ADHDの方が抱えやすい仕事の悩みと対策8選|適職と働き方も紹介 | キズキビジネスカレッジ

ADHDの方が抱えやすい仕事の悩みと対策8選|適職と働き方も紹介

2020年10月19日

就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジの寺田淳平です。

ADHDの方、または「私はADHDではないか」と感じている方は、仕事で悩むことが多いと言われています

特にADHDの特性である「不注意傾向」が強い場合、遅刻やミスが重なり、「どう対処したらよいか分からない」と、お悩みの方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、ADHDの方によくある仕事の悩みと具体的な対策を徹底解説します

向いていると言われる職業と働き方についてもご紹介しますので、ADHDに関わる悩みをお持ちの方は、ぜひ読んでみてください。

安田祐輔

監修:キズキ代表 安田祐輔 (やすだ・ゆうすけ)

発達障害(ASD/ADHD)当事者。特性に関連して、大学新卒時の職場環境に馴染めず、うつ病になり退職、引きこもり生活へ。

その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。また、「かつての自分と同じように苦しんでいる人たちの助けになりたい」という思いから、発達障害やうつ病の方々のための「キズキビジネスカレッジ」を開校。一人ひとりの「適職発見」や「ビジネスキャリア構築」のサポートを行う。

【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2022年2月現在9校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年2月現在4校)

【著書など】
暗闇でも走る(講談社)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』

日経新聞インタビュー『働けたのは4カ月 発達障害の僕がやり直せた理由』 現代ビジネス執筆記事一覧

執筆:寺田淳平 (てらだ・じゅんぺい)

ペンネーム。1991年静岡県生まれ。
高校2年の春から半年ほど不登校を経験。保健室登校をしながら卒業し、慶應義塾大学文学部に入学。同大学卒業後の就職先(3,500人規模)で人事業務に従事する中、うつ病を発症し約10か月休職。寛解・職場復帰後、勤務を2年継続したのち現職のフリーライターに。
2019年に一般財団法人職業技能振興会の認定資格「企業中間管理職ケアストレスカウンセラー」を取得。

サイト運営:キズキビジネスカレッジ(KBC)

うつ・発達障害などの方のための、就労移行支援事業所。就労継続をゴールに、あなたに本当に合っているスキルと仕事を一緒に探し、ビジネスキャリアを築く就労移行支援サービスを提供します。トップページはこちら→

ADHD(注意欠如・多動性障害)とは?

ADHDは、正式名称を注意欠如・多動性障害(Attention-Deficit Hyperactivity Disorder)という、発達障害の一種です

ADHDの特性の一例として、「計画を立てても、意図せずして他の出来事に気を取られ、予定や時間を失念する」というものが挙げられます。

それゆえ、とりわけ大人になると、社会生活や仕事の悩みが増えると言われています

こうしたADHDは、2013年にアメリカ精神医学会の定める『DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル』においてはじめて成人のADHDが規定されたことで、年齢を問わず、注目を浴びるようになりました。

中には、ADHDの傾向が確認されるものの、確定診断が下りるほどではないことを意味する「グレーゾーン」の状態の人もいます。

「ADHDを取り巻く状況は多様化しつつある」というのが現状なのです。(参考:岩波明『大人のADHD:もっとも身近な発達障害』、日本精神神経学会『今村先生に『ADHD』を訊く』、厚生労働省『ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療』)


ADHDの2つの特性

ADHDの2つの特性

特性の程度や現れ方には個人差がありますが、ADHDには大きく分けて2つの特性があります

多動・衝動性の特性は、一般的に成長するうちに薄れてゆくと言われており、中には青年期以降に、その特性が見られなくなる人もいます。

ADHDではないかと疑っている方は、これらの特性を理解した上で、まずは「発達障害者支援センター」のような、発達障害に悩む方をサポートする支援機関に相談することをオススメします

また、支援機関の専門家によるアドバイスを踏まえて、必要であれば病院などで検査を受けるようにしましょう。

なお、ここまでADHDの発達障害の一種だとご紹介してきましたが、ADHDは病気とは異なり、あくまでその特性が目立ちやすいというだけです。

日常における過ごし方を工夫することで、社会の中で活動・活躍していくことは充分可能ですので、ご安心ください


仕事の悩みは「大人のADHD」が原因?

