眠れないあなたへ伝える、9つの「寝る方法」〜タイプ別不眠の解消法〜

眠れないあなたへ伝える、9つの視点の寝る方法〜タイプ別不眠の解消法〜

こんばんは。キズキ共育塾の佐野澪です。

  • 「明日は大事な日なのに、眠れない…」
  • 「また今日も眠れない……」
  • 「時計の音がやけに気になってイライラする」

眠れない夜はつらく苦しいものーー。
この記事を読んでくださっているあなたのため息が聞こえてくるようです。

筆者も不眠症には過去6年間苦しめられたので、お気持ちはよくわかります。

この記事は、眠れない夜を過ごすあなたの不眠解消のために執筆しました。

今回は一時的な不眠、慢性的な不眠にわけて、合計9つの視点から「寝る方法」をご紹介します(筆者自身に効果のあった具体的なグッズ名などもご紹介します)。

ぐっすり眠れると、心身ともにスッキリとした状態で過ごすことができます。

本コラムが、あなたの快眠ライフに役立ちますように!

眠るためには、リラックスが重要

眠るためには、リラックスが重要

生物にとって、眠ることはとても大切なことです。

ヒトは十分な睡眠をとることで、心身を健やかな状態に保つことができます。

眠れないのは誰にとってもつらいものですが、現代では不眠症に悩む人は少なくありません。

“成人の3人に1人は少なくとも時々は不眠になり、10%から15%の人は慢性的不眠である”とも言われています。(出典:「自分でできる『不眠』克服ワークブック」渡辺範雄)

不眠の原因はさまざまですが、一時的な不眠と慢性的な不眠では、対処の方法やが少し異なります。

共通しているのはストレスの存在です。

「眠れない…」への対応は、いかにリラックスした状態をつくるかがポイントです

以下、一時的不眠と慢性的不眠のタイプ別に分けて、対処法(寝る方法)をご紹介していきます。

一時的な不眠の対処法〜五感を活用しよう!〜

翌日に大事な予定がある場合など、いつまで経っても眠れないとあせりますよね。

「眠らなきゃ」と思えば思うほど、かえって目がパッチリ冴えていく…そんな経験を持つ人は、少なくないでしょう。

しかし、その晩限りの「眠れない」は、わりとカンタンに対処することができます

布団に入ってもなかなか眠れないのは、神経がたかぶっているためです。

交感神経が活性化して頭が働きすぎており、心身が眠る態勢に入れていないのです。

五感に働きかけてリラックスすることで副交感神経が優位になり、寝つきやすくなりますよ。

こちらの章では、寝つけない夜、手軽にできる「寝る方法」を、五感の視点からご紹介します。

①視覚

①視覚

■1.アイマスクをする

人間は、視覚で多くの情報を取り入れています。

アイマスクをして目を覆うことで、意識を体の内側へ向けることができます。

すると呼吸を意識しやすくなり、体の力が抜きやすくなり、眠れるようになります。

■2.間接照明を利用する

運動する前に準備運動するように、睡眠前もくつろぐ準備をしましょう。

間接照明の光はたかぶった神経を静めやすく、呼吸も穏やかになります。

昨今ではさまざまな種類の間接照明が販売されていますが、筆者のオススメは、「ルミナラ」という、ロウソクのようなLEDライトです。

暗闇のなかでゆらゆら揺れる炎のような光をじっと眺めていると、眠りやすくなりますよ。

②聴覚

②聴覚

■1.音楽をかける

ヒーリングミュージックをかけて呼吸に集中しましょう。

波や自然の音などの環境音、α波が出るものだと、よりリラックス効果が得られます。

ただし、眠った後も音が鳴っていると睡眠を妨げることがあるので、寝ついた後は音が切れるようにタイマーを利用できる再生装置を使いましょう。

■2.耳栓をする

周囲の音が気になって入眠できないときは、耳栓をすると落ち着けます。

ご自分に合ったものなら、どんなものでも構いません。

筆者自身に効果のあった耳栓は、「モルデックス」という商品です。

③嗅覚

③嗅覚

■アロマを活用する

アロマテラピーは、香りで脳に働きかけることによって、リラックスを促してくれます。

心地よい香りに包まれることで、身体の緊張が緩み、副交感神経が優位な状態をつくりやすくなります。

入眠前にはラベンダーやオレンジ、ベルガモットなどの香りがおすすめです。

また、それらをブレンドした睡眠向けのオイルも販売されています。

アロマの代わりにピローミストを用いてもよいでしょう。

ピローミストは、東急ハンズ、ロフト、生活の木などのお店で売られています(近くに店舗がない場合は、ネット通販も見てみましょう)。

④味覚

④味覚

■あたたかい飲み物を飲む(カフェインを控える)

