小学生が不登校になる7つの要因と、親へのアドバイス

小学生が不登校になる7つの要因と、親へのアドバイス

2018年8月16日 木曜日 投稿

「不登校の小学生」の親御さんへ〜不登校の要因と当事者からのお願い〜

キズキ共育塾の木原彩です。

私には不登校の経験があります。

そして不登校だった弟を持つ「不登校の家族」としての経験もあります。

あなたは、小学生のお子さんが不登校になってお悩みの親御さんではありませんか?

今回のコラムでは、
小学生が不登校になる7つの要因と簡単なアドバイス、
不登校の小学生が登校を再開した事例、
そして当事者からのお願い
をお伝えします。

お子さんは、必ず前に進めます。希望を持っていただければ幸いです。


不登校の子どもの、複雑な気持ち

「娘が不登校になりました。
私が離れると『ママはどこ?』としきりに私を呼ぶんです。
どう娘に関わればいいでしょうか?」

「息子が不登校になりました。
学校に行かないだけでなく、家からも一歩も出ません。
親としてどう支援したらいいかわかりません」

こんなお悩みはよくお聞きします。

私自身は中学生のときに不登校になり、不登校に加えて引きこもりでもありました。

当時、私が親に対して思っていたことは、主には2つです。

「自分のために、そばにいてほしい」
「自分のために気を使わせるのは申しわけないから、普通に生活しててほしい」

そんな両極端の思いを持っていました。

年代問わず、親に対してのみならず、不登校の当事者は、複雑な感情を抱いています

「学校に行きたくない。でも行けないのは悔しい」などという気持ちもその一つでしょう。

ですがお子さんは、その複雑な感情をうまく表すことができません

それゆえに、余計に悩んでしまったり、余計に苦しくなったりもしてしまいます。

大人でさえ、自分の状態や気持ちを正確に言葉にするのが難しいことは多々あります。

それが小学生で、不登校という「それまでと違う状態」になったならなおさらです。

親御さんには、そんなお子さんを無理やり学校に行かせるのではなく、そっと寄り添ってほしいです。


小学生が不登校になる7つの要因とアドバイス

では、お子さんに寄り添うとはどういうことでしょうか。

以下に、私の不登校経験、指導経験、そして大学で学んだことをもとに、小学生が不登校になる要因とアドバイスを類型化しました。

お子さんの気持ちを理解する一助となれば幸いです。


①親や親しい人と長時間離れられない

親や親しい人と長時間離れられない

「子どもが母親等の養育者と離れることに対し不安に感じること」を指す「分離不安」という状態です。

分離不安はどの子どもにもある程度起きるものですが、次第になくなっていきます。

不安な気持ちが強かったり繊細だったりするお子さんは分離不安の解消に時間がかかることがあり、それが不登校に繋がっているケースです。

【ワンポイントアドバイス】

このタイプのお子さんは、母親を始めとする養育者に「甘えたい」という気持ちがあります。

甘えたい気持ちを満たすことで、次第に分離不安は解消されます。

以下の3点にご留意ください。

1:お子さんが甘えたいときに十分に甘えさせる。
2:スキンシップをしたり抱きしめたりする。
3:「あなたが大好きだよ」などと言葉にして伝える。

これらに気をつけていくことで、徐々に気持ちが満たされ、安心して外出できるようになります。


②こだわりや自己主張が強い

こだわりや自己主張が強い

幼稚園や保育園に比べると、小学校はルールが増えます。

こだわりや自己主張が強いと、学校のルールに納得できず、学校にいることにストレスを感じて不登校になるケースです。

また、ルール以外にも、人間関係のトラブルが生じて学校に行けなくなることもあります。

【ワンポイントアドバイス】

1つには、「学校のルールを家で一緒に実践して慣れる」という対応があります。

学校のルールは絶対的に正しいわけではありませんし、理不尽なルールは変えていきたいな…と私も思います。

ですが、お子さんが社会で生きていく上では、「適切なルールに、適切に従うこと」自体には慣れる必要があります。

お子さんの思いを受け止めつつ、家で「学校のルール」について話し、練習することで、少しずつお子さんのこだわりが緩和されていきます。

実施していく中で、どうしてもお子さんに合わないルールや理不尽なルールがある場合は、学校と話し合うことも考えられます。

もう1つには、「家庭を安心できる空間にする」という対応があります。

不安によって「こだわり」を持つお子さんもいるためです。

家庭が安心できる空間になれば、不安がなくなり、「こだわり」も緩和されていきます。


③感受性が強く、人間関係でストレスを抱えがち

感受性が強く、人間関係でストレスを抱えがち

共感力が非常に高く、他人の感じていることをまるで自分のことのように感じてしまう人のことです。

学校では、先生やクラスメイトが様々な感情を表し、ときにはぶつかり合います。

それが自分に関係のない出来事も、まるで自分のことのように感じ、心が疲れてしまう結果、不登校になるのです。

私にも、似た経験があります。

私が小学校6年生のときの担任は、厳格な方でした。

クラスメイトを叱る先生の声や表情が怖くて、不登校にはならなかったものの、一時期保健室登校をしていました。

いま考えると、私は「普通の人」以上に「怒られた子」に共感してしまい、まるで自分が怒られたような気分になったり、「怒られた子」に過剰に同情したりしていたのです。

その気持ちをどう処理してよいかわからなかったため、私は教室に行きたくなかったのでした。

そんな私は、私の感受性を理解しようとする大人の存在によって、
「自分はちょっとのことですぐ泣いちゃうけど、それでもいいんだ」
と心が楽になり、次第に教室に戻れました。

【ワンポイントアドバイス】

このタイプのお子さんは「つらい気持ちや苦しい気持ち」を溜め込みがちです。

そして「HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)」という、周りの刺激を他の人以上に敏感に反応してしまったり、共感性が高度に高かったりする性質を持っている可能性があります。

そんなお子さんには2つの点を配慮するとよいと思います。

1つは、「感受性が強い」という性質を理解し、共感することです。

私自身もHSPなのですが、HSPの性質のためにつらい気持ちになったときには、友人や親に「あのときはつらかったよね」と言ってもらえるだけで救われた気持ちになりました。

