発達障害やアスペルガーって何?〜親御さんのための定義・対応・Q&A〜

こんにちは、キズキ共育塾の内田青子です。
今日は、子ども(幼児~中・高校生)の発達障害について、そして関連する保護者の対応などについてお話しします。
あなたは、「発達障害」「アスペルガー障害」「ADHD」といった言葉を聞いたことはありませんか?
お子さんが発達障害かもしれないと思い、こちらのコラムを読んでくださっている方もいらっしゃるかと思います。
最近は、テレビやネットで「発達障害」などの言葉をよく目にするようになりました。
自らの発達障害のことを本にする有名人もおり、発達障害のご本人・ご家族は勇気づけられることでしょう。
しかし、発達障害の実態や正しい情報が世間に浸透しているとはまだまだ言い難く、偏見などに苦しんでいる人が一定数いることも事実です。
この記事では、「発達障害」とは何か、その特徴、発達障害の治療、学校や支援機関、対処法などをお伝えします。
なおこの記事は、全体的に、キズキ共育塾及び筆者自身の知見に基づきつつ、書籍『新版 発達障害に気づいて・育てる完全ガイド』(黒澤礼子 講談社。以下、「黒澤」)も参考にしながら、筆者知人の小学校スクールカウンセラー・公認心理師が監修しています。
目次
「発達障害」とは何か?
そもそも、発達障害とはどういったことを意味するのでしょうか。この章では、その概要をご紹介します。
①発達障害は、脳の機能の障害です

お子さんは、学校で、次のような状態が続いていませんか?
- 先生の話が聞けない
- ノートが書けない
- 授業中に立ち歩く
- いきなり怒り出す
そんな状態が続いていたら、「この子は発達障害ではないだろうか?」と不安になるかもしれません。
「担任から突然『発達障害ではないか?』と言われて驚く」といった場合もあるかもしれません。
そのようなことで不安に陥らないためには、まずは「発達障害」についてしっかり理解することが大切です。
発達障害は、脳の機能のバランスの障害です。
身体の機能と同じように脳の中にもいろいろな機能があります。
その脳の中にある心の機能のバランスが悪い(ばらつきがある)ものが、発達障害と呼ばれるものです。
もちろん、誰の脳・心の機能にも多少のばらつきはあります。
ですが、そのばらつきが非常に大きくて、そのことで学校や家庭生活の妨げになる場合を発達障害と言います。
見方を変えると、「その子の個性」ともなり得る部分でもあります。
発達障害を告白している有名人の方を見ると、発達障害と上手につき合い、自分の個性としているなと思うことがあります。
なお、発達障害は生まれつきのもので、親の育て方や環境に起因するものでは決してありません。
お子さんが発達障害だからといって、「自分の育て方が悪かった」「子育ての環境が悪かったのだろうか」などとご自身を責めないでください(そしてもちろん、「発達障害に生んでしまった」と責めることもおやめください)。
②発達障害の割合
さて、どれくらいの割合で、発達障害の人がいるのでしょうか。
通常学級に在籍する小・中学校の子どもたちの中で発達障害の可能性がある子どもは、全国で6.5%(文部科学省調査)です。
男児に多い傾向があり、男女比は3~4対1言われています。(参考:黒澤)
③「発達障害」から「神経発達症群」へ

さて、あなたは次のような疑問を持っていませんか?
「アスペルガーと発達障害は違うの?」
「アスペルガーとADHDの違いは何だろう?」
「神経発達症群って言葉も聞くけど、発達障害とは違うの?」
実は、「発達障害」という言葉は、医学的にはもう正式使用されていないのです。
病名(障害名)や症状などの分類を行う『精神疾患の診断と統計マニュアル(DSM‐5)』に基づき、「発達障害」の名称は、2014年に「神経発達症(神経発達症群、神経発達障害群)」に変更されており、定義(症状)も変更されています。
同じく、発達障害中の分類・名称・定義なども変更となっています(例:「アスペルガー症候群」から「ASD」へ)。
しかし、ある程度認知・理解が広がっていることから慣例的に「発達障害」「アスペルガー」という言葉を引き続き使用したり、関連する法律や条例の改正が間に合っていなかったり、ということもあります。
この記事でも、発達障害と神経発達症群を併記して進めます。
④発達障害(神経発達症群)の3つのグループ
医学的には正式使用されなくなった「発達障害」ですが、「発達障害支援法(平成16年公布、平成28年改正)」では、引き続き「発達障害」という言葉が使用されています。
ここでは、お子さんに関する「支援」の観点から、発達障害支援法(平成16年公布、平成28年改正)による発達障害の各定義をご紹介します。
第二条 この法律において『発達障害』とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。
これを大きく3つに分類すると、次のようになります。
- アスペルガー症候群・広汎性発達障害(医学的な最新定義では、自閉症スペクトラム(ASD))
- 注意欠陥・多動性障害(同、注意欠如・多動症(ADHD))
- 学習障害(LD)(同、限局性学習症群(SLD))
グループ別・発達障害(神経発達症群)の症状と対応のポイント
発達障害(神経発達症候群)には3つのグループがあるとお話ししました。
それでは、3つのグループそれぞれの症状、特徴にはどのようなものがあるのでしょうか。
それぞれ詳しく見ていきます。
①自閉症スペクトラム・ASD(旧・アスペルガー症候群・広汎性発達障害)

