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前職を退職後、未経験・無資格から支援員・現場責任者に。「直接人の役に立っている」という手応えを感じます


中山美奈子(なかやま・みなこ)
短大卒(服装学科)
中学校までの英・国・数・理・社。「現場責任者」も行う

中山美奈子講師(公民連携事業)。埼玉県出身、神奈川県横浜市在住。

■担当事業
関東で、「公共施設などで行う、教室型の、『生活困窮などの、困難な環境にある中学生・高校生』の学習支援」など、複数の事業を担当。
■趣味など
好きなことは、「普段行うこと」「日常のこまごましたこと」を楽しむことです。物を片付けるときに場所を決めたり、料理の盛り付けを工夫したりしています。特技も、しいてあげれば整理整頓ですね。これは、この仕事でも役立っています。
(2024年6月15日公開)

■やりがいは、困難な状況にある子どもたちにとっての“いい居場所”を作れていること

やりがいは、困難な状況にある子どもたちにとっての“いい居場所”を作れていること

公民連携事業の支援員・現場責任者(※)は、仕事としては大変な部分もありますが、「直接人の役に立っている」という手応えを感じます。

※事業によって異なりますが、私が参加している活動では、「実際に子どもたちのサポートを担当する人」を支援員、「支援員たちのマネージメントなどを行う人」を現場責任者と呼びます。ともにアルバイトまたはボランティアとして担当可能です。後でまた紹介します。

やりがいは、「生活困窮世帯など、困難な状況にある子どもたちにとっての“いい居場所”を作れているなと思えることですね。

生活支援の場での子どもたちは、本当にいろいろなことをして、楽しそうに過ごしています。

例えばカードゲームをしたり、レジンアクセサリーを作ったり、ダンボールで作った道具を使ってお家ごっこをしたり、お料理やスイーツ作りなどもします。

また勉強(主に宿題)もしますし、ときには公園に行って大人と一緒に走り回ったり。片付けや掃除など、日常生活に必要なこともできるように頑張っています。

そうした日々のなかで、みんないろいろなことを話してくれます。

後でも述べますが、「イベント(ハロウィンやクリスマスなど)を行う」と言うと、すごく楽しみにしてくれます。パンフレットを作ってくれる子どももいます。

特に2年、3年と通っている子どもは、しっかりしてきた、料理を作れるようになった、私をサポートする発言をしてくれるようになったなどの変化もあります。

おやつを食べるときに真っ先に自分のぶんをたくさん取ってしまっていた子が、年下の子に先を譲るようになったり、みんなで平等に分けることを提案したり。

遊びっ放し食べっ放しだった子が、言われなくても片付けるようになったり、片付けない他の子に対して「片付けて!」と声をかけるようになったり。

子どもが自分のお母さんのことを「うちのママはね、こうなの」などと話していたときに、私のことを「◎◎ちゃんは第2のママ!」と言ってくれたり。こういう言葉は本当に嬉しいですし、やりがいに繋がりますね。

