スクールカーストが気になるあなたへ 気にしない考え方を解説

こんにちは。生徒さんの勉強とメンタルをサポートする完全個別指導塾・キズキ共育塾です。
あなたは、スクールカーストについて気になったことはありませんか?以下のような疑問や不安を抱えている人は少なくありません。
- スクールカーストは何で決まる?
- スクールカーストで上位にいなきゃダメ?
このコラムでは、スクールカーストの概要や決まる要因、気にしないための考え方、学校へ行きたくないときの対処法などについて解説します。
あわせて、親御さんに向けて、スクールカーストに悩むお子さんに親ができる対応について解説します。
スクールカーストを気にしている人はもちろん、今後のために知っておきたい人もぜひ最後までご覧ください。
私たちキズキ共育塾は、スクールカーストが気になり不安な人のための、完全1対1の個別指導塾です。
生徒さんひとりひとりに合わせた学習面・生活面・メンタル面のサポートを行なっています。進路/勉強/受験/生活などについての無料相談もできますので、お気軽にご連絡ください。
目次
スクールカーストの上位を目指さなくてもいい

まず、スクールカーストの上位と呼ばれるようなものを目指さなくてもいいということは、知っておいてください。
スクールカーストというランク付けがあると感じる以上、どうしても上を目指したいと思う気持ちもわかります。
しかし、スクールカーストの上位と呼ばれるようなものを目指そうとすると、無理して本来の自分とはかけ離れた言動をすることもあります。すると、交友関係でも無理することが出てくるでしょう。
本来の自分らしさを、無理やり変えて、周りにあわせて普段とちがう行動をする必要はないのです。
スクールカーストの上位と呼ばれるようなコミュニティに所属していなくても、自分と趣味や話が合う人と一緒にいれば、学校生活は充実させられます。
最も大事な軸として、あなたが楽しく生活できる環境を作ることを意識してみてください。
スクールカーストとは?
スクールカーストという言葉に厳密な定義はありませんが、一般的に学校内での序列のことを指します。よく聞く「1軍」や「2軍」などの言葉は、スクールカーストの考え方からきていると思われます。
基本的に、スクールカーストは誰か、もしくはみんなで話し合って決めるものではなく、共通認識として自然に決まっていくものとされています。
スクールカーストの由来は、インドの身分制度であるカーストからきており、学校内のカーストという意味で浸透していきました。
スクールカーストの階層構造と特徴

スクールカーストは序列を指す言葉なので、階層構造があるとされています。
すべてのスクールカーストに当てはまるわけではありませんが、一般的に以下3つの階層があると考えられています。
- 1軍(上位):クラスの人気者・リーダータイプの人が属しやすい
- 2軍(中間):分け隔てなく交流できる人が属しやすい
- 3軍(下位):クラス内で目立たずに過ごしている人が属しやすい。特定のコミュニティをもっているケースもある
こちらでも解説しますが、スクールカーストを決める要因として重要とされているのは、コミュニケーション能力や容姿、運動神経などです。
そのため、コミュニケーション能力があるクラスの中心人物のような人が1軍に属しやすいとされています。
2軍とされるグループには、1軍の人ほど目立つわけではないが、そつないコミュニケーションで友人関係を作れる人が属する傾向があります。1軍と3軍の橋渡し的な役割を果たすケースもあります。
3軍とされるグループは、あまり目立たずに過ごしている人が多い傾向です。部活や共通の趣味をもつ人たちでコミュニティを形成している場合があります。
ただ、1軍〜3軍と呼ばれることがありますが、どこの階層がいい、どこの階層が悪いというわけではありません。それぞれの個性によって分けられるものであるという点は、意識しておいてください。
補足:学校カースト、クラスカーストとの違い
スクールカーストに似た言葉で、学校カーストやクラスカーストという言葉もあります。
学校カーストやクラスカーストにも厳密な定義はありませんが、一般的に、学校カーストはスクールカーストと同じ意味の言葉です。
クラスカーストは、学校や学年全体というより、クラス内の序列を指した言葉とされています。
スクールカーストが生まれる理由
この章では、スクールカーストが生まれる理由について解説します。
理由①自己肯定感を育むため

1つ目は、自己肯定感を育むためです。学校に通い始める時期、特に小学校高学年くらいから、人は自己肯定感を持ち始めるようになります。
そして、中学校に入学するといわゆる思春期に入り、自分の存在意義や他人との関わりを意識し始めるのです。(参考:文部科学省「3.子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題」)
学校にいる大多数の人が思春期に自己肯定感を育もうとするため、スクールカーストが自然に生まれると考えられます。
理由②自分の居場所を認識するため
2つ目は、自分の居場所を認識するためです。思春期は親への反抗心なども芽生えてきて、家庭が居心地のいい場所ではなくなるケースもあります。
そのため、家庭外の学校や学習塾などに自分の居場所を求めるようになるのです。(参考:文部科学省「3.子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題」)
たとえ何軍であろうと、スクールカーストに属してさえいれば、学校に自分の居場所があると認識できます。
自分はここにいていいんだ、誰かから必要とされているんだと感じるため、スクールカーストが生まれ、みんながその序列に入ろうとすると考えられます。
スクールカーストを決める10の要因
株式会社オウチーノによる調査では、スクールカーストを決めると思うものについて、その他を除いて10個の要因が挙げられています。

