪いところに目がいきがちです。
しかし、すでにあなたができていることはたくさんあります。

どんな小さなことでもいいので、自分を褒めてみてください
自分の小さな成長に気づけるはずです。

そうすると、今までよりも学校に行くことの負担が減っていきます

③やりたいことリストをつくる

やりたいことリストをつくる

「この先にいいことがある!」と思うと、めんどくさいことやつらいことも乗り越えられたりしませんか?

これは、私が高校生のときに実際にやっていた、「学校がめんどくさい」気持ちを和らげるための対処法です。

自分が人生の中で挑戦したいこと、いつかやりたいことなどをとにかく思いつくだけ書き、「やりたいことリスト」を作ってみてください。

私のやりたいことリストの例

  • 一日中映画を見て過ごす
  • タイに行ってボランティアをする

そして、そのリストを見ながら「今週がんばって学校に行ったら、映画を見よう」とか、「夏休みに入ったら、旅行に行こう」など、楽しいことを想像して、モチベーションを高めていました(実はこれは今もやっています)。

あなたもぜひ、「やりたいことリスト」をつくって、「学校に行ったらこれをする」、と決めて、めんどくさい毎日を乗り越えましょう。

④周りの人のモチベーションアップ法を聞いてみる

ここまで、モチベーションアップの方法を3つご紹介しました。

他にも、人それぞれモチベーションアップの方法を持っていたりします。

なので、友達、先輩後輩、親、学校の先生など、周りの人にモチベーションアップのノウハウをぜひ聞いてみましょう

よさそうなものがあれば、取り入れてみるのもいいですし、「みんな『めんどくさい気持ち』があるんだな」と知るだけでも気持ちが軽くなるはずです。

私も「やりたいことリストをつくる」方法は、一緒に通学していた友達に教えてもらいました。

まとめ:学校がめんどくさい気持ちを、一人で抱え込まないで

学校がめんどくさい気持ちを、一人で抱え込まないで

これまでにお伝えしたことをまとめます。

「学校、めんどくさいなあ…」と思う気持ちは、多くの中学生・高校生が持っています。

どうしても学校がめんどくさいと思う場合は、学校に行かない・休む選択もアリです。

まずは、学校を休んだ時間を使って、心と体を休めましょう。

学校に行かないデメリットはありますが、それらは学校以外で取り戻せます。

もし、「めんどくさいけど、学校に行こう」と決めたなら、モチベーションを高める方法・学校がめんどくさいと思う気持ちの対処法を試してみてください。

最後にお伝えしたいのが、「学校がめんどくさい」気持ちや学校での不安は、一人で抱え込む必要はないということです。

学校に行くか行かないか悩んでいたり、学校に行かないけど勉強したいと思っていたりするなら、ぜひ周りの人に相談してみてください。

親でもいいですし、学校のカウンセラーさん、保健室の先生、地域の相談窓口など、さまざまな相談先があります。

学校がめんどくさいと思う気持ちをうまく話せるかわからない人も、相談するのは勇気がいるし、恥ずかしいと思っている人も、心配はいりません。

相談に乗ってくれる人は、あなたと一緒に前を向いていきたいと思っています。もし相談した相手が自分と合わないな、と思ったら、次の相談相手を探しましょう。

キズキ共育塾でも無料相談を行っていますので、もし少しでも気になれば、お気軽にご相談ください。

あなたが「学校って、めんどくさい」と思う気持ちと向き合いながら、将来に向かって進めるよう祈っています。

監修 / キズキ代表 安田祐輔

やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための就労移行支援事業所「キズキビジネスカレッジ」も運営。

【新著紹介】

『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法』
(2022年9月、KADOKAWA)
Amazon
KADOKAWA公式

【略歴】

2011年 キズキ共育塾開塾(2023年7月現在10校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)

【メディア出演(一部)】

2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

共同監修 / キズキ相談担当 半村進

はんむら・すすむ。1982年、茨城県生まれ。東京大学文学部卒。
小学校時代から転校を繰り返し、運動ができないこと、アトピー性皮膚炎、独特の体形などから、いじめの対象になったり、学校に行きづらくなっていたことも。大学に入学してようやく安心できるかと思ったが、病気やメンタルの不調もあり、5年半ほど引きこもり生活を送る。30歳で「初めてのアルバイト」としてキズキ共育塾の講師となり、英語・世界史・国語などを担当。現在はキズキの社員として、不登校・引きこもり・中退・発達障害・社会人などの学び直し・進路・生活改善などについて、総計1,000名以上からの相談を実施。

【執筆記事・インタビューなど(一部)】

日本経済新聞 / 朝日新聞EduA / テレビ東京 / 不登校新聞 / 通信制高校ナビ

サイト運営 / キズキ

「もう一度学び直したい方」の勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする学習塾。多様な生徒さんに対応(不登校・中退・引きこもりの当事者・経験者、通信制高校生・定時制高校生、勉強にブランクがある方、社会人、主婦・主夫、発達特性がある方など)。授業内容は、小学生レベルから難関大学受験レベルまで、希望や学力などに応じて柔軟に設定可能。トップページはこちら。2023年7月現在、全国に10校とオンライン校(全国対応)がある。

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