自閉症スペクトラム・ASD(旧・アスペルガー症候群・広汎性発達障害)の方は、社会的なコミュニケーションの力を持って人間関係をつくっていくことが困難です。
こだわりや思い込みの強さや対象への強い愛着(執着)、感覚の過敏さ(鈍感さ)等が強すぎて生きづらい状態になっているような状況です。
「切り替えが難しい」ことも困り感を増やしてしまいます。(参考:黒澤)
具体的な困難の例としては、次のようなことがあります。
- クラスの子がみんなで歌を歌っているのに、一人だけ絵を描き始める
- 自分の興味のあるもの(電車や絵など)にしか興味を示さない
- 味覚や肌の感覚に異常なこだわりがある
■ポイント
自閉症スペクトラム・ASD(旧・アスペルガー症候群・広汎性発達障害)の特徴として、「周囲への興味関心がない」というようなことが言われます。
その言葉からよく誤解されるのですが、発達障害(神経発達症群)の子どもは「興味の対象(電車や絵など)の方が人間より好き」なわけではありません。
彼らも家族や友達との交流を望んでいるのですが、「火星人の中に放り込まれた感じ」のようなもので、多くの人の考え方や振る舞い方がよく理解できないのです。
そのため、家族や親切な友人でさえ時に「怖い存在」になって、人との交流を避けて興味の世界に「逃げる」ことがあるのです。
親御さんにできることは、たとえご自分には理解できない世界でも、子どもの世界に寄り添い、共感することです。
子どものときに、「自分は変わっているから人に受け入れられないのだ」と思ってしまうのと、「自分は人と少し違うけれど、受け入れられる存在なのだ」と実感するのとでは、その後の人生が大きく変わってきます。
②注意欠陥・多動症・ADHD(旧・注意欠陥・多動性障害)

注意欠陥・多動症・ADHD(旧・注意欠陥・多動性障害)とは、「不注意・多動性・衝動性」が通常範囲を超えていて、その行動が生活上で支障をきたす状態になっている状況を言います。
注意や興味を持続することが困難なため、学習に集中して取り組めません。
その上、ミスや忘れ物が多く、授業中に立ち歩くなど行動からトラブルになってしまいます。
「努力していない」「しつけができていない」と叱られたり周囲から評価されなかったりするような状況が続くと、劣等感が強くなるなどの二次障害につながります。(参考:黒澤)
具体的な困難の例には、次のようなものがあります。
- 授業中に立ちあがり歩き回る、おしゃべりが止まらない
- 注意されても忘れ物をしてしまう
- 思ったことをすぐ口にする
- 我慢できないので順番が待てない
■ポイント
注意欠陥・多動症・ADHD(旧・注意欠陥・多動性障害)の場合は、その症状が「学校でも家でも(2か所以上で)」同じような状態である場合を言います。
親も「しつけができていない」と非難されることが多いので、親子関係が悪くなったり、体罰を与えてしまう恐れもあります。
③限局性学習障害・SLD(旧・学習障害(LD))