2つに、「一人になれる空間をつくる」ことです。

感受性が強い人は、他人と一緒にいると「普通の人」以上に疲れる性質があります。

安心して一人になれる空間があると、気持ちを落ち着けることができます。


④学習遅滞があり、勉強が苦痛

学習遅滞があり、勉強が苦痛

学校生活での大半は勉強が占めます。

勉強が苦手なお子さんは、「理解できない授業」をずっと受け続けることが苦痛で不登校になることがあります。

また、小学校高学年になれば、周囲と自分を見比べて、「自分はできている・できていない」と自分を評価する場合もあります。

周囲と比べて自分が「できない」と、学校に行くことが怖くなることもあります。

【ワンポイントアドバイス】

このタイプのお子さんへは2つのアプローチがあります。

1:勉強以外での得意なことやできている部分について、「できているね」「すごいね」などの声かけから、「自分にはできることがある、いいところがある」と気づかせること

2:勉強について、お子さんができるところまで戻り学習をし、一つひとつの「できた」という成功体験を大事にしながら、学校の単元に追いつくこと

「自分にはいいところがある」という気づきや、「自分はやればできるんだ」と思える気持ちは、お子さんが前に進むきっかけになります。


⑤がんばりすぎて燃え尽きた

がんばりすぎて燃え尽きた

がんばりすぎて無気力になってしまい、不登校になるケースです。

「がんばる」ことがうまくお子さんの中で働いているときはよいのですが、目標達成と同時に「次に何をする」という気力が湧かなくなった状態です。

他にも、がんばり続けるうちに「がんばったけどできなかった」「がんばれなかった」という失敗や挫折を経験すると、そこで気力がなくなることがあります。

【ワンポイントアドバイス】

このタイプのお子さんは、まずはゆっくり休ませる時間が必要です。

休養を経て元気になると自然と前に進める場合もありますし、そうでないなら、少しずつ元気になるにつれて、「次に何をしていこう」と話し合ってみましょう。

また、お子さんのがんばりすぎた理由も丁寧に見てほしいと思います。

「がんばらなきゃ」と思う気持ちの裏には、低い自己肯定感やネガティブな自己像を持つ可能性があるからです。

その場合、お子さんに寄り添いながら、自己肯定感が少しずつ高まるようにアプローチする必要があります。


⑥発達障害による「生きづらさ」を抱えている

発達障害による「生きづらさ」を抱えている

発達障害という脳の障害をお持ちのお子さんもいます。

発達障害と「小学生の不登校」の関連性でよく言われるのが感覚過敏です。

感覚過敏とは、「感覚刺激に対して過剰、歌唱に反応すること」と定義されています。

感覚刺激とは、音、光、匂いなどで、学校場面における例としては、給食の匂い、上履きの感触、運動会のピストルの音などがあります。

発達障害の特性によって、そうした刺激につらさを覚えて不登校になるタイプのお子さんのことです。

【ワンポイントアドバイス】

お子さんの特性を学校教員や周囲者に伝え、学校でお子さんを受容的に見てもらえる環境をつくる必要があります。

また、感覚過敏などのお子さんの特性に応じて、学校生活で生きづらさを感じないように一緒に対策を考えましょう

専門機関を受診してアドバイスをもらうことも重要です。

