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元ひきこもり芸人 山田ルイ53世氏インタビュー【第1回】

実は元ひきこもりである髭男爵 山田ルイ53世氏に、キズキ共育塾がインタビューを行いました。キズキ共育塾は、不登校・ひきこもり・中退などの挫折を経験した方々のための学習塾です。全4回でお届けします。(山田氏のご経験については、ご著書「ヒキコモリ漂流記」に詳しく書かれています。)
第1回目となる今回は、「学校・地域・家庭〜挫折を取り巻く人間関係〜」です。

インタビュアー:株式会社キズキ代表取締役社長 安田祐輔(写真左)


私立中学時代の格差と劣等感―友達はいたけれど

子どもはちょっとしたことで格差を感じ、ざっくり傷つく

安田:本日はよろしくお願いいたします。ご著書を読み、ぜひお話をお伺いしたいと思っておりました。

山田さんは私立中学校を中退されていらっしゃいますが、実は、僕も私立中学校を中退しており、ひきこもりの経験もあります。

山田氏:辛気臭いインタビューになりそうやな、ハッハッハ!

安田:「私立中学校では、お弁当の中身で同級生との格差を感じた」と書かれていましたね。僕も同じような境遇で、進学した私立中学校の同級生はみんな当時流行っていたエアマックスを履いていたのに、僕だけ買ってもらえなかったんです。家庭環境による文化資本の差を感じました。

山田氏:子供の感じる格差って、そういう、ホントにちょっとしたことですよね。腕時計をしているかしていないか、お弁当のおかずがどうだとか。でもそれで結構ざっくり傷つくというか。

まあ、お弁当について言えば、格差もあるんでしょうけど、うちのオカンが怠けてたってこともあると思います。弁当に、白いご飯がわーっと入ってて、前の日の煮物がちょっと入っていた日がありました。蓋を開けたときに食パンが入っているのかと思いましたよ。耳かと思った部分をよく見ると、あ、これ煮物やわと(笑)。

劣等感がちょっとずつたまっていったのかもしれない

山田氏:ただ、「友達がいない」という状況ではなかったんです。サッカー部でレギュラーだったし、成績も多少よかったし。クラスで孤立してるとか一人ぼっちだということもなかったんです。

ですが、ちょっとしたこと、例えばその日持っているお金の額とか、「あ、みんな普通にハンバーガーショップとか行くんや」みたいな部分が気になることはありました。

もちろんそれは「クソー!」みたいなことではないんですけど、劣等感や、気がひけるというか、そういう部分はもしかしたら澱のように心にちょっとずつたまって行って、ある日「ひきこもり」という大きなことにつながった一因になっているのかもしれませんね。

かといって、貧乏人は私立に行くな、とは言えませんしね。

安田:みんないい人だったのに、勝手に劣等感を感じてしまう、ということはあるかもしれませんね。

山田氏:あんまり言いすぎると、学校が悪いみたいになるんですけど、実際はそんなでもないんだと思います。「そう感じる子もいれば、そうでもない人もいる」というような感じで。ただ、少なくとも僕は多少の引け目は感じていた、ということです。

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元ひきこもり芸人 山田ルイ53世氏インタビュー