また、子どもたちと接する「メリット」というかはわかりませんが、子どもたちの興味や流行を知ることもできます。

最近の話で言うと、「YOASOBIって流行っているんだなー」と実感しました。

当たり前かもしれませんが、「子どもと関わる仕事」をするまで、多くの子どもと関わる機会はなかったので、今でも新鮮です。

そして、支援員の仲間たちにも、年齢・性別が様々な人たちがいます。

仲間と話すことで、情報をいただくというか、自分の幅を広げるというか、そういうこともすごく楽しんでいます。

大学生とも日常的に接することはないので、話すうちに「今の大学ってそうなんだ」みたいなことを知ったりですとか。

この仕事でなければ体験できないことだなと思います。


■キズキ社員には情報共有や相談がいろいろできる

支援現場には、キズキの社員が毎回来るというわけではありません。日常の業務は、私たち支援員や現場責任者だけで活動できるような仕組みになっています。

社員には情報共有や相談がいろいろできて、「とてもやりやすい」「ありがたい」と思います

社員が現場にきたときには「とても丁寧で、安心できる」と思います。

そうした環境で、気持ちよく働けています。


■大切なことは、「子どもが本当に伝えたいことは何か」を考えること、自分だけで抱え込まないこと

大切なことは、「子どもが本当に伝えたいことは何か」を考えること、自分だけで抱え込まないこと

公民連携事業の支援員・現場責任者として、自分が普段心がけていることは二つあります。

一つは、「子どもの『表に出てくる言動』だけをとらえない」ということです。

「本当に伝えたいことは何か、どういう気持ちなのか」を常に考えるようにしています。

その上で、子どもがよくない言動をしたときに、その言動を注意することはあっても、その子の気持ちや存在を絶対に否定しないと、日々肝に銘じています。

もう一つは、「自分一人だけでやろうとしない(独善的・独りよがりにならない)」ということです。「自分だけで抱え込まない」という言い方もできます。

キズキの公民連携事業に参加するにあたって、社内研修や主催自治体の事業受託者研修などを受けています。

そうした研修を受けていると、この支援事業は、あらゆる機関のあらゆる立場にいる大勢の方々が関わって成り立っているということを再認識させられます。

困難な状況にある子どもの支援は、大きく言うと「国を挙げてやっている」ようなところもあります。

また、私が行っているのは「キズキが受託した業務の範囲内の仕事」であり、「個人として行う無償のボランティア」ではありません。

「目の前に、困難な状況にある子どもがいる」というのは事実ですが、「『私個人が』なんとかしなきゃ」という気持ちになるのは違うのかなと思います。

ですので、現場で感じたことは、どんなことでも「こんな小さなこと」と思わずにスタッフ間で情報共有して、「必要に応じて、組織として、然るべき対応」を行うようにしています

あくまで例ですが、「明日学校に持っていく必要がある何かの物品」がなくて困っている子どもがいるとしても、私物や、それを買うためのお金をあげるようなことはしません。

「私物やお金をあげること」は、その子どもの今や将来へ繋がる手段ではない…つまり、適切な支援ではないからです。

そういうときには、状況をしっかり共有して、(キズキ以外も含めて)適切なサポートに繋がる橋渡しとなることが、私の役割かなと思います。


■活動を通じて、人との信頼関係を築いていくことが一番大切だと再認識できる

活動を通じて、人との信頼関係を築いていくことが一番大切だと再認識できる

公民連携事業の活動では、全てが学びで、全てが成長ですね。

動揺せず、焦らず、粘り強く取り組んでいくものだと思います。

そして、子どもたちとの交流は、「自分が子どもだったときに、大人に期待していたこと」を思い出させてくれています。

約束を守る、間違いを認める、自分のことをしっかり見てくれる、任せてくれる…そういったことです。

もちろん、大人はそれらが大切であることはわかっています。

でも例えば、大人同士の日常会話では、「相手が前と違うことを言っている」ということがあっても、詳しく聞かずについ「理解」を示すこともありますよね。「何か事情があったんだな」「そういうこともあるよね」「私もやっちゃいがちだな」とか。

子どもたちは、そうではありません。

子どもに「前と言っていることが違う」と思われると、信頼が一気に失われていく感じになります。

そうならないように、こちらとしては、「前と違うことを言うけど、それはこういう理由のために前とは状況が違うからで…」などを、(子どもたちに指摘される前から)丁寧に説明することが必要です。

そしてこれは、大人同士で関わるときにも、本当は常に心がけるべきことなんだろうなと思います。

子どもと関わることで、何事においても人との信頼関係を築いていくことが一番大切だと、改めて認識できたと思います。


■具体的な業務内容〜学習支援と生活支援の2つに参加〜

私は、次の二つの活動に参加しています(ともに関東です)。

①公共施設などで行う、教室型の、「生活困窮などの、困難な環境にある中学生・高校生」の学習支援
②マンションや一軒家などで行う、教室型の、「生活困窮などの、困難な環境にある小学生・中学生」の生活支援

