
やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための「キズキビジネスカレッジ」も運営。
こんにちは、キズキ共育塾の内田青子です。
今回は、進路の決め方についてのお話です。
あなたは次のようにお悩みではありませんか?
高校卒業に向けては、進路を決めなくてはいけません。
進路を決めなければいけないけれど、何を勉強したいか、何の仕事に就きたいか自分でもわからずに決められない…といった人も多いでしょう。
進路が決まらないあなたに向けて、進路が決まらないときにやるべきことと、学部学科の決め方についてご紹介します。「高校を卒業した後にまだ進路が決まらない」といった人も、ぜひご参考にしてくださいね。
あなたの進路決定に役立てば幸いです。
目次
進路が決まらないあなたは、次のように思っていませんか?
「やりたいことを見つけなくてはいけない」
「友達は進路を決めているのに、決まらない自分はダメだ」
進路が決まらないのは、恥ずかしいことでもダメなことでもありません。
10代や20代の若いときに自分の適性を見極めて自分で進路を決定するのは実はとても難しいことです。
自分の「やりたいこと」や適性を見極めるには、ある程度の人生経験が必要だからです。
大人でも「やりたいこと」に迷いや疑問を持っている人はたくさんいます。
まずは、進路が決まらない自分を責めないでください。
気持ちを落ち着けた上で、「自分にできそうなことは何だろう?」「少しでも興味がわくことはなんだろう」と考えてみてください。
ここからは、進路が決まらないときにオススメの4つの行動をご紹介します。
まずは、少しでも興味のある学校(大学・学部・専門学校)について調べてみましょう。
一番手軽な調べる方法は、その学校に資料請求を行うことです。
興味のある大学や専門学校がない場合も、知っている、または通えそうな大学や専門学校のパンフレットを片っ端から請求して読んでみましょう。
資料を集めているうちに、「ちょっと興味あるな」と思える学校が見つかるはずです。
なぜそこに興味を持ったのかを考えるうちに、具体的な進路が決まっていくでしょう。
公式な資料以外にも、次のような大学・学部選びのためのオススメの本がありますので、ご参考にしてください。
資料や本での確認以外にも、次のような方法をオススメします。
進路の決まらない生徒さんに筆者がオススメしているのは、「学食めぐり」です。
学生でなくても学食が利用できる大学はたくさんあります。外部の人間が入ることができない大学もありますので、事前に調べて行きましょう。
学食で食事をしながら、大学の雰囲気や通っている学生の雰囲気を見ることで、その大学での学生生活のイメージがわいてくることがあります。
興味のある大学や近所の大学の学食に足を運んでみましょう。
進路決定の役に立つことはもとより、学食は大学によって特色があり、「景色がいい」「目の前でパスタをつくってくれる」「デザートが充実している」など、単純に楽しいです。
すると、「進路が決まらない」という不安な気持ちも晴れていきます。
興味のある職業や業界を調べてみるのも一つの方法です。
その職業に就くためにはどの大学・専門学校に行けばいいかを調べましょう。
「自分にはなれそうにないな」と思っていても、調べてみる価値はあります。
自分でもチャレンジできそうなルートが見つかるかもしれません。
業界や業種を調べるときには、次のようなサイトがオススメです。
他にも、例えば「(職業名または業界名) なり方」のような検索で、具体的なルートを紹介しているサイトを見つけることもできます。
身近な大人に職業について聞いてみることも、進路につながります。
例えば、次のような質問をしてみましょう。
気になることは何でも聞いてみましょう。
興味がない仕事でも、その職業に就いている人の話を聞くことで、面白そうだなと思う可能性があります。
可能であれば、仕事をしているところを見学させてもらえるといいですね。
自分が得意なことや好きなことが何か、自己分析をしてみましょう。
自分のことは自分が一番よく知っているようで、ちゃんと分析しないとわかっていないものです。
自己分析の具体的な方法をご紹介します。
こういったことをまとめる「自己分析ノート」をつくることをオススメします。
上記以外にも、日々の気がついたこと、うれしかったことや腹が立ったこと、人から言われたことを記録しましょう。
「どうして、このとき、このように思ったのだろう?(反応したのだろう?)」と自問してノートに書いていきます。
ノートを埋めていくうちに、思いがけない自分が見えてきて、進路が見つかります。
例えば、「私は人見知りだから、人と接する進路は避けよう」と思っていたとしても、自己分析ノートを埋めていくと、「自己主張はしないけれど、よく人の話を聞くことで人から好かれる自分」を発見するかもしれません。
そうなると、「人の話を聞く仕事をしよう」と進路が見つかる可能性があります。
ぜひ、自己分析ノートをつくってみてください。
やりたいことがある人にとって、進路決定のためには、その業界を調べることや、自分の適性を知ることは大切です。
しかし、それ以上に大切なことがあります。それは、次の3つです。
例えば、「親が言うから」「みんなが大学に行くから」と、自分の気持ちを押し殺して望まない進路に決めるべきではありません。
まずは、「あなたが何をしたいか」を大切に、進路を決めましょう。
きっと、「やりたいこと」に近づけるはずです。
なお、筆者が担当している生徒さんによくあるのですが、「一度決めた進路は、一生変更することができない(するべきではない)」と思い込んで、悩み、進路を決められない人がいます。
例えば、「学校の先生になりたくて大学の教育学部に進学したけど、在学中に考えが変わってマスコミに就職した」などといった人は珍しくありません。
医学部に進学しても、医者にならずに一般企業に就職する人もいます。
社会人になった後で進路を変更する人(転職・独立・起業する人)も珍しくありません。
ちょっとでもいいなと思った道に進んでみて初めて、その進路が自分に合うか合わないかがわかるのです。
合わなければ、そのときからでも進路は変更できます。
逆に言うと、家庭の事情などでどうしてもあなたのやりたいことと違う進路に行かざるを得ない場合でも、「その後進路を変更することも可能」です。
「その進路が意外に自分に合っていると発見」することもある、ということです。
そう知ると、進路決断の不安が減りませんか?
