感覚過敏の大人ができる対処法まとめ|感覚過敏の種類別に解説します | キズキビジネスカレッジ

感覚過敏の大人ができる対処法まとめ|感覚過敏の種類別に解説します

2020年07月03日

こんにちは、就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)の寺田淳平です。

この記事をお読みのあなたは、「大人の感覚過敏」に悩んではいませんか?

感覚過敏の大人は、日常生活だけでなく、仕事の場でも様々な困りごとを抱えやすいため、ストレスを感じることが多いと思われます。

そこで今回は、感覚過敏の方が実践できる対処法を、種類別に徹底解説いたします

症状の具体例の他に、受診すべき診療科などもあわせて紹介しますので、大人の感覚過敏でお悩みの方はぜひ一度、読んでみてください。

安田祐輔

監修:キズキ代表 安田祐輔 (やすだ・ゆうすけ)

発達障害(ASD/ADHD)当事者。特性に関連して、大学新卒時の職場環境に馴染めず、うつ病になり退職、引きこもり生活へ。

その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。また、「かつての自分と同じように苦しんでいる人たちの助けになりたい」という思いから、発達障害やうつ病の方々のための「キズキビジネスカレッジ」を開校。一人ひとりの「適職発見」や「ビジネスキャリア構築」のサポートを行う。

【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2022年2月現在9校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年2月現在4校)

【著書など】
暗闇でも走る(講談社)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』

日経新聞インタビュー『働けたのは4カ月 発達障害の僕がやり直せた理由』 現代ビジネス執筆記事一覧

執筆:寺田淳平 (てらだ・じゅんぺい)

ペンネーム。1991年静岡県生まれ。
高校2年の春から半年ほど不登校を経験。保健室登校をしながら卒業し、慶應義塾大学文学部に入学。同大学卒業後の就職先(3,500人規模)で人事業務に従事する中、うつ病を発症し約10か月休職。寛解・職場復帰後、勤務を2年継続したのち現職のフリーライターに。
2019年に一般財団法人職業技能振興会の認定資格「企業中間管理職ケアストレスカウンセラー」を取得。

サイト運営:キズキビジネスカレッジ(KBC)

うつ・発達障害などの方のための、就労移行支援事業所。就労継続をゴールに、あなたに本当に合っているスキルと仕事を一緒に探し、ビジネスキャリアを築く就労移行支援サービスを提供します。トップページはこちら→

感覚過敏とは?

感覚過敏は、主には「聴覚・視覚・触覚・嗅覚・味覚」の五感の一部、または複数からの刺激を過度に感じることで、苦痛や不快感が生じている状態を指します

症状や程度は人によって様々ですが、感覚過敏の人の多くが日常生活においてストレスを感じていると言われています。

目や耳や鼻などの感覚器に先天的な異常がある場合など、幼少期から感覚過敏を自覚している人もいます。

しかし、後述するように、不安やストレスが原因で、大人になってから症状に悩む人もいます。

こうした「大人の感覚過敏」では、私生活のみならず、仕事などの社会生活においても悩みを抱える人が少なくありません

また、近年では、感覚過敏に関連して「HSP・HSC」と呼ばれる人も認知されつつあります。

HSP・HSCとは、繊細であるがゆえにストレスを抱え込みやすい、「敏感さ」を持つ人のことです(対処法を示す書籍も数多く出版されています)。

ただし、HSP・HSCは、人の気質(その人が生まれながらに持っている感受性や気分の傾向などを指す心の特徴)を表すための名称であり、医学的な診断名として認証されているわけではないという点は、覚えておいた方がよいでしょう。(参考:イルセ・サン『鈍感な世界に生きる 敏感な人たち』、岡田尊司『過敏で傷つきやすい人たち』)