仕事の悩みは「大人のADHD」が原因?

近年では、仕事の悩みから心身の調子を崩して、病院を受診したところ、初めてADHD傾向があることを知らされたという「大人のADHD」のケースが少なくありません

もちろん、仕事の悩みのすべてがADHDに起因するというわけではありませんが、その一因になっている可能性も考えられます。

次章で挙げる例のように、ADHDの特性に関係した仕事上の困難が確認できるなら、特性に応じた対策を取ることで、悩みをある程度、軽減することはできます。

また、ADHDは、脳内のドーパミンという神経伝達物質の機能障害に原因があるとされているため、適切な薬剤を服用することで、社会生活が楽になることも考えられます。

実際、薬を服用しながら、行動面・環境面での対策を講じることで、仕事の悩みがだいぶ減ったという人もいます。

ただし、薬は専門医や専門医療機関でのみ処方が可能ですので、きちんと検査・診断を受けた上で、かかりつけ医に相談するようにしましょう

ADHDに悩む方が抱えやすい仕事の悩み8選

この章では、ADHDの方が抱えやすい仕事の悩みを紹介していきます。

ただし、これからご紹介する仕事上の悩みは、「ご自身がADHDかどうかを判断するためのもの」ではありません

繰り返しにはなりますが、ADHDの特性は人によって個人差があり、その特性による悩みも人それぞれで異なります。

そのため、「ご自身がADHDであるかどうか」の判断は、必ず専門医の診断を仰ぐようにしてください


①整理整頓がうまくできない

整理整頓がうまくできない

1つ目は「整理整頓がうまくできない」という悩みです。

ADHDの方の中には、書類などをデスクに置いたまま、別の仕事に気を取られた結果、机周りが散らかるという方がいます

ペンやハサミといった道具類も無意識のうちにどこかに置いてきたり、ひとまず引き出しの中に入れておいたりするため、持ち物を整理することが苦手な傾向があります。

そのうちに机周りに物が積み重なり、次第に整理整頓をする気が起きなくなることが少なくありません。

その結果として、仕事で利用する資料や備品を紛失するといったことが悩みだ、という人もいます。


②記入漏れなどのミスや忘れ物が多い

記入漏れなどのミスや忘れ物が多い

2つ目は「記入漏れなどのミスや忘れ物が多い」です。

これは特に、事務処理を中心とする仕事に従事している方からよく聞く悩みです。

ADHDの特性である「不注意性」ゆえに、内容をよく読まないで記載したり、確認作業を飛ばしたりすることで、ミスが発生します

また、別の業務や新しく湧いてきたアイディアに気を取られて、忘れ物をしやすいというのも、ADHDの方の特徴の一つと言われています。

前に述べた「整理整頓がうまくできない」ことから、目当ての物を探すことに時間がかかり、そのうちに人から声を掛けられて忘れてしまうというケースも見られます。


③スケジュールの先延ばしや遅刻をしやすい

スケジュールの先延ばしや遅刻をしやすい

「スケジュールの先延ばしや遅刻をしやすい」というのも、よくある悩みです。

特に、衝動性の強いADHDの方の中には、そもそも「計画を立てる」「スケジュールを調整する」ということを苦手とする人がいます

本人の感覚で行動する傾向が強く、遅刻以前に「予定を気にしていない」というケースがあるのです。

もし衝動性が弱かったとしても、不注意性の強い場合は、スケジュール確認や準備を怠りやすいので、「予定を詰めすぎて遅刻してしまった」という事態に陥る人が多いでしょう。

専門家の中には、こうした時間管理が苦手な傾向を「時間処理の障害(Temporal Processing)」として、大きな特性の一つとして捉えている方もいます。

例えば、臨床心理士の中島美鈴氏は、「ADHDの方は、特性上、時間の経過を把握することが難しい」ということを述べています。

そのため、「本人の見積もっている時間」と「実際にかかる所要時間」との間にズレが生じやすく、計画を立てても想定通りに進まずに締め切りを過ぎたり、準備に手間がかかって待ち合わせに遅れたりすることが、こうした悩みにつながるそうです(参考:中島美鈴『もしかして、私、大人のADHD?』)


