「あんなに順調だったのに…」不登校の回復期に逆戻りする原因と親のNG対応

不登校だった子どもが、別室登校ができるようになったり、笑顔が増えたり。
「ようやく光が見えてきた」と安心した矢先に、再び学校を拒絶し、部屋にひきこもった…。

「あのとき私がかけた言葉がプレッシャーになったのでは」
「このまま一生ひきこもってしまうのでは」
と、絶望と自責の念に苦しんでいる親御さんへ。

結論から言えば、不登校の回復期における逆戻りは、親御さんのせいではありません。 そしてお子さんの失敗でもありません。

これは、お子さんが外の世界に向かって全力で挑戦した証、いわばガス欠の状態です。

このコラムでは、不登校の回復期に逆戻りが起きる本当のメカニズムと、親御さんが取るべき正しい対応、やってはいけないNG行動を、最新データも交えながら詳しく解説します。

また、家庭の外の第三者・専門家の重要性もお伝えします。

お子さんが再び笑顔をを取り戻すための第一歩として、ぜひ参考にしてください。

不登校の状況には、経緯や波があります。このコラムでは、不登校の回復期のことを、「基本的には不登校状態ではあるものの、心理的状態が改善され、心的エネルギーが溜まりだし、一人での外出が自由になってくる期間。登校も、本人が望む場合はある程度は可能」と定義してお話しします。

私たちキズキ共育塾は、不登校の人のための、完全1対1の個別指導塾です。

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不登校の回復期に「逆戻り」した…親のせいではありません

不登校の回復期から「学校に行けない」という状況に逆戻りすると、自責の念に駆られるかもしれません。

しかし、逆戻りは決して親御さんの責任ではありません。自分を責めるのは止めましょう。

この章では、お子さんの回復期の逆戻りが親御さんのせいではない理由について解説します。

「あんなに順調だったのに…」絶望と自責を感じる保護者様へ

逆戻りが起きると、「昨日声をかけた一言がプレッシャーになったのではないか」「もっと慎重に見守るべきだった」多くの親御さんが自分を責めがちになります。

しかし、自分を責めないでください。

不登校からの回復は、右肩上がりの一直線ではありません。

「三歩進んで二歩下がる」を繰り返しながら、少しずつ前に進んでいきます。逆戻りは回復の失敗ではなく、その波の一部であることを頭に入れておきましょう。

逆戻りは失敗ではなく「回復のプロセス」の一部

一時的に別室登校や放課後登校ができるようになったとしても、その後に再び動けなくなる時期が訪れることは珍しくありません。

この逆戻りの時期は、回復の失敗ではなく、次のステップへ進む前の充電期間です。

「あのとき声をかけた一言がよくなかったのではないか」と自責する親御さんは少なくありませんが、親御さんの特定の言動が単独で逆戻りを引き起こすケースは多くありません。

逆戻りには複合的な要因が絡んでいます。

なぜ回復期に逆戻り(揺り戻し)が起きるのか?3つのメカニズム

「なぜあのタイミングで急に?」という疑問は、多くの親御さんが抱えています。逆戻りには、明確な理由があります。

この章では、回復期に逆戻りが起きる3つのメカニズムについて解説します。

1. 一気に頑張りすぎたことによる「エネルギーの再枯渇(ガス欠)」

回復期に入ったお子さんは、「登校を再開しなければ」「親に心配をかけてはいけない」という気持ちから、無意識のうちに自分の限界以上に頑張ることがあります。

これを過剰適応と言います。
(参考:奈良女子大学「不登校になれない子どもたち―過剰適応傾向と登校動機に着目して」

例えば、スマートフォンは一度バッテリーが0%になると、充電を始めてもすぐには使えません。また、20%充電できたからといって、フル充電のときと同じように使い続けると、またすぐに0%になります。