感覚過敏の種類別の症状

感覚過敏の種類別の症状

感覚過敏の具体的な症状として、種類別に以下のものを挙げることができます。

聴覚過敏の症状

  • 小さな物音が気になる(例:時計や冷蔵庫の作動音)
  • 特定の種類の物音が耳に突き刺さるように感じて苦痛を覚える(例:ベルや掃除機など)
  • 音の遠近感をうまく把握できない
  • 人混みなどの騒がしい場所だとすぐに疲れる

視覚過敏の症状

  • 蛍光灯のちらつきやわずかな明かりが気になる
  • ちょっとした陽射しが目に突き刺さるほど眩しく感じる
  • モニターや画面を見ているとすぐに疲れる

触覚過敏の症状

  • 人に触れられることが苦痛で回避する
  • 手足といった敏感な部位の着衣を嫌がる
  • 特定の素材の衣服でないと身につけたがらない

嗅覚過敏の症状

  • 香水や柔軟剤の匂いが少ししただけで気分が悪くなる
  • 香料の効いた食べ物の匂いが鼻腔に刺さるように感じる
  • 人混みの熱気で具合が悪くなる

味覚過敏の症状

  • 食べ物の味が著しく濃く感じられる
  • 特定の味に対して過度な不快感を示す

いずれの症状も、ある程度は「感覚過敏でない人」にも見られるものです。

感覚過敏かどうかは、症状を感じる頻度にもよります。

専門家でないと判断が付きづらいため、症状に悩んでいる方は、まずは専門医の診断を仰ぐようにしましょう


大人の感覚過敏の原因

大人の感覚過敏の原因

大人の感覚過敏には、主に3つの原因が挙げられます。

まず考えられるのは、耳や目などの受容器に関連した身体疾患があるケースです

聴覚であれば、突発性難聴やメニエール病などに伴って、聴覚過敏が生じる場合があります。

また、てんかんや脳卒中など、脳の神経系に障害が起こることで感覚過敏が誘発されることもあります。

2つ目として、先天性の発達障害に付随して、感覚過敏の症状が現れる場合があります

発達障害に見られる脳の機能の偏りが、感覚機能に作用することがあるのです。

実際、発達障害の診断基準を示す『DSM-5』の中では、ASD(自閉症スペクトラム障害)の症状として、感覚刺激に対する過敏さ(または鈍感さ)が挙げられています。

ASDでは特に、聴覚過敏を併せ持つ人が少なくありません。

3つ目に、「不安やストレス」が原因となり、ホルモンバランスが乱れて感覚過敏を起こすケースも見られます

ストレスが原因の場合、学生の頃は異常がなかったのに、大人になって働き始めてから感覚過敏になったという人が多いようです。

感覚過敏を疑う大人が受診すべき診療科

感覚過敏を疑う大人が受診すべき診療科

感覚過敏を疑っている方は、まずは「症状のある感覚器に対応した診療科」を受診しましょう

例えば、視覚過敏があるなら眼科を、聴覚過敏や嗅覚過敏があるなら耳鼻科を受診して、特定の病気・障害がないかどうか検査を受ける必要があります。

診断が下りた場合は、適切に治療を受けていきましょう。

そこで異常が見られない場合は、「精神科」または「心療内科」を受診してみてください

発達障害やストレスが原因で感覚過敏が発生しているときは、精神科や心療内科で原因がわかることがあるからです。

大人の方の中には、これまでの成長過程を顧みて、「自分は発達障害ではない」と思う方もいるかもしれません。

しかし、近年、仕事を始めたことで症状を自覚して検査を受けたところ、発達障害であることが判明するという「大人の発達障害」の方が増えています。

