講師紹介
「やりたいこと」がないまま就職して適応障害に。旅を通じて価値観や環境は様々だと気づく
齋藤直樹
- 代々木校
- 早稲田大学教育学部社会科地理歴史専修卒業
- 担当科目:世界史
齋藤直樹(さいとう・なおき)。1991年生まれ、千葉県の閑静な住宅街出身。趣味は将棋、ツーリング、ライブ・音楽鑑賞。中高一貫進学校で成績は下の方。自信をなくし、やりたいことも見つからない。大学合格で自信を回復するも、やりたいことの見つからないまま就職した職場で適応障害となり、退職。その後の「旅」で環境と価値観を変えればよいということに気づく。自身の経験を今つまずいている方に生かしたいと思い、キズキ共育塾へ。
記事に掲載されている情報は、掲載日時点のものです。
齋藤講師のストーリー
進学校で、成績は下の方。自信をなくし、やりたいことも見つからない
小学生のころまでは内向的な目立ちたがり屋といった性格で、心の中では哲学的なことを考えていたりする早熟な部分もある反面、学校や人前ではなるべく笑いをとりたいというメンドクサイ二面性がある性格でした。
また、体格が小さく運動も苦手だったので、自信が持てるのは「勉強」だけでした。
小学校卒業後は中高一貫の有名進学校に合格(進学)したものの、入学直後の中間試験ではクラス44人中44位。
自信を持っていたはずの勉強で、ぶっちぎりの最下位になりました。
その後は「周りが優秀だから仕方ない」というあきらめから勉強のやる気がなかなか出ず、成績もずっと低迷したままでした。
一方、絵を描くのが好きだったので、美大受験を考えるようになりました。
実際に芸大予備校の体験会などに通ったりもしたのですが、デッサン力が明らかに他の受験生より劣っており、また費用がかさむことがわかり、これもあっけなく挫折しました。
こうした経験が続いたことで、運動はもとより、勉強でも、趣味の絵でも、「自信」と「やりたいこと」が全くなくなっていました。
その結果、僕は、表面的には明るくふざけてふるまったりしながらも、人生に対して消極的に考えるようになっていました。
そうして、消極的な生き方として「普通の大学」に進学するように頭を切り替え、高2のころにやっと勉強を再開しました。
改めて勉強に直面すると、英語・数学は全くもってちんぷんかんぷんだったので、中1の内容からやり直しました。
「わからないことは基本に立ち返って学び直す」というのは大切だと実感しましたね。
大学に合格し、自信を回復。しかしやりたいことはまだ見つからない
受験科目の中では、社会科目、特に統計と図解で現象を推測する地理が好きだったので、受験する大学(学部)は「地理で受けられる」という条件で探し、教育学部や社会学部、学際系の社会工学科などを受験しました。
そんな感じで大学(学部)を選んでいたので、「大学でアレを学びたい」「コレを学びたいからこの大学へ行きたい」という明確な希望はなかったと思います。
結果として、高校卒業後に1浪を経て早稲田大学の教育学部に合格。
大学合格によって、自分に対する自信は回復しました。
しかし、消極的な生き方は続き、また「自分が本当にやりたいことは何なのか」については、大学在籍中もずっと悩み続けることになります。
振り返って思えば、「消極的に生きているからやりたいことがなかなか見つからず、ますます人生に消極的になる」という悪循環にいたのかもしれません。
やりたいことが見つからないままの就職。職場に馴染めず適応障害に
就職活動の時期になっても「やりたいこと」はわからないままでしたので、明確な志望業界はありませんでした。
ですが、周りも就職活動をしているし、現実的に考えて就職しないわけにもいかないなと思っていました。
かろうじて、大学時代にWeb制作のアルバイトをやっていたことと、父親が元SEだったことから、なんとなくIT系に向いているのではないかと考え、周囲の雰囲気に流されるように同業界の数社にエントリーしました。
ごく普通の志望動機を述べて、IT系のコンサルティング会社への就職が決まりました。
就職活動では、自発的に行動しているようなポーズを取りつつも、内実は人の顔色を伺いながら受動的に行動をしており、ひどく辛い気持ちを持っていたような気がします。
結局僕は、そんな気持ちで就職した会社に勤め続けることはできませんでした。
1年3か月ほど勤めたところで、職場に馴染めず適応障害になってしまったのです。
仕事が手につかなくなり、逃げるように退職。
会社にも迷惑をかけてしまい、次のことも決まっておらず、途方にくれました。
退職直後は虚無感と鬱の症状が強く、ベッドで半分以上寝たきりの状態の日もありました。
幸い貯金はそこそこ貯まっていたことから、精神的に落ち着いてからは、半年くらい時間を気にせずプラプラ旅をしていようと思い立ちました。
旅を通じて「大自然」と「多様な価値観」に触れ、迷いがなくなる
そして趣味のバイクで、北は青森から南は沖縄まで、ネカフェに泊まったり、野宿をしたりの旅を実行しました。
さてこの旅では、和歌山県南端(南紀)でのことが強く印象に残っています。
何の目的も当てもなく始めた旅ですが、「どうせなら何か得るものがほしいな」という気持ちも心の片隅に抱えていましたので、興味を持った方に会うことにしたのです。
まず、「僕と年齢が近く、東京の大学を卒業した後に、企業に就職せず南紀の海辺で空き家を借りてスローライフを送っている方」がいるというのを知っていたので、面識がない中メールで連絡を取って訪問しました。
訪ねた目的は、主には「都会を離れてからどのような生活をしているのか知りたい」という好奇心と、自分の生き方の迷いについての軽い人生相談でした。
