強い劣等感を持つ人の3つの特徴と、劣等感を克服する7つの方法

強い劣等感を持つ人の3つの特徴と、劣等感を克服する7つの方法

こんにちは、キズキ共育塾の内田青子です。

突然ですが、あなたには劣等感がありますか?

勉強、仕事、恋愛、容姿や人間関係。

何らかの劣等感を持つ人はたくさんいます。

劣等感と聞くと、私たちは悪いこと、解消しなければならないことのように思ってしまいます。

しかし、劣等感は使い方次第では理想の自分へ向かう原動力になるものです。

今日は、強い劣等感を持つ人の特徴と、強い劣等感を克服する方法を一緒に考えていきたいと思います。

劣等感とは何か

劣等感とは何か

そもそも「劣等感」とは何なのでしょうか?

劣等感が何かを考えるときに欠かすことのできない人物がいます。

アルフレッド・アドラーという、19世紀の心理学者です。

アドラーは人間の行動欲求の基礎は「劣等感」であると言いました。(放送大学大学院文化科学研究科『臨床心理学特論』)

「自分は容姿が悪いから、他の手段で努力してモテるようになりたい」
「自分は貧乏だから、お金持ちになるためにがんばりたい」

このように、人が何かをがんばるとき、その根底には「劣等感」があるという考え方です。

アドラーは、「劣等感は人が努力をするために必要な感情であり、悪いものではない」と言っています。

しかし、劣等感が好ましくない方向に向かうことがあります。

それが「劣等コンプレックス」です。

「劣等感」と「劣等コンプレックス」は異なるものです。

「劣等感」は「自分が劣っているという感情」です。(三省堂『大辞林』)

「劣等コンプレックス」は、「劣等感が原因で生じる、自分をよく見せようとしたり、逆に失敗して傷つくのを恐れたりする心のわだかまり」です。(三省堂『大辞林』)

「劣等コンプレックス」は、「強い劣等感」「過剰な劣等感」などと言い換えることができるかもしれません。

「劣等感」は、劣っている(と思う)部分を克服しようという前向きな気持ちにつながります。

ですが、心のわだかまりである「劣等コンプレックス」は、行動をストップさせたり、間違った行動に駆り立てたりします

「容姿が悪いから別の手段でがんばるぞ!」は、「劣等感」による前向きな行動です。

「容姿が悪い自分は何をやってもバカにされる」は、「劣等コンプレックス」による後ろ向きな考えです。

「劣等コンプレックス」は前向きにがんばるエネルギーを奪い、いつまでも悩みの中で停滞する原因となってしまいます。

あなたも、自分が持っている感情が「劣等感」なのか「劣等コンプレックス」なのか考えてみてください

強い劣等感を持つ人の3つの特徴

では、劣等コンプレックスを抱いてしまう人にはどのような特徴があるのでしょうか。

ここからは、わかりやすいように「劣等コンプレックス」を「強い劣等感」と呼ぶことにします

私が見聞きした「強い劣等感」を持っている方には、次の3つの特徴があるように思います。

①過剰な比較癖がある

過剰な比較癖がある

強い劣等感を持つ人は、何事も過剰に人と比べてしまいがちです。

例えば、
「楽しそうにはしゃいでいるクラスメイトを見て、自分は話し下手でつまらない人間なんだと落ち込む」
「友達が『可愛いね』と褒められているのを見て、自分は容姿が悪いのだと悩む」
といったようなことです。

『隣の芝生は青い』と言うように、人のことはどうしてもよく見えてしまうものです。

強い劣等感を持つ人は、他人の「いいところ」や「たまたま、うまくいったところ」と、自分の「苦手なところ」や「たまたま、うまくいっていないところ」と比べてしまいます。

あなたがポツンとしているときにクラスメイトが楽しくはしゃいでいたとしても、「あなたがクラスメイトより絶対的に劣っている」ということには繋がりません。

人の「よいところ」は、いろんな場合にいろんな形で現れます

隣の芝生に気を取られて、あなたの「いいところ」「魅力的なところ」が見えなくなっているだけです。

あなたも、「自分はダメだ」と思ったら、過剰な比較をしていないか自分をチェックしてみてください

②視野が狭くなっている

視野が狭くなっている

強い劣等感を持つ人は、視野が狭くなっています

視点が一つになっている、という言い方もできるでしょう。

例えば、あなたが「友達のAちゃんは目が大きくて素敵」と思い、「自分は可愛くないんだ」と強い劣等感を持ったとしましょう。

そのときあなたは、女の子の魅力を「目の大きさ」という視野・視点からだけで見ていませんか?

