
やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための「キズキビジネスカレッジ」も運営。
キズキ共育塾の町田和弥です。
「さみしい……」
あなたは、一人ではないはずなのに、ふとした瞬間に孤独を感じることはありませんか?
物理的に孤独ではないのに、孤独感を覚えるのはなぜでしょうか?
それは、他者から大切にされていないという不満を感じているからではないでしょうか?
そんな状況にいるのではありませんか?
他者に大切にされ、孤独感を解消するためには、他者に心を開くことが必要です。
たとえば、何かのお礼を言うときに、事務的に「ありがとうございます」と伝えるだけではなく、「○○さんのおかげで本当に助かりました」「とても勉強になりました」などと心情を付け加えたりすることも、心を開き、孤独感を少しずつ解消していく一つの方法です。
今回の記事では、「孤独感が生じる理由」と「孤独感を解消する理由」を紹介します。
「彼を知り己を知れば百戦殆からず」(出典:『孫子』 孫武著)
(かれをしりおのれをしればひゃくせんあやうからず)
孤独感を熟知しておけば、孤独感が襲ってきても困ることはないのです。
この記事を読んで、少しでもあなたの孤独感が解消されたらうれしいです。
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目次
最初にお伝えしたとおり、孤独感は、「他者から大切にされる実感」がないから生じます。
以下、そのタイプを5つ紹介します。
孤独感は、承認欲求が満たされないときに現れることがあります。
承認欲求が満たされないことは、「他者から大切にされていない」と不満を感じる一番多い例ではないでしょうか。
たとえば、
そんな状況で、落ち込むことの繰り返し。
自分と他人の評価を比較して、ネガティブになってしまうこともあるでしょう。
自分を評価しない周囲に対して、人間不信まで陥ってしまうこともあるかもしれません。
承認欲求が満たされないと、このように、孤独感を覚えるようになるのです。
孤独感は、一人でがんばりすぎているときに現れることがあります。
たとえば、
そんな状況は、周りのことが見えていないとも言い換えられます。
周りのことが見えていない人は、残念ながら他者から大切にされなかったり、大切にされているのにそれに気づかなかったりするため、孤独感を覚えるのです。
孤独感は、まわりの人が協力してくれないときに現れることがあります。
たとえば、
そのように、他人が自分のことを全く心配してくれていないと思えるような状況のため、孤独感が生じるのです。
これまでに仲のよかった人たちと離れることも、孤独感の原因になります。
よく遊んでいた友達が社会人になったり、結婚したり、引っ越したり、子育てが忙しかったりして、疎遠になっていませんか?
「他にも友達はいるはずなのに、あの人と遊んでいたときほど自分は大切にされてないな(=楽しくないな)……」と思うことで、孤独感が生じるのです。
仲のいい友達が少ない場合はなおさらでしょう。
他に、
などのことも、孤独感を発生させます。
恋愛経験でも、同じようなことが言えます。
友人関係や恋愛関係における過去の失敗が尾をひいて、新しい出会いをためらってしまうこともあるでしょう。
そんなパターンだと、石橋を叩いているうちに橋を壊してしまうように、新しい出会いもためらっているうちに流れてしまって、他者から大切にされる新しい経験が生じないことで孤独感を覚えるのです。
世間の一般常識から外れることも、孤独感を生じさせます。
たとえば、
そんな自分に自己嫌悪を感じて、自信がなくなるばかり。
これからどうしようと考えても、ネガティブ思考に陥っていくこともあるでしょう。
不登校や引きこもりに限らず、いじめられたり、珍しい職業を目指していたり、性的マイノリティであったり、単純に周囲に自分と同じ趣味を持つ人がいなかったりと、様々なきっかけで、「まわりと違う私」を感じてしまうこともあるでしょう。
少数派になると、ただでさえ孤独を抱えがちです。
心ない人たちからは実際に大切にされないこともあります。
逆に、実際には大切にされているのに、「自分なんてダメだ」と思い込んでいるために、大切にされていることに気づかないこともあります。
そんな状況で、次第にあえて外界との接触を拒むようになって、どうしてもまわりが見えなくなってしまったりすることで、孤独感はより深まっていきます。
ここまで、孤独感を覚える5つのタイプを紹介しました。
