自分がサポートを受けてきた恩返しをしたい〜子どもの成長を間近で見れるやりがい〜
三井双葉講師(公民連携事業)。2003年6月生まれ、奈良県出身・在住。自身が経済的に厳しい家庭で育つ。塾に通えない中、中学・高校の先生からサポートを受けてきた。その「恩返し」をするため、キズキの公民連携事業に参加。
■担当事業:
下記の2事業を担当(ともに関西)
①公民館などで行う、教室型の、生活困窮家庭の中学生の学習支援
②学校や家庭で行う、ひとり親世帯・生活困窮家庭・不登校などの小・中学生向けのマンツーマンの学習支援
■趣味:
最近はインドカレーづくりにハマっていて、スパイスを炒めるところから取り組んでいます
■好きなもの:
サンリオのキャラクターが好きです(一番好きなのはクロミちゃん)
(2024年1月16日公開)
■応募の動機〜サポートを受けてきた恩返しをしたい〜
私自身が、経済的に厳しい家庭で育ちました。生活困窮世帯とまでは言えないのですが、塾に通える状況ではありませんでした。
そんな私に、中学・高校の先生は親身になってくださいました。受験の計画を立ててくれたり、メンタルが落ちたときのサポートをしてくれたり…。
大学受験では第一志望には受からなかったのですが、最後までやり遂げることができたのは先生のおかげです。
「自分も恩返しができたらな」と思い、大学1年生の6月くらいからキズキの公民連携事業に参加しました。
元々キズキについて知っていたわけではなく「無償の学習支援を行っているところ」を探すうちに、キズキにたどり着いた感じです。
現在は、次の2つの活動に参加しています(ともに関西です)。
- ①公民館などで行う、教室型の、生活困窮家庭の中学生の学習支援
- ②学校や家庭で行う、ひとり親世帯・生活困窮家庭・不登校などの小・中学生向けのマンツーマンの学習支援
「どこか特定の地域で活動したい」という希望はなかったので、最初は、会場が大学の近くにあるという理由で①に参加しました。
そして、①で活動するうちに、キズキの社員から声をかけられて②にも参加するようになりました。
余談かもしれませんが、私が心理学部に進学した理由の一つは、「沈みやすいタイプなので、自分のために心理を学びたい」です。
そしてもう一つは、高校生の時点で「学習支援を行いたい」という思いがあり、「学習支援を行うためには心理学が役に立つはず」と考えたからです。
■業務内容〜学習支援と相談対応〜
①、②、①②共通の順にお伝えします。
①公民館などで行う、教室型の、生活困窮家庭の中学生の学習支援
こちらでは、講師1人が子ども1〜2名を担当します。
主な業務は、勉強のサポートと相談対応です。
勉強のサポートでは、次の2つを行っています。
- 日々の勉強のフォロー(宿題のサポートや定期テスト対策など)
- 受験に向けた支援(受験の計画を立てたり志望校を対策したりなど)
受験については、それぞれの中学生によって目指す進路はさまざまです。
全日制高校を目指す人も、通信制高校を目指す人も、特別支援学校の高等部を目指す人もいます。
相談対応では、よく聞く話は次のようなことです(私自身に限らず、①の事業全体でよく聞く話です)。
- ご家庭のこと
- 受験についてのこと
- 学校であったちょっと嫌なこと
- 中学生特有のトラブル
- 学校の先生や友達には話しにくいこと
授業の前後には、スタッフ間で準備・報告を行います。
具体的には、「子どもに定期テストの点数を聞く」などのリマインド、子どもが言った「気になること」の共有などです。
②学校や家庭で行う、ひとり親世帯・生活困窮家庭・不登校などの小・中学生向けのマンツーマンの学習支援
こちらは、講師と子どもが1対1の支援です。
私は小学生も中学生も担当しています。
学校で学習支援を行う場合は、勉強を教えるだけでなく、教室で遊んだり、校庭や体育館が使えるときには球技をしたりもしています。
特に不登校の子どもについては、「本人が希望する、学校での学習支援」は、登校の練習の意味もあります。
家庭で学習支援を行う場合、活動は、必ず「保護者の目に入る場所」で行います。
家庭での支援でも、「雑談してはいけない、遊んではいけない」ということはありません。
ですが、子どもとしても「親の前での雑談」は気が引けるのか、結果としては勉強の割合が多くなります。
①と②に共通〜相談対応について〜
相談を受けたときに、その場では回答できないことや、私一人では回答できないこともあります。
例えば「家庭の状況を踏まえた上で、どのように進路を考えるのが望ましいか」などの相談です。
そのようなときには、きちんと調べて後日回答したり、社員も含めて方針を固めてから回答したりするようにしています。
また、「学習支援の業務を受託している、民間企業のキズキ」が直接的には対応できない・対応すべきではない内容の相談もあります。