布団の中で考え事をしたり心配事に悩んでいたりすると、無意識に呼吸が浅くなりがちです。

呼吸が浅いと血流が悪くなるので、あたたかいものを飲んで、固まった筋肉をほぐしましょう。

ただし、日本茶やコーヒーなど、カフェインを含んだ飲み物は覚醒効果があるので、飲まない方がよいです。

実はコーラやエナジードリンクにも大量のカフェインが含まれていますので、夕方以降は控えましょう。

筆者は、夜にはカモミールティー、クロモジ茶、黒豆茶を好んで飲みます。

⑤触覚

⑤触覚

■額や首の後ろを冷やす

夜の仕事や考え事等で頭を使いすぎたときには、頭部に熱が溜まっています。

頭に血が上った状態では寝つくのが難しいので、布にくるんだ保冷剤を当てたりして、脳をクールダウンさせましょう。

これはNG行動!

これはNG行動!

■1.寝酒

アルコールを摂取すると、その分解過程で覚醒効果が現れ、夜中に目を覚ましやすくなります。

かえって睡眠に悪影響になるので、眠れず困っている際には避けましょう。

■2.スマホ・パソコンの操作

スマートフォンやパソコンから発せられるブルーライトは、日光に近い性質を持ちます。

そのため、ブルーライトが目から入ると、脳や体は「今は朝だ!」と思い込んでしまい、眠れなくなることがあるのです。

また、寝る前に情報を取り入れることで脳が働くので、睡眠に適しません。

以上、一時的な不眠を解消する、五感を働かせた「寝る方法」とNG行動をご紹介しました。

いずれの方法も、単体で行っても構いませんが、併用するとより効果があります(例:アイマスクをして、ヒーリングミュージックをかけながら、アロマを焚く)。

慢性的な不眠の対処法〜長期的な視点で取り組もう!〜

眠れない日が何日も続くと、心身ともにつらくなってきますよね。

一時的な不眠と違い、慢性的な不眠症になっている場合は、リズムを整えるためには最低でも2週間必要になることが多いです(時差ボケと同じですね)。

というのも、慢性化した不眠症は、その晩限りの不眠に比べて、習慣化してしまっているからです。

慢性的な不眠では、
ストレスから眠れない
→眠れない日が続く
→それがまたさらなるストレスになる
→布団で眠れないことが当たり前になる
→布団=眠れない場所という認識が根づく
→ストレスになる
と、悪循環に陥っていることが多いのです。