コラム「発達障害で不登校のお子さんの「生きやすさ」のために親ができること」も合わせてご覧ください。


⑦いじめにあっている

最後に、いじめにあっているケースをお伝えします。

いじめ、嫌がらせ、からかいなどによって傷つき、学校に行けないケースです。

小5から中3までの子どものうち、いじめを受けたことがある人は、男子では13.1%、女子では15.1%に上るという研究もあります。( 『日本のいじめ一予防・対応に生かすデータ集一』金子書房/森田洋司・滝充・秦政春・星野周弘・若井彌/1999)

どの子どもにも、いじめにあう可能性があるということです。

【ワンポイントアドバイス】

いじめによる傷は、後遺症を残す可能性があるくらい大きなものです。

まずはお子さんを受容し、自宅を安心できる空間にして、ゆっくり休ませてください

また、担任、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーに相談をするなど、学校に働きかけましょう。

転校も手段の一つです。

同じ学校への通学再開を考えるなら、子どもが安心して通えるように環境整備する必要があります。

いずれにしても、お子さんの気持ちを第一に考えてほしいと思います。


以上、小学生のお子さんが不登校になる要因とアドバイスをご紹介しました。

もちろん、ご紹介した要因に当てはまらないお子さんもいるでしょうし、複数の要因を抱えているお子さんもいるでしょう。

お子さんは一人ひとり異なるように、不登校の要因も一人ひとりで異なります。

それぞれのお子さんのための、より具体的な対応については、親御さんだけで抱え込まずに専門機関にご相談することをお勧めします


事例:不登校の小学生が通学を再開するまで

小学生で不登校になった子どもは、実際にどのように生活し、どのように立ち直るのでしょうか?

不登校経験のある、現在小学校高学年のお子さんの親御さんにインタビューを行いました。

あなたのお子さんの参考になれば幸いです。


お子さんはどんな性格ですか?

「息子は、小さいころから大人しいです。

2歳年下の弟の面倒を見たりする、優しい面もあります。

しかし優しすぎるのか、嫌と言えない性格でもあり、学校で嫌なことがあっても我慢してしまっていました。」


お子さんの不登校のきっかけを教えてください。

お子さんの不登校のきっかけを教えてください

不登校のきっかけは、ほんの些細なことでした。

学校でスポーツ大会があり、サッカーに出場した息子がシュートを外したんです。

それを友達から責められたこと、自分のせいで負けてしまったと過度に落ち込んでしまったことから、不登校になりました。

『責められた』といっても詰問やいじめではなく、小学生同士ならよくあるレベルの言い方だったようですし、話題としてはその日で終わっています。

ですが息子は感受性が強く、一連の流れが心に強く残り、学校に行けなくなりました

毎朝学校に行こうとして起き上がるのですが、踏ん切りがつかずに結局登校できない日々が続きました。

『学校に行けない自分』についても責めるようになり、家でも笑顔が減っていきました。」


親として、お子さんに接する際に気をつけていたことはありますか?

親として、お子さんに接する際に気をつけていたことはありますか?

