障害者手帳のメリットとは?具体例、注意点、申請手順を徹底解説

2020年06月01日

こんにちは、キズキビジネスカレッジの寺田淳平です。

障害者手帳を取得すると、様々なメリットが得られることはご存知かと思います

しかし、具体的にどのようなメリットがあるのかは知らないという方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、障害者手帳とは何か、取得するメリットと注意点は何かを、徹底解説いたします

取得した人がメリットを感じたときの具体例から申請方法まで、網羅的に紹介いたしますので、障害者手帳の取得をお考えのご本人やご家族の方は、ぜひご覧ください。

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そもそも、障害者手帳とは?

そもそも、障害者手帳とは

障害者手帳とは、障害のある人が、その障害の内容や程度に応じて交付される手帳の総称です。

障害者手帳には、以下の3種類があります(参考:厚生労働省「障害者手帳について」)

■身体障害者手帳
身体機能に一定以上の障害があると認定された方に交付されます。

■療育手帳
児童相談所か知的障害者更生相談所で、知的障害があると判定された方に交付されます。

■精神障害者保健福祉手帳
一定程度の精神障害の状態にあると認定された方に交付されます。

種類によって制度の根拠となる法律等は異なりますが、障害者手帳をお持ちの方はいずれも「障害者総合支援法」の対象となり、様々な支援や福祉サービスを受けることができます

なお、身体障害者手帳には更新制度はありませんが、精神障害者保健福祉手帳は2年ごとに更新が必要となります。

療育手帳の有効期限は、自治体ごとに年齢に応じて異なりますので、申請手続の際に必ず確認しましょう。

障害者手帳を取得するメリット4選

それでは、障害者手帳を取得するメリットを、4つに分けて見ていきましょう。

障害者手帳を取得すると、各種減免制度の対象となるだけでなく、就労時の雇用枠の選択肢が広がるといったメリットも得られます

なお、支援の具体的な内容は、障害者手帳の種類や障害等級によって異なるほか、全国一律のケースと特定の自治体のみのケースに分かれる点には、注意が必要です。

希望する支援の対象となるどうかは、役所や支援の主体となる機関に前もって確認するようにしましょう。


メリット①税金の障害者控除の対象になる

メリット①税金の障害者控除の対象になる

メリットの1つ目は、「税金の障害者控除の対象になる」という点です

障害者控除とは、障害を持つ当事者や、家計を同じくする配偶者や扶養家族に障害がある場合に受けることのできる、税法上の措置です。

いずれの障害者手帳にも共通するメリットとして、所得税と住民税の控除が挙げられます

例えば、所得税・住民税における障害者控除の年間額は、障害の程度などによって以下のように区分されています。(※2020年5月現在。参考:国税庁「No.1160 障害者控除」、財務省「所得控除に関する資料」、品川区「税法上の障害者控除対象者の認定」)

所得税 住民税
障害者 27万円 26万円
特別障害者 40万円 30万円
同居特別障害者 75万円 53万円

上記表中の「障害者」などの意味・例は、次のとおりです。

■障害者

■特別障害者

■同居特別障害者

所得税と住民税以外にも、贈与税や相続税において優遇措置の対象となるほか、自動車税についても減免されるケースがあります。

上記国税庁や財務省などのウェブサイトには、もっと詳しく書いていますが、書かれている言葉がちょっと専門的です。

税制度は改正も行われますので、最新情報を詳しく知りたい方は、お住まいの市区町村役場の窓口にお問い合わせの上、担当者の説明を聞いた方がわかりやすいと思います


メリット②医療費の助成を受けられる

メリットの2つ目は、「医療費の助成を受けられる」という点です

代表的な助成制度として、心身の障害を除去・軽減するための医療を受けた際に、医療費の自己負担額を軽減できる「自立支援医療費制度」があります

例えば、身体障害者手帳をお持ちの18歳以上の方が、指定の医療機関で、手帳に記載の障害を除去・軽減する「更生医療」を受けた場合、原則として、自己負担額は総医療費の1割となります。

ただし、世帯の総所得額によって自己負担上限額が定められていたり、対象外となったりする場合もあります。

その他の制度としては、「心身障害者医療費助成制度」も有名です

助成制度の具体的な内容・条件・名称は、お住まいの市区町村によって異なるため、制度の利用を検討している方は、お住いの市区町村役場や病院にて必ずご確認ください。

市区町村に設置されている「障害者生活支援センター」等の支援機関に相談するのもオススメです。

参考:東京都福祉保健局「自立支援医療(更生医療)」「心身障害者医療費助成制度(マル障)」、厚生労働省※PDF「障害者就業・生活支援センター」、横浜市「自立支援医療(更生医療)の給付


