中学生のいじめ、親にできる対策と対応【チェックシートつき】

中学生のいじめ、親にできる対策と対応【チェックシートつき】

2018年10月8日 月曜日 投稿

中学生のいじめ、親にできる対策と対応【チェックシートつき】

キズキ共育塾の岡田和哉です。

お子さんが中学になって、いじめに関する心配が増える親御さんは大勢います。

私自身もこの時期にいじめられた経験があります。

あなたも、「我が子がいじめにあっている(のではないか)。親にできることはなんだろう」と考えるけれどなかなかうまくいかない…などとお悩みではありませんか?

今回は、そんなあなたに向けて、お子さんのためのいじめの対策と対応を紹介します

いじめのサインを発見するチェックシートも紹介するのでご活用ください。

また、学校との向き合い方についても紹介します。

お子さんのためにどうすればいいかというお悩みの一助となれば幸いです。


いじめの原因を「いじめられている子どもにある」としてはいけない

いじめの原因を「いじめられている子どもにある」としてはいけない

子どもがいじめられているとき、「いじめられている側に原因・理由がある」と考えてはいけません

お子さんに「あなたにも悪いところがあるから」「あなたが弱いから」「あなたが周りに馴染んでいないから」などといったことを思わない、言わないことが大切です。

お子さんは、ただでさえいじめられて自己肯定感が弱っています。

そんなときに親からも責められると、さらに自己肯定感が損なわれ、大人になっても引きずる「傷」を負ってしまう可能性があるからです。

また、いじめる側がその理由を「服装が派手」や「わがまま」などと言っているとして、それがなくなってもいじめがなくなるとは限りませんし、それが本当の理由とも限りません。

いじめる側の「理由」は適当

いじめる側の「理由」はなんとなく適当に言っているだけなことも多く、言っている理由に対応してもまた別の新しいことでいじめてくるということもあります。

私の場合も、「背が小さくて弱そうだから」ということがいじめの理由だったはずが、背が伸びてもいじめようとする人がいました。

他にも、発達障害や性的マイノリティーの子どもがその特質を理由にいじめられているとして、その特質は「変える」ようなものではないでしょう。

「いじめの原因は自分にあるから、自分を変えるためにがんばろう」としてもできなかった場合、それも新たに自信を失ったり、自己否定に繋がったりするきっかけになることもあります。

そのため、いじめの原因はいじめられている子ども側に求めてはいけないのです。

さて、同じく「ストップ!いじめナビ」によると、いじめの原因として「環境面」に注目する研究が増加しているそうです。

例えば、ストレスの多い教室ではいじめが起きやすいといわれます(荻上チキ氏/『いじめを生む教室 子どもを守るために知っておきたいデータと知識』/PHP新書)。

確かに、「弱い子」や「人と違う子」はいじめられやすい傾向にはあります。

ただ、弱くても、人と違っても、いじめられない子どもはたくさんいますし、いじめが発生しない環境はたくさんあります。

つまり、いじめはストレスなどの環境的原因で発生し、結果としてその矛先がいじめやすい「弱い子」や「自分と違う子」に向かっていると考えるのが自然と言えるのではないでしょうか。


いじめは早期発見が大切

いじめの発生には環境が影響することをお伝えしました。

しかし、学校やクラスの環境に親が直接干渉するのは難しいと思います。

家庭だけでもできる対策や対応として、「早期発見」がその一つです。

いじめはエスカレートすることも多く、早期に発見し対応することが解決のために重要だからです。

いじめは、長引くほど子どもの心に深刻なダメージを与えます。

早期発見のための環境づくりが有効な対策になります。

とは言え、子どもが自分から「いじめられている」と親に相談することは難しいのが現実です。

どんな親が相手でも、子ども「いじめらについて相談するのは恥ずかしい」と思ってしまいがちだからです。

そのため、「相談しやすい完璧な親」のようなものを目指す必要はありません。

以下のチェックシートなどを参考に、子どもの日頃の変化に注意することを意識しましょう。

特にクラス替えなどの環境が変わる時期や、休日・長期休暇が終わる直前には注意して見守ることが大切です。

また、子どもの違和感に気づいたときは、「いじめられてるんじゃない?」などと直接聞くのではなく、「あなたは一人ではないよ」「いつでも味方だよ」「あなたは悪くないよ」などと伝え、子どもの心に寄り添うことを心掛けてください。


早期発見のためのチェックシート

以下は、保護者向けの「いじめのサイン発見シート」(文部科学省)のチェック項目部分です。子どもの様子を確認する際のご参考にご覧ください(PDFはこちら)。

いじめのサイン発見シート

文部科学省の「いじめのサイン発見シート」以外の参考になる項目としては、
・「転校したい」や「学校をやめたい」と言い出す
・ひとりで登校したり、遠回りして帰って来たりするようになった
・お風呂に入りたがらなかったり、裸になるのを嫌がる
・テレビゲームなどに熱中し、現実から逃避しようとする
・親の学校への出入りを嫌う
・成績が下がり、書く文字の筆圧が弱くなる
・友達の話をしなくなったり、いつも遊んでいた友達と遊ばなくなったりする
・友達から頻繁に電話がかかってきて外出が増える。メール(ブログなど)を気にする
・いじめの話をすると強く否定する
などがありますので、合わせてご確認ください(出典:沖縄県教育庁義務教育課「沖縄県いじめ対応マニュアル」、島根県教育委員会「いじめ発見のための家庭用チェックシート」、茨城県教育委員会「家庭用いじめ発見チェックリスト」)。

