学習支援とは~学習とメンタルサポートの取組~
こんにちは。キズキ共育塾・講師の吉田知愛です。キズキ共育塾では理系科目の指導を5年ほど担当しています。
今回は、「キズキ共育塾の学習支援」について、ご紹介します。
お読みになって興味を持っていただけたら、講師やスタッフにぜひご応募ください。
キズキ共育塾の理念や私の経験をもとに、キズキ共育塾が考える学習支援についてお話しします。
キズキの学習支援とは、「勉強の指導」と「メンタルのサポート」を同時に行うこと
キズキ共育塾の理念や私の経験をもとに、キズキ共育塾が考える学習支援についてお話しします。
キズキ共育塾の学習支援とは、
- ①不登校・ひきこもり・高校中退などの「困難」「挫折」を経験した方が再び前に進めるように、
- ②「勉強の指導」と「メンタルのサポート」を同時に行うこと
です。
キズキ共育塾を運営する株式会社キズキは「何度でもやり直せる社会をつくる」という理念を持っており、「困難」「挫折」を経験した生徒さんの支援は、その理念を実現するための事業です。
その内容として「勉強の指導」と「メンタルのサポート」の両方を重視しているのは、以下の理由によります。
キズキ共育塾の生徒さん(のような、不登校・ひきこもり・高校中退などの当事者・経験者)には、
「勉強から離れていた方」や
「勉強に苦手意識を持っている方」で、
かつ
「メンタルが弱っている方」
「自己肯定感が低い方」
「コミュニケーションが苦手な方」
「(家族以外との)コミュニケーションから離れていた方」
が大勢います。
特にそうした方々にとって、勉強とメンタルは密接に結びついています。
つまり、どちらか一方だけでは、生徒さんが前に進むための十分な支援ができないということです。
この「勉強とメンタル」を組み合わせた授業を行うことで(=学習支援を行うことで)、生徒さんが自分に自信を持ち、前に進むことが可能になるのです。
このことを、これから具体的に説明していきます。
キズキ共育塾の学習支援①勉強の指導
困難を経験した生徒さんに勉強を教えるためには、講師と生徒さんが信頼関係を築くことが大切です。そして信頼関係を築くためには、しっかりした学習指導をすることが大切です。
後述しますが、キズキ共育塾の授業の特徴の一つに「勉強に関係のない雑談も自由にできる」ことがあり、生徒さんからも好評をいただいています。
ですが生徒さんの中には、コミュニケーション(会話)が苦手な方や、あまり人と話したくない方もいます。
そういった方には、初回の授業でお互い簡単な自己紹介をした後、すぐに勉強に入ります。
この「すぐに勉強から入る」という方法が合っている生徒さんも少なくありません。
私の担当した生徒さんにも、初めは貝のように口を閉ざしていたのに、授業が進んで、問題が解けるようになったりすると、緊張が取れたのか、笑顔でいろいろなことを話してくれるようになったこともありました。
簡単に言うと、
「勉強で自信がついたことで、他人とコミュニケーションを取れる余裕が出てきた」
「この先生の授業を受けて勉強ができるようになったから、この先生とコミュニケーションを取りたくなった」
といった感じでしょうか。
学習の状況とメンタルの状況は相互に影響しており、学習が進むことでメンタル面が安定することがある、ということです。
そのため、キズキ共育塾の講師は、「自信を持って、わかりやすい授業をする」ということを心がけています。
授業がわかりにくかったり、生徒さんの質問に答えられなかったりすれば、生徒さんは「この先生についていっても合格できないかも…」と不安になってしまいます。
逆に、講師がわかりやすい授業をすることで、生徒さんは「がんばれば何とかなりそうだ」と感じられるようになり、メンタル面も安定します。
生徒さんが特定の科目に苦手意識を持っている場合は、その科目に興味を持ってもらえる工夫を取り入れることも必要です。
例えば、理科だと、実験の動画を一緒に見る、可能であれば簡単な実験をしてみる、身近な話題にひきつけて伝えるといったことなどを通して、その科目の楽しさが伝わるようにしています。
また、効率のよい受験勉強のやり方を伝えることも大切です。不登校経験があるなどブランク期間が長い場合、どうしても「受験に間に合うか」といった焦りが生まれます。
しかし、偏差値だけの基準ではない「自分に合った学校」を選び、その学校の入試傾向をつかみ、それにあった効率のよい対策を立てることができれば、そういった焦りは多少なりとも抑えることが可能になります。
以上は、キズキ共育塾の学習支援のうち「勉強の向上を通じてメンタルも安定するパターン」です。
キズキ共育塾の学習支援②メンタルの支援
次に、「メンタルの安定を通じて勉強が向上するパターン」についてお伝えします。
キズキ共育塾に入塾する生徒さんは、メンタルに波のある方も多くいます。
また、家族以外の人と話すのが久しぶりという方も多くいらっしゃいます。
そういった生徒さんは、
「先生とうまくコミュニケーションできるだろうか」
「自分はここでうまくやっていけるだろうか」
「自分のことを変だと思われないだろうか」
