「頑張る」ために必要なこと
キズキグループのメイン事業の一つは、「高校中退・引きこもり経験者」を対象とした大学受験塾(キズキ共育塾)の運営だ。
高校中退や引きこもりを経験しながらも、「もう一度やり直したい」「大学に行きたい」と願う若者たちが、私たちのもとに通っている。
今は必死に頑張っている彼らであっても、相談に来た当初は
「人よりも遅れてしまった」
「もうやり直せないかもしれない」
と悩んでいたことがほとんどだ。
高校中退率は全国平均で2%であり、一部の困難校を除けば、高校を中退する者はほとんどいない。
だから、一度学校を辞めると、それまでの学校のコミュニティから離れてしまうため、友人関係からも孤立してしまうことが多い。
そんなとき、僕は自分の話をしたり、弊塾で働く講師たちの話をしたりする。
例えば僕は2年遅れで大学に入って休学もして、3年遅れで卒業した。
例えばある大学生講師は、高校中退してずっと引きこもって、4年遅れで大学に入学し、誰もが知っている大手企業に入社する。
考えてみれば当たり前だが、10代の挫折で人生が決まるわけがない。
そんな話をすると、相談に来た若者はうつむいていた顔を、少しだけ上にあげる。
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高校中退・引きこもりに限らず、どん底の状況にある人々を支援しようとするとき、そもそも「頑張る」気力が失われていることが多い。
「頑張ればなんとかなる」と多くの人は言うかもしれないが、そもそも困難な状況にある人々は「頑張れない」ことに悩んでいるのだ。
だから支援の第一歩は、「頑張る」ための手助けをすることだと僕は思っている。
では、「頑張る」ために必要なことは何か?その答えの1つが、希望を見せることだと思うようになった。
「もうどうにもならない」という絶望を、「なんとかなるかもしれない」という希望に、思考の変化を促し続けることだ。
「もうどうにもならない」と思っている限り、人は頑張れない。
頑張った先の未来の姿が想像できるからこそ、頑張れる。
これは「中退」「引きこもり」の若者だけに限ったことでなく、大きな挫折経験のない人であっても同じだと思う。実現不可能に思える目標に対しては、誰でも頑張れない。
だから先ほどのエピソードのように、日々の現場での会話を通じて、少しずつ希望を提供すること、それが支援の第一歩だと考えている。
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人は、たった一筋の「希望」を提供することで、驚くほど変化することがある。
そんな瞬間を、僕はこの4年間何度も見ることができた。
これからもそんな瞬間に、たくさん立ち会えたら嬉しい。
「いまは不登校だけど、進学したい…」
「通信制高校に通いながらも受験が不安…」
「勉強の仕方が分からない…」
そんなお悩みがありましたら、キズキ共育塾にお気軽にご相談ください。
※2018年4月、安田の自伝本『暗闇でも走る 発達障害・うつ・ひきこもりだった僕が不登校・中退者の進学塾をつくった理由』が講談社から出版となりました。
詳細は講談社公式サイトをご覧ください。
代表挨拶