なお、もしいじめがあるとわかっても、「自分の育て方が悪かった」「気づいてあげられなかった」などと親御さんが自分自身を責める必要はありません

いじめは環境次第でどんな子どもにも起こりますし、親の目の届かないところで行われるからです。


子どもに学校以外の居場所をつくりましょう

子どもに学校以外の居場所をつくりましょう

ここからは、子どもがいじめにあっているとわかった後に家庭でできる対応をお伝えします。

中学生にとって、「学校」は生活時間の多くを占める場所です。

いじめにあって学校を居場所だと感じられなくなると、「自分には何もない」と感じてしまう子どもが多くいます。

子どもに、「学校以外の居場所」をつくることが大切です。

「学校以外の居場所」で安心して過ごすことができれば、子どもは落ち着き、いずれ次の一歩に踏み出せるようになります。

第一の居場所になるのが家庭です。

子どもが「学校に行きたくない」というのなら、休むことを認めることも必要です。

逆に子どもが無理して学校に通っているように感じるなら、
「学校以外にも世界がある」、
「ときには我慢せずに逃げたりすることも大切」、
などといったこと、つまり「学校が全てではないこと」を伝えましょう。

家庭を居場所にすることは、親子の信頼関係を(改めて)構築し、その後の対応のためにも重要になります。

子どもの考えや立場を批判するのではなく、理解し尊重することを日頃から心掛けてみてください。

また、いじめは(学校の)環境が原因であることが多いということは、学校以外ではいじめにあわない子どもも少なくないということです。

家庭以外にも、習い事や塾などが子どもの新たな居場所になると、気持ちが安定することもよくあります。

塾は、「学校以外で勉強を続けられる」場所としても機能します。

ただ、新しい人間関係を築くことに恐怖心を抱く子どももいるので、無理には通わせない配慮も必要です。


中学校との向き合い方4つ〜「いじめ防止対策基本法」などを基に〜

中学校との向き合い方4つ〜「いじめ防止対策基本法」などを基に〜

ここまで、家庭でできることを中心にお伝えしました。

子どもがいじめにあったときに一番重要なことは、傷ついた子どもに寄り添うことです。

そして、家庭だけで抱え込むのではなく、中学校側とうまく連携することも大切です。

「子どもがいじめられているのではないか?」と学校に伝えても、学校が対応をしてくれないこともあります(もちろん、真摯に対応してくれる学校もたくさんあるでしょうが)。

ここからは、学校との向き合い方について、「いじめ防止対策基本法(以下、「同法」)」や文部科学省の「いじめの防止等のための基本的な方針(平成29年3月14日最終改定)」を基に4つ紹介します。


①法的に、どんな状態がいじめか

まず、同法ではいじめを「子どもが、他の子どもとの関係で“心身の苦痛を感じている”場合」と定義しています。

例えば、
「好意から行った行為が意図せずに相手側の児童生徒に心身の苦痛を感じさせてしまったような場合」、
「軽い言葉で相手を傷つけたが、すぐに加害者が謝罪し教員の指導によらずして良好な関係を再び築くことができた場合」
についても、法律としては「いじめ」になります。

その上で、「いじめが解消した」とみなされるのは、「少なくとも3か月」いじめが止んでいることが条件です。

つまり、同法ではいじめと認定されるハードルが低く、「いじめだから対応してほしい」という学校への相談のハードルも低い、ということです。


②学校はどう対応する必要があるか

②学校はどう対応する必要があるか

同法は、各学校に「いじめ対策組織」の設置を義務づけています。

この組織は、いじめの予防、早期発見、対応に当たる組織で、教師などがいじめの相談を受けたり、いじめがあると思ったりした場合はこの組織に報告しなければいけないことになっています。

例に出した「軽い言葉で相手を傷つけた」というような場合でも報告が義務づけられています。

つまり、いじめについての対応は、教師や保護者などが一人だけで抱え込んだり、個人で判断したりしないで「組織的に対応方針を決定し、被害児童生徒を徹底して守りとおす」ことになっているのです。

そして、どんなに些細なことでも積極的に「いじめ」と認識し、いじめを隠したり軽視したりしないことも重視しています。

学校(先生)に相談する際には、この対策組織への報告を伝えることが大切です。


③いじめによる「重大事態」の疑いがあったときには

③いじめによる「重大事態」の疑いがあったときには

同法では、いじめが原因で「重大事態」が起きた場合は、事態を調査する専門の組織をつくり、アンケートなどの調査を行わなければならないことになっています。

「重大事態」とは、いじめが原因で不登校となった疑い、または心身などに重大な被害が起きた疑いがあるときです。

「疑い」とあるのが重要です。

例えば、親が学校に「いじめが原因で子どもが○○な状態になった」申し立てた時点ではいじめと断定できない場合でも、学校側は「重大事態が発生したものとして報告・調査等に当たる」必要が生まれます。