次に、5つのタイプすべてに通じる共通点を明らかにして、具体的に孤独感を解消する方法を紹介していきます。
これまでご紹介してきた「他者から大切にされている実感」がない5つのタイプは、文字どおり、どれも「他者が関わっている」という共通点があります。
この共通点に注目すれば、孤独感を解消する方法が見えてきます。
つまり、これから紹介する6つの解消法、いまのあなたと他者との関わりを変える方法には、「あなたから他者に歩み寄り、他者に心を開くこと」が大前提として共通しています。
「自分のがんばりを認めてくれない周囲が悪いのに、どうして自分を変えなきゃいけないの?」などと思う人もいるかもしれませんね。
その気持ちはわかりますが、あなたがいま孤独感を抱えているのは、周囲の人たちが「あなたの孤独感」に気づいていなかったり、気づいていても「大丈夫だろう」と思っていたりするからです。
あなたが変わらなければ、周りのあなたを見る目も変わらず、つまり孤独感への反応も変わりません。
逆に言うと、あなたが変わると、周りのあなたを見る目も変わるのです。
ぜひ、あなたから周囲に働きかけてみてください。
また、あなたは実際には大切にされているのに、あなたが気づいていないために孤独感を覚えている可能性もあるでしょう。
その場合も、あなたが周囲に心を開くことで、いずれ「大切にされている」ことに気づけるようになるのです。
では、人に心を開くことを意識した孤独感の解消方法を一つずつ紹介していきます。
どれも並行的に実施することで、孤独感はより解消できますよ。
心を開くといっても、心を開く方法がわからない……
そんなあなたは、新しい環境にチャンレンジして心を開く練習をしてみましょう。
たとえば、
などです。
最近では、店員さんが積極的に話しかけてくる本屋さんやカフェもありますので、そういうところを見つけるのもいいですね。
そんなふうに、コミュニケーションを行えるコミュニティが増えれば、心の開き方もわかってきます。
とは言っても、「私、人見知りだし、新しい環境になじめるか不安……」と思うかもしれません。
しかし、なんでもNOと言っていたら、なんにもできません。
新しい環境になじめるか不安なら、自分から他人が喜ぶことを考えて行動してみましょう。
相手の心に寄り添った心遣いは、いい意味でブーメランのように自分に返ってくるものです。
ちょっと長いスパンで環境を変える方法もあります。
たとえば、
などがあるでしょう。
新しいことにチャレンジして、これまでとは違う環境で孤独感を解消してみましょう。
他人には、積極的に助けを求めるようにしましょう。
人は助け合って生きていくものです。
思い切って、誰かに話しかけてみましょう。
どれだけ悩み苦しんでいても、声に出さないと他人は察してくれないことは珍しくないのです。
どんなふうに助けを求めたらいいのかわからない場合は、SST(ソーシャルスキルトレーニング)でコミュニケーション技術を鍛えることが可能です。(SSTについて詳細に知りたい方は、本屋や図書館で本を探したり、トレーニングを受けられる団体を探したりすることをおすすめします)
一人でがんばらず、人に心を開いて上手に助けを求めていけば、いずれ仲間が増えて、孤独感が解消されていくこともあるのです。
とは言え、
などと思っているかもしれませんね。
もちろん相手にも事情がありますので、あなたが心配しているとおり「協力を断られる」こともあります。
しかし断られたときも、変に落ち込まず、他の相手に助けを求めるようにしましょう(人を助けて孤独感を解消する方法は【解消法④】で紹介します)。
その上で、
なども考えられるようになると、あなたの「助けを求める能力」は次第に上昇し、孤独感の解消もどんどんうまくなっていきます。
なお、「助けを求める相手」としては、周囲の人だけではなく、専門家も含まれます(こちらは【解消法⑤】で紹介します)
一人の時間を楽しんで心の充電をすることも、孤独感の解消に繋がります。
「孤独感を抱えるあなた」と「あなたを大切に思うあなた」を、「自分」と「他者」に分けて考えて、心の中で対話させ、心を開くのです。
簡単な例では、次のような感じです。
自分A「孤独でつらいんだよね…」
自分B「よく言ってくれたね。これからはきっと大丈夫。まずはゆっくり休もう。」
自分A「ありがとう。休んだ後は、もっと人を頼るようにするよ」
自分B「そうだね。じゃあ今日はとりあえず一人で楽しく過ごそうか」
そんなふうに、自分のことを「客観視した他者」と考えて、自分自身の心に寄り添うことも必要なのです。
自己愛を高めましょう。
