進路が決まらないときの4つのおすすめ行動、どうしても決まらないときの3つの選択肢

進路が決まらないときの4つのオススメ行動、どうしても決まらないときの3つの選択肢

こんにちは、キズキ共育塾の内田青子です。

今回は、進路の決め方についてのお話です。

あなたは次のようにお悩みではありませんか?

  • 「高校3年生になったけれど、進路が決まらない」
  • 「将来やりたいことが見つからないから、受験する大学や学部を決められない」

高校卒業に向けては、進路を決めなくてはいけません。

進路を決めなければいけないけれど、何を勉強したいか、何の仕事に就きたいか自分でもわからずに決められない…といった人も多いでしょう。

進路が決まらないあなたに向けて、進路が決まらないときにやるべきことと、学部学科の決め方についてご紹介します。「高校を卒業した後にまだ進路が決まらない」といった人も、ぜひご参考にしてくださいね。

あなたの進路決定に役立てば幸いです。

監修 / キズキ代表 安田祐輔

やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための「キズキビジネスカレッジ」も運営。

【新著紹介】

『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法』
(2022年9月、KADOKAWA)
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【略歴】

2011年 キズキ共育塾開塾(2022年7月現在9校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)

【メディア出演(一部)】

2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

共同監修 / キズキ相談担当 半村進

はんむら・すすむ。
1982年、茨城県生まれ。東京大学文学部卒。
小学校時代から転校を繰り返し、運動ができないこと、アトピー性皮膚炎、独特の体形などから、いじめの対象になったり、学校に行きづらくなっていたことも。大学に入学してようやく安心できるかと思ったが、病気やメンタルの不調もあり、5年半ほど引きこもり生活を送る。30歳で「初めてのアルバイト」としてキズキ共育塾の講師となり、英語・世界史・国語などを担当。現在はキズキの社員として、不登校・引きこもり・中退・発達障害・社会人などの学び直し・進路・生活改善などについて、総計1,000名以上からの相談を実施。

【執筆記事・インタビューなど(一部)】

日本経済新聞 / 朝日新聞EduA / テレビ東京 / 不登校新聞 / クリスクぷらす

執筆 / 内田青子

うちだ・あおこ。1982年生まれ。上智大学文学部卒。大学卒業後、百貨店勤務などいくつかの仕事を経た後、2018年から発達障害・不登校・中退経験者などのための個別指導塾・キズキ共育塾で講師として国語(現代文・古文・漢文)と小論文を指導し、主任講師となる。並行して、聖徳大学通信教育部心理学科を卒業。現在、公認心理師の資格取得を目指して、発達障害や不登校支援についてさらに勉強中。

サイト運営 / キズキ

「もう一度学び直したい方」の勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする学習塾。多様な生徒さんに対応(不登校・中退・引きこもりの当事者・経験者、通信制高校生・定時制高校生、勉強にブランクがある方、社会人、主婦・主夫、発達特性がある方など)。授業内容は、小学生レベルから難関大学受験レベルまで、希望や学力などに応じて柔軟に設定可能。トップページはこちら。2022年7月現在、全国に9校とオンライン校(全国対応)がある。

進路が決まらなくても、自分を責めないでください

進路が決まらなくても、自分を責めないでください

進路が決まらないあなたは、次のように思っていませんか?