学習障害(LD)は、全般的知的発達に遅れはないのに、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」といった学習に必要な能力のいくつかに困難がある状況を言います。
最新(変更後の)定義・呼称である「限局性学習障害(SLD)」では、「読む」「書く」「算数」の分野で理解や習得が著しく困難な場合を言います。
現状では、「学習障害(LD)」の方がわかりやすいようです。(参考:黒澤)
具体的な困難の例には、次のようなことがあります。
- 字が汚い、漢字が覚えられない
- 繰り上がりと繰り下がりが理解できない
■ポイント
「字が汚い」などの特徴は、多くの子どもに見られるものではあるのですが、特に限局性学習障害(SLD)は、本人ががんばっても極端に苦手な状況を言います。
どの子どもにもある程度見られるぶん、素人判断は危険です。
困っている、疑われる場合には、専門家に相談してください。
発達障害(神経発達症群)Q&A~治療・対処法、支援機関など~
発達障害(神経発達症群)の詳細をご紹介しました。
ここからは、発達障害(神経発達症群)に関するよくあるご質問にお答えしたいと思います。
なお、冒頭でも述べたとおり、小学校スクールカウンセラー・公認心理師監修の元、『新版 発達障害に気づいて・育てる完全ガイド(黒澤礼子、講談社)を参照しています。
①発達障害(神経発達症群)はなぜ起こるんですか?

発達障害(神経発達症群)の原因は、脳のわずかな機能障害とされています…が、はっきりしたことは、まだわかっていません。
はっきりしていることは、本人の不安やストレス、家庭環境の悪さ、親の育て方のせいでは決してないということです。
ただし、親や先生から理解されなかったり放置されたりすることが続くと、自信を失う、いじめにあう、対人関係でトラブルが生じるなどの二次障害が発生する可能性はあります。
②発達障害(神経発達症群)は治るんですか?
発達障害(神経発達症群)は、脳の機能障害であるとまではわかっていても、実態が不透明なこともあり、根本的な治療法はまだありません。
その特性は「その人らしさ」でもあるので、そもそも治す必要はないという考え方もあります。
しかし、学校や社会生活の中で困難を抱え「生きづらさ」を感じている人がいることも事実です。
根本的な治療はできないとしても、サポートしてくれる仲間や安心できる場所を探す必要があります。
③クラスに馴染めない我が子。「個性」だと言われても受け入れられません。

発達障害(神経発達症群)に由来する「子育ての大変さ」があることはお察しいたします。
ですがまず、発達障害(神経発達症群)があってもなくても、「子どもは、親の理想どおりに育つわけではない」ということを折に触れ思い出していただくと、気が楽になるのではないでしょうか。
そして、親御さんは発達障害(神経発達症群)の専門家ではありません(もっと言えば、子育ての専門家でもありません)。
専門家や支援団体を頼ると、親御さんも、お子さんの「個性」に向かい合えるようになるはずです。
また、「個性」について言えば、個性を上手に伸ばして、その人にあった職業に就いている方もたくさんいらっしゃいます。
今は大変かもしれませんが、専門家・支援団体と一緒にサポート法を探してみることをオススメします。
④発達障害(神経発達症群)の我が子への接し方を教えてください
発達障害(神経発達症群)と一口に言っても、お子さんにはそれぞれ個性があります。
「絶対にこれがオススメ!」という接し方はないのですが、よくあるオススメの接し方には、次のようなことが挙げられます。
- 得意な部分を自信につなげ、苦手な部分はその子なりの努力を認めるようにする
- 生活や勉強で必要となる情報やスキルを丁寧に教えて、成功体験を積ませていく
上記を実行する手段として、「情報の視覚化」など、周囲の人ができる工夫をこまめにしていくことが大切となります。
具体的な例としては、忘れ物がどうしても治らないお子さんに対して、親御さんが「筆箱やお財布を蛍光色のものにして、目につく場所に置く」という工夫をしていました。
他に、基本的な対応を挙げておきます(いずれも、各お子さんの個性・特性を理解した上で有効になる対応策です。参考:黒澤)。
- 頭ごなしの説教や体罰は禁止
- くどくど、たくさんのことを言わない
- ぶれない態度で善悪の基準を教える
- 指示は短く、はっきり、具体的に
- 視覚的な手掛かりを重視する
- 新しいことや変化が苦手⇒あらかじめ予定を知らせる
- 追い詰めない。干渉し過ぎない
- 場合によっては本人に特性を伝える⇒「自分はこのような特性があるのだ」と本人が自覚していることが大切な場合もある
⑤発達障害(神経発達症群)に関する教育制度を教えてください