どちらにも、直接的に子どもたちを支援する「支援員」と、教室や支援員たちの管理を行う「現場責任者」という職種があります。

以下、具体的に行っていることを紹介します。ただし、会場によって、また実際に来ている子どもによって、活動内容は柔軟に変えています。

①公共施設などで行う、教室型の、「生活困窮などの、困難な環境にある中学生・高校生」の学習支援

①公共施設などで行う、教室型の、「生活困窮などの、困難な環境にある中学生・高校生」の学習支援

この活動では、勉強のサポート、進路相談、悩み相談を行っています。

私は支援員として活動しています。「支援員1人に対して子ども2人」の体制が基本です。

勉強のサポートについては、よくある内容は、「子どもが持ってきた教材(教科書や宿題など)を利用した授業」です。

また、教室ではキズキがいろんな教材を用意しており、勉強の内容に合わせてそちらも利用します。

進路相談については、担当は支援員ではなく、現場責任者です。

ただ、現場責任者も「どの学校にすべき」というような指導はしません(進路指導は、学校や他の関係機関と方針を合わせた上で進める必要があるからです)。

②マンションや一軒家などで行う、「生活困窮などの、困難な環境にある小学生・中学生」の生活支援

②マンションや一軒家などで行う、「生活困窮などの、困難な環境にある小学生・中学生」の生活支援

この活動では、子どもたちの生活全般に関わるサポートを行います。

私は現場責任者として参加していますが、まずは支援員の活動内容を紹介します。下記をご覧ください。

  • 勉強をサポートする(※1)
  • 室内で遊ぶ
  • 公園で外遊びをする
  • おやつの準備をする(※2)
  • 掃除、片付け、整理整頓を教える
  • 子ども同士のちょっとしたいざこざやケンカを仲裁する
  • イベントを運営する(※)

※1:勉強について
この活動では、勉強のサポートはメインの活動ではありません。現在は、「たくさん行う生活支援の一つ」として、宿題のサポートを行っています。他に、100マス計算などを行うこともあります。

※2:おやつについて
子どもたちが作りたいものを、子どもたちと一緒に作ります。例えば、ホットケーキ、チョコレートパフェ、クッキー、そうめん、かき氷、卵スープ、卵焼きなど。卵関係が多いですね(笑)。

※3:イベントについて
子どもたちのために、様々な季節のイベントを企画・運営します。2023年度では、下記のようなことを行いました。

  • 夏祭り:
    「室内縁日」として、屋台のような感じで、かき氷屋、たこ焼き屋、水ヨーヨー釣り屋、射的屋などを開店しました。子どもたちもアクセサリー屋を出店しました。お店では、エコマネー(地域通貨)で買い物ができるようにしました。会場が1戸建てで大きいので、ご家族の方も招待しました。
  • ハロウィンパーティ:
    仮装パーティです。会場近くの小売店を訪問して、「トリックオアトリート」でお菓子ももらいました。ゲームも行いました。
  • クリスマス会:
    クイズとビンゴを行いました。
  • 遠足:
    市内の公園やアミューズメント施設に行きます。

現場管理者としては、下記のようなことを行っています。

  • 保護者の対応をする
  • 会場の開所・閉所の作業を行う
  • 備品や食材をチェックする
  • 子どもの出欠を記録する
  • 支援員へ業務指示を行う
  • 家庭からいただいているおやつ代を管理する
  • 各種月報を作成する
  • 月1回、自治体の定例会議に出席する
  • イベントを企画・運営する
  • もちろん、支援員の方と一緒に子どもの対応もします