(参考:「『スクールカースト』は『コミュ力』『容姿』『運動神経』、『社会人カースト』は『給与』で決まる!」
この章では、株式会社オウチーノによる調査をもとに、スクールカーストを決める要因について解説します。
要因①コミュニケーション能力

1つ目は、コミュニケーション能力です。株式会社オウチーノの調査では回答数が最も多く、男性では半数以上の約50.2%の人がコミュニケーション能力と回答しています。
コミュニケーション能力と答えた理由には、交友関係に影響がある、場の空気を主導できるなどの意見がありました。
コミュニケーション能力が高い人はクラスの中心人物になりやすく、文化祭や体育祭などのイベントごとでもクラスを引っ張る存在になるケースが多いです。
女性の回答率も約43.9%あることから、コミュニケーション能力はスクールカーストを決める上で最も大事な能力といえるでしょう。
要因②容姿
2つ目は、容姿です。容姿は約49.5%と女性の中では回答率が最も多く、男性もコミュニケーション能力に次いで約37.2%の人が回答しています。
容姿については、「見た目が優れていると一目置かれやすいと思う」「一番分かりやすい」という意見がありました。
人の魅力は容姿だけではありませんが、話したことがない人でもひと目でわかる要素なので、外見が第一印象になるケースも珍しくありません。
特に、異性への興味が湧いてくる思春期では、容姿に注目がいく機会が多いため、スクールカーストを決める要因になると考えられます。
要因③運動神経

3つ目は、運動神経です。男性は約32.9%、女性は約25.0%が回答しており、やや男性のほうが運動神経を重視している傾向です。
運動神経と答えた理由としては、「学生には部活や運動会、体育など運動神経があることによって輝ける場所が多くある」「幼いほど運動神経が良い=リスペクトの対象になる」などがありました。
学生時代は運動する機会が多く、運動ができることによって目立つ場面も多くあります。
優劣が目に見えてわかりやすいという意味でも、スクールカーストを決める要因になるのでしょう。
要因④学業の成績
4つ目は、学業の成績です。男性は約30.4%、女性は約24.1%が回答しています。
勉強ができるのもリスペクトの対象にはなりますが、体育祭のようにみんなの前で披露する機会が少ない分、スクールカーストへの影響力は運動ほど大きくないようです。
ただ、学校生活では大半の時間を勉強して過ごすことになるため、一定の影響力はあると考えられます。
要因⑤部活動

5つ目は、部活動です。部活動と答えたのは、男性が約26.6%、女性が約19.3%でした。
回答理由のなかに、「学生時代は有無を言わさず、運動ができたら天下を取れた」「特にサッカー、バスケができるかが大きく影響する」などといった声があり、運動部に所属しているとスクールカーストが上位になりやすいようです。
スタディサプリ編集部の調査によると、現役高校生はイケてる部活として、サッカーやバスケットボール、ダンスなどを挙げています。(参考:スタディサプリ「現役高校生約700人が選ぶ『イケてる部活ランキング』発表!」)
こちらで解説したとおり、運動神経を重要視していることからも、やはり運動部、特にサッカー部やバスケットボール部に所属しているかが、スクールカーストに関わってくるようです。
要因⑥恋愛関係
6つ目は、恋愛関係です。男性は約19.3%、女性は約22.2%が回答しており、容姿に続き女性のほうが回答割合が多い結果になりました。
容姿が優れているとされる子やモテる子のいるグループは上層になることが多いと答えた人もいたことから、恋愛への関心が高まる思春期において、恋愛関係は重要な要因のようです。
要因⑦家柄・親の職業

7つ目は、家柄・親の職業です。回答割合は男性が約18.4%、女性が約20.3%でした。
スクールカーストには本人の要因だけでなく、家族や家柄のことまで関わってくることもあります。
家柄・親の職業に関しては、わかりやすくお金持ち、親が社長などの場合に注目を集めやすい傾向です。
要因⑧センス
8つ目は、センスです。男性は約16.9%、女性は約17.5%が挙げており、そこまで男女差はありません。
ただ、趣味やおもしろいものは人それぞれ異なるため、センスは意識してよくできるものではないかもしれません。
要因⑨住んでいる家

9つ目は、住んでいる家です。住んでいる家がスクールカーストにおいて重要と答えたのは、男性が約15.9%、女性が約11.3%でした。
住んでいる家に関しては、家柄・親の職業と同様、高層マンションや大きな一軒家など、わかりやすくすごいと感じられる場合にリスペクトされやすいと考えられます。
要因⑩趣味
10個目は、趣味です。男性は約15.9%、女性は約10.8%が回答しています。
多くの人が興味を持つ趣味だと話が合いやすく、逆に珍しい趣味だと注目を集めることがあります。
ただ、仲良くならないと趣味を聞かないでしょうから、スクールカーストへの影響は大きくありません。
スクールカーストを気にしないための考え方
この章では、スクールカーストを気にしないための考え方について解説します。
考え方①あくまで学校内だけの区分である