中には、感覚過敏の症状が糸口になって自覚することができたという方もいます。

症状が続く場合は、「大人だから発達障害は関係ないはずだ」と決めつけるのではなく、まずは医師や専門家へ相談をしてみましょう

種類別:感覚過敏の大人ができる対処法まとめ

ここからは具体的に、感覚過敏の大人ができる対処法を、種類別にまとめて紹介します。

どの感覚過敏にも共通する対処法として、以下の3つを挙げることができます。

感覚過敏の人は、自分の意思で症状を抑えようとしても、否応なしに刺激を受容することが主な悩みだと思いますので、極力刺激を抑えるための道具に頼るのが有効です

また、刺激の発生源をコントロールするのは難しいため、あなたの方から刺激を過度に感じる場所を避けるなど、周辺環境を意識することも重要です。

その他、感覚過敏を示すステッカーを身に付けて、周囲の人に配慮をお願いするのもよいでしょう。

この3点を念頭に置きながら、症状別に以下の対処法を実践してみてください。

なお、「医療機関をきちんと頼る」というのは大前提ですので、ここではあえて省略します。(参考:岡田尊司『過敏で傷つきやすい人たち』、ブレンダ・スミル マイルズ『アスペルガー症候群と感覚敏感性への対処法』)


①聴覚過敏の大人ができる対処法

聴覚過敏の大人ができる対処法

聴覚過敏の大人ができる対処法として、以下のものがあります。

上記の対処法の中でも、特にイヤホンやヘッドホンなどを状況に応じて使い分けている方が多いようです

最近では、遮音率を調節できるノイズキャンセリング機能付きの機種もありますので、その日の体調や状況に合わせて調整するとよいでしょう。

また、音は伝達スピードが速いため、道具などで対策できていないときには、不意に刺激となって届くことが少なくありません。

特に対人関係において、相手が聴覚過敏のことを知らない場合には、悪気がないことがわかっていても不快に感じられることがあります。

そのため、日頃から過敏症のことを伝えて理解・配慮してもらうように努めましょう。


②視覚過敏の大人ができる対処法

視覚過敏の大人ができる対処法

視覚過敏の大人ができる対処法として、以下のものがあります。

視覚過敏の方が特に注意したいのは、晴れた日などに屋内から屋外に出るときです

過敏症の無い方でも、人によっては瞳孔による光量の調節がうまくできず、眩しさを感じるものですが、視覚過敏の場合はこうした刺激が刺すような痛みとして感じられるかと思います。

また、日陰や暗いところを通行していても、車のボディに反射した光が目に入るなど、刺激が入ってくる可能性はいたるところに潜んでいます。

それらを防ぐために、外に出る前に眼鏡やサングラスを掛けるよう意識しましょう。


③触覚過敏の大人ができる対処法

触覚過敏の大人ができる対処法

触覚過敏の大人ができる対処法には、以下のようなものがあります。

触覚過敏の方の中には、化学繊維などにアレルギーを持つことが一因になっている方もいますので、服を選ぶときには素材を見るように心掛けましょう

服のタグなどが肌に刺さるように感じられるため、あらかじめ切って均すといった工夫をしている人もいます。

また、大人になれば確認を取らずにボディタッチされることも少ないかと思いますが、もし身体に触れる用があるときには前もって知らせてもらうなど、周囲の助力を仰ぐことも大切です。


