人が怖いと感じる原因とは? 克服する方法や社交不安症を解説
こんにちは。生徒さんの勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする完全個別指導塾・キズキ共育塾です。
「人が怖い」「できる限り人と関わりたくない」と感じている人は、少なくありません。
人前で発表するとき、バイトや就活での面接のとき、苦手な人と会話するときなど、緊張すればするほど「人が怖い」と感じてしまいがちです。
人への恐怖心を克服するには、なぜ自分が「人が怖い」と感じているのかを知ることから始めるとよいですよ。
このコラムでは、人が怖いと感じる原因とその克服方法、また社交不安症(社交不安障害)についても解説します。あわせて、「人が怖い」と言う人との接し方も紹介します。
あなたの「人が怖い」というお悩みが少しでも解消できればと思います。
私たちキズキ共育塾は、人が怖いと感じる人のための、完全1対1の個別指導塾です。
生徒さんひとりひとりに合わせた学習面・生活面・メンタル面のサポートを行なっています。進路/勉強/受験/生活などについての無料相談もできますので、お気軽にご連絡ください。
目次
人が怖いと感じる4つの原因
この章では、人が怖いと感じる原因について解説します。
あなたが「人が怖い」と感じる原因も、どれかの項目に当てはまるかもしれません。恐怖心の克服に繋げるためにも、まずはその原因を探っていきましょう。
原因①自分に自信が持てない
自分に自信が持てなければマイナスの思考が働き、「人が怖い」と感じやすくなります。
- 自分に対して厳しい
- 完璧主義
- 小さな失敗も許せない
特に以上のような考えが強い人は、自分の能力や容姿、性格などを認められず否定的になり、ネガティブになりやすい傾向があります。
原因②過去に対人関係のトラウマがある
人に裏切られたり、ひどいことを言われたりしたという、過去のトラウマも「人が怖い」と感じさせる原因です。
以下のような経験があると、「自分が何かすることで、人からネガティブなことをされるのではないか」という恐怖心が発生するのです。
- 先生から、失敗を怒鳴られた
- 完璧主義
- 小さな失敗も許せない
一度心に傷を負うような経験をすると、「きっとまた人からネガティブなことをされるのではないか」と考えてしまいます。
このようなトラウマは、大人になってからでも起こりえます。それまで何もなかった人でも、急に恐怖心を抱くようになるというのもよくあるケースです。
原因③過度に人目を気にする
人をよく観察したり、人の気持ちを考えて行動したりするのは悪いことではありません。
しかし、人の目を気にしすぎると「人からどう思われるだろう」という気持ちが加速します。
そうすると、やがて人とのコミュニケーションが怖くなり、人への恐怖心がどんどん強くなっていくのです。
以下のような考え方をしている場合は、過度に人目を気にしていると言えるかもしれません。
- 会話でも勉強でも(仕事でも)、自分が失敗する姿を見せたくない
- あの言動、嫌がられなかっただろうか?
- 呼びかけにうっかり返事をしなかった。失礼な人だと思われてしまったかも…
- あの人、自分にだけそっけない気がする
- 気をつけないと、心の中を見透かされそうで怖いな…
キズキビジネスカレッジ(KBC)の以下コラムでも解説しています。ぜひご覧ください。
参考記事:キズキビジネスカレッジ(KBC)「周りの目を気にするあなたがすぐできる7つの対処法 楽になる3つの考え方も紹介」
原因④コミュニケーションの経験が少ない
人とのコミュニケーションは、実践によって鍛えられるもの。経験を積むことでしかうまくなりません。
コミュニケーションの経験が少ない場合、人との関係がうまくいかなかったり、トラブルが起きたりするのを恐れるようになります。
その結果「人が怖い」と感じるようになり、人とのコミュニケーションの機会をどんどん減らすようになるという悪循環に陥ります。
人が怖いと感じるのを克服する方法7選
人への恐怖心は、一日二日頑張ってどうにかなるものではありません。
そのため、些細なことからでも積み上げて、少しずつ自信や達成感に繋げられるとよいですね。
この章では、人が怖いと感じるのを克服する方法について解説します。ご自身のペースで1つずつ実践してみてください。
方法①あいさつから始める