人の魅力は、「一つの条件」だけで決まるものではありません。

「目が大きい」ことは魅力の一つかもしれませんが、「スタイルがいい」「笑顔が可愛い」「楽しい会話ができる」なども魅力ですよね(他にもたくさんありますし、小さい目が魅力的なことだってあります)。

あなたの目がAちゃんよりも小さいからと言って、全体的にAちゃんよりも魅力がない、という話ではないのです。

他の例としては、「B大学に合格できなかった自分はダメ人間だ」と思い込んでいる人は、「B大学」という視点だけで人の価値を見ている可能性がある、などもあるでしょう。

あなたの強い劣等感が、「狭い視野(一つの視点)」にとらわれたものでないか、考えてみてください

③自己肯定感が低い

自己肯定感が低い

自己肯定感が低い人も、強い劣等感を持つ傾向にあります。

自己肯定感とは、「自らの価値や意義を肯定できる感情」を言います。(実用日本語辞典)

欠点も含めて、「自分でいいのだ」と思える感情、とも言えるでしょう。

「私は人見知りだし、美人でもない。
けれども、絵が上手だし、一緒にいて楽しいと言ってくれる友達がいる。
私は自分に満足している」

このように、自己肯定感が高い人は、自分の長所も短所もまとめて自分にOKを出しています。

しかし、自己肯定感が低い人は、短所(だと自分が思っているところ)ばかりに目を向けてしまい、それが強い劣等感に繋がってしまいます。

強い劣等感を克服するには、
「欠点も含めて、自分は自分。自分にはいいところもたくさんある。変に悩む必要はない」
と自己肯定感を高める必要があります。

あなたもぜひ、自分が欠点ばかりに目を向けていないかを振り返ってみてください

強い劣等感を克服する7つの方法

それでは、強い劣等感を克服するにはどのようにすればいいのでしょうか?

ここからは、強い劣等感を克服する7つの方法をご紹介したいと思います。

①強い劣等感を抱かせる環境から抜け出す

強い劣等感を抱かせる環境から抜け出す

強い劣等感を抱かせる環境から抜け出したり、距離を置いたりしてみましょう

例えば、進学校で優秀な同級生に囲まれて強い劣等感を抱いた場合、自分に合った学校に転校する、などという方法です。

学校には在籍しつつ、クラスメイトとは距離を置いて、塾や習い事の場で楽しく過ごす、という方法もあるでしょう。

「環境」とは、学校や職場などの実生活・人付き合いだけでなく、SNS、ウェブサイト、マンガ、テレビ、映画なども含みます。

強い劣等感を抱かせる環境から離れて、自分の価値を見直し、自分を回復していきましょう。

②視野を広げる(視点を変える)

視野を広げる(視点を変える)

