部活のストレスを解消する方法 楽しい学生生活のために
こんにちは。学校生活にお悩みがある人のための個別指導塾・キズキ共育塾の佐野澪です。
「部活」は、人によっては学生生活で重要な意味を持つものです。
だけど、部活は楽しいことばかりとも限りません。
次のように、さまざまな不満もあるかもしれませんね。
- 「このまま部活を続けたいけど、ストレスで押しつぶされそう」
- 「部活でストレスを受ける時間を、いっそほかのことに使いたい」
- 「学校の規則で、強制的に入部せざるを得なかったけど、やっぱりつまらない」
この記事では、部活でたまったストレスの対処法を、複数の観点からお伝えしていきます。
また、かつて部活でストレスを感じていた人の状況や解決方法のインタビューも掲載しています。
ぜひ参考にし、抱えるストレスを上手に解放させることに、役立ててくださいね。
この記事を通じて、あなたの部活ストレスが少しでも減ることを願っています。
目次
部活への「マイナス感情」が大きくなっていませんか?
部活に入った当初、どんな気持ちでしたか?
次のように、人によってさまざまな思いがあるでしょう。
- これから始まる新たな体験にワクワクする!
- 活動に打ちこんで大会を目指すぞ!
- 新たな人間関係を築くことへの、期待と不安
- 学校の規則による強制参加で、いやいや活動…
- なんとなく入ったけど、ストレス…
いやいや入った部活でも、入ってみたら楽しかった、ということもよくあります。
しかし、今現在このコラムを読んでくれているあなたの胸には、部活動に対して、マイナスな感情がモクモクと立ち込めているのではないでしょうか?
人間の感情は、変わるものです。
はじめは部活に対してプラスな感情を抱いていたのに、次第にストレスを感じるようになり、ついにはマイナス感情に傾く…なんてこともよくあります。
部活ストレスあるある
では、部活に対するマイナス感情にはどのようなものがあるのか、考えてみましょう。
次のように、挙げればキリがありません。
- 先輩や顧問が怖い
- 後輩が指導にちゃんと従わない
- メンバーが協力し合わない
- 仲間に比べて自分が実力不足に思える
- 部長や副部長の責任が重い
- 別の部活の方が楽しそう
- 活動時間が長い
- 部活以外のことにも時間を使いたいけど、休んだり辞めたりしづらい
- 自分でもはっきりと原因がわからないけど、なんとなくイヤ
上記は一部の例であり、十人十色の悩みが存在すると思います。
あなたは、「どうして自分だけこんなに悩まなければならいのか」とお悩みかもしれませんね。
でも、例えば私の周りだけでも、学生時代も今も、「部活にストレスを感じている」という人は、少なからず存在します。
学生にとって、部活は大きな存在であることが多い分、悩みも深くなるのでしょう。
部活でたまったストレスの対処法
あなたは、部活でたまったストレスをどのように対処していますか?