1つ目は、あくまで学校内だけの区分であるということです。スクールカーストは学校内での序列を指すとされている言葉なので、スクールカーストがそのままあなたの価値になるわけではありません。
たしかに、学生にとって学校は大事な一つの居場所ですが、学校以外にも学習塾や家庭など、居場所はあります。
気にしているのがクラス内のカーストなら、部活動や委員会など、学校内でほかの居場所を作るのもアリです。
そのため、もしあなたのスクールカーストが低いとされているからといって、自分を卑下する必要はありません。
考え方②気にしている時間がもったいない
2つ目は、気にしている時間がもったいないということです。
何度もお伝えするとおり、スクールカーストはあくまで学校内の区分とされているので、卒業したら関係ありません。クラス内のカーストであれば、進級すればリセットされます。
また、スクールカーストの上位とされる階層に属したとしても、あなたが楽しい学校生活を送れるかはわかりません。無理して1軍の人に合わせても、むしろ楽しくなくなる可能性があります。
それならば、スクールカーストを意識せず、趣味の合う友達を探したり部活に熱中したりなど、自分が楽しいと思えることに時間を使ったほうがいいでしょう。
考え方③友人関係が続くのはごくわずか

3つ目は、友人関係が続くのはごくわずかということです。m3.comの調査によると、約半数の人が、学生時代の友人で今も年に1回以上付き合いがあるのは5人未満と回答しています。(参考:m3.com「学生時代の友人との付き合い、5人未満」)
そのため、今気にしているスクールカーストに属しているほとんどの人とは、数年後には関わりがなくなるということです。
人生はこれからまだまだ続きます。将来関わらない人たちのことを気にするより、これからも付き合っていきたいと思える友達との時間を大事にしたほうがいいのではないでしょうか。
スクールカーストが原因で学校へ行きたくないときの対処法

スクールカーストが原因で学校へ行きたくないときは、以下の対処法を試してみましょう。
- 学校外の居場所を探す
- 親や学校の先生に相談する
- 保健室登校や別室登校を考える
- 規則正しい生活をする
- 専門家や支援機関に相談する
- 学校に行くメリットについて考える
- 学校に行くデメリットについて考える
- 学校に行くメリットとデメリットを比較して判断する
- デメリットを軽減する工夫をする
- いま在籍している学校に行かない選択肢を調べる
- 学校に行かなかった人の価値観に触れる
- 勉強を継続する
クラスへ行きたくない場合は、保健室登校や別室登校で解決できるかもしれません。家族や学校の先生に相談してみましょう。
学校へ行きたくない場合は、学校外の居場所を探したりいま在籍している学校以外へ行ったりすることで解決できるケースがあります。
また、再び学校へ行きたいと思ったときのために、規則正しく生活したり勉強を継続したりしておくのも重要です。少し時間を取って、学校へ行くことについて自分なりに考えてみるのもいいでしょう。
何より、一人で抱えていても解決する可能性は少ないといえます。まずは家族や学校の先生へ相談し、必要であれば専門家や支援機関も頼ってみてください。
学校に行きたくないときの対処法について、以下のコラムでも解説しています。こちらもぜひご覧ください。
スクールカーストに悩むお子さんに親ができる対応
スクールカーストに悩むお子さんに親ができる主な対応は、以下の5つです。
- 行きたくない気持ちを受け入れる
- 相談されたら否定せずに最後まで聴く
- お子さんの生活リズムに気を配る
- 原因が明確な場合は対処する
- 学校の先生や支援機関に相談する
まずは、お子さんの話を聞くのが重要です。頭ごなしに学校へ行けと言うのではなく、行きたくない気持ちを受け入れ、話を聞きましょう。
もし、明確な原因があった場合は、学校に相談したり病院に行ったりなど、適切に対処しましょう。対処法がわからない場合は、抱え込まず、学校の先生や支援機関に相談するのがオススメです。
話をしてくれない場合でも、生活リズムには気を配ってください。生活リズムが整えば、心身の調子も整ってきます。
親ができる対応やNG対応、心がけたいポイントについて、以下のコラムで解説しています。こちらもぜひご覧ください。
まとめ~スクールカーストのことで悩んだらすぐに相談しましょう~

スクールカーストには明確な定義はありませんが、学校生活のなかで生まれる見えない上下関係に悩むお子さんは少なくありません。
そんな時は、一人で抱え込まず、まずは気持ちを整理し、自分なりの居場所のつくり方を模索することが大切です。
またそのために、スクールカーストが生まれる背景を知っておくと、問題を整理しやすくなる場合があります。
加えて、家庭での対話や、信頼できる大人への相談も自分らしくいられる場所を探すひとつのきっかけになります。もし周囲に相談しづらいと感じた場合は、学校外の支援機関や専門家の力を借りることも選択肢のひとつです。
必ず、あなたの味方は存在しています。
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