高校・大学で不安障害に苦しんだ過去。自分と同じ境遇の人を支援したい
不安障害に悩んでいた高校、大学生活
高2ぐらいからかな、不安障害、パニック障害のような感じになってしまいました。
人と会話するとき極度に緊張してしまうんです。
それまでは正反対で、コミュニケーションに対する不安とは無縁だったんですが、極端に人が苦手になってしまいました。
原因は正確にはわかりませんが、今思えば野球だったかなと思います。
中学までは部活でバリバリレギュラーで活躍していたけれど、高校に入ったらスポーツ推薦で入学してきた選手に技術的にも身体能力的にも勝てず、敵わないなと。
そのあたりから自分に自信が無くなってしまって、変わっていきました。
高校にはなんとか通えて卒業できました。
ですが、大学に入学してから症状がひどくなり…。
人と関わるのがしんどくて、友達はあまり作りませんでした。
コミュニティも広げずに、入ったサークルにもほとんど顔を出すことはなく、毎日授業だけ出てすぐ家に帰っていました。
人と関わることから逃げて、人間関係を閉ざしていく方が楽なんです。
でもそうやって過ごしていても、慣れていくわけなく、どんどん悪化する一方でした。
そこで、高校時代通っていたカウンセラーの方にお世話になって、認知行動療法を受けました。
その治療を続けていくうちに、「不安を感じる状況から逃げずに向き合うこと」の重要さに気づいたんです。
苦しいながらもトライしているうちに、コミュニケーションをとることに徐々に慣れ、自分に自信がついていきました。
それでも完全に克服できたわけではなくて、今も不安はあります。
改善はしたけれど、もうこれは自分の根本的な性格なんだなと思っていますね。
「自分と同じ境遇の人を支援したい」と、キズキでのインターンに参加
そんな大学生活の中で、「本腰を入れて取り組んでいることが何もないな」とふと気づいたんです。
ただ、「自分と同じような境遇の人を支援したい」という気持ちは、何となくですが心のどこかにずっとありました。
でも、それをどう形にしていけばいいのかわからず過ごしていました。
そんな時“社会起業ツアー”というものに参加して、ニューヨークに行ったんです。
そこで、講師の太田さんに出会い、自分がやりたいと思っていることを話したら、「まさに私そういうところで講師をやっているよ!」と、キズキを教えてもらいました。
キズキに足を運び理事長と話してみたら、「すごくかっこいいな」と。
「ドロップアウトしてもやり直せる社会をつくりたい」という熱い思いが、僕に響いたんです。
また、マイナスでしかないと思っていた自分の一面を、ここでは一つの武器にできるかもしれないと思いました。
その場で「とりあえず講師やってみない?」と言われましたが、考えてみると僕には教えられる科目がなくて(笑)。
そこで、インターンとして働き始めることにしたんです。
「生徒を見守っていきたい」という気持ちが芽生え、インターン期間の延長を決意。
実は僕、本当はこの秋から留学する予定だったんです。
だから初めは“5か月限定でのインターン”という約束でした。
しかし、働き始めてからいろいろ経験し、「ここで終わらせたらもったいない」と感じました。
5か月やったくらいでは、本当に成長できたのかわからないような時期に終わってしまう。
そこで、とりあえず1年間続けてみたいと思ったんです。
ちょうど春スタートの魅力的な留学プログラムもありましたし、留学を延期するという決断に至りました。
「インターンを続けたい」と思った一番の要因は、僕が今担当している“社会参加プログラム”です。
この事業を一から始めるにあたり、最初は自分が何をしているのか、何をすればいいのか全く見えていませんでした。
そんな状態の中、「もし5か月で終えてしまったら、自分が掴んだと実感できるものは何もないのでは」と思ったんです。
それに何より、生徒を見ていて「この先この子はどうなっていくんだろう」と気にかかるようになりました。
最初プログラム参加者は3人くらいしかいなかったのですが、参加人数が増えるにつれて、様々な生徒と打ち解けました。
それぞれの生徒のバックグラウンドがわかってくるにつれ、楽しいという表現はおかしいけれど、「この人がどうなっていくのか」というところをもう少し見ていきたい、見ていかないといけない、と。
母性じゃないですが、そんな風に思ったんです。