発達障害(神経発達症群)などに関連して、平成19年度(2007年度)に教育制度が大きく変わりました。
障害のある子どもたちに対して、障害の種類や程度に応じた個々の教育的ニーズを把握し、適切な教育的支援を行う「特別支援教育」が始まったのです(通常学級に在籍する子どもたちも対象です)。
これにより、個々の子どもの特性に応じた指導方法が工夫されるようになりました。
実際に、支援を必要とする子どもたちに、より丁寧な支援がなされるようになっています。
「特別支援教育」を行う場所の例には、以下があります。
- 通常学級(通常の子と同じクラス)
- 通級(「通級による教育」という教育をしている「通級指導教室」に通うこと。教育委員会によって決められた小中学校に設置されており、週に決まった時間をそちらに通います)
- 特別支援学級
- 特別支援学校
障害の程度によって、上記のどこに通うのかが決まります。
発達障害(神経発達症群)の診断がなされた小・中学生の場合、診断を持った子が通級、支援学級、支援学校のいずれに通うのかを決定するのは、教育委員会です。
しかし、親は教育委員会の指示に従う・従わないの選択の自由があります。
⑥我が子が発達障害(神経発達症群)かなと思ったとき、相談する場所はありますか?
発達障害(神経発達症群)に関する相談先は、たくさんあります。
専門家に相談することで、お子さんの生きづらさ・困り感はもちろん、親御さんのお悩みも解消に向けることができますので、ぜひ相談することをオススメします。
具体的な相談先の例には、以下があります。
- 市区町村の障害福祉課
- 市区町村の発達障害者支援センター
- 幼児の場合、保健所
- 18歳未満の場合、児童相談所
- 小児科・児童精神科
- お子さんの学校のスクールカウンセラー
- 発達障害(神経発達症群)の支援を行うNPO法人
⑦我が子の発達障害(神経発達症群)、周囲にカミングアウトするべきでしょうか?

お子さんの発達障害(神経発達症群)を周囲へのカミングアウトするかどうかは、個々の事情によるので(本人の困り感、周囲の理解度、環境など全て)一概には言えません。
カミングアウトした方が理解やサポートを得やすい場合もあれば、(残念ながら)偏見の目で見られる場合もあり得ます。
先述した「相談先」の人たちにお子さんの状況や周囲の環境などを伝えると、どちらがよいか(どの範囲までカミングアウトするか)についてもアドバイスがもらえます。
⑧発達障害(神経発達症群)の我が子、特別支援学級(など)に入れた方がいいのでしょうか?
これもカミングアウト同様、通級、特別支援学級、特別支援学校に通った方がよいかどうかは、その子の実際の困り感によります。
そのときの特別支援学級(など)のメンバー構成や担任との相性もあり、入れた方がよい(悪い)とは一概には言えません。
お子さんの状態と学校の様子を「相談先」の人たちに伝え、お子さんに合った対応を考えましょう。
⑨発達障害(神経発達症群)の診断に抵抗があるのですが、診断をもらった方がよいのでしょうか?

発達障害(神経発達症群)の診断をもらうかどうかも、個々のお子さんの困り感によります。
困り感がどうであるかについて(通常学級でやっていくのがお子さんにとって大変かどうかについて)も、「相談先」と話し合った上で、診断を受けるかどうか検討することをお勧めします。
検査を受けると以下のようなメリットがあります。
- お子さんの状態をしっかり理解することができる
- 検査の結果、お子さんに適した関わり方や進路がわかる
検査を受けるデメリット(注意点)には、次が挙げられます。
- 発達障害(神経発達症群)の診断がついた場合、偏見の目で見られる可能性がゼロではない
以上のメリット、デメリット(の可能性)をともに踏まえた上で、お子さんの困り感によっては診断をきちんと持ち、適切なサポートを受けながら勉強・生活するようにしましょう。
⑩発達障害(神経発達症群)の診断が出ると、障害者手帳が交付されますか?
発達障害(神経発達症群)の程度によっては、障害者手帳が交付されます。
障害者手帳を交付されることによって、様々な配慮を受けることができますし、「障害がある」という事実を客観的に示すこともできます。
障害者手帳の交付についても、診断同様「偏見がある(かもしれない)」ということから拒否感を持つ方もいらっしゃるでしょう。
障害者に対する諸々の差別があることは(残念ながら)否定できませんので、これも「相談先」と話し合いましょう。
なお、障害者手帳の所持につき、将来の就職について気になる方も多いでしょう。
2019年現在、特に民間企業への就職の際には、障害者手帳の提示は義務づけられていません。
面接などで「障害者手帳を持っていますか?」と聞かれることもあるのですが、本当のことを言う必要はないということです。
俗に、障害者手帳を持っていることを言わずに行う就職活動・就労のことを「クローズ就労」と言います(障害者手帳を持っていることを秘密にしておく、という意味です)。
クローズ就労の場合、就職先の候補はたくさんありますが、その代わりに障害への配慮も得ることができません。
逆に、障害者手帳を持っていることを明らかにして行う就職活動・就労のことは、「オープン就労」と言います。
オープン就労の場合、特に障害者採用枠で就職すると、職場で発達障害(神経発達症群)の特性に配慮が得られます。
ただし残念ながら、一般的に障害者枠の採用は職種が限られ、また給与が低いというデメリットもあります。
就職活動や就労をどうするかについては、先述の「相談先」に加えて、就職エージェントや就労移行支援事業にも相談できます。
それまでのお子さんの特性も踏まえつつ、相談しながら進めていくようにしましょう。
⑪発達障害(神経発達症群)は、受験・勉強・進学に関係ありますか?

