将来の夢がないあなたへ 夢を見つける方法を解説
将来の夢がないと、親や先生から「将来の夢は?」「何がやりたいの?」と聞かれるたびに、落ち込みますよね。
友達が将来の夢に向かってがんばっている姿、子どもが将来の夢をイキイキと話している姿、同い年の人が活躍している姿…
そんな将来の夢がある姿がキラキラと輝いて見えて、夢がない自分をちっぽけな存在だと感じていないでしょうか?
なぜなら、「将来の夢や目標があるか・ないか」は、「楽しく幸せに生きられるかどうか」とは関係ないからです。
「将来の夢がない」と悩むあなたに向けて、このコラムを書きました。「なぜ将来の夢が見つからないのか」「目標はどうすれば見つけられるのか」と悩むあなたの、夢や目標を見つけるヒントになれば幸いです。
目次
将来の夢がないことを悩むのは、今が「自由に生きられる時代」だから
筆者の見聞きする範囲では、今の中学生や高校生、大学生世代の方が、親世代に比べて「自分には夢がない」と悩む人が多い印象があります。
これは、親世代が学生だったころは、今ほど将来に悩まない時代だったからではないでしょうか。
昔は、将来のイメージを今よりも明確に持てる時代でした。
中学・高校・大学を卒業後は、就職、結婚、男性は仕事、女性は家庭を中心に、生活のスタイルを築く…というイメージを多くの人が共有していました。また、実際にそう生きる方も大勢いました。
「大多数に共通のレール」が昔よりも減り、人それぞれで自由に生きられる時代、つまり「生き方を自分で決めなくてはいけない時代」になりました。
そんな時代だからこそ、「夢を持たなくては」と思ったり、将来のイメージが持てなくて不安を感じたりする、という学生が増えているのだと思います。
「将来の夢がないこと」や「何がしたいのかわからないこと」を悩む必要はありません。
ただ、「夢を見つけるヒントがあるなら知りたい」と思っているのであれば、これからお伝えすることを実践してみてください。
将来の夢ってなに?職業のこと?
なぜなら、職業は「夢そのもの」ではなく、「夢を叶える手段」だからです。
「この夢を叶えるためには、どんな職業に就く必要があるか」という発想で考えてみましょう。
その上で、プロサッカー選手や、保育士、ユーチューバーなど、「具体的な職業」に繋げてみてください(ここでいう「職業」には、ボランティア、副業、専業主婦なども含みます)。
「夢と職業って、必ず関連するの?」と疑問に思う人もいると思います。もちろん、「必ず関連する」わけではありません。ですが、今回のコラムでは、わかりやすい手段である「職業」と関連させてご紹介します。
将来の夢がないあなたへ~将来の夢を見つけるための方法~
キーワードは、「深掘り」です。
あなたがいま中学生・高校生・大学生であっても、「将来の夢」を考えるときに明確な基準や軸があることで、夢の内容は、広がったり、増えたり、ハッキリしたりします。
「自分の基準」を見つけるために、さまざまな方法で自分自身を深堀りましょう。
方法①「好きなこと」から考える
「好きなこと」や「楽しいと思うこと」を深掘りして、自分の夢を探すことも1つの方法です。
「マンガを読むのが好き」「サッカーが楽しい」など、自分が好きなことを挙げた上で、そこから深堀りましょう。
まずはシンプルに考えると、「好き」「楽しい」を活かせる職業として、次のような将来の夢が見つかります。
「好き・楽しい」からの直接的な夢
- マンガ好きなら、マンガ家を目指す