メリット③障害者雇用枠に応募できる

メリット③障害者雇用枠に応募できる

メリットの3つ目は、「障害者雇用枠に応募できる」という点です

障害者手帳の取得をお考えの方の中には、就労中または就労をご検討中の方がいるかと思います。

そういった方は、障害者手帳を持つことで、一般雇用枠の他に、障害者雇用枠を選択できるようになります

障害者雇用枠では、障害の内容や状態によって、業務内容や配属先をある程度選べるなど、障害への配慮を受けながら就労できるというメリットがあります。

ただし、一般的には、一般枠に比べると給与水準が低い傾向にあるなど、デメリットが存在することも事実です。

とは言え、2018年4月の障害者雇用促進法の改正以来、障害者雇用の法定雇用率も民間企業の場合で2.0%から2.2%に上昇し、発達障害を含む精神障害者が雇用義務の対象になるなど、現状は条件が改善されつつありますので、ご安心ください。

雇用枠の選択に悩まれている場合、就労サポートをしている支援機関への相談をオススメします

例えば、障害者総合支援法に基づいて福祉サービスを提供している「就労移行支援事業所」では、雇用枠の相談から仕事に役立つ専門的なスキルの指導まで、最低0円から支援を受けることが可能です。

「就労移行支援事業所」は、障害者手帳をお持ちでない方も、医師や役場の判断によって通所できますので、障害者手帳を取得すべきかどうかも含めて、まずは相談しやすそうな事業所に問い合わせてみるとよいでしょう

障害を開示して障害者枠で就労する「オープン就労」のメリットとデメリットについては、コラム「オープン就労のメリット、デメリット、条件とは?人事の視点から解説」をご覧ください。


メリット④各種公共料金が割引される

最後のメリットは、「各種公共料金が割引される」という点です

障害者手帳の種類と等級に応じて、以下のような公共料金が割引されます。

具体的な割引の内容については、JRやNHKなど、サービス主体のウェブサイトでご確認いただけます。

障害者手帳を取得してメリットを感じた例3選

この章では、障害者手帳を取得してメリットを感じたという具体例を紹介いたします。

ただし、取得した手帳の種別や等級によっては、同様の優遇措置を受けられない可能性がある旨はご了解ください。


例①失業保険の給付期間が延びた

例①失業保険の給付期間が延びた

1つ目は、「失業期間の給付期間が延びた」という例です

失業保険につき、障害者手帳を所持していると、通常90日の給付期間を150日から最大360日まで延ばすことができるのです(離職時の年齢や被保険者の期間にもよります)。

一般的に、「雇用保険の対象である就労」を一定期間続けっていた場合、仕事を辞めた後にハローワークで所定の手続きを済ませれば、失業保険を受給することができます。

例えば「1年以上10年未満働いて、自己都合で退職した」場合、3か月の「給付制限期間」の後、失業手当を90日間受給することになります(給付制限期間中は受給できません)。

しかし、障害者手帳をお持ちのAさんは「就職困難者」に該当するため、給付制限期間もなく、失業手当も300日間受給することができました

そのため、次の就職先を見つけるまでの間に、生活に困ったり、焦ったりすることなく、自分に合った職場を探すことができたと言います。

こうした手厚い保障を受けられることで、安心して転職・就職活動に励めるという点は、大きなメリットと言えるでしょう。

なお、具体的な失業手当の要件は、ハローワークのウェブサイト「よくあるご質問(雇用保険について) 」をご覧いただくか、管轄のハローワークまでお問い合わせください。


例②障害者雇用枠で配慮を受けられた

2つ目は、「障害者雇用で配慮を受けられた」という例です

一般枠で働いていたBさんは、発達障害の合併症として精神障害の診断を受けたことをきっかけに、精神障害者保健福祉手帳を取得し、障害者雇用枠へ転職しました。

一般枠で営業の仕事をしていた頃は、発達障害を非開示にして働く「クローズ就労」をしていたこともあり、周囲からの配慮が受けられないばかりでなく、障害を隠さなければならない不安とも闘わなければならなかったため、精神的な負担が大きかったと言います。

しかし、障害者雇用枠に転職した結果、希望どおりの事務仕事を任せてもらえ、比較的ストレスを感じることなく、業務に励めるようになりました

加えて、就労移行支援事業所による「職場定着支援」を受けていたため、企業とBさんの間に支援員が入り、業務量の調整や面談をしてもらえたことで、安心して働きつづけることができているそうです。

Bさんのように、障害者雇用枠への転職によって、職業生活が楽になったというメリットを感じる人もいます。


例③割引で公共機関や施設の利用が増えた

例③割引で公共機関や施設の利用が増えた

比較的多くの方がメリットを感じた例として、「割引で公共機関や施設の利用が増えた」というものがあります

通院・通勤・転職活動などの際に、バスなどの公共交通機関を利用される人は多いでしょう。

運賃の払いや定期券の購入の際に割引が効くことで、障害者手帳のメリットを日頃から感じることができると言います。

他に、博物館や美術館の入館料や水道料金についても割引が効くため、障害者手帳を取得することで、芸術鑑賞や日常生活の中でもメリットを感じる場面が多いようです。

障害者手帳を所持する際の注意点

障害者手帳を所持する際の注意点

ここまで障害者手帳のメリットについて説明してきましたが、反対に、デメリットはあるのでしょうか?

