スクールカウンセラーとは? 支援内容や相談できる内容を解説

こんにちは。生徒さんの勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする完全個別指導塾・キズキ共育塾です。

このコラムを読んでいるあなたは、スクールカウンセラーに自分の悩みを相談したいと思ってはいるものの、以下のような疑問があるのではないでしょうか?

  • 小さな悩みでも相談してもいいの…?
  • 相談内容をほかの誰かに知られることはない…?

このコラムでは、スクールカウンセラーに相談したいと考えているものの不安や心配事を抱えているあなたに向けて、スクールカウンセラーの支援内容や相談できる内容、利用する流れ、相談するメリットについて解説します。あわせて、スクールカウンセラーへの相談事例や、スクールカウンセラー以外の相談先を紹介します。

スクールカウンセラーは不登校やいじめ、発達障害など学校生活に関するさまざまな悩みについて、誰でも気軽に相談できます。

このコラムを読んで、スクールカウンセラーに相談することへの不安や心配事を払しょくし、ぜひ気軽に相談してくださいね。

スクールカウンセラーとは?

この章では、スクールカウンセラーの概要について解説します。

スクールカウンセラーの概要

スクールカウンセラーとは、学校現場で児童生徒や保護者、教職員を対象に心理的サポートを提供する専門職のことです。主に学校に配置され、心理学や臨床心理学の専門的な知識をもとに、児童・生徒の悩みや問題に対応します。(参考:文部科学省「スクールカウンセラーについて」

スクールカウンセラーの主な業務は、児童生徒への相談面接です。相談面接には、個別カウンセリングやグループカウンセリング、コンサルテーション(助言・協議)が含まれます。必要に応じて、教職員へ専門的な立場から助言を行います。(参考:文部科学省「スクールカウンセラー業務」

例えば、児童生徒が学校生活や家庭での問題に悩んでいる場合、スクールカウンセラーがその問題に対して適切な助言やサポートを提供します。

スクールカウンセラーは、学校という身近な場所で専門的なサポートを受けられる存在です。利用方法については、各学校の担任教師や養護教諭に問い合わせてみてください。

私たちキズキ共育塾は、学校で悩みを抱えている人のための、完全1対1の個別指導塾です。

生徒さんひとりひとりに合わせた学習面・生活面・メンタル面のサポートを行なっています。進路/勉強/受験/生活などについての無料相談もできますので、お気軽にご連絡ください。

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スクールカウンセラーが保有している資格

スクールカウンセラーは、以下の資格や経歴などを持つ人の中から、実績を踏まえて、各都道府県が認定します。(参考:文部科学省「スクールカウンセラー等活用事業実施要領」

  • 公認心理師
  • 臨床心理士
  • 精神科医
  • 児童生徒の心理についての深い知識があり、大学の学長や教授、講師などの経験がある人
  • 都道府県または指定都市が児童生徒の心理に深い知識と経験がある認めた人

スクールカウンセラーは資格や高い専門知識を有しているので、安心してさまざまな相談ができます。

スクールカウンセラーが設置された背景

スクールカウンセラー制度は、1995年に文部科学省が開始した制度です。(参考:文部科学省「スクールカウンセリング制度の概要」

この制度の背景には、児童生徒の心の健康問題が増加していることがあります。

いじめや不登校、家庭の問題など、多くの児童生徒が心理的なサポートを必要としている状況を受けて、専門的な支援を行えるスクールカウンセラーが設置されるようになり、2020年時点で2万9939箇所に設置されています。(参考:文部科学省「スクールカウンセラー等活用事業に関するQ&A」

現在では、多くの学校にスクールカウンセラーが配置され、児童生徒や保護者、教職員の心の健康を支える重要な役割を果たしています。

補足:スクールソーシャルワーカー(SSW)とは?