- サッカー好きなら、プロサッカー選手を目指す
ですが、これらをより深堀りすることで、別の発見があるかもしれません。
サッカーなら、「自分がなぜサッカーを好きなのか」を深掘ってみましょう。
- 試合をすることだけが好きなのか
- 応援や練習や観戦も好きなのか
- 負けた試合も楽しく思えるのか
このように、好きなことについて、「どんなことが好きか・楽しいか」を深堀ると、さまざまな夢・職業が見えてきます。
サッカーの例を続けると、次のように、「好き」な理由が具体的になっていくでしょう。
- 仲間と一緒に何かをするのが楽しい
- ゴールを決めた瞬間が最高
- 献身的なプレーが認められると嬉しい
- プレイするだけでなく、観戦も好き
このように、深掘りすることで夢と実現手段は、サッカー選手以外にもたくさん見えてくるのです。
例えば、「プレイするだけでなく、観戦も好き」なら、「みんなにも、その楽しさを知ってもらいたい」ということが、将来の夢になるかもしれません。
そうすると、将来の夢を実現する職業には、次のようなものもあります。
「好き・楽しい」を深堀りした夢
- サッカークラブのスタッフ
- サッカースタジアムの職員
- スポーツ記者(カメラマン)
他にも、「ゴールの瞬間のエキサイト(興奮)が好き」なら、「たくさんの人を楽しませたい」という夢が見つかり、サッカーから離れてエンタメ業界を目指す、ことが選択肢になるかもしれません。
方法②「得意なこと」から考える
「得意なこと」と「好きなこと」は、一緒であることもありますが、違う場合もあります。
- 「得意」は、客観的事実
- 「好き」は、自分の主観
あなたが得意なことは、あなたに向いていることです。
「得意」を生かした夢を探すことも1つの方法です。
友達や先生に「自分のこと」を聞いたり、過去の経験を振り返ることで、「得意」を探し深掘ることができます。
また、過去の経験は、次のように生かせます。
スマホ、PC、家電などに詳しくて、苦手な人に使い方を聞かれたりするなら、あなたは「機械」が得意です。そこから、「機械の知識で世界を変える」という夢が見つかり、ITエンジニアやプログラマーという実現手段が見つかるかもしれません。
技術や家庭科の授業などで、「難しい工作ができた」「裁縫が綺麗に仕上がった」などの経験がある人は、手先が器用な人です。そこから、「モノづくりでみんなの生活をよくしたい」という夢が見つかり、建築士や自動車メーカー、パタンナーなどの職業を目指せるかもしれません。
ただし、「得意なこと」は、さまざまな経験をすることで見つかる場合もあります。
これまでの経験から「得意なこと」がなく将来の夢が見つからないなら、行動してみることから始めましょう(具体的な行動については、後ほど紹介します)。
方法③「あこがれるもの」から考える
「あこがれ」が「夢」になることもあります。
「あこがれ」とは、「理想とする物事や人物に強く心が引かれること」です。
「あこがれ」からの直接的な夢
- あるマンガ家にあこがれて、マンガ家になりたくなる
- あるアイドルにあこがれて、アイドルになりたくなる
- ある声優にあこがれて、声優になりたくなる
憧れから将来の夢を考えると、「現実離れしているかも…」と思うかもしれません。ですが、「夢」なのですから、現実離れしていてもよいのです。
そして、あこがれを深掘りましょう。
- 具体的に、なぜあの人にあこがれるのか?
- あこがれの理由と職業の関係は?