客観的な自分(他者)に寄り添うことができれば、一人で行動しても孤独感を覚えなくなります。
リラックマみたいに、ゴロゴロして、暇になったら、Netflixで海外ドラマ。
くっちゃね、ゴロゴロして、家が散らかったら、一人で掃除。
部屋がきれいになったら、本を読んだり、ゲームをしたり、再び一人の時間を楽しみましょう。
あなたが楽しければ、一人でスマブラしたってよいのです。
他の例としては、
などで一人の時間を楽しく過ごせば、心の充電ができるでしょう。
このように、自分で自分を認めて、あなた自身を大切にすることで、あなたの孤独感は減っていくのです。
家族、友人、同僚などが困っていたら、無理のない範囲で、積極的に助けてみましょう。
そうすれば、自然と孤独感が解消されることがあります。
【解消法②】でも紹介しましたが、人は助け合っていきていくものです。
あなたが誰かを助けているうちに、誰かがあなたを助けるようになります。
そういう「よいサイクル」が回ると考えると、他者のやさしさを感じて、孤独感が軽減されていくのです。
簡単なことでいいのです。
たとえば、
などです。
いろんな人を助けると、いろんな人に「ありがとう」と感謝されます。
家族や友人、同僚などの暖かい言葉が、柔軟剤のようにあなたの心をやわらかくしてくれて、心が開いていくのです。
とは言え、自分のキャパシティを超えて、または無理やりに手伝う人を探したりする必要はありません。
そうすると、逆にあなたが疲れてしまうので逆効果でしょう。
あなたに余裕があるとき、素直に、他者を助ければよいのです。
そうしているうちに、あなたを見る周りの目が変わっていき、あなたは他者からみて、助けてあげたいと思われる存在になってゆくでしょう。
そんなあなたの周りには自然と人が集まって、孤独感は消えていくのです。
身近な人だけではなく、専門的な知識のある第三者に心を開く方法もあります。
カウンセラー、医者、自治体の相談窓口などの、心の専門家に頼ってみるのはどうですか?
「友人や家族に自分のことを話したくなくても、専門家には素直に心を開ける」という場合もあります。
専門家は、文字どおり専門的な知見による孤独感の解消方法をたくさん知っています。
医学、科学、実例などをもとに、あなたに合う孤独感の解消法を一緒に模索していけるでしょう。
あなたと同じような孤独感を抱えていて、それを解消した人を探し、その生き方を参考にするという方法もあります。
ロールモデルを探すのです。
実在する人でもいいですし、本や映画の登場人物でもいいでしょう。
その人の人生から、あなたの気持ちをポジティブな気持ちに切り替えるキッカケを発見できるかもしれません。
ロールモデルがあれば、今は社会から切り離されていると感じても、今は世間の常識から外れていると感じても、「これから」のことを明るい方向に考えることができます。
ロールモデルの人は、あなたと実際に話したりすることはできないかもしれません。
そんなときは、頭の中で「私も同じなんです」「応援しています」「すごく参考になりました」などと心を開いて寄り添うようにしましょう。
あなたが共感できる人に心を開けば、孤独感を解消できますよ。
今回の記事をまとめます。
孤独感とは、「他者から大切にされる実感」がないため生じます。
孤独感を覚える人のタイプは、大きくわけて次の5つに分類できました。
この5つのタイプには、どれも「他者が関わっている」という共通点があります。
その共通点に注目して、孤独感を解消する方法を6つ紹介してきました。
あなたから「他者に歩み寄り、他者に心を開くこと」を意識した「孤独感の解消法」です。
どれも孤独感に悩むあなたにおすすめの方法です。
あなたから他者に歩み寄ることができれば、孤独感は解消されていくでしょう。
このコラムを読んで、あなたの孤独感が少しでも解消されたらうれしいです。
さて、私たちキズキ共育塾は、丁寧な個別指導で、一人ひとりのお悩みに寄り添う個別指導塾です。
もちろん、あなたの孤独感にも寄り添います。
不登校、引きこもりという現状で、世間の多数派から外れてしまって、孤独感を覚える生徒さんも少なくありません。
だからこそキズキ共育塾の授業では、勉強だけでなく、雑談や相談も大切にしています。
あなたのための孤独感の解消法を、一緒に考えていくとができると思います。
もしあなたがいま孤独感にお悩みでしたら、ぜひお気軽にご相談ください(ご相談は無料です。また、保護者さまだけでのご相談も歓迎です)
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