この悪循環を断つために役立つ情報を、4つの視点でご紹介します。

慢性化した不眠は一朝一夕には改善しませんが、気長に取り組めば大丈夫です。

①生活習慣・睡眠環境の改善

①生活習慣・睡眠環境の改善

健康な睡眠をとるためには、よい習慣・環境が大切です。

どんな習慣・環境がより適切なのか、いくつか挙げてみましょう。

■1.寝具を変える

ふだん使っている寝具が、実は自分に合っていない…なんてこともあります。

枕の高さが合わないだとか、マットレスが硬すぎて体が痛いだとか。

一度見直してみるのがよいでしょう。

例えば、ストレートネックの場合は、枕を使わなかったり、自作してみたりするとよいそうです。

また、パジャマやシーツなど、肌に触れるものを、自分にとって心地のよいグッズに変えるのもよいでしょう。

また、季節性も重要です。例えば、暑い季節には通気性のよい寝具を使うと寝つきがよくなることがわかっています。

■2.運動量を増やす

運動は睡眠の構造を変え、睡眠の質を高めることがわかっています。

運動自体が睡眠に影響するというよりは、運動による体温変化がキモのよう。

運動後、しばらくすると体温が下がります。

ヒトは体温が下がるときに眠りやすくなるので、睡眠が促進されやすくなるのです。

自分は運動してないな、と思う方は、運動量を増やしてみましょう。

■3.入浴時間に注意する

入浴時間に気を配ってみましょう。

ヒトは、体温が高い状態だと眠りづらくなるのです。

入浴直後は体温が上がるので、なかなか眠れません。

入浴は、寝る直前ではなく、寝る2時間くらい前を心掛けましょう。

■4.過集中を解消する

休憩中・OFFの日にPCやスマホをいじらないことが大切です。

頭が冴え続けていると、リラックスできません。

つくるべきは「普段と違う、余暇・余時間」です。

しっかり休みたいときは、活動と休息のバランスをとることが重要です。

■5.眠くなるまで布団(寝室)に入らない

眠くないときに無理に布団(寝室)で過ごす日が続くと、ヒトの頭は「布団(寝室)=眠れない場所」と認識するようになります。

そうすると、布団(寝室)にいると、ますます眠れなくなってしまうのです。

眠くなるまでは布団(寝室)に入らず、本を読んだりラジオを聴いたりなどして過ごすのがよいでしょう。

特に、興味のない分野の本やラジオを試してみると、退屈して眠くなることもあります。

■6.寝床で悩まない

何か不安や心配ごとがある場合は、寝床につく前に紙に書き出す、リスト化するなどしておきましょう。

そうすると、布団の中で悩まなくなり、眠れるようになります。

そもそも、夜中には考える力が落ちているので、布団の中で悩んでも空回りに終わることも少なくありません。

悩みが解決しないために毎晩同じことを悩み続け、毎晩眠れない…という悪循環も避けられます。

②短期睡眠行動療法

②短期睡眠行動療法

短期睡眠行動療法は、筆者の不眠改善には最も効果がありました。

短期睡眠行動療法は、精神療法の一種である認知行動療法を改良して、うつ病の不眠を治すための精神療法として開発されたものです。

「精神療法」と聞くとちょっと大掛かりに思えるかもしれませんが、医者にかかっていなかったり、うつ病の方でなかったりしても、実践可能です

市販のワークブックを使って、一人で実践することができます。

詳細は、書籍『自分でできる「不眠」克服ワークブック 短期睡眠行動療法自習帳(渡辺範雄著、創元社刊)』に記されていますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

短期睡眠行動療法ワークブックの趣旨は、

  • 自分の不眠の状態を観察しながら、それに合わせて睡眠行動療法を行っていく
  • 8週間で不眠をよくすることを目指していく
  • 最初の4週間でやり方を覚え、次の4週間でそれを続ける

というものです。

まずは、毎朝起きたとき、専用の書式に昨晩の睡眠の日記をつけ、睡眠の概要を記録します。

1週間分のデータが溜まったら、そのデータをもとに、自分に合った治療プログラムを作成していきます。

第2週目は睡眠のスケジュールをつくり、第3週目でそれを調整します。

こういった具合に、少しずつステップアップしていき、それを8週間続けることで、自分で自分の「睡眠力」を把握・改善して、不眠を治療することができるようになっていきます。

③リラクゼーション法

③リラクゼーション法

リラクゼーション法は、緊張を解き、ストレスの悪影響を和らげるために行われることがあります。

また、リラクゼーション法は睡眠の誘導、痛みの軽減、落ち着いた気持ちを得るために用いられることもあります。(参考:厚生労働省「総合医療」情報発信サイト)