このように深掘りをして答えを出すことで、選択肢が広がったり、より魅力的な夢が見つかったりすることがあります。
例えば、あるマンガ家へのあこがれは、深掘りすることで次ようなさまざまな理由が見えてきます。
- この人の絵が好き
- この人の物語が好き
- マンガそのものも好きだけど、この人の考え方や生き方が好き
すると、将来の夢と職業は、次のように広がっていくのです。
この人みたいに魅力的な絵を描きたい
- マンガ家
- イラストレーター
- 画家
- デザイナー
この人みたいに魅力的な物語を書きたい
- マンガの原作者
- 小説家
- 脚本家
この人みたいな生き方を広めたい
- エッセイスト
- 翻訳者
- 通訳
- 講演会を実施・運営するイベント会社など
さらに、「魅力的なマンガを描きたいけど、自分には無理だな…」と思ったときも、すぐにこの夢をあきらめる必要はありません。
「自分にはマンガは描けないけど、素敵なマンガを世の中にもっと広めたい」という思いがあれば、次のようなさまざまな職業が考えられるのです。
マンガをもっと広めたい
- マンガ家を支える編集者
- 本を形にする印刷会社、インク会社、製本会社、製紙会社
- 全国にマンガを届けるトラック運転手
- 魅力的なマンガを紹介する書店員
- 電子書籍を作成・販売する会社
- 書評家
- 外国に日本のマンガを広げるための翻訳者、貿易会社、流通会社、法務関係者など
方法④「なりたくない自分」から考える
ここまでは、ポジティブな視点での「将来の夢を見つける方法」をお伝えしました。
少し異なる視点として、「なりたくない自分」「やりたくないこと」「きらいなこと」から夢を見つけることもできます。
「この仕事は絶対避けよう」「こういう仕事ならいいかも」と考えることから、将来の夢を見つけるのです。
この視点のいいところは、ひとまずはカンタンに夢をみつけられることと、現実的な目標を立てやすいことです。
「不規則な生活をしたくない」なら、「規則正しい生活をしたい」という夢を持つことができます。すると、「新聞記者や警察官は向いていないかな」「事務系の仕事なら規則正しい生活ができるかも」と、夢を叶える職業を見つけられます。
「嫌なこと」を逆算した夢探しも、悪いことではありません。
ポジティブ方面で行き詰まったら、一度この視点で考えてみましょう。
方法⑤興味のあること・新しいことに挑戦する
頭で考えても夢が見つからないときは、行動してみましょう。
興味のあること・新しいこと・好きなこと・楽しそうなことに、どんどん挑戦することが「将来の夢がない」状態から抜け出すきっかけになるかもしれません。
行動すると、自分の「好き」「得意」「嫌い」が見つかり、そこを深掘ることで、将来の夢にもつながるはずです。
新しい行動への挑戦方法の例
- 自分一人でやってみる
- 趣味や習い事の教室に入る
- サークルなどのコミュニティに入る
- 興味のあることをやっている知り合いがいるなら、話を聞いたり仲間になったりする
新たなことに挑戦した後には、振り返りをしましょう。
振り返りのポイント
- 何が楽しいと感じたのか?
- どんな部分にワクワクしたのか?
- イヤだったところはあるか?また、その理由は?
なお、メモなどの記録を取ったり日記を書いたりするなど、文章にすることで気づけることも多いです。よけれ場実践してみてください。
具体的な「新しい行動」の例
- 料理教室に通う
- 資格試験や検定試験の勉強を始める
- 絵を描くコミュニティに参加する
- 「自分探しの旅」や「留学」に行く
このように、新たな環境に身を置くことで、知らない自分や価値観に出会い、夢のヒントが得られることもあります。
「自分探しの旅」の感想が「知らない人と話すのが楽しかった」なら、「毎日違う人と新しい話をしたい」という将来の夢につながります。関連する職業として、ショップ店員、ツアーガイド、キャリアコンサルタントなどがあるでしょう。
方法⑥さまざまな人の話を聞いてみる・調べてみる
さまざまな人の話を聞いたり、仕事について調べてみたりすることも、将来の夢を見つけることに繋がります。
話を聞く・調べる方法の例
- 興味のある人、気になる職業の人に連絡して、会って話を聞く
- SNSで「こういう人を紹介してください」と投稿したり、話を聞きたい人にDMを送ったりする