コミュニケーションの第一歩は、あいさつから始まります。その日最初に目が会ったときに生まれる、コミュニケーションの始まりがあいさつなのです。
コミュニケーションが苦手な人にとって、あいさつには以下のような利点があります。
- 言葉が決まっている(おはよう、こんにちは、こんばんは、さようならなど)
- 一言だけでコミュニケーションが完結する(あいさつの後に会話を続ける必要はない)
つまり、あいさつは一番簡単なコミュニケーションともいえるのです。
以下のように、少しずつステップを踏んでいけば、コミュニケーションをとる機会は自然と増えるかもしれません。
- 相手の目を見てあいさつができた
- 今日は複数の人とあいさつできた
- 明日は笑顔であいさつしてみよう
少しずつできることを増やして自己肯定感を高め、コミュニケーションの機会を増やせるとよいですね。
方法②ちょっとした世間話をしてみる
少しずつ自信がついてくれば、「あいさつのついでにちょっとだけ世間話をしてみよう」と思えるようになってきます。
- 今日は暑い(寒い)ね
- (相手の持ち物を見て)〇〇が好きなんだね
話す内容は、以上のような些細なもので構いません。ひょんなことから会話が盛り上がるなんてこともよくあります。
ちょっとした世間話から会話が楽しくなり、人が怖いという気持ちも薄れていくかもしれません。
方法③日記を書いて自分の気持ちを整理する
コミュニケーションが苦手な人は、自分と向き合うのも苦手というケースが多いかもしれません。
自分がどうありたいか、どうしたいかを把握できていないと、自分の気持ちを性格に表せず、相手から誤解されるケースが増えることがあります。
そのため、日記を書いて自分自身の気持ちを整理するとよいでしょう。
その日起きたことをただ記すだけではなく、以下のようなことを具体的に素直に書いてみてください。
- どのような出来事があって、どう感じたのか
- 誰に対してどう思ったのか
- 今後はどうしたいと考えているのか
そうすることで、自分の気持ちや意見を把握しやすくなり、相手に対してどのように伝えればよいかが見えてきます。
また、自分のことを認めやすくなり、自己肯定感も高まるでしょう。
方法④一人で安心できる場所や時間を大事にする
コミュニケーションをとるうえで、失敗やすれ違いが生じることもあると思います。
失敗して心が傷ついたときは、無理をせずにコミュニケーションを休むのも大切です。
一人で本を読んだり、ゲームをしたりと、楽しいことに没頭していくうちに、その傷は癒えていきます。
自分を大切にし、安心して過ごせる時間や場所を確保することで、再び前向きにコミュニケーションに挑む意欲が湧いてくるでしょう。
失敗したときは一旦立ち止まって休息をとり、少しずつ成功体験を増やしていきましょう。
方法⑤人が怖いことは悪いことではないと認識する
コミュニケーションの機会が増えたり、自分自身を理解できたりすれば、人との関係性が良くなることも増えていきます。
人と楽しく過ごせるようになると、人が怖い気持ちはもっとなくなっていくでしょう。
しかし、必ずしもすべての人と良好な関係を築けるわけではありません。以下のようなことは、あらかじめ認識しておきましょう。
- どうしても苦手に感じるタイプの人はいる
- 自分と同じ価値観を全員と共有できるわけではない
人に相性や好き嫌いがあるのは当然です。どうやっても仲良くなれない人は必ずいます。無理に全員と仲良くする必要はないということを覚えておいてください。
どうしても「怖い」と感じることがなくならなくても、決して悪いことではありません。
「全員と仲良くする必要はない」という考え方は、対人関係のハードルを下げ、「怖い」と思う気持ちをより減らせるでしょう。
方法⑥怖いと思う人から距離を取る
どうしても「怖い」と感じる人とは、距離を取っても構いません。
学校の先生や会社の上司など、すぐに付き合いを断ち切れない相手の場合は、あいさつや事務的連絡などの最低限の付き合いだけを続けつつ、仲の良い人や話しやすい人にその悩みを相談してみましょう。
「あの人はこのように対処すればいいよ」といった具体的な解決方法が見つかるかもしれませんし、そうでなくとも話すだけでも気持ちが落ち着くはずです。
もしかしたら周りの人も、その人を怖いと感じているかもしれません。多くの人が「怖い」と感じているのであれば、怖さの原因があなたの心ではないことに気付けるかもしれないですね。
