
やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための「キズキビジネスカレッジ」も運営。
目次
不登校中の生活は不規則になりがち、という「あるある」です。
次のように、「あるある」と思える経験がたくさんあがりました。
「不規則な生活は健康のためにもよくないとわかりつつ、でも改善できない…」というのもあるあるでしょうか。
体を動かす(体力をつける)ようにする、太陽の光を浴びるようにするなどは、一般的に不規則な生活を改善するための役に立ちます。
私はネトゲにこそハマりませんでしたが、生活は昼夜逆転で大いに不規則でした。
そんな私は、規則的な生活に戻すために、体力づくりのためのランニングに加え、カーテンを開けっぱなしにして寝て、朝になったら日光の眩しさで目を覚ますようにしていました。
なお、「朝起きられない」場合は、病院や睡眠指導に行くのも一手です。
「学校に行ってない」
「一日中寝てる」
といった不登校の生活のことを不登校ではない人に話したら、
「いいなー」
「俺もそうなりたいよ」
「ゲームし放題じゃん」
などとうらやましがられることもよくありますね。
そういう「うらやましい」と言われる場面で、
「その場ではノリに合わせて笑っても、実際はそんな生活は結構つらい」
という「あるある」です。
「本当は学校に行きたい」「本当は外出したい」などといなど、「あるある」と思える経験がたくさんった「今の生活とは異なる理想の生活」が頭にはあるのにそれが実行できないつらさや、
逆に将来の姿が見えないつらさ、
そして何もすることがない時間が多すぎるつらさ…。
不登校経験のない人にこうした「つらさ」を理解してもらうのはなかなか難しいことのようです。
やはり周りのみんなは気を使うのか、「久しぶりに登校したら、クラスメイトや部活仲間をすごく優しく感じた」という声が多いです。
そして「みんなの優しさに触れて嬉しかった」という声とともに、逆に「はれ物に触れるような接し方に気まずさを感じた」という人もいました。
また、「行く行かないを繰り返すとみんな冷たくなったように感じるし、最終的には忘れ去られる」という声も。
「振り返って思えば、優しい対応やはれ物対応になってしまうのもわかるけど、普通に接してくれるのが一番助かる」という意見も目立ちました。
私たちキズキ共育塾は、学校に行っていないあなたのための、完全個別指導塾です。進路/勉強/受験/生活などについて、無料相談ができます。各種受験の合格実績多数。お気軽にご連絡ください。
フォームで問い合わせ「なぜかわからないけど、何もやる気が出ない」
「それまでできていたことも、なぜかできなくなる」
「明日になったらアレをしようと思っていたのに、翌日になったら気分が乗らない」
など、無気力な状態に陥ってしまうという「あるある」です。
「なぜこんなにも無気力になるのかわからない」
と理由がわからないことも多く、まるで気力をどこかに吸われるような感覚になるようです(私も一時期そうなっていました…)。
理由がわかっている場合としては、
「学校生活で限界まで疲れて不登校になったのに、それでもがんばろうとして結果が追いつかずに無気力になった人」や、
「何とか状況を変えたいともがくけども、空回りして前に進めず無気力な状態に陥ってしまった人」がいました。
また、抗うつ剤や睡眠導入剤を服用している場合は、その影響で意識がもうろうとしたり気力がなくなったりすることもあるとの声も。
気力を取り戻すための方法の一つとして、「小さな目標を持ち、少しずつ成功経験を積んでいくこと」は知っておいてほしいなと思います。
特に中学・高校で不登校の場合、朝9時くらいから夕方16時までの時間帯に出かけると、同年代の人を見かけることはあまりありません。
考えてみれば当たり前で、自分と同年代の人の多くは、その時間帯は学校にいるからです(小学生の場合は比較的授業が早く終わるので、同年代を見かける時間帯は多くなります)。
外出しても見かけるのは子ども連れ、お年寄り、社会人ばかりで、社会からの疎外感を覚えてしまうという「あるある」です。
このようなとき、「自分の居場所は家の外にはないんだな…」と思ってしまうと、外に出る機会がどんどん減っていき、ひきこもりがちになっていきます。
ひきこもりになると社会復帰に要する時間が長くなるので、心身ともに外出できるコンディションが整っているなら、できれば定期的な外出の機会を持ってほしいです。
私が直接聞いた例では、図書館、習い事(市民楽団や市民劇団などを含む)、支援機関(キズキ共育塾もその一つです)を定期的な外出方法として使っている方が多いですね。
「(5)平日の昼間に外出すると疎外感を覚える」の続きと言ってもいいでしょう。
「昼間に行けるところが少ない」
「人の目が気になる」
「知り合いに会うのが気まずい」
「暑い日中に出歩けるだけの体力がなくなった」
などの理由で、外出時間が夜間になりがちという「あるある」です。
また、「昼夜逆転しているから夜間に外出する人」もいれば、逆に「夜間に外出するから昼夜逆転になった人」もいました。