- 興味のある仕事をしている人のインタビューや自伝などを見る
連絡しても、絶対に会える・話を聞けるとは限りません。また、実際に会う場合は、親や学校の先生に確認してもらったり、大人に同席してもらったり、複数人で会ったりするようにしましょう。
直接会えたり話せたりするようになったら、その人の話を聞きつつ、深掘りをして質問してみてください。
質問の例
- なぜその仕事に就いたのか、就いてみてどうだったか
- どんなことがやりがいなのか、なぜそれをやりがいに感じるのか
- どんなことを意識して働いているか
- 仕事と私生活のバランスはどうか
- 仕事がつまらないと思うときはあるか
仕事内容や生活スタイルなども聞くうちに、興味が将来の夢になっていくのです。
方法⑦夢を追ううちに、次の夢を見つける
これまでの方法を試してみると、いくつか夢が見つかると思います。
もしかしたら、周りの人から「そんな壮大な夢、無理だよ」「そんな小さなことが将来の夢なの?」などと言われたりするかもしれません。
ですが、「あなたの将来の夢」なのですから、人の言うことは気にすることはありません。
そして、夢実現のために、具体的なルートを深掘りしてみましょう。
夢が複数ある場合は、まずは一番目の夢へのルートを探しましょう。ルートを調べて、「この方法で夢にたどり着けそう!」と思ったら、実行していきましょう。逆に、「無理っぽいかな…」「現実的には難しそうだな…」と思ったときは、二番目以降の夢のルートを調べましょう。
そして、将来の夢を実現するためのルートを深掘りすることで、新たな夢が見つかることもあります。
わかりやすい例
- 柔道整復師になりたかったけど、調べたら、体力的に不安かも…
- だったら、柔道整復師が使う道具を開発する仕事をしたい
途中で将来の夢を変えることだって、悪いことではありませんよ。
【関連動画】将来の夢がない不安と向き合う4つの方法
↑動画では、このコラムの内容に関連して、将来の夢を探す方法を、①入り口になる本を読んでみる、②好きなこと・憧れることから考える、③嫌いなこと・なりたくない自分から考える、④得意なことから考えるという切り口から紹介します。
ご興味がありましたら、ぜひご覧ください。
まとめ〜将来の夢がない状態でも、楽しく幸せに生きられます〜
生き方が多様化した現在、「将来の夢を持たなくては!」「自分には夢がない…」と悩む方は、少なくありません。
特に、中学生、高校生、大学生は、進学や就職のために、将来の夢がないことを悩むことが多いと思います
ですが、将来の夢は、あってもなくても大丈夫です。将来の夢がなくても、楽しく幸せに生きることはできます。
ですが、将来の夢が、努力・成長・幸せなどにつながることもあるでしょう。
職業と夢は関連することが多いですが、「職業を先に考える」のではなく、「夢実現のために職業を探す」ことを意識してみてください。
その上で、夢を見つけるためには、次のような方法があります。
- 「好きなこと」から考える
- 「得意なこと」から考える
- 「憧れるもの」から考える
- 「なりたくない自分」から考える
- 興味のあること・新しいことに挑戦する
- さまざまな人の話を聞いてみる・調べてみる
- 夢を追ううちに、次の夢を見つける
また、将来の夢や目標は、職業のことだけを意味しません。仕事以外で夢を叶える、ということもできるのです。
仕事だけでなく、「どんな人生を生きていたいか」まで考えられると、夢も選択肢も広がります。
さらに、「夢のために就職・進学する」のではなく、「夢を見つけるために、就職・進学する」というパターンもあります。
新たな環境、友人、経験が刺激となり、将来の夢が見つかることもあるのです。
将来の夢を探す時は、あせらずにゆっくり考えてみてください。
あなたが「将来の夢・目標」を見つけられることを、祈っています(ただし繰り返すとおり、「夢」がなくても大丈夫です。あまり悩みすぎないでくださいね)。
最後に、私たちキズキ共育塾は、講師と生徒が一対一で授業を行う、完全個別指導塾です。
授業では、勉強の話の他に、悩み相談や将来の夢の話もできます。
授業を通じて将来の夢を見つけた生徒さんも、「夢がなくてもOK」と安心した生徒さんも、たくさんいます。
人生経験豊富な講師が揃っています。少しでも気になるようでしたら、お気軽にご相談ください(相談は無料です)