高校で勉強についていけず不登校気味に。二浪を強みに、同じ苦しみを持つ人のためにキズキへ
初川楓(はつかわ・かえで。仮名)。1996年4月生まれ、千葉県育ち。キズキ共育塾秋葉原校所属。キズキと足立区が連携する家庭教師事業でも活動中。高校時代に勉強についていけなくなったことから、保健室登校に。その後、二浪を経て大学合格。充実した大学生活を送る中、自分の経験を強みにするため、また同じ悩みを抱える人たちの力になるためにキズキへ。趣味は雑貨屋めぐり。大学のサークルでパントマイムを演技中。
楽しく過ごした小中時代
小中高一貫の女子校に通っていました。
小・中学生時代は、よく言えば「いい子」、悪く言えば「自己主張のない子」だったかな…。でも、基本的には楽しく過ごしていました。
小学校の最後に音楽劇のクラブに入り、そのまま中学校では演劇部に入りました。
特に中学では部活に打ち込んでいました。年に1回くらい役者もやりながら、基本的には音響を担当して。
勉強は苦手ではなかったのですが、そのぶん、一生懸命には取り組んでいませんでした。
高校で進学コースに入り、ついていけずに保健室登校に
高2のときから、いわゆる「進学コース」に入ったんです。
もともと進学コースに入るつもりはなかったんですけど、親の勧めもあって医学部を目指すようになり、結局は自分で希望を出しました。
そこで、勉強についていけなくなったんです。
それでも2年生のときは必死についていこうとしていたんですけど、3年生になってからは糸が切れたというか…。
部活、委員会、家庭などでちょっと不安定な出来事が続いたことも理由だと思います。
また、「一般受験で医学部を狙うのは難しいかも。推薦をもらいたいな」と思っていたのですが、それも諸事情で叶わなくなって。
3年生の7月くらいからは、保健室登校をするようになりました。
「学校に行かなきゃ」って気持ちと、「休まなきゃ」って気持ちが両方あって、葛藤していましたね。
出席日数と単位は足りていたので、保健室登校を続けながら高校卒業はできました。
医学部の受験もしたんですけど、不合格でした。
二浪を経て、法政大学に合格
浪人になり、予備校通いを始めました。
最初の方は楽しく通っていたんですが、中だるみして、途中で行かなくなりました。
予備校に行かなくなるにつれて気分も落ち込んでいって、最後の方には引きこもりっぽくなっていましたね。
この年も、医学部受験はしたんですけど、不合格でした。そして2浪目へ。
2浪目は、いわゆる「宅浪」でした。
1浪目までは医学部受験を続けてはいたのですが、実はと言うか、高2の時点で、「絶対に役に立つ」という理由から法学部に入りたいとも思っていました。
そこで、親とも話し合い、この年は法学部をいくつも受験し、いくつかの大学に合格。
結果私は、法政大学法学部に入学しました。
浪人時代にはカウンセリングにも行っていて、先生と相性がよくて気が楽になりました。
適切に人を頼ることの大切さを実感しましたね。
他には、観劇好きの友人が貸してくれた様々な種類の演劇のDVDにも、ものすごく感動しました(リアルタイム世代ではないんですけど、サクラ大戦の舞台が一番よかったですね…)。
当時の自分は受験生だし浪人生でもあるわけですけど、そういう「勉強以外の楽しみ」がないと、もっと追い詰められていたのではないかと思います。
充実した大学生活。自分の経験を強みにしつつ、悩みを抱える人のためにキズキへ
大学に入り、思ったとおり、法律の勉強はすごく楽しいです。
予想外に楽しいこととしては、周りは私の「二浪」という経歴を意外と気にせず接してくれている点です。
勉強以外には、演劇部時代が楽しかったこと、大きな声を出せること、身体表現が好きなことなどからパフォーマンスサークルに入り、パントマイムを始めました。
これもすごく楽しいですね。
さて、実はキズキには、もともと生徒としての入塾を考えていたんです。
自分を「不登校」や「引きこもり」だと認識したときにインターネットを検索して、いつの間にか知っていました(結局入塾はせず、やはりいつの間にか忘れていたのですが)。
で、大学1年生の途中に、
「二浪という経歴をコンプレックスにするんじゃなくて、強みにしていこう」
「かつての自分と同じ苦しみを抱える人たちに何かできないか」
と思うようになったんです。
そのときに、「そういえば私、いいところを知っているんじゃない?」とキズキのことを思い出し、講師になりました。
講師未経験で不安だったが、研修などで解消された
塾講師の経験はありませんし、受験からちょっと期間が空いたし、「極めた」と言えるまで受験勉強をしたわけでもないので、ちゃんと教えられるか不安でしたね。
ですが、科目指導についても心の支援についても、研修が丁寧でわかりやすく、不安は解消されました。
科目指導については、授業前に予習復習したり、場数を踏んだりするうちに、自分なりの方法も身につけることができました。
定期的に開催される「講師研修会」でも、講師同士で情報交換ができて助かっています。
他の講師の「授業に直接関係のない、人生経験の話」なども、進路指導に役立ったりしています。
初めて受け持った生徒さんが高校に合格して卒業したときのことは、すごく心に残っています。
残念ながら第一志望校ではなかったんですけど、授業を通じて、「元引きこもりだったその生徒さん」が前に進む手伝いをできたことは、今でもやりがいに繋がっています。
講師への応募を検討している方へ
キズキの講師に応募しようかなと思っている人は、悩みを抱える人に寄り添える部分があると思います(もっと言えば、このサイトを見ている時点で)。
私自身は保健室登校や引きこもりの経験者ですが、自分にそういう経験がない人もたくさん活躍しています。
自身の経験がどうであるかに関わらず、生徒さんは、悩みに寄り添える人を求めています。ぜひご応募ください。
講師としても、得るものは多いです。
私個人について言えば、二浪という経歴を恥ずかしく思ったり、無理に隠そうとしたりしなくなりました。
大学生活が充実しているからでもありますが、
キズキの授業を通じて自分に自信がついて、
キズキの講師仲間など周りにも似た経歴の人がいると知ったからでもあります。
また、かつての自分と同じような境遇の生徒さんと接するとき、私が胸を張って生きていないと、生徒さんに「がんばっても楽しくならないのかな…」と思われちゃいますしね。
「今は苦しいかもしれないけど、将来はきっと楽しくなるよ」ということを、講師である前に一人の先輩として示したいですね。