ひきこもりと大学中退、再入学を経験。生徒さんの成長を間近で見守れることが嬉しい
人付き合いの苦手さが災いし、大学時代にひきこもり、中退に。
高校生までは、勉強ばかりしている生徒でした。
そのため、人とコミュニケーションをとることが不得手なまま、大学に進学しました。
案の定、大学入学後にうまく人間関係を構築することができず、その上劣等感も覚えました。
私とは対照的に、他の学生は問題演習を手早くこなし、実験についても実に要領よく行っている。
そのような姿を見て、我が身を省みて、沈鬱な気持ちにならずにはいられませんでした。
そんな日常に耐え切れなくなり、いつしか人との関わりをますます避けるようになり、ひたすら家にこもってゲームに明け暮れるようになりました。
結果としてこのような時期は数年間続きましたが、そのうちに流石に単調な生活に嫌気が差してきました。
そんな折、手持無沙汰を紛らわそうと、久しぶりに大学まで足を運んでみたところ、キャンパス内の掲示板に、「水俣病のスタディツアー参加募集」の告知が貼ってありました。
「これなら人との関わりに慣れていない今の自分でも参加できるかもしれない」と思い、すぐに参加を決めました。
ツアーの中で、水俣病被害者の方々からお話を聞く機会があり、それを機に、環境について学びたいという思いがふつふつと沸き上がってきました。
当時在籍していた学部ではその思いを実現できそうになかったため、心機一転しようと、別の大学に再入学することを決めました。
そこで、当時通っていた大学を中退し、別の大学の農学部に入学しました。
環境のことを学びたかったのはもちろんですが、同時に、過去の自分の経験から、「生徒の成績を上げることだけが教育の目的なのか?」ということは、常々疑問に思っていました。
そこで、環境と教育の双方を学ぶことのできる学科を選びました。
塾講師を始めたのは、大学再入学後、大学2年生のときです。
アルバイトを通じて人との関わりを求めてもいましたし、自身の受験勉強の経験を活かせるのではないかとも思ったからです。
仕事を始めてみると、その面白さにどっぷり浸かっていきました。
担当する生徒さんの成績が段々とよくなっていき、顔をほころばせて笑うのを見ているのが好きですし、「生徒さんにとってわかりやすい授業とはなんだろう?」と、日々考えながら、授業のやり方を工夫していくことにも面白みを感じています。
大学卒業後は、塾講師の傍ら、以前から興味のあった、教育関係のNPOの活動に関わっていました。
幼稚園児や小学生の前で、いじめ防止、あるいは誘拐防止の講座を行ったり、不登校になった中学生の学習支援を行ったりしていました。
その後、東京ボランティアセンターの仲介で、キズキ共育塾の存在を知りました。
HPを見てみると、温かみがあって、塾の雰囲気がよく伝わってくる、充実したものでした。
また、私自身3年間の引きこもりを経験し、大学に通い直しています。
そんな私にとって、キズキが掲げている、「何度でもやり直せる社会をつくる」という言葉には魅力を感じました。
「また学び直したい」キズキ共育塾ではその思いを形にするサポートを、勉強面とメンタル面の双方から行います
この仕事を通じて意識しているのは、生徒さん一人一人の自主性を育てる、ということです。
こちらから手とり足取り教えてしまうのではなく、ヒントを与え、それをもとに生徒さん自身で発見してもらう。
そのプロセスを通じて、より生徒さん自身が成長できると考えています。
「いつも授業に遅刻していた生徒さんが遅刻しなくなった」
「なかなか手をつけてくれなかった宿題をやってくるようになった」
「授業中に板書したことをきちんとノートに取れるようになった」
そんなことはできて当たり前だ、と思われる方もいるかもしれません。
けれど、小さなこと、基本的なことに見えても、何年も勉強から離れている場合が多いキズキ共育塾の生徒さんにとっては、大きな変化です。
私が担当したある生徒さんなどは、入塾当初は表情が硬く、ただ話をするだけでも一苦労で、一言一言絞り出すようにして話していました。
でも、授業を重ね、信頼関係を築いていくにつれて、その生徒さんの表情は段々と明るくなって口数も増え、勉強にも積極的に取り組めるようになりました。
このような変化の手助けとなり、その様子を間近で見守ることができることは、キズキ共育塾で働いている講師ならではの楽しみであり、やりがいだと思います。
キズキ共育塾に通われている生徒さんの中には、メンタル面で弱っているような方も少なくありません。
初めのうちは、それこそ週一回通塾することすら難しかったりします。
そのような生徒さんに対して、どういう支援を行っていくのかは、日々考えさせられています。
受験のことだけを考え、過度に勉強しろと発破をかけてしまうのでは、かえって生徒さんをますます焦らせ、追い詰めてしまうことになります。
授業時間中であっても、ときには雑談の時間を取って、生徒さんの話に耳を傾けたり、相談に乗ったりすることも、キズキ共育塾の講師としての大切な仕事です。
適宜気分転換を図りながら授業を行い、勉強面と精神面の両面からサポートを行う必要があります。
それを実現するため、どのような塩梅で授業を行うのか。
そこを模索している毎日です。
メッセージ
キズキ共育塾は、不登校やひきこもり、中退を経験した生徒さんを支える塾として、最高の講師やスタッフが揃っている塾だと思います。
アットホームな雰囲気で、談笑にあふれています。
教室内には、あるときは誰も知らないような世界史の興味深い知識を、朗々といかにも楽しげに語る講師の声が聞こえると思いきや、またあるときは最近話題のゲームについてその面白さを延々と議論する、講師と生徒の白熱した掛け合いが展開されていたりもします。
自分が授業を行っているときに、このような話が聞こえてくると、思わず微笑んでしまいます。
働いていて、すごく居心地のよい場所だなと思わずにはいられません。
キズキ共育塾で働いている講師の方々にも、何らかの形で過去に困難を経験されている方が多いです。
そのような経験のない方にとっては特に、「自分がこの塾で働いても大丈夫だろうか?」と、不安に思うかもしれません。
ですが、採用後の研修がしっかりしていますし、定例の講師ミーティングなどを通じ、講師たちの間で学び合う機会は多いです。
ですから、敷居の高さを感じずに、興味があればぜひ応募していただきたいと思います。
特別な才能は必要ありません。
生徒さんの立場に立って、その気持ちに寄り添えること、そして、もっと生徒さんのことを知りたい、信頼関係を築きたいという向上心を持つことさえできれば、キズキ共育塾の講師として充分働くことができると思います。
キズキの門戸を叩かれる日をお待ちしています。