支援の“手ごたえ”と“難しさ” 両方に直面する毎日
社会参加プログラムは、コミュニケーションをとることが苦手な人達が、社会に参加するにあたって必要なスキルを集団の中で身につけることを目的とするものです。
遠足やスポーツ、ボランティア体験、グループワークなど、様々なイベントを企画しています。
このプログラムを今まで企画運営してきた中で、嬉しかったことがあります。
プログラムも授業もドタキャンを繰り返していた生徒が、プログラムに参加したことで、友達を作って楽しんでくれただけでなく、その後の塾の授業にイキイキと来てくれるようになったんです。
「いろいろ悩んでいたけど吹っ切れました!」と言って、勉強も本当に頑張ってくれるようになりました。
そういった姿を見ることができるとやりがいを感じますね。
ただ以前、プログラムに参加してすごく元気になったように見えた生徒が、急に調子が悪くなってしまい、そのまま休塾・退塾してしまったということがありました。
難しい問題を抱えている生徒に対しては、自分の言動の一つ一つに責任を感じます。
こちらのすることが必ずしもその生徒のためになるわけではないし、ましてや逆効果になってはいけないということは常に気にかけています。
というのは、事業としては参加者を集める必要があるけれど、「来なよ来なよ」と言って押し付けてしまうと、社会参加するためのプログラムなのに重圧になってしまい、ひきこもり状態に戻ってしまうことも十分あり得る、ということです。
個人個人に適した支援を考え、気を配ることの大切さを感じています。
キズキインターンの魅力――「仕事をする」ということの意味を、身をもって感じることができた。
責任の重い仕事を任せてもらえることは、キズキインターンの大きな魅力でもあると思います。
僕の場合、社会参加プログラムの現場責任者になり、企画運営に限らず、毎月東京都に提出する書類の作成までこなすなど、大学に通っているだけでは決してできないことを日々経験できていると感じています。
インターンを通して、「仕事に対する姿勢」を知ることができたということも、自分の中では大きいですね。
今まで生きてきた中では、「仕事をする」とはどういうものなのかわかりませんでした。
でもキズキでのインターンを経験してみて、お金をもらっている分必ず成果を出さなくてはいけないということを痛感したんです。
淡々とこなしていれば出る給料をただもらうのではダメで、自分の頭でしっかり考えて行動していかなければならない。
そう考えられるようになったという意味では、凄く成長していると思います。
でも、まだまだ半人前にも達していないので、もっと成長します!
他のメンバーと比べても、仕事ができないのは申し訳ないですし、頑張らなければ、と日々感じます。
他のメンバーは本当にすごいです。
たとえば、職員の仁枝さんはどうしてあんなにいろいろできるのだろうと思います。
塾の現場、社会参加プログラム、専門学校事業、助成金、バックオフィス、財務…全て把握している。
他にも、Web、財務のスペシャリストと呼べる学生インターンの先輩もいます。
この中で、自分はどうしたらいいのか、自分の強みは何なのか、ということは、常に考えさせられていますね。
今のところ思う自分の強みは、「生徒に近いところ」でしょうか。
いい意味で舐められているとも言えるんですが(笑)。
「講師や他のスタッフには言いにくいけれど、この人には言える」と生徒に思ってもらえる存在でいられたらと思っています。
応募者へのメッセージ
大学生活というものは、できることの選択肢が多すぎて何をするべきか迷う時期だと思います。
僕はサークルも、バイトも、勉強も中途半端、何をすればいいのかわからず毎日悶々と過ごしていました。
その理由の一つは、何をやっても「これは本当に自分のやりたいことではない」と思ってしまい、充実感が得られなかったからです。
そんな時にキズキと出会い、「これだ!」と思いました。
「自分と同じように困難を抱えている人たちを支援していきたい」という気持ちが自分の心の原動力なのだと、そのとき強く認識しました。
何をするべきか迷っているならば、是非「自分の心を突き動かす原動力」を見つけてほしいです。
その原動力と繋がっていることであれば、辛い時でも踏ん張ることができると僕は信じています。
もしキズキがあなたの原動力とシンクロするのであれば、一緒に働けることを願っています!