「人が怖い…」そんな気持ちの3つの原因と6つの克服法

「人が怖い…」そんな気持ちの3つの原因と6つの克服法

お悩みのある人のための完全個別指導塾・キズキ共育塾の村山結尚です。

「人が怖い……」

いろんな場面でそう思う人は少なくありません。

学校で先生にあてられたとき、
バイトや就活の面接のとき、
会社でのプレゼンのとき。

ただ会話をするだけでも、ただ周りにいるだけでも、人に恐怖を感じていませんか?

あなただけではなく、誰しもが、「人が怖い」と思うときがあるのです。

誰しもが思うのであれば、解決方法もたくさんあります

今回のコラムでは、「人が怖い」と感じる原因とその克服法を紹介します。

あなたの「人が怖い」というお悩みを解消できればと思います。

「人が怖い」気持ちの3つの原因

僕が見てきた限り、「人が怖い」と思う気持ちには、主には以下の3つの原因があります。

「人が怖い」気持ちの3つの原因

  1. 自分に自信がない
  2. 対人関係にトラウマがある
  3. 人目を気にしすぎている

以下、解説しますk。

原因①自分に自信がない

自分に自信がない

自分に自信がないと、それだけで人が怖くなります

次のような思考が、他人をどんどん怖く見せるのです。

  • 「周りの人が優秀に見えて、自分がここにいていいのかわからない」
  • 「自分なんかが話しかけても、相手にされないんじゃないか」
  • 「口下手だし、上手に話せるかもわからない」

次のような悪循環に陥ることもあります。

  • 自信がない
  • 人が怖い
  • 人から遠ざかる
  • コミュニケーションが上達しない
  • ますます自信がなくなる…

原因②対人関係にトラウマがある

対人関係にトラウマがある

対人関係にトラウマがあると、「人が怖い」という感情が発生しがちです

次のような経験があると、「自分が何かすることで、人からネガティブなことをされるのではないか」という恐怖心が発生するのです。

  • 先生から、失敗を怒鳴られた
  • クラスメイトから、覚えのないことで責められた
  • よかれと思ってやったことで、友達から嫌われた

原因③人目を気にしすぎている

人目を気にしすぎている

人目を気にすることは悪いことではありません。ですが、気にしすぎると人が怖くなります

例えば、次のような思考になっているパターンです。

  • 会話でも勉強でも(仕事でも)、自分が失敗する姿を見せたくない
  • あの言動、嫌がられなかっただろうか?
  • 呼びかけにうっかり返事をしなかった。失礼な人だと思われてしまったかも…
  • あの人、自分にだけそっけない気がする
  • 気をつけないと、心の中を見透かされそうで怖いな…

人目を気にしすぎるということは、自分の言動が人からどう見られているかを過剰に意識する、ということです。

そんな状態では、他人が「自分を鑑定・評価・審判する存在」になるため、怖いと思ってしまうのです。

「人が怖い」を克服する6つの方法

では、どうやったら「人が怖い」という状態が解決するのでしょうか。

前章で紹介した原因の種類にかかわらず、次の方法を試していくことで、一歩ずつ前に進めます。

「人が怖い」を克服する6つの方法

  1. あいさつから始める
  2. ちょっとした世間話を始める
  3. 一人で安心できる場所・時間も大事にする
  4. 人が怖いことは悪いことではないと認識する
  5. 怖いと思う人から距離を取る
  6. 認知行動療法を試す

方法①あいさつから始める

あいさつから始める

あいさつは、コミュニケーションの基本です。

隣の席のクラスメイト、先生、エレベーターで一緒になった同僚、上司…毎日会う人たちに、あいさつを始めてみましょう

あいさつには、次の特徴があります。

  • 決まった言葉がある(おはよう、さようなら、こんばんはなど)
  • それだけでコミュニケーションが完結する(あいさつの後に会話を続ける必要はない)