他には、家族にはれ物扱いを受けたり、逆に過剰に気を使われていたりする場合や、なんとなく家族に会うのが気まずいなど、「家族が家にいる夜は外出しないとリラックスできない」という理由もありました。
私も不登校当時は夜間の外出が多く、24時間営業のコンビニにはお世話になりました…。
「夜間にしか外出できない」とネガティブに考えるよりも、「夜間なら外出できる」とポジティブに考えるようにすると、少し気が楽になるかもしれません。
とは言え、一般的には未成年の夜間外出や昼夜逆転はオススメできません。
自分も夜間外出が多かったので説教めいたことを言うつもりはありませんが、できれば少しでも早い時間に外出するように心がけてみてください。
「久しぶりに中学時代の友達と遊んだら話に全くついていけなかった」
「人と目を合わせてしゃべれなくなった」
「とっさに言葉が出てこなかった」
「イエス・ノー以外の意思表示に手間取るようになった」
「人が話してることを理解するのに時間がかかるようになった」
「ちょっと喋ったら声がカスカスになった」
など、明らかにコミュ力が落ちるのも「あるある」です(「声がカスカス」は直接のコミュ力ではないかもしれませんが)。
不登校生活で家にいることが多い結果、他人とコミュニケーションを取る機会がグンと減るためでしょう。
コミュ力が落ちたため余計に人と話さなくなり、そのためコミュ力が落ち続ける…という悪循環に陥ってしまう人も少なくありません。
私は不登校になる前からコミュニケーションが苦手だったのですが、不登校になってからは輪をかけて苦手になりました(そして今でも苦手です…)。
ですが最近は、ミュージカル公演、社会問題についてのワークショップ、話し方セミナーなどへ参加したりして、コミュニケーションの努力をしています。
あなたの周りにも「自分の興味と合致してコミュニケーションの練習ができる場」があれば、試しに行ってみてはいかがでしょうか。
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LINEで問い合わせ「修学旅行があったことを後から知って悲しかった」
「部活で充実した青春を送りたかった」
「友達と話したりしながら通学したかった」
「普通に学校を楽しく思える人がうらやましい」
など、できることなら普通に楽しく学校に通いたいという「あるある」です。
ただ、
「楽しい学校に憧れるけど、実際の学校は楽しめる気がしない」
「学校に行きたい気持ちはあるけど行けない」
「行けたとしてもぼっちになるだけ」
など、憧れの気持ちだけ抱いたままという人も。
「理想と現実は違う」と最初からあきらめているということでしょうか。
ですが、キズキ共育塾の生徒さんについて言えば、
「中学不登校から単位制高校に進学した結果、部活も生徒会活動も充実して楽しい高校生活を送っている」
「中学不登校から地元を離れた高校に進学した結果、毎日楽しく通学している」
「全日制高校不登校から通信制高校に転校した結果、気の合う友達ができた」
といった例は、逆に「あるある」です。
あなたも、自分に合った学校に進学・転校すると、「普通の学生生活」を過ごせるかもしれませんよ。
ドラマ、映画、マンガ、アニメ、小説などのいじめシーンで「いじめられる側」に感情移入し、怒りや悔しさを覚える「あるある」です。
具体的には、
「フィクションだとわかっているけど、何もできないのが悔しい」
「いじめを見て見ぬフリする教師が出てくると『最低!』と口に出る」
「自分の体験を思い出して、見ていられなくなる」
「見終わった後、やり返す方法をずっと考える」
「いじめられていた側が逆転する話にめちゃくちゃスカッとする」
などなど。
なお、自分自身にいじめられた経験があるかないかは関係ないようです。
いじめに象徴される、「学校という環境で感じる生きづらさ」に強く感情移入するということかもしれません。
不登校で時間を持て余すからか、「生きる意味」という究極の問いに向き合うことになるのも「あるある」です。
考えたことの具体的な例としては、
「人は夢を持ち、夢のために生きなくてはならないのか?じゃあ夢がない人に生きる意味はないのか?」
「楽しく生きるためにも、生きる意味が必要」
「楽しく生きられれば、生きる意味なんてなくてもいい」
「生きる意味は、生きながらずっと考えていくことになるのだろう」
などなど。
そして「生きる意味」について考えるとき、同時に「自分とは何か」という問いとも向き合う人も多く、「自分の核となるもの」や「自分の個性のようなもの」に気づけたという人も。
いい答えが見つかれば「不登校になった甲斐がある」というものですが、一人きりで考え込むと思考が悪い方向にループするのも「あるある」です。
もし暗い方向のことしか考えられないようでしたら、周りの人や支援機関などに相談してほしいなと思います(キズキ共育塾でも無料相談を受け付けています)。
「将来が見えなくて、絶望感しかなかった」というのは、本当に多い「あるある」ですね。
具体的には、
「今後私は人間失格の烙印を押されて生き続けなければいけないと思った」
「生きる価値ないし、死んだ方がマシだと思ってた。でも死ねなかった」
「明日が来るのが嫌で、ネトゲに逃げるしかなかった」