「進路を決めなければならない」という焦りや、「自分には何もない」などといった思い込みから、自分の「やりたいこと」「好きなこと」が、心の奥に埋もれてしまって気づかない場合もあります。
そうした焦りや思い込みを捨てて、「自分が本当はどの進路を選びたいのか」、じっくり時間をかけて考えましょう。
進路決定は、あなたの人生に関わる重大なことです。
人より時間がかかったとしても、よく考えて自分が納得する進路を選ぶことが大切です。
その上で、以下のようにお悩みではないでしょうか。
たしかに、職業選択には一生を決定する部分もあります。
しかし、進路を決める上で大切なのは、「自分はどのようなライフスタイルを選びたいか」なのです。
職業から進路を選ぶのではなく、ライフスタイルから進路を選ぶことが重要ということです。
例えば、次のような自分が理想とするライフスタイルを考えてみましょう。
そこから進路が見つかるはずです。
次に、ライフスタイルから将来を考えるための表をご用意しました。
全てのライフスタイルを網羅しているわけではありません。
また単純化したものではありますが、進路を考える参考になると思います。
なお、どの学校・学部がどの資格・業界に強いのかについては、先述の資料や本などに掲載されている卒業生の進路から確認できます。
希望するライフスタイル | 進路 |
---|---|
地元にいたい |
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地元を離れたい |
|
海外で働きたい |
|
資格を取って専門的に働きたい |
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人と接する仕事がしたい |
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人とあまり接することのない仕事がしたい |
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お金持ちになりたい |
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夢を叶えたい |
|
安定して堅実に暮らしたい |
|
自営業・起業したい |
|
「代表的な働き方」である会社員・公務員・自営業について、それぞれがどのような特徴を持つのか、簡単に説明します。
「会社員」は、企業という組織の一員として働く働き方です。
組織の仲間とゴールを共有し、協力し合い、目標を実現する面白さがあります。
「公務員」は、省庁や都道府県庁、市区町村の役所で働きます。
一般的に、「倒産する」「リストラされる」などの心配がないと言われます。
「自営業・起業・フリーランス」は、特定の組織に属さない働き方です。
「どのような仕事をするか」「どのような会社(仕事)にするか」などを自分で考え、自分で決定し、実行していくことができます。
しかし、同時に、その結果に対する責任は自分で負わなくてはなりません。
以上、職業を考えるときの参考になれば幸いです。(参照:『大学選びのための職業・進路案内』 東進ブックス)
進路は、やりたいこと・好きなことから見つけないといけないと思っていませんか?
やりたくないこと・苦手なことから消去法的に進路を決定する方法もあります。
わかりやすい例としては、「体を動かすのが嫌いなら、肉体労働業界を進路候補から消す」というようなことです。
他にも、次のようなことが考えられます。
苦手なこと、嫌なことを起点に進路候補を消していくうちに、「この方向ならOKかな」という進路が見つかるはずです。
消去法で進路を選ぶことは、決して悪いことではありませんよ。
最後に、どうしてもやりたいことが見つからない人のためへのオススメをご紹介します。
例えば、「法律にも公務員にも、そんなに興味ないんだけど…」などと思うかもしれませんね。
繰り返しますが、進路は後からでも変更できます。
「進路が決まらなくて行動できない…」といういまの状況と比べると、思い切ってその道に進む価値はあります。
そうすると、「やっぱり法律に(公務員に)興味出てきた」と思うかもしれません。
大学で学んだり生活したりするうちに別の興味・進路が見つかるかもしれません。
公務員になってから新たな「何か」を見つけるかもしれません。
どうしても進路が決められないようなら、この3つを検討してみてくださいね。
進路が決まらない高校生(浪人生)は、決して少なくありません。
10代、20代の人生経験で自分に適した進路を決めるのは大変難しいことです。
どのような考え方で進路を選び、どのような仕事に就いたとしても、合わなければ転職や再進学はいつでもできます。
いろいろな仕事を経て、40代、50代でやっと自分にぴったりの仕事と出会えたという大人も少なくありません。
まずはいまのあなたの興味関心を大切にして、進路を選びましょう。
この記事があなたの進路決定に役立ったなら幸いです。
さて、私たちキズキ共育塾では、受験勉強をサポートしながら、進路決定のお手伝いもしています。
1対1の完全個別指導の授業では、勉強以外にも悩み相談や雑談も可能です。
「高校3年生だけど進路が決まらない」
「高校を卒業したけれど、これからの進路が決まっていない」
「不登校で、どのように進路を決めたらいいのかわからない」
そんなふうに進路決定でお悩みなら、ぜひ一度ご相談ください。
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