お子さんの心のエネルギーも同様に、少し回復した段階で無理をすると、以前よりも早くガス欠・エネルギー切れを起こすことがあるのです。

2. 理想(100点)と現実(0点)のギャップへの絶望

回復期に差し掛かったお子さんの多くが、「以前の自分のように、学校には普通に通いたい」という強い理想を抱えています。

しかし、いざ登校しようとすると、「やっぱり教室に入れない」「朝起きられない」という現実に直面します。

この理想と現実のギャップは、心に大きなダメージを与えます。

頑張ろうとしたのにまた無理だったという体験が積み重なることで、「どうせ自分はダメだ」という自己否定につながり、再び殻に閉じこもるのです。

このように、0点から100点へ一気に飛び込もうとしたことで心が折れている状態が、逆戻りの正体の1つです。

3. 学習の遅れに対する焦りとプレッシャー

登校を意識し始めた段階で、お子さんには「授業についていけないのではないか」「クラスの皆よりも大幅に遅れている」という不安が浮上します。

この学習面への焦りが、外へ踏み出そうとするエネルギーを消耗させ、足をすくませる要因となります。

学習の遅れは、放置するほど本人のプレッシャーが増大します。早期に学習面のサポートを検討することが、逆戻りの予防にもつながります。

回復のサインと逆戻りのサインを見極める

お子さんの状態を見極めるために、回復のサインと逆戻りのサインを把握しておくことが大切です。

この章では、それぞれのサインについて、具体例を挙げつつ解説します。

回復期に見られる前向きなサイン

これらのサインが1つでも見られたら、「また頑張れそう」という気持ちが芽生えてきた証拠です。

  • 家族との会話が増える、冗談を言うようになる
  • 「暇だな」「何かしたい」という言葉が出てくる
  • 自分から外出を提案したり、友人に連絡を取ろうとしたりする
  • 食欲が戻り、生活リズムが整ってくる
  • 趣味(ゲーム・音楽・読書など)への関心が戻ってくる

過度に反応したり期待を言葉にしたりせず、いつも通りの接し方を心がけてください。

逆戻り(エネルギー枯渇)を知らせるSOSサイン

一方、以下のいずれかのサインが現れた場合は、心のエネルギーが再び枯渇しているサインです。

  • 朝起きられなくなる、または昼夜逆転が再び始まる
  • 頭痛・腹痛・吐き気などの身体症状が増加する
  • 暴言が増える、または反対に無気力・無表情になる
  • 食事を取らなくなる、部屋から出なくなる
  • 「死にたい」「消えたい」という発言が見られる(※この場合は、速やかに専門機関へ相談しましょう)

原因を問いただしたり登校を促したりするのではなく、「休んでいいよ」と言葉で伝えることを最優先にしてください。

【親の対応策】逆戻りしたときに「やってはいけないNG行動」と「適切なOK行動」

お子さんの逆戻りが起きると、親御さんは不安やお子さんへの心配を強く感じます。

しかし、ここでご自身の不安を抑えて冷静に対処できるかどうかで、回復へのスピードが大きく変わります。

この章では、お子さんが逆戻りした際にやってはいけない行動と、適切な行動をそれぞれ解説します。

逆戻りを悪化させる3つのNG行動(叱責・原因追及・登校刺激)

逆戻りが起きたとき、親御さんは焦るあまり、かえってお子さんを追い詰めることがあります。

善意から出た言動であっても、逆効果になるケースがあることを知っておいてください。

NG①:原因を問いただす

「なぜ行けないのか」「何が嫌なのか」と原因を追及することは、お子さんに「答えなければならない」というプレッシャーを与えます。

本人自身も明確な理由を言語化できないことが多く、問いただされることで自己否定感がさらに強まります。

学校に行きたくない理由がわからないときの対処法については、以下のコラムで解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

NG②:元気があるときと比較する

「先週は行けていたのに」「あのときは頑張れたじゃないか」という言葉は、「今は失敗している」という認識を強化するリスクがあります。

回復の過程に逆戻りが含まれている以上、以前の状態を基準にした比較は逆効果です。

NG③:登校を促す・強い刺激を与える

エネルギーが枯渇している状態での「少しだけでも学校に行ってみよう」という声かけは、本人にとって「また無理をさせられる」という圧力として受け取られます。

信頼関係の損傷につながるため、逆戻り直後の登校刺激は避けてください。

安心感を取り戻すためのOK行動(休息の許可・共感・見守り)