一般的に、人はストレスの渦中にいるときには、思考の幅が狭まってしまうものです。
対策法を考えようにも、不安やイライラでいっぱいの頭では、なかなか思い浮かばないこともあるかもしれませんね。
しかし、何も対策しないままでは、ストレスがたまり続ける一方です。
限界に達する前に、ストレスを解放しましょう。
上手にストレス発散できると、楽な気持ちを取り戻すことができますよ。
ここでは、ストレス発散のための3つの考え方をご紹介します。
対処法①自分のストレッサー(ストレス源)を知りましょう
まずは、「自分が受けやすいストレス」の傾向を知っておきましょう。
ストレスとうまく付き合いながら、自分でコントロールできるようになれば、それだけで気持ちにゆとりができるものです。
ストレス源は、「感情」と「過活動」の2つに大別できます。
「感情」なのか「過活動」なのかによって、発散に有効な手段も変わってきます。
人間関係による疲れなど、「感情のストレス」には、アクティブな発散方法が有効です。
練習の詰め込みすぎなど、「過活動のストレス」には、疲れた身体をしっかり休めるなど、肉体的・精神的な休養をとることが必要となります。
自分のストレス源を知ることで、対処法も見えてきます。
■ストレス源を知る方法
ストレス源をしっかり知るためには、ストレス関係のことを書き出してみる、という方法があります。
ノートでもチラシの裏でもなんでも構いません。
自分が何に悩んでいるのか、どんなことに心を乱されるのかをはっきりと目に見えるようにすることで、脳内の整理がされ、対策を施しやすくなります。
マインドマップ形式で書くのもオススメで、この方法は筆者もよく用います。
マインドマップとは、ノート術の一つです。
一枚の紙の中心から放射線状に書いてくのが特徴で、一般的なノート術が左脳を用いるのに対し、こちらは右脳的な能力を多く活用します。
自由に連想できる、ひと目で全体を俯瞰できる、記憶しやすいなどメリットが存在し、さまざまな分野で活用されています。
書いていくうちに、思わぬ発見に繋がることがあります。
次の写真は、部活(ダンス部)のストレスに関するマインドマップの例です(→拡大図はこちら)。
この図では、「ストレス」「悩み」「やりたいこと」などについて思考を広げていった結果、左上と右下の赤い丸で囲んだように、「ダンス部をやめて、学校の外で歌を習う」という解決策に至りました。
マインドマップの書き方は、たくさん本が出ていますので、本屋さんや図書館などで探してみることをオススメします。
対処法②人に相談しましょう
ストレス解消は、人に相談した方が効率がよい場合もあります。
先述の通り、人はストレスの渦中にあるとき、視野が狭まりがちです。
誰かに自分の悩みや気持ちを聞いてもらうことによって、自分だけでは考えられないような解決法が見つかることがあります。
また、話すことそれ自体に、ストレス発散効果があります。
話すことは、気持ちを「放つ」ことでもあるので、ためこまずに、外に解放してあげることが大切です。
友達や両親など、信頼できる人に話を聞いてもらいましょう。
身近に相談できる人がいなければ、スクールカウンセラーなどの「専門家」に頼るのもアリです。
相手は聴くプロですし、守秘義務があるので、秘密が漏れる心配はありません。
安心して利用してくださいね。
また、SNSをはじめ、インターネット上で同じような悩みを抱えている人を見つけられると、参考になる解決法も見つかるかもしれませんよ。
対処法③部活(学校)の外に視野を広げましょう
例えば、次のような状態にあるのなら、部活以外で同じことができないかを検討しましょう。
- 「サッカー部を辞めたい。でもサッカーは続けたい…」
- 「吹奏楽部を辞めたい。でもクラリネットは続けたい…」
部活以外で同じことができるのなら、必ずしも「部活という手段」にこだわる必要はありません。
積極的に退部・転部を勧めるわけではありません。
合わない部活を続けることで、技術、体力、精神力が身につくこともあります。
しかし、合わない部活を続けてストレスを増やし続けるよりも、「部活をやめて、部活以外で同じ活動をすること」がプラスになることもあります。
上の例では、部活を辞めても地域のサッカークラブ、地域の音楽教室・市民楽団などで活動を続けられます。
学校外での活動は、新たな友達づきあいができるチャンス、つまり新たな居場所を持つチャンスでもあります。
自分にとって心地のよい「居場所」が複数あれば、どこか一か所でストレスを受けても、別の場所でそれを回復することができます。
狭い枠にはまらず、広い視点で柔軟に考えてみましょう。
■部活をやめるときの注意点
部活をやめるかどうか迷っているときには、次の点に注意しましょう。
勉強との両立ができるかを考える
- 学生の場合、やはり勉強は大事です。部活のストレスを抱えた状態で、勉強が両立できるか(できているか)、現状を確認しましょう。
期限を決める
- 解決が難しい問題や、どうしても解決しない問題というものは、存在します。そんなときは、「この日までに問題が解決しなければ退部する」と割り切って考えましょう。
転部を考える
- 絶対に部活に入らないといけない場合や、学校の中に友達や仲間がほしい場合は特に重要です。これまでの部活の内容に関わらず、ほかの部活に転部できそうか検討してみましょう。
学校の外で団体を探す
- これまでの部活と同じ内容のことが学校の外でできるか、探してみましょう。習い事、趣味の団体、地域のサークルなどが候補になります。
インタビュー〜私はこうやって部活のストレスを乗り越えました〜
他の人の具体的な経験も、参考になります。
今回は、キズキ共育塾の講師たちに、「部活のストレス」についてインタビューを行いました。
あなたに合うストレス解消法があるか、参考にしてみてくださいね。
①梅田健太講師:高校のラグビー部
Q:部活でストレスだったことを教えてください
A:「休むことを許さない人間関係」ですね。
「部活を休むこと」について、部員同士(特に上級生)が厳しい目で見ていたんです。
家族や親戚の行事があっても骨折しても休めない環境で、休んだらバッシングが酷かったんです。
僕自身も、あるとき練習を一日休んだだけで、先輩からめちゃくちゃ怒られました。
Q:どうやってストレスを解消していましたか?