世の中には、呼吸法、自律訓練法、漸進的弛緩法、マインドフルネスなど、さまざまなリラクゼーション法があります。

これらの方法に慣れて、リラックス状態を10分程度続けられるようになると、覚醒と睡眠の中間にあたる半覚醒状態をつくることができます。

半覚醒状態には睡眠導入効果があり、この状態を経て眠りにつくと、より良質な睡眠がとれるといわれています。

ただ、独学でリラクゼーション法を実践するのは、そう簡単ではありません。また、覚えることがストレスになってもいけません。

書籍や動画サイトでいろんな方法が紹介されていますが、手軽に試せるのはアプリです。

アプリ「瞑スーン」や「寝たまんまヨガ」は、インストラクターの誘導に従えばよいだけなので、おすすめです。

④睡眠外来・心療内科への通院

④睡眠外来・心療内科への通院

慢性的な不眠そのものも大変なことですが、不眠が長引くとうつ病などの精神疾患に発展することもあります。

「不眠なんて、医者にかかるほどのことじゃない」と決めつけず、睡眠外来や心療内科を受診することもオススメです

睡眠導入剤に抵抗がある方も多いと思いますが、近ごろは依存しにくいタイプの薬も存在します。

副作用などもしっかり確認しつつ、自分に合う治療法や薬の服用を行いましょう。

なお、残念ながら薬には合う合わないがありますし、別の薬を服用していたりすると処方が難しいこともあります(筆者自身にもあまり効果がありませんでした)。

ですが、筆者の知人は、処方薬を飲むことで不眠があっさり解決しました。

いずれにしても、「通院」や「服薬」を変に重く考えず、リラックスして受診してみましょう

書籍を読んで、睡眠への理解を深めよう

睡眠の科学的・医学的な知識を高めることは、睡眠の質を高めることに繋がります。睡眠への理解を深める書籍を紹介します。

『子どもの睡眠ガイドブック ―眠りの発達と睡眠障害の理解―』

駒田陽子・井上雄一/編、朝倉書店/刊

子どもたちの睡眠を阻害する要因に対応すべく,子どもの睡眠の関する科学的知識・生活習慣の指導のあり方を模索する医師・教師に座右の一書です。(朝倉書店ウェブサイトから)
多くの専門家が関わって執筆された一冊です。

『8時間睡眠のウソ 日本人の眠り、8つの新常識』

川端裕人・三島和夫/著、集英社/刊

『ためしてガッテン』や『名医にQ』でおなじみの専門家が、理想の眠りを解き明かす。社会人や学生のパフォーマンス向上だけでなく、子育てから高齢者の認知症ケアまで網羅した「睡眠」本の決定版!(集英社ウェブサイトから)
とても読みやすい一冊です。

『極論で語る睡眠医学』

河合真/著、香坂俊/監修、丸善出版/刊

著者は米国の睡眠医学臨床研究を行った唯一の日本人医師。科目横断的な疾患テーマで睡眠医学を語る。OSAS(睡眠時無呼吸症候群)、不眠、ナルコレプシー、パラソムニア、概日リズムと睡眠覚醒リズム障害などを解説。「入院病棟」「救急外来」「ICUの現場」で役立つ睡眠医学の究極のアプローチ。米国スタンフォード大学睡眠医学センター直伝の「睡眠医学」が満載。(丸善出版ウェブサイトから)
タイトルは過激ですが、内容は実にオーソドックスでよい一冊です。

まとめ〜あなたに合う「寝る方法」が見つかりますように〜

まとめ〜あなたに合う「寝る方法」が見つかりますように〜

不眠改善に役立つ方法をご紹介してきました。

ここまでの内容をまとめます。

ヒトは、十分な睡眠をとることで、心身を健やかな状態に保つことができます。

現代では不眠症に悩む人が少なくありませんが、その原因にはストレスが関係しており、いかにリラックスした状態をつくるかが不眠改善のポイントになります。

不眠の対処法は、一時的な不眠と慢性的不眠で異なります。

それぞれの内容は、以下のとおりです。

【一時的な不眠への対処法】

  • 寝る前に神経がたかぶっていると、交感神経が優位な状態にある。身体が休息モードに入れていないため、すんなり寝つきにくい。
  • 休息に必要な副交感神経を優位にさせるためには、「五感に働きかけて、心地よさを感じること」がポイント。
  • 寝る前の飲酒やスマホ・パソコンの操作は、睡眠には悪影響。

【慢性的な不眠への対処法】

  • 不眠が習慣化して悪循環に陥っているため、即効性はあまり期待できない。
  • 生活環境を見直す、短期行動療法を実践する、リラクゼーション法を習得するなど、気長に取り組むことが慢性的な不眠改善につながる。
  • 睡眠外来や心療内科を受診することもオススメ。

以上の方法を試し、ぐっすり眠れるようになり、あなたの生活が充実するよう願っています。

さて、私たちキズキ共育塾は、不登校や引きこもりの当事者・経験者など、主には「お悩み」を抱える方々の学び直しを支援する個別指導塾です。

お悩みのテーマには、「不眠」もあります。

そしてキズキ共育塾では、医師監修のもと、授業と並行して「睡眠改善プログラム」も実施しています

「勉強をやり直したいけど、不眠症状がつらくて不安…」など、ご興味のある方はお気軽にご相談ください(ご相談は無料です)。

勉強方法とともに、あなたのための「寝る方法」や「睡眠の質を高める方法」を提案できると思います

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