仲の良い人たちと過ごすうちにどんどん自信がつき、特定の怖い人への恐怖心も、徐々に気にならなくなるかもしれません。
方法⑦認知行動療法を試す
認知行動療法とは、簡単に言うと、「物事への認識を変えることで、思考や行動を変化させる」というものです。
人は、出来事をどう認識するかによって、感情と行動につなげています。
あなたが「人が怖い」と思う理由は、もしかしたら認知が原因かもしれません。
つまり、認識を変えれば、「人が怖い」という感情と、それに伴う行動も変わるのです。
簡単な例を出しましょう。
出来事:今日、隣の席のAくんにあいさつしたけど、Aくんからはあいさつが返ってこなかった
認知:Aくんは、自分のことが嫌いだからあいさつを返さないんだろう
感情:自分のことを嫌いなAくんと関わるのは怖いな
行動:これからはAくんにはあいさつをしないようにしよう
ここで、認知を変えてみると、感情も行動も変わってくるのです。
出来事:今日、隣の席のAくんにあいさつしたけど、Aくんからはあいさつが返ってこなかった
認知:Aくんは、考え事に夢中で自分のあいさつに気づかなかったんじゃないかな
感情:そういうことって誰にでもあるよね。Aくんからあいさつしてくる日もあるし、Aくんは自分を嫌いなわけじゃない
行動:後で、「朝、何か考え事してた?」と聞いてみよう。もしかしたら、Aくんの力になれるかもしれない
この簡単な例だけでも、認知は、他にもさまざまな可能性が考えられます。
- 自分の声が小さすぎて聞こえなかったのかな
- 別の人にあいさつしてると思われたのかな
- Aくんは、耳の具合がよくないのかな
- Aくんは、ただボーッとしていただけかもしれない
認知行動療法については、いくつか本を読んでみたり、医療機関を受診して聞いたりすることで、より正確に実施できます。
医療機関では、認知行動療法以外にもあなたに合った方法が見つかるかもしれません。
参考:認知行動療法センター
人が怖いと感じるのは社交不安症(社交不安障害)が原因?
人が怖いと感じやすいのは、社交不安症(社交不安障害)という症状が関係している場合があります。
この章では、社交不安症(社交不安障害)がどのようなものか、またその原因や治療法について解説します。
社交不安症(社交不安障害)とは?
社交不安症(社交不安障害)とは、他人に注目される状況において、過度の緊張や不安を感じ、自分の意見をうまく表現できない状態・症状のことです。かつては「対人恐怖症」とも呼ばれていました。 (参考:メディカルノート「社交不安障害」)
症状が深刻化すると、不安を生じさせる場面を回避するようになります。
すると学校や職場に行けない、家から出られないというような状態になり、うつ病などにも発展しかねません。
社交不安症(社交不安障害)の特徴
社交不安症(社交不安障害)のある人は、人に注目される場面を恐れ、大きな不安やストレスを感じます。
また、人にネガティブな評価を受けたり、批判されたりするのを過度に恐れるのも社交不安症(社交不安障害)の特徴です。
社交不安症(社交不安障害)の症状のチェックとして、自身や周りの人が以下に当てはまらないか確認してみてください。
- 人見知りが激しい
- 人前で緊張し、こわばることがある
- 人と会話をするのが怖い
- 人前で顔が赤くなるのが怖い
- 人前だとどもってしまいうまく話せない
- 人の視線が気になって仕方ない
- 自分の見た目や能力が人より劣っている気がする
ただし、あてはまる項目が多かったとしても、必ずしも実際の診療で診断されるわけではありません。
社交不安症(社交不安障害)は自然には治りにくい症状なので、思い当たる項目が多かった方は、精神科、心療内科、メンタルクリニックなど、医師に相談するのをおすすめします。
社交不安症(社交不安障害)の原因
社交不安症(社交不安障害)の原因は、まだ十分に解明されていません。生まれつきの素因や環境因子が関与していると想定されることがあります。
しかし、兄弟であっても社交不安症(社交不安障害)を発症する人としない人がいることから、ほかの要因が関与することも想定されるでしょう。
また、社交不安症(社交不安障害)は脳の構造的な変化を原因として発症するとも考えられています。特に、恐怖を感じる部位である扁桃体と呼ばれる部位に構造的な違いが生じ、社交不安症(社交不安障害)に繋がるとも推測されています。(参考:メディカルノート「社交不安障害」)