A:一つには、学校の友達に助けられました。
部活内に、僕の他にも休めない環境に違和感を持っていた人がいて、よく「どうしようか」と話していました(実際、僕たちの代が上級生になるにつれて、「休めない環境」を少しずつ改善していきました)。
部活外の友達にも「こんな状況で」と相談していて、直接の解決には繋がらなかったのですが、気が軽くなりました。
二つ目は、2年生から通い始めた予備校がストレス解消になりました。
予備校は、勉強を学ぶ場としてだけでなく、「新しい、好きな居場所」「新しい、好きな人間関係」としても効果があったんです。
部活のストレスの相談相手が増えたという意味でもあり、また、「部活を辞めても予備校が居場所になるな」という安心感にもつながりました。
Q:部活でストレスを抱える学生さんに、ひと言お願いします
A:例えば上級生がストレスな場合、その人は自分より先に引退しますよね。
どんな状況でも「ずっと変わらない」ということはないので、思いつめすぎないでください。
ただし、状況が変わるのをただ待ったり、無理に耐え続けたりする必要はありません。
部活内外の友達などにも相談しつつ、別の部活も含め、新しい居場所や人間関係も探してみましょう。
例えば文化祭の実行委員や学校外のイベントなど、新たな人間関係をつくれるチャンスもうまく利用できるといいですね。
②篠田彩花講師:中学の吹奏楽部
Q:部活でストレスだったことを教えてください
A:「週6日練習と、活動日数が多くて忙しいこと」と、「先輩が怖いこと」の二つがストレスでした。
私は、毎週金曜日には部活に出ずに別の習い事を受けていたんです。
それが気になった先輩3人が私1人を囲んで
「やる気ないならやめて」
と呼び出しを受けたこともありました。
このときは、習い事の曜日を変更することで対応しました。
私以外にも同じストレスを持っていた人たちはいて、どうしてもついていけなくなったら、活動が週1回の部活に転部していました。
私が辞めなかったのは、「演奏の楽しさ」と「ストレス」を比べたときに、楽しさの方が大きかったからでしょうか。
Q:どうやってストレスを解消していましたか?
A:多忙な中でも、ちょっとした時間さえあれば小説を読んで、その世界に没頭することで現実を忘れていました。
根本的な解決にはならないのですが、ストレス源が明確だった分、「ストレスを忘れて減らす」という効果はとても大きかったですね。
Q:部活でストレスを抱える学生さんに、ひと言お願いします
A:部活は「あなたの全て」ではありませんよ。
部活のストレスと楽しさを比べて、「ストレス」の方が大きいのなら、思い切って辞めたり転部したりして、もっと好きなことや楽しいことに取り組んでいいと思います。
「それができないから苦しいんです…」と思うかもしれませんが、「できない」と決めつけずに、頼れる人を見つけて相談してみましょう。
③青柳翔太講師:高校の弓道部
Q:部活でストレスだったことを教えてください
A:1年生のときは、先輩たちの、「先輩であるというだけで偉そうにしている態度」でしたね。
2年生のときは、「部員間で派閥争いが始まったこと」です。
Q:どうやってストレスを解消していましたか?