「やりたいことを見つけなくてはいけない」
「友達は進路を決めているのに、決まらない自分はダメだ」

進路が決まらないのは、恥ずかしいことでもダメなことでもありません

10代や20代の若いときに自分の適性を見極めて自分で進路を決定するのは実はとても難しいことです。

自分の「やりたいこと」や適性を見極めるには、ある程度の人生経験が必要だからです。

大人でも「やりたいこと」に迷いや疑問を持っている人はたくさんいます。

まずは、進路が決まらない自分を責めないでください

気持ちを落ち着けた上で、「自分にできそうなことは何だろう?」「少しでも興味がわくことはなんだろう」と考えてみてください。

進路が決まらないときの4つのオススメ行動

ここからは、進路が決まらないときにオススメの4つの行動をご紹介します。

行動①興味のある大学・学部・専門学校などを調べる

興味のある大学・学部・専門学校などを調べる

まずは、少しでも興味のある学校(大学・学部・専門学校)について調べてみましょう。

一番手軽な調べる方法は、その学校に資料請求を行うことです

興味のある大学や専門学校がない場合も、知っている、または通えそうな大学や専門学校のパンフレットを片っ端から請求して読んでみましょう。

資料を集めているうちに、「ちょっと興味あるな」と思える学校が見つかるはずです

なぜそこに興味を持ったのかを考えるうちに、具体的な進路が決まっていくでしょう。

公式な資料以外にも、次のような大学・学部選びのためのオススメの本がありますので、ご参考にしてください。

資料や本での確認以外にも、次のような方法をオススメします。

進路の決まらない生徒さんに筆者がオススメしているのは、「学食めぐり」です

学生でなくても学食が利用できる大学はたくさんあります。外部の人間が入ることができない大学もありますので、事前に調べて行きましょう。

学食で食事をしながら、大学の雰囲気や通っている学生の雰囲気を見ることで、その大学での学生生活のイメージがわいてくることがあります。

興味のある大学や近所の大学の学食に足を運んでみましょう。

進路決定の役に立つことはもとより、学食は大学によって特色があり、「景色がいい」「目の前でパスタをつくってくれる」「デザートが充実している」など、単純に楽しいです。
すると、「進路が決まらない」という不安な気持ちも晴れていきます。

行動②興味のある職業や業界について調べる

興味のある職業や業界を調べてみるのも一つの方法です

その職業に就くためにはどの大学・専門学校に行けばいいかを調べましょう。

「自分にはなれそうにないな」と思っていても、調べてみる価値はあります。

自分でもチャレンジできそうなルートが見つかるかもしれません。

業界や業種を調べるときには、次のようなサイトがオススメです。

他にも、例えば「(職業名または業界名) なり方」のような検索で、具体的なルートを紹介しているサイトを見つけることもできます。

行動③周囲の大人の話を聞く

周囲の大人の話を聞く

身近な大人に職業について聞いてみることも、進路につながります

例えば、次のような質問をしてみましょう。

  • なぜその職業についたのか
  • どのようなルートでその職業に就いたのか
  • どのような仕事内容なのか
  • その職業の人のライフスタイルは?
  • その職業で楽しいこと、厳しいことは?
  • やりがいは何か?

気になることは何でも聞いてみましょう

興味がない仕事でも、その職業に就いている人の話を聞くことで、面白そうだなと思う可能性があります。

可能であれば、仕事をしているところを見学させてもらえるといいですね。

行動④自己分析をする

自分が得意なことや好きなことが何か、自己分析をしてみましょう

自分のことは自分が一番よく知っているようで、ちゃんと分析しないとわかっていないものです。

自己分析の具体的な方法をご紹介します。

  • 自分の興味、得意なこと、性格などを書き出す
  • 家族や友人に「私はどんな人?」と聞いてみる
  • 今までの人生でつらかったことやがんばったことを振り返る
  • 自分にとっては当たり前だけど、よく人から褒められることを考える

こういったことをまとめる「自己分析ノート」をつくることをオススメします

上記以外にも、日々の気がついたこと、うれしかったことや腹が立ったこと、人から言われたことを記録しましょう。
「どうして、このとき、このように思ったのだろう?(反応したのだろう?)」と自問してノートに書いていきます。

ノートを埋めていくうちに、思いがけない自分が見えてきて、進路が見つかります

例えば、「私は人見知りだから、人と接する進路は避けよう」と思っていたとしても、自己分析ノートを埋めていくと、「自己主張はしないけれど、よく人の話を聞くことで人から好かれる自分」を発見するかもしれません。