『学校に行こうが行けまいが、私はあなた(子ども)が大切だ』というスタンスを貫いたことです。

心からの本音ですが、 思うだけでなく、言葉でも態度でも息子に伝えるようにしていました。

学校に行けないと、勉強をする機会が減る、友達と遊べないなどのマイナス面はもちろんありますし、将来がどうなるのか心配になったのも事実です。

しかし、学校に行けなくなったからこそできることも増えました

例えば、家族でゆっくりと一緒に時間を過ごしたり、息子の趣味である電車を見に旅行に出かけたり、ということです。

そうこうするうちに、不登校になる前と同じほどではありませんが、息子は次第に元気になっていきました。」


専門家の支援について教えてください

専門家の支援について教えてください

「少しずつ元気になってきた息子は、『学校には行けないけど、家にずっといても退屈だな…』と言うようになりました。

そこで、フリースクールに行きはじめたんです。

フリースクールのスタッフの皆さんは、息子の感受性を理解して接してくれましたし、私と夫には専門的な知見からのアドバイスもくださいました

一方で、『不登校であること』を必要以上に意識せずに息子と接してくれていたように思います。

また、息子には同じ鉄道好きの友達もできました。

そんな環境で過ごすことにより、息子が自己肯定感を育んでいることが、日常生活の中で見て取れるようになりました。

そして、不登校になって半年経ったころ、息子が『勉強したい』と話しました。

そこで、息子と同じように不登校を経験した方に家庭教師をしてもらい、息子は先生と勉強以外にも趣味の話をしたりして、楽しく過ごすようになりました

この段階で、息子は笑顔と元気を取り戻し、また自己肯定感もある程度定着したように思います。

『学校に行けるかどうかとは関係なく、息子が大事だ』というスタンスで行動を続けてきたから、出会いにも恵まれ、息子の笑顔も戻ってきたのかなと思います。」


再び笑顔になったお子さんは、その後どうなりましたか?

再び笑顔になったお子さんは、その後どうなりましたか?

「息子は再び元気になってきたのですが、引き続き学校には行けない状態でした。

どうしても一歩踏み出せないというか…。

私と夫は、『今後も不登校が続くなら、成長に合わせて別のフリースクールも探してみようか』などと話していました。

そんなとき、夫の仕事の都合で私たち家族は引っ越すこととなり、息子も転校となりました。

息子は新しい学校も怖がって、しばらく不登校を続けていました。

しかし担任の先生がお手紙を書いてくださったり、家庭訪問をしてくださったりしたことによって、息子は登校に前向きになりました。

フリースクールや家庭教師の先生のおかげで身についた自己肯定感も、新たな環境で通学を再開するエネルギーになっていたように思います。

そして実際に通学し始めると、息子に居場所ができるように、担任の先生は休み時間に息子やクラスメイトと一緒に遊んでくださったりしていました。

息子は次第に学校に居場所ができ、今は学校に通えています。

いろんな出会いと経験のおかげで、息子は自分を過度に責めることも減りました。」


インタビューから見える、二つの大事なこと

いかがでしたでしょうか。

インタビューからは、
「お子さんを大事に思って行動すること」
「適切に専門家を頼ること」

の重要性が伝わってくると思います。

お子さんのために、覚えておいていただければ幸いです。


まとめ〜お子さんは、必ず「次の一歩」に進めます〜

まとめ〜お子さんは、必ず「次の一歩」に進めます〜

これまでの話をまとめます。

小学生のお子さんは、様々な理由で不登校になります。

その要因には、
①親や親しい人と長時間離れられない
②こだわりや自己主張が強い
③感受性が強く、人間関係でストレスを抱えがち
④学習遅滞があり、勉強が苦痛
⑤がんばりすぎて燃え尽きた
⑥発達障害による「生きづらさ」を抱えている
⑦いじめにあっている
などがあります。

不登校のお子さんは、自分の気持ちや状態をうまく表現できないことがよくあります。

親御さんは、そんな複雑な気持ちを持つお子さんにどうか寄り添ってください

とはいえ、お子さんのことを親御さんで対応するのは、得策ではありません。

どうか専門家に支援を求めてほしいというのが、不登校を経験した私からのお願いです。

例えば、スクールカウンセラー、担任の先生、相談しやすそうな先生、フリースクール、不登校の親の会、児童家庭支援センターなどが挙げらます(キズキ共育塾でも無料相談を行っています)。

専門家は、それぞれのお子さん、親御さん、ご家庭に応じて、具体的なお話ができます。

小学生で不登校になったお子さんは、必ず「次の一歩」に進めます。

この記事が少しでもお役に立ったなら幸いです。


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