スクールソーシャルワーカー(SSW)とは、いじめに悩む児童生徒や不登校状態にある児童生徒に対して、環境へ働き掛けを行い、課題解決を図る専門職のことです。(参考:文部科学省「スクールソーシャルワーカー活用事業」、日本教育新聞「スクールソーシャルワーカーの役割。児童・生徒の問題解決に必要なこととは」、神奈川県「スクールソーシャルワーカーについて」

スクールカウンセラーが児童生徒の心理面を支援しているのに対して、スクールソーシャルワーカーは環境面に焦点を当てている点が大きな特徴です。

スクールソーシャルワーカーの職務内容は、以下のとおりです。

  • 問題を抱える児童生徒が置かれた環境への働き掛け
  • 関係機関等とのネットワークの構築、連携・調整
  • 学校内におけるチーム体制の構築、支援
  • 保護者、教職員等に対する支援・相談・情報提供
  • 教職員等への研修活動

現在は141地域で活用されており、さまざまな問題に対する支援を行っています。

補足:スクールカウンセラーになる方法

スクールカウンセラーは、こちらで解説したとおり、臨床心理士や公認心理士などの資格を取得していると就職できやすい仕事です。

これらの資格を取得するには、心理学系の大学に進学して学士号を取得したり、大学院で修士号を取得したりしなければなりません。なにより、資格試験に合格する必要があります。

児童生徒や保護者、教職員の心のケアをすることが求められるため、高い​​専門性が必要なのです。

スクールカウンセラーの支援内容

この章では、スクールカウンセラーの支援内容について解説します。(参考:文部科学省「スクールカウンセラーについて」

支援内容①児童生徒へのカウンセリング

スクールカウンセラーは、児童生徒が抱える悩みや問題について個別にカウンセリングを行います。

不登校やいじめ、家庭の問題など、さまざまな困難に直面している児童生徒が心の健康を取り戻し、安心して学校生活を送れるようサポートします。

また、スクールカウンセラーには守秘義務があるため、勝手に相談内容を第三者に伝えられるといったことはありません。先生など限られた範囲で共有する場合も、事前に同意を求められるため、安心して相談することができます。(参考:文部科学省「11 守秘」

支援内容②教職員に対する助言・研修

教職員に対する助言や研修も、スクールカウンセラーの重要な役割です。

教職員が児童生徒の心の健康に配慮した指導を行えるように、専門的なアドバイスを提供します。

また、教職員のストレス管理や児童生徒とのコミュニケーションの方法についての研修なども行います。

支援内容③保護者に対する助言・援助

スクールカウンセラーは、保護者への助言や援助も行います。

子どもの問題への対応方法や家庭での支援方法についての助言を行ったり、家庭と学校が連携して子どもを支える体制を整えたりします。

支援内容④ストレスチェックや授業観察などの予防的対応

スクールカウンセラーは、児童生徒のストレス症状や問題行動を未然に防ぐための予防的対応も行います。

例えば、ストレスチェックリストを用いて、児童生徒のストレスの蓄積度合を把握します。そして、強いストレスを感じている児童生徒に対して、予防的なカウンセリングを行い、ストレス症状や問題行動を未然に防ぐのです。

また、児童生徒のストレスを和らげるために、授業や特別活動の時間を用いて、リラクゼーションを行うこともあります。特に、何らかの危機対応時には、このような予防的対応を行います。

ほかにも、ストレスへの対処法に関する研修を児童生徒、保護者に行うこともあります。

支援内容⑤事件・事故等の緊急対応における児童生徒等の心のケア

事件や事故が発生した際の児童生徒の心のケアも、スクールカウンセラーの役割とされています。

例えば、校内でのトラブルや自然災害などの緊急事態による心理的なショックを軽減するためのカウンセリングが挙げられます。

スクールカウンセラーに相談できる内容

この章では、スクールカウンセラーに相談できる内容について解説します。

スクールカウンセラーに相談できる内容は多岐にわたります。どんな悩みでもひとりで抱え込まずにスクールカウンセラーに相談してみてください。

相談内容①不登校

不登校は、スクールカウンセラーへの相談内容として最も多いとされているものです。

令和2年の調査では全相談の24.9%となっており、平成24年と比較して相談件数が約20万件増加しています。(参考:文部科学省「スクールカウンセラー等活用事業に関するQ&A」