逆戻りした直後のお子さんにとって、最も必要なのは「この家は安全だ」という実感です。以下の対応を参考にしてください。

OK①:明確に「休んでいい」と言葉で伝える

追い詰められているお子さんに対しては、「疲れたんだね、しばらく休んでいいよ」と、言葉で明確に伝えることが重要です。

いつまで休むのかという期限は設けず、休息の許可を与えることを優先してください。

OK②:「解決」を急がず、そばにいる

アドバイスや励ましよりも、「何かあれば言ってね」という一言を添えながら近くにいることが、この時期の最大のサポートになることがあります。

過度な介入を避け、距離感を保ちながら「いつでも頼っていい」ということを示しましょう。

OK③:親自身の状態管理も行う

大切なお子さんの逆戻りを目の当たりにした親御さんが精神的に消耗することは、当然のことです。

自分の感情を整理できる場所(信頼できる人への相談や、専門家へのアクセス)を確保することで、冷静な対応が維持しやすくなります。

「見守るだけ」の限界を感じたら?第三者のサポートが必要な理由

焦らず見守ることが大切だと分かっていても、回復と逆戻りが繰り返されるうちに、「このままで本当にいいのだろうか」と感じ始める親御さんは多いはずです。

不登校という状況への対応は、家庭だけで抱え込む必要はありません。

この章では、第三者のサポートが必要になる理由について解説します。

最新データが示す「学校以外の居場所」の重要性

文部科学省が2025年10月に公表した「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」では、不登校の児童生徒数が過去最多を更新し続けており、小中学生の合計は35万人超にのぼります。

注目すべきは、同調査において国が学校以外の多様な学びの場(民間施設)の有効性を認め、その積極的な活用を推奨していることです。

個別指導塾やフリースクールなどの民間施設は、今や国の方針とも合致した正式な選択肢として位置づけられています。

学校に戻ることだけが解決策という前提を手放すことが、親御さん自身の焦りを軽減し、お子さんへの適切な関わり方につながります。
(参考:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」