■応募の動機〜直接的に人の役に立つ仕事をしたかった〜

応募の動機〜直接的に人の役に立つ仕事をしたかった〜

改めて、私が公民連携事業に携わるようになった動機を紹介します。

短大卒業後、編集者・ライターとして働いてきました。最初は正社員で、結婚してからはフリーランスとして在宅で仕事を行っていました。

仕事は楽しかったのですが、だんだんと「直接的に人の役に立つ仕事をしたい」と思うようになりました。

そして、「子どもが好き」ということもあり、「行政が主催する、子どもたちへの支援」に関わるようになりました。2015年くらいのことです。

「どこの自治体で、どういう活動を行いたい!」という具体的な希望はなかったので、いろいろ探してみました。

そうするうちに、「会場が家の近所。子どもたちへの学習支援・生活支援。週に1回からでOK、未経験でもOK。どなたでも気軽にご応募ください」というものを見つけて応募した次第です。

当時は、未経験・無資格でOKなところは意外となかったんです。

関連する業務経験が必要だったり、教員免許や保育士や社会福祉士や介護士などの有資格者を歓迎していたり。未経験・無資格OKはありがたかったですね。

そして、最初に参加した活動を現在も継続しています(後で述べますが、当時と今では行政から受託している団体が違います)。

参加した当初は、編集・ライターの仕事と並行していました。そして次第にこちらの方がやりがいが大きくなり、面白くなり、ライフワークの一つにもしたいなと思うようになりました。

現在は、公民連携事業の仕事だけを行っています。


■受託会社がキズキに変更後も、引き続き活動に参加

公民連携事業は、行政(自治体など)が主催者(委託者)です。受託する団体は変わることがあります。

私が参加している2つの活動は、2021年まではキズキではないところ(以下、前事業者)が受託していました。

受託団体が変わるのは、不安でしたね。

私も私以外の方たちも、引き続き活動に参加できるのか(キズキに雇用されるのか)が心配だったんです。

私も含めて、みなさんやりがいを感じていましたので。

ただ、結果としては、私以外も含めたほとんどの方が引き続き活動に参加できる(キズキに雇用される)ことになりました。真面目に活動していたことが評価されたのかな…と思います。


■キズキは、「仕事」であるという意識がいい意味で強い

キズキは、「仕事」であるという意識がいい意味で強い

前事業者とキズキの違いをあえて挙げると、一つは、キズキは組織として新しく、社員も比較的若い人が多いということです。

「だから」というわけではないのですが、私たちが「以前はこのような方法で支援していた」とついつい思うかもしれないようなところで、キズキは目を覚まさせてくれます(笑)。

今はこう、これからはこう、という時代の変化を感じさせてくれるというか。子どもたちだけではなく、私にとっても刺激・学びになっています。

もう一つは、「この活動は、『仕事』である」という意識です。

前事業者は営利団体ではありませんでした。どちらかというとアットホームな感じで、「仕事・ビジネス」というよりは「ボランティアとしての活動」という側面が強かったように思います。

やりがいはありましたし、子どもたちのためにもなっていたと思います。ですが、前事業者では「何をどこまでやるべきか」を日々模索していたようなところがありました。

一方キズキは、営利団体(株式会社)です。

キズキの場合も、社員の雰囲気や、社員とアルバイトの関係性はとてもよいです。その上で、「この活動は、『仕事』である」という意識が、いい意味で強いなと思います。

支援として私たちが行うべきこと・行ってはいけないことが、明確になったと思います。

ただしこれは、「前事業者に比べて、子どもたちのための支援が手薄になった」という意味ではありません。

あくまでも「キズキが受託している支援の範囲、支援員や現場責任者が行うべき支援の方針や業務の範囲」が明確であるということです。

「子どもたちのためにはなるが、キズキが行うべきではないこと」については、行政への連絡を通じて、別の支援者による適切なサポートが行われます。

また、キズキの場合は、子どもたちに対して「上から」の感じがありません。

「前事業者は上からだった」という意味ではないのですが、こちらもキズキの方がより「意識している」と思います。


■応募を考えている方へ〜「とりあえずやってみようか」くらいの気持ちからでも大丈夫〜

キズキの公民連携事業は、自分のやる気次第で、いろんなことを学べます。

「とりあえずやってみようか」くらいの気持ちからでも大丈夫ですので、ぜひ一緒に、子どもたちのサポート活動を行っていきましょう。