スクールカウンセラーが不登校になった原因を一緒に探り、再登校に向けた具体的な対策を提案します。

子どもの心理的なサポートだけでなく、保護者への助言も行います。

相談内容②いじめ

いじめについても、スクールカウンセラーに相談することが可能です。いじめに苦しむ児童生徒が安心して話せる場を提供し、適切な対応策を一緒に考えます。

また、いじめの解決と聞くと、加害者の反省を促したうえで、いわゆる握手して仲直り型の対応を行うイメージがあるかもしれません。

しかし、この対応によって被害者が心的外傷を負う可能性があるため、スクールカウンセラーが仲直りを強制することはありません。

また、スクールカウンセラーは被害者の心的外傷への対応を優先的に行い、場合によっては加害者へのカウンセリングも行います。

相談内容③心身の健康・保健

心身の健康に関する相談も重要な役割です。

相談件数としては不登校についで2番目に多く、令和2年の調査では約53万件で全体の15.4%となっています。(参考:文部科学省「スクールカウンセラー等活用事業に関するQ&A」

ストレスや精神的な問題、身体の健康に関する悩みについて適切なサポートを行い、必要に応じて医療機関と連携することもあります。

相談内容④暴力行為

校内外での暴力行為についての相談も可能です。

暴力行為の背景を理解し、問題行動の改善に向けた支援を行います。また、暴力行為を受けた被害者の心のケアについても、相談することができます。

相談内容⑤児童虐待

児童虐待についても、スクールカウンセラーに相談することができます。

児童虐待の兆候を見逃さず、適切な機関と連携して早期に介入し、子どもの安全を守るための対応を行います。

また、虐待とまでは行かない場合であっても、児童生徒に対して不適切な養育がされている場合は、面談を実施することがあります。

相談内容⑥友人関係

友人関係の悩みも、多くの児童生徒が抱える問題です。

人間関係の築き方やコミュニケーションの方法についてアドバイスを行い、友人との健全な関係を築くためのサポートをします。

相談内容⑦貧困の問題

家庭の経済状況が子どもの生活や学習に影響を与えている場合、スクールカウンセラーは適切な支援策を提案します。

必要に応じて、地域の福祉機関と連携して支援を行います。

相談内容⑧非行・不良行為

非行や不良行為についての相談も可能です。

児童生徒の問題行動の背景を理解し、再発防止や未然に防ぐための対策を、児童生徒本人や親御さんと一緒に考えます。

相談内容⑨家庭環境

家庭環境の問題も相談の対象です。

家庭内のストレスや問題を解決するための助言を行い、家庭と学校が連携して子どもを支える体制を整えます。

また、スクールカウンセラーは必要に応じて、家庭訪問を実施することもあります。

家庭環境に関する相談事例については、こちらで詳しく紹介しています。

相談内容⑩教職員との関係

教職員との関係についての悩みも、スクールカウンセラーに相談することができます。

また、教職員とのコミュニケーションの取り方や、関係改善のための具体的なアドバイスを行います。

実際に、教職員からの暴言が原因で不登校になった生徒が、スクールカウンセラーの介入により、再び登校できるようになったというケースもあります。

教職員との関係に関する相談事例については、こちらで詳しく紹介しています。

相談内容⑪学業・進路

学業や進路に関する相談も、スクールカウンセラーに相談できることの1つです。

勉強方法のアドバイスや、将来の進路についての相談を通じて、児童生徒が自分の目標に向かって前進できるようサポートします。

相談内容⑫発達障害

発達障害に関する相談は2014年までは調査の対象外でしたが、こちらも近年相談件数が増えている内容です。

調査が始まった2015年時点では約25万件でしたが、2020年時点では約38万件となっています。(参考:文部科学省「スクールカウンセラー等活用事業に関するQ&A」