そのような相談を受けた際には、キズキ社員が委託元の自治体に報告し、自治体と連携して適切な対応を行います。
これは、キズキ・社員・講師それぞれの責任(業務)の範囲が明確であるということだと思います。
■この仕事の、私にとっての4つのやりがい・メリット
この仕事のメリットややりがいはいくつもありますが、ここでは4つ紹介します。
私自身の一番のやりがいは、「恩返し」として、やりたいことができていることです。
2つ目に、子どもたちの成長を一番身近で見られることもうれしいですね。
②の場合、一人の子どもを丸1年間サポートするのでなおさらです。
時間にすると「週に1回の、2時間にも満たない関わり」なのですが、「子どもたちの心の拠り所になれている」と実感することも多々あります。
3つ目に、心理学を勉強するモチベーションがすごく上がりました。
授業を受けていると、「この事例はあの子ども・家庭に似ている」と思うことがあったりして、大学の授業と学習支援の内容が、相互に還元し合っていると思います。
最後に、キズキの公民連携事業の講師・支援員は、活動形態をアルバイトとボランティアから選べるという点です(※一部の事業では、アルバイトのみ募集しています)。
私は、①はボランティアで、②はアルバイトでやっています。
アルバイトについては、単純に「恩返しをしつつ、お金をもらえるのはありがたい」という理由です。
ボランティアについては、私は大学で特待生になっていて、その要件にGPAと課外活動の評価があるからです。
ボランティアを年間通して行うと、課外活動のポイントになるんです。
恩返しをしつつ、子どもの成長を見て、お金をもらえて、特待生の条件も満たせる、とてもいい仕事です。
■キズキのよい部分〜いい人が多い、必要なサポートを実施できる〜
活動に参加する前から、「キズキは教育関係の会社だから、悪い人はいないだろう」とは思っていました。
実際に活動に参加してからは、アルバイト仲間も社員も、「思っていた以上にいい人ばかりだな」と思いますね。
謙虚で、人の立場で物事を考えられる人が多いです。人として、勉強になります。
また、私はキズキで働くまでは、塾講師の仕事も相談支援系のこともやったことがありませんでした。つまりこの仕事は、全くの未経験からのスタートです。
未経験から始めて現在でも続けられている理由としては、私に関する部分としては「人の話を聞くのが好き」だからかなと思います。
自分が中学生だったときにサポートしてくれていた先生に、支援方法のアドバイスを求めたりもしています(もちろん、話してもよい範囲のことだけを話しています)。
キズキに関する部分としては、「プライバシーに関するマニュアル」などがちゃんとありつつ、授業の進め方は自由度が高いからかなと思います。
そのぶん、一人ひとりの子どもに「本当に必要なサポート」を実施できていると思います。
■自身自身の成長〜「大事なこと」を改めて認識する〜
この事業に参加することで、私自身も成長…というか、「大事なこと」を改めて認識させてもらっています。
子どもたちから学んでいると言ってもいいかもしれません。
私が接する子どもたちは、楽しいときには「楽しい!」ということをいろんな方法で表現します。また、「ありがとう」や「ごめんなさい」をきちんと言います。
私自身も、そうしたことをないがしろにしているつもりはありません。ですが、ときに忘れがちであるなとは思います。
子どもたちと接することで、「そういうことは、大事やな」と改めて認識できています。
関連して、現在の私は、将来どういう方向に進もうかを考えている最中です。
教職課程も受けてはいつつ、教員を目指すか、福祉施設もありかな、キズキのような学習支援を行う民間団体もいいし、不登校の子どもが利用できる通信教材を作成するところも…など、進みたい道はたくさんあります。
この事業での活動内容は、将来を検討するためにも役立っています。
■応募を考えている方へ〜簡単な仕事とは言わないが、やりがいはそれ以上に大きい〜
キズキの公民連携事業では、勉強を教えることは大事ですが、それと同じくらい、相談対応をすること、子どもたちの居場所をつくることの意味も大きいです。
科目の勉強を教えることが大事な場面もあれば、友達寄りな関係・フランクな関係が求められる場面も多いということです。
それらを踏まえた上で、「この仕事は簡単」とは言いません。特に②については、一人の子どもを1年間責任を持ってサポートします。
しかし、重大な責任以上に、子どもの成長を見ることができるのは、とても大きなやりがいです。
活動を通じて、自分自身が人として成長できたなと感じることもできます。
そして、私のように全くの未経験からスタートしている人も珍しくありません。
ご興味があるなら、ぜひ応募してみてください。