後述する申請方法が多少面倒に感じられる方はいるようですが、基本的には「具体的なデメリットはない」と考えられます

手帳が不要となった場合には返却することも可能です。

ただし、注意点はあります。

まず例えば、就職先や転職先に「障害者手帳の所有」を報告する義務は、一般的にはありません。

しかし、報告せずに就職して、後に所持を知られた際には、求人情報や雇用契約の内容によっては、何らかの「違反」や「対処」が生じる可能性があります(なので、求人情報や雇用契約の内容はよく確認しましょう)。

次に、障害者割引などを利用する際には、障害者手帳の提示を求められます。

提示する度に「自分は障害者である」ということを自覚し、心理的な負担になると感じる方もいるようです。

とは言え、上記のような「注意点」はあるものの、障害者手帳を取得することで自由を制限されることは基本的にはありませんし、手帳をどのように受け止めるかは個人差によるものです

税制の優遇措置や医療費等の減免・割引を考えると、注意点よりもメリットの方が大きいと言えるでしょう。

各種障害者手帳の申請方法

各種障害者手帳の申請方法

最後に、障害者手帳の一般的な申請方法を確認しましょう。

実際に障害者手帳を申請する際には、記載事項や必要書類などの判断に迷うことがあるかと思います。

細かな手続きや必要書類は、お住まいの自治体によって異なりますので、役所窓口の担当者に必ず確認するようにしてください

「どこから手をつけていいかわからない」という方は、役所や、先述した支援センター・就労移行支援事業所などに相談することをオススメします。


①身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳

身体障害者手帳と精神障害者保健福祉手帳の一般的な申請方法は、以下のとおりです。

身体障害者手帳の場合は、診断書を市区町村が指定する「指定医」に作成してもらう必要があるため、かかりつけ医が指定医かどうかを前もって役場に確認しましょう。

障害者保健福祉手帳の場合は、を取得のためには「初診から6か月以上が経過している」必要がある点には、ご注意ください。

取得の可否や障害等級は申請後の審査で決まります。

申請してから交付されるまでの期間は、1~2か月程度です。

参考:東京都福祉保健局「身体障害者手帳について」、厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳


②療育手帳

療育手帳の一般的な申請方法は、以下のとおりです。

名称・サービス内容・申請方法は、お住まいの自治体によって異なりますので、参考程度にご覧ください

判定機関は年齢によって異なり、18歳未満は「児童相談所」にて、18歳以上は「知的障害者更生相談所」にて判定が行われます。

面談等を受ける際は、本人だけでなく、保護者等の幼少期を知る人物の同行が求められます。

ただし、同行が難しいときには、福祉事務所等の担当者が代行する場合もあります。

取得の可否や障害等級は判定によって決まります。

申請してから交付されるまでの期間は、2か月程度です。

参考:東京都福祉保健局「愛の手帳(東京都療育手帳)」、川崎市「障害者手帳

まとめ〜メリットを理解した上で障害者手帳の取得を検討しましょう〜

まとめ〜メリットを理解した上で障害者手帳の取得を検討しましょう〜

障害者手帳のメリットとデメリット、申請手順について、具体例を交えながら解説してきましたが、取得に役立つ情報はございましたか?

障害者手帳を取得すると、様々な優遇措置を受けられるため、一般的にはメリットが大きいと言われています。

取得する前に、あなたが希望する助成制度などの対象となるかどうかを、あらかじめ確認するとよいでしょう。

その際は、あなた一人ですべてを判断するのではなく、市区町村役場の担当者や医師、支援機関の支援員に相談することがオススメです

ぜひ、メリットよく理解した上で、障害者手帳の取得を検討してみてください。

このコラムが障害者手帳の取得をお考えの方の助けになれば幸いです。

さて、私たちキズキビジネスカレッジは、うつや発達障害などの方のための、就労移行支援事業所です

就労移行支援事業とは、一般企業での就職や、仕事で独立する事を目指す障害者の方の、本人に適した職場への就職・定着を目的として行われる、障害福祉サービスの1つです。

障害者手帳をお持ちの場合などは、国の補償で最低0円から就労支援を受けられることもあります。

キズキビジネスカレッジの特徴は、会計・ファイナンス、マーケティング、プログラミング、ビジネス英語などの高度で専門的なスキルを学べる講座やプログラムを用意していることです。

少しでも気になる方は、【キズキビジネスカレッジの概要】をご覧の上、お気軽にお問い合わせください(ご相談は無料です)。

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