発達障害のある児童生徒が適切な配慮やサポートを受けられるように、スクールカウンセラーは学校と連携します。

また、保護者に対しても、発達障害に関する理解を深めるために助言することも可能です。

発達障害の相談事例については、こちらで詳しく紹介しています。

なお、私たちキズキ共育塾では、発達障害がある小中学生や高校生の勉強や受験に関する相談を受け付けています。お気軽にご相談ください。

スクールカウンセラーを利用する流れ

この章では、スクールカウンセラーを利用する流れについて解説します。

流れ①相談の申し込み方法を確認する

はじめに、スクールカウンセラーに相談するための申し込み方法を確認しましょう。

一般的な申し込み手順は、担任の先生や養護教諭を経由することになります。

また、学校が発行する「スクールカウンセラーだより」なども確認しましょう。

「スクールカウンセラーだより」には、スクールカウンセラーの来校日や相談の申し込み方法、カウンセリングルームへの直通電話番号が記載されています。

ただし、学校によって申し込み方法が異なりますので、一般的な方法で申し込みができない場合は、お子さんが通う学校に具体的な手続きを確認するようにしましょう。

流れ②スクールカウンセラーの勤務状況を確認する

次に、スクールカウンセラーの勤務状況を確認します。

スクールカウンセラーが学校に常駐している場合もありますが、多くは非常勤で週1回程度の勤務です。

円滑に相談に進めるように勤務状況についても確認しましょう。

流れ③面談の申し込みをする

スクールカウンセラーの勤務状況が把握できたら、事前に確認しておいた申し込み方法に沿って面談の申し込みをします。

相談をする際は日程調整が必要になるので、希望する日時の候補を考えておくことがオススメです。

流れ④相談する

面談の日時が決まり、当日を迎えたら相談に臨みます。

相談当日、円滑に話ができるように事前に相談内容を伝えたり、メモに書き出しておいたりするとよいでしょう。

また、どのように相談すればいいかわからず不安な場合もあるかもしれませんが、スクールカウンセラーは保護者や学生の悩みを親身に聞いてくれる専門家です。

うまく話すことができない場合でも、時間をかけてゆっくりと話を聞いてくれることはもちろん、話しやすいように質問を投げかけてくれたりするので、安心して相談してください。

なお、基本的にどんな悩みも1度のカウンセリングだけで解決するものではありません。そのことを踏まえて、複数回通うという意識で相談に行くことも大切です。

スクールカウンセラーに相談する3つのメリット

この章では、スクールカウンセラーに相談するメリットについて解説します。

メリット①無料で相談できる

スクールカウンセラーのメリットの1つは、無料で相談できる点です。

特に、不登校についての相談は、フリースクールなどの有料の相談先が多いですが、スクールカウンセラーは無料で相談できます。

そのため、相談することに対する心理的なハードルが比較的低く、一度お試しする気持ちで相談してみるのもよいでしょう。

継続して相談することになった場合でも、費用はかからないため、抱えている悩みや困りごとが解決するまで、気兼ねなく相談し続けることができるはずです。

例えば、家庭内の問題や友人関係の悩みについても、費用を心配せずに相談できるため、早期に解決の糸口を見つけることができます。

メリット②学校との連携が可能

スクールカウンセラーは、学校内で活動しているため、教職員と密接に連携することができます。

これにより、相談内容に応じた適切なサポートを迅速に行うことが可能です。

例えば、不登校状態にある児童生徒がいる場合、カウンセラーは教職員と連携して再登校の計画を立て、児童生徒に合わせた支援を行います。

このような連携により、問題解決がスムーズに進むだけでなく、学校全体で児童生徒を支える体制が整えられるのです。

メリット③第三者の立場で相談に乗ってくれる

スクールカウンセラーは、第三者の立場から相談を受けるため、公正で客観的な視点を持っています。

家庭内や友人関係でのトラブルなど、感情が絡む問題に対しても、中立的な立場からのアドバイスを受けられるでしょう。

身近な人に相談しづらいことがある時や客観的にアドバイスが欲しい場合は、スクールカウンセラーに相談しましょう。

スクールカウンセラーへの相談事例

この章では、スクールカウンセラーへの相談事例を紹介します。

事例①発達障害のある児童と保護者への支援

はじめに紹介するのは、発達障害によるこだわりや衝動性による困りごとを抱えていた児童と保護者の事例です。

ある男子児童が発達障害の診断を受けており、独特のこだわりや衝動性が見られました。教室から避難して廊下で過ごしたり、校内を徘徊したりすることが頻繁にあったそうです。また、適応に困難を感じることが多く、学校生活においても不適応を起こしていました。


スクールカウンセラーは、この児童に対して定期的に声掛けを行い、徐々に信頼関係を築き上げていきました。また、この関係構築の過程で、母親からも面接の予約が入るようになり、支援体制が整備できたそうです。スクールカウンセラーは前半に児童と面接を行い、後半に母親と面接を行う形式を取り、包括的な支援を提供しました。


支援体制が整った後、スクールカウンセラーは母親と共に特別支援教室の申請と利用を進め、医療機関とも連携を図りました。さらに、授業中にもスクールカウンセラーが児童の支援に入り、授業の進行に対する支障を最小限に抑えられるようサポートを行ったそうです。