視野を広げ、視点を変えてみましょう

先ほどお話したように、自分が劣っていると感じているときは、視野が狭くなっている可能性があります。

「A大学に行けなかった自分はダメだ」と思っている人は、人の価値を「A大学に行っているかどうか」という点だけで判断しています。

「A大学出身ではないけれど、素晴らしい人はいないだろうか?」
「A大学の学生になることだけが、人生の目標なのだろうか?」

このように自分に問いかけてみると、劣っていると思っていた部分が実はそうではなかったということもよくあります。

自分の視野が狭くなっている(視点が一つになっている)可能性がないか、あなたも一度考えてみてください。

③納得できる未来に向かって努力する

納得できる未来に向かって努力する

どうしても強い劣等感を拭えないのであれば、納得できる未来に向けて努力してみましょう

冒頭で「健全な劣等感」は成長するエネルギーになるとお話しました。

劣等感をバネにして努力することは、健全な劣等感克服法です。

まずは、自分の「強い劣等感」を「健全な劣等感」に変えましょう

「こんな自分はダメ人間だ…」
などの後ろ向きな意識から、
「もう一回がんばるぞ!」
という前向きな意識に帰る、ということです。

その上で、例えばA大学に行けなかったことに強い劣等感を抱いているのなら、もう一度A大学を目指してチャレンジしてみましょう。

その結果、A大学に合格できれば強い劣等感はなくなるでしょう。

そして、例えA大学に合格できなかったとしても、「努力した」「がんばれた」という事実が劣等感を解消してくれます。

A大学への再チャレンジ以外に、別のルートにチャレンジすることも考えられます。

例えば、
「なりたい職業に就く」
「仕事で出世する」
などです。

どのような未来なら自分が納得できるだろうか。

あなたもぜひ「健全な劣等感」をバネに、ほしかったものに向かってチャレンジしてみてください。

④小さな「できた体験」を積み重ねる

小さな「できた体験」を積み重ねる

「何かができた体験」を積み重ねることで、強い劣等感を克服していく方法もあります。

「できた体験」といっても大きなことである必要はありません。

「朝、10分だけウォーキングをする」
「毎日、寝る前に英単語を覚える」

このような、小さな実践しやすい目標を立てて、達成した体験を積み重ねていくのです。

どんな小さなことでもできると自信がつき、別のことにもチャレンジできるようになります。

キズキ共育塾のある講師は、挫折による強い劣等感に悩んでいたとき、「毎日、違う駅やバス停で降りてみる」といったチャレンジをはじめました。

「今日も新しい駅まで行って降りることができた」という達成感は、「自分はできる」といった小さな勇気を与え続けてくれたそうです。

「できた体験」をするときに注意することは、あれもこれもと一度にやってみないことです。

ウォーキングも、英単語も、ダイエットもしなくては…。

と考えても、人間は一度に複数の目標を達成することはできません。

まずは、ウォーキングから始める。
それが達成できたら、英単語を覚えることにチャレンジする。

一つずつ「できた体験」を積み重ねていくことが大切です。

あなたもぜひ、小さな目標を一つ考えてみてください。

⑤ネガティブな感情が湧いて来たら思考を止める

ネガティブな感情が湧いて来たら思考を止める

ネガティブな感情にとらわれている自分に気がついたら、すぐに思考を止めましょう

強い劣等感を抱いているときは、「どうせ自分なんて」というネガティブな感情にとらわれてしまいがちです。

「どうせ自分は志望校に受からない」
「どうせ好きな人からフラれてしまうんだ」

そうしたネガティブな感情は、何かにチャレンジするエネルギーを奪ってしまいます。

ネガティブな思考を止めることで、強い劣等感を抱く機会をなくせます。

筆者の経験から、思考を止めるためには、次のような方法がオススメです。

  • 鼻をつまんで息を止める(感情を感じる脳に一時的に酸素を送るのをやめる)
  • 歌を歌う
  • 体を動かす
  • 暗記や仕事など、頭を使うことを始める

ネガティブな感情が湧いてきたなと思ったら、ぜひ試してみてください。

⑥理想の自分を絵に描く

理想の自分を絵に描く

理想とする自分を絵に描いてみましょう

特別な画材は不要で、次のような「よくあるもの」で大丈夫です。

  • 画用紙や自由帳などの白い紙
  • クレパスや色鉛筆などの多色の筆記具

「A大学でキャンパスライフを送る自分」
「テニスの大会で優勝カップを手にしている自分」
「素敵な恋人とデートしている自分」

顔の表情や服装まで、丁寧に描き込み色を塗りましょう。

下手でもかまいませんので、心を込めて描きましょう。(筆者は幼稚園児レベルの絵しか描けませんが、それでもかなりの効果があることを実感しています)

絵を描くことにはセラピー効果があって、理想的な自分を描いていると心がエネルギーに満ちてきます。

完成した絵は、飾ったり取り出しやすいところに保管しておいたりして、強い劣等感に飲み込まれそうになったら眺めるようにしてください。

ネガティブな感情を追い払って、理想の自分を頭にインプットできます。

そうすることによって、あなたの中に理想の自分になるために行動しようという意欲がわいてきます。

紙と筆記具だけで簡単にできるので、ぜひ試してみてくださいね。

⑦専門家に話を聞いてもらう

専門家に話を聞いてもらう

自分の力だけで克服できないほど劣等感が強い場合は、専門家を頼りましょう

専門家によっては、認知の歪みを改善したり、自己肯定感を高めたりする対処法を行ってくれることもあります。

また、深刻な劣等感を持っている場合、心の奥に抑圧されて自分では劣等感に気づいていないことさえがあります。

そのような劣等感は、専門家の助けがなくてはなかなか解消することはできません。

専門家には、次のような例があります。

  • 心療内科や精神科
  • 学校や職場の相談室
  • 自治体の相談窓口

キズキ共育塾でも、主に勉強や受験に関する相談は無料で受け付けておりますので、ぜひ、お話だけでも聞かせてくださいね。

まとめ〜強い劣等感から抜け出せるよう祈っています〜

まとめ〜強い劣等感から抜け出せるよう祈っています〜

これまでのことをまとめます。

心理学者・アドラーは劣等感を「劣等感」と「劣等コンプレックス」にわけました。

例えば、
「容姿が悪いから他の部分でモテるようにがんばるぞ!」
という思いは、は「健全な劣等感」による前向きな思考です。

「容姿が悪いから何をしてもバカにされるんだ」
という思いは、「劣等コンプレックスによる後ろ向きな思考です。

「劣等コンプレックス」は、前向きに努力しようとするエネルギーを奪ってしまいます。

「劣等コンプレックス(強い劣等感)」を持つ人には次のような3つの特徴があります。

  • 過剰な比較をしてしまう
  • 視野が狭くなっている
  • 自己肯定感が低い

そして、強い劣等感を克服するためには7つの方法があります。

  • 強い劣等感を抱かせる環境から抜け出す
  • 視野を広げる(視点を変える)
  • 納得できる未来に向けて努力する
  • 小さな「できた体験」を積み重ねる
  • ネガティブな感情に飲み込まれそうになったら思考を止める
  • 理想の自分を絵に描く
  • 専門家を頼る

あなたが強い劣等感から抜け出し、胸を張って歩いて行けますよう、祈っています。

さて、私たちキズキ共育塾の生徒さんにも、入塾当初には強い劣等感を抱いている方は珍しくありません。

しかし、劣等感を抱かないキズキという環境で、視野を広げ、努力や「できた体験」を積み重ねるなどを続け、少しずつ劣等感を克服していきます。

学校、勉強、受験などに関する強い劣等感で悩んでいらっしゃるのであれば、ぜひ一度ご相談ください(ご相談は無料です)。

お問い合わせ・無料相談はこちらから

※文中の写真は、全てイメージです。

Share