そうなると、「人の話を聞く仕事をしよう」と進路が見つかる可能性があります。

ぜひ、自己分析ノートをつくってみてください。

「やりたいことがある人」に向けた、進路の決め方のアドバイス

「やりたいことがある人」に向けた、進路の決め方のアドバイス

やりたいことがある人にとって、進路決定のためには、その業界を調べることや、自分の適性を知ることは大切です。

しかし、それ以上に大切なことがあります。それは、次の3つです。

  • 自分の「やりたい」「好き」の気持ちを大切にすること

例えば、「親が言うから」「みんなが大学に行くから」と、自分の気持ちを押し殺して望まない進路に決めるべきではありません。

まずは、「あなたが何をしたいか」を大切に、進路を決めましょう

  • 「言うほど興味があるわけではないんだけど…」という場合でも、その進路にご縁があったのだと思って、エイッと進んでみる

きっと、「やりたいこと」に近づけるはずです。

なお、筆者が担当している生徒さんによくあるのですが、「一度決めた進路は、一生変更することができない(するべきではない)」と思い込んで、悩み、進路を決められない人がいます。

  • 「一度決めた進路」は、後になって変更しても大丈夫

例えば、「学校の先生になりたくて大学の教育学部に進学したけど、在学中に考えが変わってマスコミに就職した」などといった人は珍しくありません。

医学部に進学しても、医者にならずに一般企業に就職する人もいます。

社会人になった後で進路を変更する人(転職・独立・起業する人)も珍しくありません。

ちょっとでもいいなと思った道に進んでみて初めて、その進路が自分に合うか合わないかがわかるのです。

合わなければ、そのときからでも進路は変更できます。

逆に言うと、家庭の事情などでどうしてもあなたのやりたいことと違う進路に行かざるを得ない場合でも、「その後進路を変更することも可能」です。
「その進路が意外に自分に合っていると発見」することもある
、ということです。

そう知ると、進路決断の不安が減りませんか?

「やりたいことがない人」に向けた、進路の決め方のアドバイス

「やりたいことがない人」に向けた、進路の決め方のアドバイス

「進路を決めなければならない」という焦りや、「自分には何もない」などといった思い込みから、自分の「やりたいこと」「好きなこと」が、心の奥に埋もれてしまって気づかない場合もあります。

そうした焦りや思い込みを捨てて、「自分が本当はどの進路を選びたいのか」、じっくり時間をかけて考えましょう

進路決定は、あなたの人生に関わる重大なことです。

人より時間がかかったとしても、よく考えて自分が納得する進路を選ぶことが大切です。

その上で、以下のようにお悩みではないでしょうか。

そう悩む人は、「進路=職業」と思っていませんか?

たしかに、職業選択には一生を決定する部分もあります。

しかし、進路を決める上で大切なのは、「自分はどのようなライフスタイルを選びたいか」なのです

職業から進路を選ぶのではなく、ライフスタイルから進路を選ぶことが重要ということです。

例えば、次のような自分が理想とするライフスタイルを考えてみましょう

  • 地元にいたい
  • 安定したい
  • お金持ちになりたい

そこから進路が見つかるはずです。

次に、ライフスタイルから将来を考えるための表をご用意しました。

全てのライフスタイルを網羅しているわけではありません。
また単純化したものではありますが、進路を考える参考になると思います。

なお、どの学校・学部がどの資格・業界に強いのかについては、先述の資料や本などに掲載されている卒業生の進路から確認できます

希望するライフスタイル 進路
地元にいたい
  • 地元の大学・地元の専門学校→地元の企業など
地元を離れたい
  • 実家から遠い大学・地元の専門学校→実家から遠い企業など
海外で働きたい
  • 大学→商社に就職
  • 大学・専門学校→海外の企業に就職
  • 海外の大学に進学
資格を取って専門的に働きたい
  • 大学→医師・弁護士・教師・柔術整復師など
  • 大学・短大・専門学校→保育士・看護師・美容師など
  • 大学などと並列して資格塾→公認会計士・税理士・司法書士など
人と接する仕事がしたい
  • 高卒・大学・短大・専門学校→教育業・営業職・接客業など
人とあまり接することのない仕事がしたい
  • 大学・専門学校→動物関連の仕事・プログラマーやSEのような技術職など
  • 大学・専門学校→伝統工芸の職人など
  • 大学・専門学校→フリーランス(ライター・作家・漫画家など)
お金持ちになりたい
  • 大学→医師や弁護士などの資格取得・給料のいい会社への就職
  • 大学・専門学校→起業→会社を大きくする
  • 大学などに通いつつ、特技・才能を見つけ、学ぶ→漫画家・シェフなど
夢を叶えたい
  • 大学進学や就職を行いつつ、夢に向かって活動をする
  • 夢の内容に関連する大学・専門学校(美術、音楽、声優、アニメなど)→関連する仕事
安定して堅実に暮らしたい
  • 大学・専門学校→公務員
自営業・起業したい
  • 大学・専門学校→起業、開業(お店を持つなど)