その結果、児童の行動や学校生活が徐々に安定。周囲の児童に対する影響も少なくなり、学級や学年全体の状況が改善されました。児童本人も特別支援教室の利用や医療機関との連携により、より良い環境で学ぶことができるようになり、母親も安心して支援を受けることができています。

事例からもわかるとおり、発達障害による学校での困りごとを軽減するためには、周囲の協力が欠かせません。

スクールカウンセラーへの相談は、周りからの協力を得るための第一歩となるので、ぜひ一度相談を検討してみてください。

事例②担任からの暴言が原因で不登校になった女子中学生

次に紹介するのは、担任からの暴言によって不登校の状態になった中学生の事例です。

中学校2年生の女子生徒は、担任からの暴言が原因で不登校に。 体調不良を訴え、欠席が続いている状態となり、スクールカウンセラーが介入することになりました。


スクールカウンセラーは最初に保護者と面談をして、聞き取りを実施。そして、保護者の気持ちを学校側に伝え、適切な対応を求めました。また、学校に配置されている相談員と連携して生徒のケアを行ったそうです。


さらに、スクールカウンセラーの助言を受けた学校は、保護者の意見を真摯に受け止め、暴言を行った担任に対して適切な指導を実施しました。その結果、学校との信頼関係の改善が進んだそうです。

この事例からもわかるように、スクールカウンセラーは基本的に中立な立場で相談を受けるため、学校そのものや学校の先生に関する悩みや相談ごとについても、安心して話すことができます。

また、学校や担任の先生に何らかの対応を求める場合も、間に立って話を進めてもらえるため、親御さんはもちろんお子さんの負担も少なく済むはずです。

事例③ヤングケアラーの支援

最後に紹介する事例は、ヤングケアラーの生徒に対する支援事例です。

生徒は、父子家庭で経済的な余裕がなく、中学在学中から家事全般と家族の介護を担当。その影響から、学校を休みがちで登校しても心身の不調を訴えることが多く、それを心配した教員がスクールカウンセラーとの面談の機会を設けました。


面談で話し合いを行った結果、生徒は家を出て学校に通う環境に身を置くことになったそうです。その後、教員のサポートと本人の努力により生徒は無事に学校を卒業できました。

家事や介護などは、家庭の問題として片づけられることが多いですが、その負担を子どもが抱えなければならない状況になっている場合は、スクールカウンセラーに相談することが可能です。

また、こちらで紹介したスクールソーシャルワーカーや児童福祉、障害福祉、高齢者福祉、医療などの関係機関などと連携して、ご家族全体としてサポートを受けられるよう、支援を行う場合もあります。(参考:東京都公式ホームページ「キーワード「見付けてつなぐ」ヤングケアラーを支援するために」

スクールカウンセラー以外の相談先

この章では、スクールカウンセラー以外の相談先を紹介します。

スクールカウンセラーは学校内での相談窓口として重要な役割を果たしますが、それ以外にもさまざまな相談先があります。状況や相談内容にあわせて利用しましょう。

相談先①教育センター

教育センターは、地域ごとに設置されている教育支援機関です。ここでは、子どもの学習や行動に関する問題について専門的な相談ができます。

教育センターには、心理カウンセラーや教育相談員が常駐しており、保護者や教職員からの相談に応じています。

学習の遅れや適応障害、不登校など、教育に関連するさまざまな相談やサポートを行っています。(参考:文部科学省「都道府県・政令指定都市・中核市教育センター等」

相談先②子供のSOSの相談窓口

子供のSOSの相談窓口は、電話やインターネットを通じて24時間対応している相談サービスです。

子ども自身が悩みを相談できる窓口であり、いじめや家庭問題、友人関係の悩みなど、あらゆる問題について相談が可能です。

公式ウェブサイト:「子どものSOS相談窓口」

相談先③児童相談所

児童相談所は都道府県、指定都市等が設置する機関です。子どもの健やかな成長を願って、ともに考え、問題を解決していきます。

児童虐待や家庭内暴力、行動上の問題など、深刻な問題について相談ができます。

電話番号:0120-189-783(いちはやく・おなやみを。お近くの児童相談所につながります)

全国の一覧:全国児童相談所一覧(こども家庭庁)

公式ウェブサイト:児童相談所 虐待対応ダイヤル「189」(子ども家庭庁)