つまり、一番簡単なコミュニケーションなのです。

次のように、できることを少しずつ増やして、自分を肯定することが大切です

  • 今日は3回もあいさつできた
  • 明日は、笑顔であいさつしてみよう

相手からもあいさつが返ってくれば、少しずつ「人が怖い気持ち」はなくなっていきます。

方法②ちょっとした世間話を始める

ちょっとした世間話を始める

少しずつ自分を肯定できるようになってくると、自信がついてきます。

自信がつけば、「ちょっと世間話をしてみようかな」などと、あいさつよりもハードルの高いことができるようになります

ちょっとした世間話の話題としては、次のようなものがあります。

  • 今日の天気や気候の話
  • 重くない内容のニュースの話

ちょっとした世間話ができるようになると、人が怖い気持ちはもっと薄れていくでしょう。

方法③一人で安心できる場所・時間も大事にする

一人で安心できる場所・時間も大事にする

小声であいさつを聞き取ってもらえなかったり、世間話がうまくできなかったり、という失敗もあると思います。

失敗して傷ついたときは、無理せずに、コミュニケーションをちょっと休みましょう

一人で本を読んだりネットを見たりゲームをしたりするうちに、その傷は癒えていきます。

そのように、「自分が一人で安心できる場所と時間」を確保することで、コミュニケーションをがんばる気力も再びわいてきます。

一歩ずつ、少しずつ成功体験を増やしていきましょう。

方法④人が怖いことは悪いことではないと認識する

人が怖いことは悪いことではないと認識する

いろんな人と世間話ができるようになったら、関係性も少しずつ深まり、もっと深く話したり、一緒に遊びにいったり、一緒に食事をしたりすることも増えてきます。

人と楽しく過ごせるようになると、人が怖い気持ちはもっとなくなっていきます。

しかし、次のようなことは、あらかじめ認識しておきましょう。

  • みんなと仲良くなれるわけではない
  • どうしても怖く思うタイプの人もいる

人間、相性や好き嫌いがあるのは当然です。

あいさつを返さない人もいれば、世間話に乗らない人もいれば、お互いにどうしても相性が合わない人もいるのです

「全員と仲良くする必要はない」という考え方は、対人関係のハードルを下げ、「怖い」と思う気持ちをより減らしていくことができます。

方法⑤怖いと思う人から距離を取る

怖いと思う人から距離を取る

他人全体が怖い場合は、これまでに紹介した方法で少しずつ怖さを減らしていくことができます。

一方、特定の「怖い人」がいる場合、その人のことは「怖い」と思ったままでも、付き合いを(徐々に)なくしても大丈夫です

例えば学校の先生や会社の上司など、付き合いを(すぐには)断ち切れない相手なら、最低限の付き合い(あいさつ・事務的連絡など)は続けつつ、仲良くなれた人にその悩みを相談してみましょう。

具体的な解決方法が見つかるかもしれませんし、話すだけでも気が軽くなります。

もしかしたら、周りのみんなもその人のことを怖いと思っているかもしれません。

多くの人が「怖い」と思っている人なら、ほとんどの場合、怖さの原因は「あなたの心」ではなく、「その人の態度」などです(もちろん、周りのみんながその人のことを「誤解」している可能性もあります)。

「特定の人が怖い」という状況が解決しなくても、自分を責めないようにしましょう

仲の良い人たちと過ごすうちに自信もつき、「特定の怖い人」への恐怖心も、徐々に気にならなくなると思います。

方法⑥認知行動療法を試す

認知行動療法を試す

認知行動療法とは、簡単に言うと、「物事への認識を変えることで、思考や行動を変化させる」というものです。

人は、出来事をどう認識するかによって、感情と行動につなげています。

あなたが「人が怖い」と思う理由は、もしかしたら認知が原因かもしれません。

つまり、認識を変えれば、「人が怖い」という感情と、それに伴う行動も変わるのです

簡単な例を出しましょう。

  • 出来事:今日、隣の席のAくんにあいさつしたけど、Aくんからはあいさつが返ってこなかった
  • 認知:Aくんは、自分のことが嫌いだからあいさつを返さないんだろう
  • 感情:自分のことを嫌いなAくんと関わるのは怖いな
  • 行動:これからはAくんにはあいさつをしないようにしよう