「やりたいことなんてないし、何のために生きてるのかわからないと悩んでいた」
「不登校は悪いことだという空気が世間全体にある」
などなど。
「不登校を経験したら、絶対に将来は絶望的だ」ということは、決してありません(キズキ共育塾の生徒さんや講師の例からも明らかです)。
最初にも言いましたが、不登校になったからと言って人生が終わるというわけではありませんし、不登校を経験してもその後の社会復帰は可能です。
不登校というのは、長い人生のたった一部分でしかないのです。
学生時代は、「学校と家庭が世界の全て」のような感覚を持ちがちです(私もかつてそうでした)。
そのため、不登校になると家にしか居場所がなかったり、家さえも安心できる場所じゃなかったりすると「人生詰んだ」と思い込んでしまうことがあるのですが、実際はそんなことはありません。
人生には、居場所も選択肢も、意外とたくさんあるんですよ。
「(11)将来への絶望感がハンパなくなる」と似ているかもしれません。
「世界一のダメ人間」はちょっと大げさな言い方かもしれませんが、
「周りの人も世間の人もみんな、考えも行動も将来設計もしっかりしている。自分だけがしっかりしてない。自分はダメだ…」
と思い込んでしまうという「あるある」です。
自分と他人を「優劣」という観点で比較し、その上で「自分の方が絶対的に劣っている」と考えてしまいがち、ということでしょうか。
「不登校は絶対的に悪いことだ」
→「そんな悪いことをしている自分はダメだ」
と思い込んでしまっているから、つい他人のことを自分より優れていると考えてしまうのでしょう。
先ほども述べましたが、不登校というのは長い人生の一部分に過ぎません。
変に「他の人は不登校の自分よりも絶対的に優れている」と思ったり、逆に「不登校の自分は他の人よりも絶対的に劣っている」と思ったりする必要はありません。
また、完璧な人間なんて存在しません。
他の人がしっかりしているように見えても、その人にだって「しっかりしていない部分」はあり、迷いや悩みもあり、つまづいたりミスしたりしながら生きています。
他人のアラ探しをしようという意味ではありませんが、「人間はみんな完璧ではない」と考えられるようになると、気が楽になるのではないでしょうか。
私がお会いしてきた不登校の経験者は、みんな優しく、他人の痛みについてよくわかっている人たちばかりでした。
不登校を経験した人は、自分が悩み苦しみ、人一倍いろんなことを考えた時間が多いためでしょう。
あなたも、今は自覚がないかもしれませんが、きっと他人の痛みに敏感になっていると思います。それはあなたの財産です。
心にゆとりを持てずに生き、他人に不寛容な態度をとってしまう人も多い中、他人の痛みについてわかる人が一人でも多くいることは、私にとっては救いです。
私たちキズキ共育塾は、学校に行っていないあなたのための、完全個別指導塾です。進路/勉強/受験/生活などについて、無料相談ができます。各種受験の合格実績多数。お気軽にご連絡ください。
資料を無料ダウンロード以上、「不登校あるある」についてまとめました。
あなたに当てはまるものはありましたか?もしあれば、あなたの不安や悩みは、きっと理解されるということがおわかりいただけたと思います(もしなくても、今回ご紹介した「あるある」は一部にすぎないのでご安心ください)。
やはりというか、どうしても「ネガティブなあるある」が多くなるようですね…。対策を載せた「あるある」もありますので、参考になれば幸いです。
さてそんな中、最後の「あるある」をお伝えします。
それは、「不登校になっても社会復帰できる」です。
…実はこれは、
「『あるある』として認識が広まっている」
というよりも、
「『あるある』として認識が広まってほしいな」
という私の願望です(なのでタイトルの「13選」にはカウントしていません)。
すでに繰り返し述べてきましたが、キズキ共育塾の生徒さんと講師だけを見ても、不登校から社会に復帰した人はたくさんいます。
キズキ共育塾以外の場でも、「実は中学のとき不登校だったんだよね」などという人と知り合うことも珍しくありません。
中学不登校から高校に進学して、充実した高校生活を送っている人。
高校不登校からひきこもりになり、その後学び直して大学に進学し、大学卒業後に就職して結婚した人。
中学も高校も不登校で、高校中退後に学び直して高卒認定を取得し、専門学校に進学して資格を取得した人。
「不登校」は、長い人生のたった一部に過ぎないのです。あなたも、今はつらく苦しい状況にいるかもしれませんが、その状況はずっと続くものではないということが、不登校から社会復帰した私たちからのメッセージです。
「不登校になっても、社会復帰できる」という認識がもっと広まると、もっとみんな生きやすくなるのになと思います。
さて、これを聞いてあなたはどう思いましたか?
「だったら、将来のために一歩踏み出そう」?
「そんなことを言われても信用できない」?
「だとしても具体的に何をすればいいのかわからない」?
いずれにしても、そのお気持ちをキズキ共育塾にご相談ください。
あなたの事情に応じて、あなたが社会復帰できるよう、力になれると思います。
ではまた次回のコラムでお会いしましょう。