そこでは、畑を見せてもらったり、収穫したさつまいもをいただいたり、海岸に出てウツボ釣りの手伝いをしたり、薪ストーブで沸かす風呂を見せてもらったりしました。
また、夕日が一番きれいに見えるとっておきのスポットに案内してもらいました。
南紀に沈む夕日がとてもきれいで、自分の悩みが全てちっぽけに思えました。
ありきたりな言い方ですが、東京にはない大自然に触れたことは、癒しになりました。
南紀では他にも、前年まで東京の居酒屋で働いていたところを現地のカフェの店長として雇われた方や、都会の生活をやめて山奥の小屋で集団生活をしている方など、様々な人に会いました。
そのように「かつて都会で暮らし、現在は全く異なる環境で暮らす様々な職種の方々」と出会うことで、「高校に通い、当たり前のように大学に進学し、企業に就職する」という首都圏の人間としてマジョリティな生き方も、地域や世代が変わればマイノリティになるということを思い知りました。
つまり、世の中には多様な環境と価値観が、生き方があるということです。
そして、僕のこれまでの「挫折」も、僕がいた環境や価値観の中でのことに過ぎないんだと気付きました。
「これまでの生活」で違和感があったり、挫折したり、前向きになれなかったりしたのなら、思い切って環境や価値観を変えればよかったのです。
そんなことは、ちょっと考えれば当たり前なのかもしれません。
ですがそれまでの僕はそう考えるに至らず、実際に自分と違う方々と会い、これまでと違う環境を知ることで、身をもって実感することできました。
この「発想」に至った自分には、もうかつてのような「心の迷い」はなくなっていました。
「これからは人に流されず、自分の価値観で生きよう」と決意しました。
消極的だった人生について、前向きになれたのです。
やりたいことは、「自分の経験を、今つまずいている方々のために活かすこと」
旅を終えて、具体的に「前向きな次」として何をするかを考え始めたところ、同時に「会社でうまくいかなかった自分が、人のためにできることってなんだろう?」とも考えました。
すると、学生時代、何かしらを人に教えているときは比較的評判がよかったことを思い出しました。
そして、「自分の受験勉強や、挫折と立ち直りの経験を、今つまずいている方々の『やり直し』のために生かしたい」と思うに至りました。
これが、僕が遠回りの末にようやく見つけた「やりたいこと」です。
さて、キズキ共育塾については、結構前から知っていました。
テレビで代表の安田さんが話しているのを見て、「いい団体だな」と思ったのを覚えています。
ですがそのときは他のことで忙しかったため、キズキ共育塾で働こうとは思いませんでした。
しかし、「何度でもやり直せる社会をつくる」というキズキの理念は心に残っており、先述のとおり職場に馴染めず悩んでいたときにも頭の中でリフレインされていました。
「やりたいこと」が明確になったとき、それがキズキの理念や事業と一致していることに気づき、講師になったのです。
(ちょっと余談ですが、「やりたいこと」と「仕事の内容」が一致する必要があるか、そもそも人生において「本当にやりたいこと」が必要かどうかも、環境、価値観、人によって様々で絶対的な正解はないと、今の僕は思います。もっと言えば、「消極的な人生」だって、別にそれ自体が絶対的に悪いことでもないと思います。)
キズキ共育塾のいいところ—挫折経験のある講師が、勉強とメンタルの両面をサポート
キズキ共育塾のいいところは、やはり「挫折」を経験したことがある講師が中心となって、「挫折・つまずきの克服」や「やり直しのチャレンジ」をしたい生徒さんの学習支援をしている点だと思います。
キズキ共育塾の授業は基本的には完全個別指導で、生徒さんそれぞれの進度や体調に合わせて授業も行われます。
そのため、生徒さんとしても学習の計画が組み立てやすいと思います。
また、勉強だけでなくメンタル面のサポート体制も手厚く、どの講師もスタッフも、生徒さんに対して親身に、真摯に接しています。
お悩みを抱えるあなたへ
大人になった今、僕自身や周囲の人たちの経験から考えると、小さな悩みや挫折は、時間が経てば大抵のものは自然に忘れることができます。
逆に笑い話にもできます。
ところが、大きな悩みや挫折はそうはいかないことが多いです。
では、大きな悩みや挫折にはどう対処すべきでしょうか。
悩みや挫折を克服しようと努力することは、対処の一つでしょう。
ですが、(ちょっと抽象的ですが、)物事の見方を変えたり、思い切って先入観を取っ払ったりすることで、実は「それ」は大きな悩み挫折でもなんでもなかったと思えるようになることもあります。
思考や価値観を変えることも、悩みや挫折から「次」に進むための対処の一つなのです。
私が旅を通じて学んだことです。
どちらにせよ、物事を判断する尺度は人それぞれなので、周囲の影響に左右されず、自分のペースを貫くことが大事だと思います。半分以上自戒ですが(笑)
キズキ共育塾では、悩みや挫折を克服しようと努力する場合も、物事の見方を変えたい場合も、どちらも授業を通じてサポートしています。まずはお気軽にご相談ください。
保護者さまへ
キズキ共育塾には、お悩みを抱えた生徒さんと講師やスタッフがともに考え、未来へ向かって歩みを進めていくサポート体制が整っています。
お子さまのみならず、保護者さまが抱えている不安も含めて、一度キズキにご相談にいらしてください。お待ちしています。
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