ここで、認知を変えてみると、感情も行動も変わってくるのです。

  • 出来事:今日、隣の席のAくんにあいさつしたけど、Aくんからはあいさつが返ってこなかった
  • 認知:Aくんは、考え事に夢中で自分のあいさつに気づかなかったんじゃないかな
  • 感情:そういうことって誰にでもあるよね。Aくんからあいさつしてくる日もあるし、Aくんは自分を嫌いなわけじゃない
  • 行動:後で、「朝、何か考え事してた?」と聞いてみよう。もしかしたら、Aくんの力になれるかもしれない

この簡単な例だけでも、認知は、他にも様々な可能性が考えられます。

  • 自分の声が小さすぎて聞こえなかったのかな
  • 別の人にあいさつしてると思われたのかな
  • Aくんは、耳の具合がよくないのかな
  • Aくんは、ただボーッとしていただけかもしれない

認知行動療法については、いくつか本を読んでみたり、医療機関を受診して聞いたりすることで、より正確に実施できます。

医療機関では、認知行動療法以外にもあなたに合った方法が見つかるかもしれません。

まとめ〜「人が怖い」気持ち、あせらず一歩ずつ解消しましょう〜

まとめ〜「人が怖い」気持ち、あせらず一歩ずつ解消しましょう〜

ここまでの話をまとめます。

「人が怖い」と思う原因は、主には次の3つです。

  1. 自分に自信がない
  2. 対人関係にトラウマがある
  3. 人目を気にしすぎている

そして、「人が怖い」気持ちは、上記原因の種類に関わらず、次の6つで解消することができます。

  1. あいさつから始める
  2. ちょっとした世間話を始める
  3. 一人で安心できる場所・時間も大事にする
  4. 人が怖いことは悪いことではないと認識する
  5. 怖いと思う人から距離を取る
  6. 認知行動療法を試す

あせらず、少しずつ、人が怖い気持ちを解消していきましょう。

小さな成功体験を積み重ねていけば、「人が怖い」は必ず克服できます。

このコラムが少しでもあなたの役に立てば幸いです。

さて、私たちキズキ共育塾の主な生徒さんは、不登校や引きこもりの当事者・経験者です。

不登校や引きこもりには、「人が怖い」という気持ちが関連することもあります。

そうした生徒さんも、授業を通じて「人が怖い」気持ちを徐々に解消していきます。

少しでも気になるようであれば、お気軽にご相談ください(ご相談は無料です。保護者さまだけでのご相談も歓迎です)。

監修 / キズキ代表 安田祐輔

やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための就労移行支援事業所「キズキビジネスカレッジ」も運営。

【新著紹介】

『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法』
(2022年9月、KADOKAWA)
Amazon
KADOKAWA公式

【略歴】

2011年 キズキ共育塾開塾(2023年7月現在10校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)

【メディア出演(一部)】

2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

共同監修 / キズキ相談担当 半村進

はんむら・すすむ。1982年、茨城県生まれ。東京大学文学部卒。
小学校時代から転校を繰り返し、運動ができないこと、アトピー性皮膚炎、独特の体形などから、いじめの対象になったり、学校に行きづらくなっていたことも。大学に入学してようやく安心できるかと思ったが、病気やメンタルの不調もあり、5年半ほど引きこもり生活を送る。30歳で「初めてのアルバイト」としてキズキ共育塾の講師となり、英語・世界史・国語などを担当。現在はキズキの社員として、不登校・引きこもり・中退・発達障害・社会人などの学び直し・進路・生活改善などについて、総計1,000名以上からの相談を実施。

【執筆記事・インタビューなど(一部)】

日本経済新聞 / 朝日新聞EduA / テレビ東京 / 不登校新聞 / 通信制高校ナビ

サイト運営 / キズキ

「もう一度学び直したい方」の勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする学習塾。多様な生徒さんに対応(不登校・中退・引きこもりの当事者・経験者、通信制高校生・定時制高校生、勉強にブランクがある方、社会人、主婦・主夫、発達特性がある方など)。授業内容は、小学生レベルから難関大学受験レベルまで、希望や学力などに応じて柔軟に設定可能。トップページはこちら。2023年7月現在、全国に10校とオンライン校(全国対応)がある。

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