社交不安症(社交不安障害)の治療方法
社交不安症(社交不安障害)の治療法は主に、薬物療法と認知行動療法という精神療法があります。
薬物療法でよく用いられるのは、抗うつ薬の一種である選択的セロトニン再取込み阻害薬や抗不安薬です。
認知行動療法では、医師や臨床心理士などとの対話を通して、不安・緊張に繋がる場面や心の傷に繋がる考え方を知ったり、負の感情が生じた際の対処方法を身につけたりすることで、症状を改善していきます。
どちらの治療法も医師に相談をし、検討したうえで進めていくものです。(参考:メディカルノート「社交不安障害」)
社交不安症(社交不安障害)の疑いがある場合
「人が怖い」というストレスや不安から、学校に行けない、仕事を辞めざるを得ないなど、日常生活に支障をきたす場合、精神科、心療内科、メンタルクリニックなどへの相談をおすすめします。
しかし「人が怖い」と感じている方にとって、対面でのカウンセリングは難しいかもしれません。
そのような場合、まずは顔の見えない電話相談やメール、チャットなど、文面で相談するのもよいでしょう。
「人が怖い」と言う人との接し方
このコラムを読んでいるあなた自身以外に、家族や友人、恋人など、近しい人にも「人が怖い」と言う人はいるでしょう。そんな人との接し方を紹介します。
適切な接し方をすれば、その人が持つ恐怖心を和らげられるかもしれません。
人によって適した接し方は異なると思いますが、参考にしてみてください。
接し方①できていることを認めてあげる
「人が怖い」と感じる原因のひとつは、自分に対する自信のなさです。
つい、できていないことを心配して声をかけることもあるかもしれません。ですが、まずはできていること、やれていることを声に出して褒めてあげてください。
お互いが「これができたんだ」と認識し合えれば、きっと自信に繋がっていくでしょう。そうして少しずつ成功体験を増やしてもらうことが大切です。
接し方②「人と関わった方がいい」はタブー
本人を励ましたいがために、「もっと人と関わった方がいい」とアドバイスすることもあるかもしれません。しかし、その人にはその人のペースがあるものです。
周りが「今だ」と思って声をかけても、本人のペースやタイミングと合わなければ、逆にブレーキにもなりかねないので注意しましょう。
接し方③最後まで否定せずに話を聞いてあげる
本人が何か話したいときは、否定せずに最後まで話を聞いてあげてください。
小さなことからでも、否定せずに話を聞いてもらえれば、「話を聞いてもらえた」「自分を受け入れてもらえた」という成功経験となり、コミュニケーションの実践として鍛えられていきます。
本人のペースを尊重して話を聞いてあげることが、前に進むための後押しになるはずです。
まとめ〜自分を大事にし、ゆっくり少しずつ解消しよう〜
人が怖いという感情は誰にでもあり、決して悪いことではありません。
まずは自分を大事にし、少しずつ成功体験を増やして自信を身に付けられるとよいですね。
人が怖い気持ちを克服するには、まずは日記などで自分の気持ちを整理し、コミュニケーションを始める準備をするのがおすすめです。
そして、あいさつやちょっとした世間話など、簡単なコミュニケーションを積み重ね、少しずつ人と良好な関係を築いていきましょう。
自分に自信を持てるようになれば、人が怖いという気持ちは必ず克服できます。本コラムが少しでもあなたの役に立てれば幸いです。
Q&A よくある質問
人が怖いです…
人が怖いと感じやすいのは、社交不安症(社交不安障害)という症状が関係している場合があります。
社交不安症(社交不安障害)とは、他人に注目される状況において、過度の緊張や不安を感じ、自分の意見をうまく表現できない状態・症状のことです。かつては「対人恐怖症」とも呼ばれていました。
詳細については、こちらで解説しています。
人が怖いのですが、どうにか克服したいです。
克服する方法として、以下が考えられます。
- あいさつから始める
- ちょっとした世間話をしてみる
- 日記を書いて自分の気持ちを整理する
- 一人で安心できる場所や時間を大事にする
- 人が怖いことは悪いことではないと認識する
- 怖いと思う人から距離を取る
- 認知行動療法を試す
詳細については、こちらで解説しています。