相談先④発達障害者支援センター

発達障害がある場合は、発達障害者支援センターも相談先として挙げられます。

発達障害者支援センターは、発達障害の早期発見と早期支援を目的として、発達障害のある人とその家族などをサポートするための支援機関のことです。(参考:国立障害者リハビリセンター 発達障害情報・支援センター「発達障害支援センターとは」

発達障害支援センターは、幼少期に発達障害の診断を受けた人だけでなく、大人になってから発達障害の診断を受けた人も支援の対象です。また、医師から発達障害の診断を受けていない人でも支援を受けることが可能で、発達障害がある可能性がある人からの電話相談なども受け付けています。

相談先⑤不登校や発達障害への理解がある学習塾

学習、進路の相談であれば、不登校や発達障害への理解がある学習塾に相談することもオススメです。

これらの学習塾は、子どもの特性に合わせた指導を行っており、学習の遅れやコミュニケーション面などのサポートも行います。

また、専門のスタッフが個別ニーズに対応し、学校生活での困難を乗り越えるサポートも行います。私たちキズキ共育塾もそのひとつです。

私たちキズキ共育塾では、不登校や発達障害のある生徒の勉強や受験に関する相談を受け付けています。お気軽にご相談ください。

また、このコラムで紹介したもの以外の相談先については、以下のコラムでも紹介しています。ぜひご覧ください。

まとめ~スクールカウンセラーは不登校などを相談できる~

スクールカウンセラーは、学校現場におけるメンタルサポートの専門家です。

学校で悩みを抱えているお子さん本人はもちろんですが、親御さんも利用することができます。

スクールカウンセラーに相談したい場合は、お子さんが通っている学校の担任の先生や養護教諭などに、相談の申し込み方法を問い合わせてみてください。

また、スクールカウンセラー以外にも相談できる場所があるので、悩みを一人で抱え込まずに信頼できる相手に相談することをオススメします。

Q&A よくある質問

スクールカウンセラーには、どんなことを相談できますか?

以下が考えられます。

  • 不登校
  • いじめ
  • 心身の健康・保健
  • 暴力行為
  • 児童虐待
  • 友人関係
  • 貧困の問題
  • 非行・不良行為
  • 家庭環境
  • 教職員との関係
  • 学業・進路
  • 発達障害

詳細については、こちらで解説しています。

スクールカウンセラーに相談する際の流れを教えてください。

以下が考えられます。

  • 相談の申し込み方法を確認する
  • スクールカウンセラーの勤務状況を確認する
  • 面談の申し込みをする
  • 相談に臨む

詳細については、こちらで解説しています。

監修 / キズキ代表 安田祐輔

やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための就労移行支援事業所「キズキビジネスカレッジ」も運営。

【新著紹介】

『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法』
(2022年9月、KADOKAWA)
Amazon
KADOKAWA公式

【略歴】

2011年 キズキ共育塾開塾(2023年7月現在10校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)

【メディア出演(一部)】

2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

共同監修 / キズキ相談担当 半村進

はんむら・すすむ。1982年、茨城県生まれ。東京大学文学部卒。
小学校時代から転校を繰り返し、運動ができないこと、アトピー性皮膚炎、独特の体形などから、いじめの対象になったり、学校に行きづらくなっていたことも。大学に入学してようやく安心できるかと思ったが、病気やメンタルの不調もあり、5年半ほど引きこもり生活を送る。30歳で「初めてのアルバイト」としてキズキ共育塾の講師となり、英語・世界史・国語などを担当。現在はキズキの社員として、不登校・引きこもり・中退・発達障害・社会人などの学び直し・進路・生活改善などについて、総計1,000名以上からの相談を実施。

【執筆記事・インタビューなど(一部)】

日本経済新聞 / 朝日新聞EduA / テレビ東京 / 不登校新聞 / 通信制高校ナビ

サイト運営 / キズキ

「もう一度学び直したい方」の勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする学習塾。多様な生徒さんに対応(不登校・中退・引きこもりの当事者・経験者、通信制高校生・定時制高校生、勉強にブランクがある方、社会人、主婦・主夫、発達特性がある方など)。授業内容は、小学生レベルから難関大学受験レベルまで、希望や学力などに応じて柔軟に設定可能。トップページはこちら。2024年10月現在、全国に11校とオンライン校(全国対応)がある。

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