会社員・公務員・自営業に関する簡単な説明

「代表的な働き方」である会社員・公務員・自営業について、それぞれがどのような特徴を持つのか、簡単に説明します。

「会社員」は、企業という組織の一員として働く働き方です

組織の仲間とゴールを共有し、協力し合い、目標を実現する面白さがあります。

「公務員」は、省庁や都道府県庁、市区町村の役所で働きます

一般的に、「倒産する」「リストラされる」などの心配がないと言われます。

「自営業・起業・フリーランス」は、特定の組織に属さない働き方です

「どのような仕事をするか」「どのような会社(仕事)にするか」などを自分で考え、自分で決定し、実行していくことができます。

しかし、同時に、その結果に対する責任は自分で負わなくてはなりません。

以上、職業を考えるときの参考になれば幸いです。(参照:『大学選びのための職業・進路案内』 東進ブックス)

やりたくないこと・苦手なことから消去法で進路を決めてもOK!

やりたくない・苦手なことから進路を決める方法

進路は、やりたいこと・好きなことから見つけないといけないと思っていませんか?

やりたくないこと・苦手なことから消去法的に進路を決定する方法もあります

わかりやすい例としては、「体を動かすのが嫌いなら、肉体労働業界を進路候補から消す」というようなことです。

他にも、次のようなことが考えられます。

  • 海外に住みたくない人は、商社に勤めない
  • 昼夜逆転が苦手な人は、医師や看護師にはならない
  • 知らない人と話すのが苦手なら、サービス業は選ばない
  • 机でじっとしているのが苦手なら、事務職は選ばない

苦手なこと、嫌なことを起点に進路候補を消していくうちに、「この方向ならOKかな」という進路が見つかるはずです。

消去法で進路を選ぶことは、決して悪いことではありませんよ

「どうしても進路が決まらない方」にオススメの進路はこの3つ!

「どうしても進路が決まらない方」にオススメの進路はこの3つ!

最後に、どうしてもやりたいことが見つからない人のためへのオススメをご紹介します。

  • 文系なら、大学の法学部に行って公務員を目指す
  • 理系なら、大学の工学部に行って就職を目指す
  • 受験勉強が得意ではないなら、専門学校で資格や技術を身につける(調理師、保育士、美容師、服飾関係など)

例えば、「法律にも公務員にも、そんなに興味ないんだけど…」などと思うかもしれませんね。

繰り返しますが、進路は後からでも変更できます。

「進路が決まらなくて行動できない…」といういまの状況と比べると、思い切ってその道に進む価値はあります

そうすると、「やっぱり法律に(公務員に)興味出てきた」と思うかもしれません。
大学で学んだり生活したりするうちに別の興味・進路が見つかるかもしれません。
公務員になってから新たな「何か」を見つけるかもしれません。

どうしても進路が決められないようなら、この3つを検討してみてくださいね。

まとめ

まとめ

進路が決まらない高校生(浪人生)は、決して少なくありません。

10代、20代の人生経験で自分に適した進路を決めるのは大変難しいことです。

どのような考え方で進路を選び、どのような仕事に就いたとしても、合わなければ転職や再進学はいつでもできます

いろいろな仕事を経て、40代、50代でやっと自分にぴったりの仕事と出会えたという大人も少なくありません。

まずはいまのあなたの興味関心を大切にして、進路を選びましょう

この記事があなたの進路決定に役立ったなら幸いです。

さて、私たちキズキ共育塾では、受験勉強をサポートしながら、進路決定のお手伝いもしています。

1対1の完全個別指導の授業では、勉強以外にも悩み相談や雑談も可能です。

「高校3年生だけど進路が決まらない」
「高校を卒業したけれど、これからの進路が決まっていない」
「不登校で、どのように進路を決めたらいいのかわからない」

そんなふうに進路決定でお悩みなら、ぜひ一度ご相談ください。

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