④嗅覚過敏の大人ができる対処法

嗅覚過敏の大人ができる対処法

嗅覚過敏の大人ができる対処法として、以下のものが挙げられます。

マスクは特に、人混みの中へ行かなくてはならないときなどに持っていくとよいでしょう

また、不快な匂いを嗅いでしまったときのために、自分の気に入ったアロマオイルなどを少量ハンカチに取って、気分を落ちつける方もいるようです。


⑤味覚過敏の大人ができる対処法

味覚過敏の大人ができる対処法

味覚過敏の大人ができる対処法には、以下のものがあります。

味覚過敏の方は、少しでも苦手だと思うものがあったら、無理に食べないのがよいかもしれません

無理をして、食後になっても気分が戻らず、吐き気を催すようなことがないようにしましょう。

料理店で注文する際にも、できるだけ薄味のものを頼むと安心できるはずです。

また、調子が戻らないときのために、すぐにお口直しができる飲食物を持ち歩いておくことをオススメします。

感覚過敏の大人が仕事の場で意識したいこと

感覚過敏の大人が仕事の場で意識したいこと

最後に、感覚過敏の大人の方が悩みやすい「仕事の場」で意識したいことをお伝えします。

感覚過敏をお持ちの方は、まずは一人で悩みを抱え込まずに、周囲の人に相談するようにしてください

ここで言う「周囲の人」とは、特に職場の同僚や上司のことです。

感覚過敏はあなた自身の努力でカバーしようとしても限界がありますので、周りの人の理解を得て配慮を得ることが大切になります。

感覚過敏が単に苦痛を引き起こすだけでなく、仕事のパフォーマンスにも悪影響を及ぼすということを伝えれば、お勤め先の方で何らかの対策を講じてもらえる可能性が高いです。

もし理解が得られないようであれば(または同僚・上司への相談と合わせて)、お勤め先の「産業医」に相談するのもひとつの手段です

産業医とは、労働者の健康管理について専門的な助言や指導を行う医師のことです。

労働安全衛生法に基づき、常時50人以上の労働者が在籍する事業所に1人以上、3,000人超の事業所では2人以上の産業医の配置が義務付けられていますので、条件を満たしていれば、あなたのお勤め先にも産業医がいるはずです。

必要に応じて、専門的な見地から上司などへ症状を説明してもらえたり、三者面談の機会を設けたりしてもらえますので、興味のある方は窓口となる部門に問い合わせてみてください。

また、感覚過敏が発達障害に伴って発生している場合には、専門の支援機関に頼るのもよいでしょう

一例を挙げますと、国の法律に基づいて設置されている「就労移行支援事業所」では、医師による診断書さえあれば、日常生活のアドバイスからお勤め先との業務調整まで、最低0円から福祉サービスを受けることができます。

大人の感覚過敏でお困りの方は、同僚や上司といった周囲の人や産業医、支援機関など、「周囲を適切に頼る」ことを意識してみてください。

まとめ:感覚過敏は工夫次第で軽減することができます

感覚過敏は工夫次第で軽減することができます

感覚過敏の具体的な症状から、受診すべき診断科、種類別の対処法までを解説してきましたが、あなたの生活に役立てられそうな情報は見つかりましたか?

感覚過敏を疑われている大人の方は、まずは症状に合った診断科や精神科で、医師の診断を仰ぎましょう

その上で、道具を活用するなど、あなたができる対策を講じていってください。

ただし、感覚過敏を自力で無くすことは困難ですので、できるだけ周りの人を頼ることが大切です

特に仕事の場面では、同僚や上司、産業医を頼るなど、多方面からの協力を仰ぐようにしましょう。

このコラムが、感覚過敏で悩む大人の方の助けになれば幸いです。

さて、私たちキズキビジネスカレッジ(KBC)は、うつや発達障害などの方のための、就労移行支援事業所です。

就労移行支援事業とは、一般企業での就職や、仕事で独立する事を目指す障害者の方の、本人に適した職場への就職・定着を目的として行われる、障害福祉サービスの1つです。

うつや発達障害などであることが診断書から明らかな場合などは、国の補償で最低0円から就労支援を受けられることもあります。

キズキビジネスカレッジ(KBC)の特徴は、会計・ファイナンス、マーケティング、プログラミング、ビジネス英語などの高度で専門的なスキルを学べる講座やプログラムを用意していることです。

少しでも気になる方は、【キズキビジネスカレッジ(KBC)の概要】をご覧の上、お気軽にお問い合わせください(ご相談は無料です)。


よくある質問(1)

聴覚過敏の大人ができる対処法を知りたいです。

「イヤーマフやノイズキャンセリング付きのイヤホンを使う」「話に集中したいときは静かな室内を選ぶ」「背後から話しかけたり、大声を出さないように周りの人に頼む」などがあります。詳細はこちらをご覧ください。

よくある質問(2)

視覚過敏の大人ができる対処法を知りたいです。

「室内照明やPC画面の明るさを暗めに設定する」「職場では蛍光灯などの明かりが少ない席に配置してもらう」などがあります。詳細はこちらをご覧ください。

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