家族だけでは「期待」と「甘え」がぶつかりやすい

家庭内でのサポートには限界があります。

親はどうしても「学校に戻ってほしい」という期待を完全に手放すことができず、お子さんはその期待を察知して圧力を感じます。

また、お子さんが親に対して最も強く感情をぶつけやすい関係性であることも、家庭内の対応を難しくする要因です。

このような家族間特有の膠着状態を打開するためには、親でも学校の教師でもない、第三者の介入が有効です。

挫折を理解できる「少し先を歩くロールモデル」の存在

第三者の中でも特に効果的なのが、同様の挫折・苦しみなどを経験し、それを乗り越えた少し年上の存在です。

「あの人も同じ経験をしてきたが、今はこうして『普通に』生活している」という事実は、お子さんに対して親や教師の言葉とは異なる説得力を持ちます。

そうしたロールモデルがいる場所などの、外部の専門的なサポートを検討することは、弱さではなく合理的な判断です。

キズキ共育塾が「逆戻り」からの一歩をサポートできる理由

外部のサポートを検討しようと思っても、「どこに相談すればいいのか分からない」と足踏みしている親御さんも多いでしょう。

私たちキズキ共育塾は、不登校を経験した、または不登校の最中にいるお子さんの勉強とメンタルを1対1の完全個別指導でサポートしています。

この章では、私たちキズキ共育塾が逆戻りからの回復にどのような形で関わることができるのかについて解説します。

挫折を経験した講師による「共感」と「メンタルサポート」

キズキ共育塾には、自身も不登校、ひきこもり、学校への適応困難などを経験した講師やスタッフが多くいます。

「逆戻りしても大丈夫」という言葉は、同じ経験をした信頼できる人物から語られるとき、単なる励ましではなく、根拠のある安心に繋がります。

勉強と並行して、お子さんの心理的な安定を支えることができる環境が、キズキ共育塾の最大の特徴です。

1対1だからできる、完全オーダーメイドのスモールステップ

0点から100点へ一気に到達しようとして逆戻りを繰り返したお子さんには、10点・20点と段階を刻める緩やかな進行が必要です。

キズキ共育塾では、小学校の基礎内容からの学び直しに対応しており、「分からないことへの恥ずかしさ」を感じさせない環境で、着実な成功体験を積み重ねられます。

また、勉強だけの授業時間をいきなり始めることに困難がある場合は、趣味の雑談などから始めることも可能です。

そして、1対1の完全個別指導であるため、お子さんのその日の状態に応じて授業内容や進度を柔軟に調整することが可能です。

「学校復帰」だけではない、多様な進路選択の提示

「元の学校への復帰(登校再開)」のみをゴールとして設定することは、逆戻りのたびにお子さん本人と親御さんが傷つく構造を生みかねません。

キズキ共育塾では、お子さん本人が望むのであれば、無理のない登校再開に向けたアドバイスも行います。

しかし、お子さん本人が望まない限り、登校再開は積極的には促しません。

登校を再開しないままでも、次の一歩に進むことは可能です。

私立中学、全日制高校、通信制高校、定時制高校、高卒認定、大学進学など、多様な進路選択肢を一緒に検討します。

学校復帰だけが正解ではないという前提のもとで将来を考えることで、焦りではなく展望を持って次の一歩を踏み出せるようになります。

まとめ:逆戻りは、次へ進むための大切な「充電期間」です

不登校の回復期の逆戻りは、失敗でも後退でもありません。

お子さんが外の世界へ向かおうとした証であり、回復プロセスの一部です。

「自分の関わり方に問題があったのではないか」と真剣に向き合ってきた、その気づきそのものが、お子さんの力になっています。

不登校のお子さんのことは、ご家庭だけで抱え込まないようにしましょう。不登校に詳しい第三者・専門家のサポートが重要です。

私たちキズキ共育塾には、不登校を経験した講師が多く在籍し、お子さんを学習面とメンタル面の両方から総合的に支援しています。

「まず話を聞いてほしい」という相談だけでも、ぜひお気軽にご連絡ください。

Q&A よくある質問

回復期に逆戻りが起きるメカニズムは何ですか?

以下が考えられます。

  • 一気に頑張りすぎたことによる「エネルギーの再枯渇(ガス欠)」
  • 理想(100点)と現実(0点)のギャップへの絶望
  • 学習の遅れに対する焦りとプレッシャー

詳細については、こちらで解説しています。

逆戻りしたときに親がとる適切なOK行動は何ですか?

以下が考えられます。

  • 明確に「休んでいい」と言葉で伝える
  • 「解決」を急がず、そばにいる
  • 親自身の状態管理も行う

詳細については、こちらで解説しています。

監修 / キズキ代表 安田祐輔

やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための就労移行支援事業所「キズキビジネスカレッジ」も運営。

【新著紹介】

『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法』
(2022年9月、KADOKAWA)
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KADOKAWA公式

【略歴】

2011年 キズキ共育塾開塾(2025年11月現在16校+オンライン校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2025年9月現在9校)

【メディア出演(一部)】

2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

共同監修 / キズキ相談担当 半村進

はんむら・すすむ。1982年、茨城県生まれ。東京大学文学部卒。
小学校時代から転校を繰り返し、運動ができないこと、アトピー性皮膚炎、独特の体形などから、いじめの対象になったり、学校に行きづらくなっていたことも。大学に入学してようやく安心できるかと思ったが、病気やメンタルの不調もあり、5年半ほど引きこもり生活を送る。30歳で「初めてのアルバイト」としてキズキ共育塾の講師となり、英語・世界史・国語などを担当。現在はキズキの社員として、不登校・引きこもり・中退・発達障害・社会人などの学び直し・進路・生活改善などについて、総計1,000名以上からの相談を実施。

【執筆記事・インタビューなど(一部)】

日本経済新聞 / 朝日新聞EduA / テレビ東京 / 不登校オンライン / 通信制高校ナビ

サイト運営 / キズキ

「もう一度学び直したい方」の勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする学習塾。多様な生徒さんに対応(不登校・中退・引きこもりの当事者・経験者、通信制高校生・定時制高校生、勉強にブランクがある方、社会人、主婦・主夫、発達特性がある方など)。授業内容は、小学生レベルから難関大学受験レベルまで、希望や学力などに応じて柔軟に設定可能。トップページはこちら。2025年6月現在、全国に17校とオンライン校(全国対応)がある。

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