発達障害(神経発達症群)の子どもたちの中には、知的障害も併せ持つ子どももいれば、IQだけ言えば130以上の非常に高い分類の中に入る子どももいます。
つまり、一口に発達障害(神経発達症群)といっても、多様な子どもたちがいるということです。
よって、発達障害(神経発達症群)であることが、進学や受験に必ず作用するとは限りません。
中学校の知的障害のない特別支援学級(情緒クラス)には高校進学を目指す人がたくさんしますし、実際に進学している人もたくさんいます。
特別支援学級だから教科の勉強をしないということはありません。
知的な職業に就いていたり、大学・大学院を卒業していたりする発達障害(神経発達症群)の方もたくさんいます。
しかし、勉強していく上で、他の要素がたくさん関わってきて、勉強や進学の足を引っ張ることがある、というのは事実です。
ただし、事例はたくさんありますので、お子さんにむいた勉強法もたくさんあります。
変に不安に思わず、スクールカウンセラーを始め、専門家に相談してみましょう。
⑫発達障害(神経発達症群)の我が子に将来オススメの進路はありますか?
発達障害(神経発達症群)の方に向いた職業も、一概に「どれがよい」ということはなく、個人によって全て異なります。
ただし、進路を見つけるために共通して言えることは、「好きなこと、得意なことを伸ばす」ことはオススメである、ということです。
逆に、「何が苦手であるかを理解しておく」ことも大切です。
発達障害(神経発達症群)がある方は、発達障害(神経発達症群)のない方には気にならないことが気になりすぎることがあるのです。
具体的な例を言えば、音がうるさい環境にはどうしても馴染めなかったり、革靴の感触がどうしても苦手で仕事に集中できなかったり…ということです。
繰り返しお伝えするとおり、相談先も適切に頼りつつ、お子さんの得意なこと、苦手なことを見つけていきながら、お子さんに適した仕事も探していきましょう。
まとめ〜いろんな専門家・支援者を適切に頼りましょう〜

「発達障害」は、脳の機能のバランスの障害です。
生まれつきの話ですので、「自分の育て方が悪かった」などと悩まないようにしてください(もちろん、「発達障害に生んでしまった」などというお悩みも不要です)。
お子さんの発達障害は、家庭だけ、親御さんだけで抱え込む必要はありません。
スクールカウンセラー、医療機関、市区町村など、相談先はたくさんありますので、そうした専門家・支援者を頼ってください。
専門家・支援者を頼ることで、お子さんはもちろん、保護者であるあなたにとっても、「生きづらさ」を解消しより楽しく生きることにつながります。
この記事が、あなたとあなたのお子さんのお役に立ったなら幸いです。
さて、私たちキズキ共育塾は、一人ひとりの生徒さんに寄り添う個別指導塾です。
生徒さんには、発達障害の診断を受けた方や、診断を受けてはいないけれどその傾向が見られる方がたくさん通っています。
私が過去に担当した生徒さんの中には、たとえば、次のような方がいらっしゃいました。
- 登場人物の関係が理解できないため、文章の読解ができない
- 必要なものを手帳やスマホに記録しても、どうしても忘れ物をしてしまう
- 解けない大問にこだわり、飛ばして別の問題に進むことができない
キズキ共育塾では、そのような生徒さんと講師が一対一で、その生徒さんに合った学習方法や進路選択をしていきます。
また授業では、勉強のみならず、生活や進路についても相談ができますし、雑談もできます。
お子さんの「発達障害と勉強」や「発達将来と進路」などについてお悩みでしたら、お気軽にご相談ください(ご相談は無料です。また、保護者様のみのご相談も受け付けております)。
なお、キズキビジネスカレッジは、発達障害を持つ方の就労を支援していますので、就労についてのお悩みはこちらにお気軽にご相談ください。
発達障害を持つお子さんに最適のサポートや進路が見つかるようにお祈りしております。