といった不安や緊張を多かれ少なかれ感じているのです。
メンタルが安定しない生徒さんは、入塾後すぐに勉強に取りかかれないこともあります。
このような生徒さんへの学習支援でまず大切なことは、先ほどと同じで「講師と生徒さんが信頼関係を築くこと」です。
こちらのパターンで信頼関係を築く第一歩は、生徒さんを安心させることにあります。それには、生徒さんの話をよく聴き、相談相手になれるようにすることが大切です。
そのため、キズキ共育塾の授業では、勉強に関係のない雑談も自由にできるのです。
まず、生徒さんに「この人となら話せそう」と思ってもらい(=信頼関係を築き)、将来の展望を示し、学習意欲を持ってもらうことから始まります。そのために、私は基本的に次の3つのステップを踏むようにしています。
①生徒さんが興味・関心のある分野の雑談をして、「この人になら話せそう」と感じてもらう
②生徒さんの気持ちを丁寧に聞くことで、「この人と一緒だと安心できる」と感じてもらう
③生徒さんの得意なこと、好きなことを発見し、将来の展望を示すことで、「勉強してみよう」と感じてもらう
このステップは、講師と生徒さんの個性によって、話題や取り組み方も様々です。
お互いに、映画やマンガやファッションなど趣味の話をする、今日のニュースの話をする、最近行ったラーメン屋の話をする、旅行の話をする、自分の生い立ちの話をする…。
上手く話せない生徒さんの話をきちんと聞き、ときには促し、ときにはじっと待つことで、信頼関係を築くことができます。
信頼関係を築いた後も、受験が近くなると、生徒さんには「受験に間に合うだろうか」「不安が強く勉強が手につかない」といった悩みが出てきます。
こうした不安に対しても、キズキ共育塾の講師は、生徒さんの声をじっくり聴き、気持ちに寄り添い、励ましながら、目標までの道のりをサポートしていきます。
勉強をお休みして、授業時間の90分を悩み相談や進路相談の時間にすることもあります。
そうすると、生徒さんは「またがんばってみよう」という前向きな気持ちになれて、次の授業では90分の勉強に集中できるようになることが多いです。
このように、メンタル面が安定することで、学習面にもよい影響が現れます。
実際の学習支援では「勉強の指導」と「メンタルのサポート」を同時に行うことも
キズキ共育塾の学習支援について、
「勉強の向上からメンタルが安定するパターン」と
「メンタルの安定から勉強が向上するパターン」
に分けてご紹介しました。
便宜上はっきりと分けてご紹介しましたが、実際の授業(学習支援)では、「勉強の指導」と「メンタルのサポート」は、一人の生徒さんに対して、または一回の授業の中で、同時並行的に行うことも多いです。
そのため、キズキ共育塾の講師には、
教科内容をわかりやすく教えるための「プレゼンテーション力」、
生徒さんにその科目に興味を持ってもらうための「科目指導力」、
志望校の傾向に合わせた指導を行うための「受験指導力」、
そして生徒さんのメンタルを支援する「コミュニケーション力」と「共感力」
などが求められます。
これらの能力を高め、効果的な学習支援を行うべく、キズキ共育塾の講師は常に研鑽を積んでいます。
逆に言うと、キズキ共育塾で学習支援を行うと、これらの能力が向上していくということです。
未経験者も大歓迎。ご応募、お待ちしております
この記事が、キズキ共育塾の学習支援の特徴について理解するためのきっかけとなりましたら幸いです。
キズキ共育塾は講師やスタッフを積極的に募集中ですので、興味を持った方はぜひ募集要項をご覧の上、ご応募ください。
この記事を読んで「ちょっとハードルが高いかも…」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、キズキ共育塾の講師・スタッフの半数は、教育関係の仕事も支援・福祉関係の仕事も未経験からスタートしています。
キズキ共育塾には未経験者をサポートする仕組みと、講師・スタッフが気軽に話し合える雰囲気がありますので、ご安心ください!
ご応募、お待ちしております。
2017年10月12日掲載。
監修キズキ代表 安田祐輔
やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための「キズキビジネスカレッジ」も運営。
【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2022年7月現在9校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)
【著書など(一部)】
『暗闇でも走る(講談社)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』
日経新聞インタビュー『働けたのは4カ月 発達障害の僕がやり直せた理由』
現代ビジネス執筆記事一覧
【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)
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