A:先輩に対しては、こっそり逆らうことがストレス解消法でしたね。「意味のない命令」にその場では「はい」と返事をしておいて、バレないように従わない、とか。
派閥争いについては、自分はどこにも属さないと決めて、黙々と弓を引くことがストレス解消になりました。
また、学校や部活とは関係のない、趣味のギターの練習も気分転換になりました。
加えて、2年生になってしばらくしたときに、弓道場が改装工事に入ったんです。
それに伴って活動がそれまでの半分になり、先輩の理不尽さも派閥争いも沈静化して、部活のストレスも減っていったんです。
状況が変わって自然に解決した、ということでしょうか。
Q:部活でストレスを抱える学生さんに、ひと言お願いします
A:ストレスで疲れるために部活に入ったわけじゃないですよね。
だったら、「部活も含めて、学生生活で何をやりたいのか(何をやりたくないのか)」を、もう一度考えてほしいと思います。
次のようなことことを考えると、部活の改善、退部、転部、学外活動など、解決の方向性が見えてくると思います。
- 「部活」という枠組みの中でがんばりたいのか
- 「部活」かどうかに関わらず、あるスポーツ(文化活動)をやりたいのか
- 仲のいい友達や一緒にがんばる仲間がほしいのか
- 部活同様に勉強や趣味にも力を入れたいのか
- 強制的に入らされただけで、本当は部活をやりたくないのか
④佐野澪(筆者):高校のダンス部
Q:部活でストレスだったこと
A:「表面上は仲良くしているのに、陰口などが盛んな人間関係」です。
そういう人間関係を変えることができないか…と努力もしたのですが、私には解決できませんでした。
Q:どうやってストレスを解消したか
A:スッパリ退部することで、ストレスはなくなりました。
特にダンスが好きというわけではなくなんとなく入部したということもあって、未練はありませんでした。
日ごろから、「この部活の何がストレスなのか」と自己分析をしておくと、いざというときに判断しやすくなるかもしれません。
Q:部活でストレスを抱える学生さんにメッセージ
A:私の場合、部活は辞めてよかったと思いますし、現在も退部を後悔はしていません。
退部によって時間ができたので、アルバイトをしてお金貯めて、習い事や趣味を充実させました。
このとき始めたボイストレーニングは、今でも続けている「いい趣味」になりました。
合わない部活なら、辞めて代わりの何かを探せるいいチャンスと割り切ってしまうのも一つの手段ですよ。
以上、部活のストレスに関するインタビューをお届けしました。あなたの参考になったなら幸いです。
まとめ〜ストレスを上手に解消し、楽しい学生生活を送りましょう〜
ここまでの内容をまとめます。
部活動は楽しいだけでなく、ストレスになる場合も多々あります。
悩みの内容は千差万別ですが、部活でストレスを受ける学生さんは少なくありません。
学業と同じくらいのエネルギーを注ぐ人もいて、そのぶん、受け取るストレスも大きくなりがちです。
ストレスを上手に解消し、楽しい学生生活を送りましょう。
まずは自分のストレッサーを把握しましょう。
ストレッサーを知るためには、ストレスにまつわることを書き出してみる方法があります。
自分ひとりではうまく解消できない場合には、他者に相談してみましょう。
人に話すことで、思わぬ解決策が見つかったり、心が軽くなったりすることがあります。
また、学校での部活動にこだわらなくても、学校の外でやりたい活動ができることもあるので、視野を広げてみましょう。
何よりも、一番優先するのは「部活動」ではなく、「あなた自身」と考えてくださいね。
あなたのストレスが軽減され、より前向きな学校生活を送れますように。
もしよければ、キズキ共育塾にもご相談ください。あなたのためのストレス解消法を、一緒に考えていけると思います。
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