この組織は、重大事態に対処するとともに、同じような事態を予防するための調査も行います。

そのため、弁護士や精神科医、心理や福祉の専門家などの「専門的知識及び経験を有する者」が参加するよう努めることが求められています。

調査は「必要な情報を適切に」保護者に提供する義務があるので、調査結果を学校から報告してもらうことができます。

また、「重大事態」が発生した場合は、市長などへの調査結果の報告も義務づけられています。

市長などに報告する調査結果には、希望すれば「保護者の所見をまとめた文書」も一緒に提出できるので、もし調査結果に問題があれば活用しましょう。

文部科学省「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」から、不登校以外の重大事態の例も紹介します(出典:文部科学省「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」)。

もし、当てはまるものがあれば「重大事態」として対応してもらうよう学校に伝えましょう。

なお、下記は例示であり、これらを下回る程度の被害であっても、総合的に判断し重大事態と捉える場合があります

①児童生徒が自殺を企図した場合
○軽傷で済んだものの、自殺を企図した。

②心身に重大な被害を負った場合
○リストカットなどの自傷行為を行った。
○暴行を受け、骨折した。
○投げ飛ばされ脳震盪となった。
○殴られて歯が折れた。
○カッターで刺されそうになったが、咄嗟にバッグを盾にしたため刺されなかった。
○心的外傷後ストレス障害と診断された。
○嘔吐や腹痛などの心因性の身体反応が続く。
○多くの生徒の前でズボンと下着を脱がされ裸にされた。
○わいせつな画像や顔写真を加工した画像をインターネット上で拡散された。

③金品等に重大な被害を被った場合
○複数の生徒から金銭を強要され、総額1万円を渡した。
○スマートフォンを水に浸けられ壊された。

④いじめにより転学等を余儀なくされた場合
○欠席が続き当該校へは復帰ができないと判断し、転学(退学等も含む)した。


④学校へは、「責める」よりも「協力を依頼する」

④学校へは、「責める」よりも「協力を依頼する」

ここまで、中学校側との向き合い方について法律を参考に紹介してきました。

ただ、学校側…つまり、先生たちも人間です。

かばうわけではありませんが、どれだけ法律に書かれていても、様々な理由で調査などに消極的になってしまうこともあります。

そんなときは、どうすべきでしょうか。

あくまで私の知る限りでは、学校を責めるよりも「協力してほしい」という姿勢を示した方が効果的なようです。

「学校にも責任があるはずなのに、なんで責めずに協力を求めなくてはいけないんだ」と思う方もいるでしょう。

その気持ちはわかりますが、何よりもお子さんのことを第一に考えて行動してほしいと思います。

もちろん、「効果的な方法」は学校によって、先生によって異なります。

学校に見切りをつけてすぐに転校する、などといった方法がお子さんのためになる場合もあるでしょう。

もう一度繰り返しますが、「何よりもお子さんのため」を考えて行動していただきたいと思います。


まとめ――お子さんのことを考え、相談機関も頼りましょう

まとめ――お子さんのことを考え、相談機関も頼りましょう

ここまで以下のことをお伝えしてきました。

・いじめの原因を「いじめられている子ども」にあるとしてはいけないこと
・いじめの対策と対応には早期発見が重要であること
・家庭など、子どもが安心できる「学校以外の居場所」をつくること
・学校には、「いじめ防止対策基本法」によっていじめの調査などを組織的に行う義務があること
・何よりも、子どものためを思って行動してほしいこと

お子さんのためにも、覚えておいてほしいと思います。

さて、「親として、子どものいじめと戦おう」とがんばることは大切ですが、「いじめ」だけに注力してしまうと大事なことを見失ってしまうこともあります。

いじめの解決には、「いじめる側」や「学校の環境」を変える必要があり、解決は難しいことも多いです(これも決してかばうわけではありませんが、いじめる側や学校に「いじめ」だという意識がないことも少なくありません)。

子どもが頼れるのは親だけ、という場合もあります。

どうか、「いじめ」ではなく「子ども」と向き合うことを第一に考えてほしいのです。

「いじめが解決しない限り、子どもに未来がない」と思っているのではないでしょうか?

そんなことはありません。

いじめが解決するのはもちろん「よいこと」ですが、「その学校での、そのクラスや部活などでのいじめ」が解決しなくても、将来に向かう選択肢はたくさんあります

そして、子どものいじめは、家庭だけで抱え込む必要はありませんし、相談先も学校だけではありません

公的・民間問わず、いじめについて相談できる団体はたくさんありますので、お子さんに合った団体を見つけ、「お子さんのための方法」を見つけてほしいなと思います。

キズキ共育塾でも無料相談を行っていますので、少しでも気になるようでしたら、お気軽にご連絡ください(親御さんだけでのご相談も可能です)。

あなたの子どもが、一歩ずつ前に進めるよう、祈っています。

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※文中の写真は、全てイメージです。


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