④タスク管理がうまくいかない

タスク管理がうまくいかない

4つ目は「タスク管理がうまくいかない」です。

タスク管理とは、対応すべき業務や課題(タスク)を的確に把握し、進捗管理を行うことを言います

以下のような作業がタスク管理に該当します。

しかし、ADHDの方は、物だけでなく、考えを整理することにも困難を感じやすい方がいるため、必要な工程や作業をうまく切り分けられないと言われています

また、業務が溜まってくるとタスクそのものが頭から脱落したり、新規の案件に気を取られて優先順位を見失ったりします。

こうしたタスク管理は仕事の組み立ての基本になるため、悩みとして挙げる人は多いです。


⑤気が散りやすくて集中できない

気が散りやすくて集中できない

5つ目は「気が散りやすくて集中できない」です。

仕事をする上では、ある程度、集中的に業務を片付けなくてはならない場面があります。

特に、締め切りに追われているときや繁忙期などは、短時間で多くの仕事を処理する必要があるでしょう。

しかし、ADHDの特性上、人から話しかけられたり、仕事以外に気にかかることがあったりすると、そちらに気を取られて集中できないという人が少なくありません

結果として、パフォーマンスが上がらないことが悩みになるようです。


⑥興味のあることしかする気になれない

興味のあることしかする気になれない

ADHDの方は「興味のあることしかする気になれない」とよく言います。

実際、ADHDの特性の中には「特定の分野や興味のあることに異様な集中力を発揮できる」というものがありますが、この特性が裏目に出ると、悩みに変わります

特に、仕事では、興味の有無に関わらず、対応しなくてはならない場面が多々あります。

ADHDの方に限った話ではありませんが、やる気が起こらないまま嫌々作業を続けることが苦痛だ、という悩みを持つ人は一定数います。


⑦自分に合う働き方や向いている職業がわからない

自分に合う働き方や向いている職業がわからない

7つ目は「自分に合う働き方や向いている職業がわからない」です。

先に述べた「タスク管理が苦手」のように、ADHDの特性の中には、仕事の土台を崩しかねない特徴があることは確かです。

「ミスや遅刻が多い」というのも、その一つでしょう。

そのため、自分に合う働き方や適職が分からず、職場を渡り歩く人もいます

とはいえ、あなたのADHDの特性を理解すれば、あなたに合った職場や職業は見えてきますので、あまり悩みすぎないことが大切です

ADHDの方に向いている具体的な働き方や職業は4章で解説します。


⑧誰に(どこに)相談すればよいかわからない

誰に(どこに)相談すればよいかわからない

最後は「誰に(どこに)相談すればよいかわからない」という悩みです。

特に、ADHDの特性が見られるものの「まだ疑っている」段階の方は、こうした悩みを持つことが多いでしょう

中には、「いきなり病院に行くのは気が引ける」という人もいます。

また、グレーゾーンの場合は、検査を受けたのに確定診断が下りないことで、適切な支援が受けられず、職場での理解も得づらいことで悩む人が多いと言われています

仕事に悩むADHDの方が実践したい8つの対策

それでは、仕事に悩むADHDの方は、どのような対策を講じるとよいのでしょうか?

前提として、悩みを一人で抱え込まずに、周りに助けを求めることが大切です

ADHDに限らず、発達障害に伴う悩みや問題を抱え込むと、うつ病のような「二次障害」につながる場合があります。

そうならないためにも、できるだけ周囲の同僚やご家族と悩みを共有して、必要に応じた支援を受けることが重要になるのです。

この点を念頭に置きながら、以下の対策を実践するようにしましょう。(参考:司馬理英子『大人の発達障害 アスペルガー症候群・ADHD シーン別解決ブック』、對馬陽一郎『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の方が上手に働くための本』)


①医師や支援機関に相談する

医師や支援機関に相談する

ADHDに伴う悩みをお持ちの方は、まずは「医師や支援機関に相談」しましょう。

かかりつけ医は、あなたがADHDの特性とうまく付き合っていく上で、大切なパートナーです

定期的に通院して悩みを共有すれば、あなたに合ったアドバイスを得られるでしょう。

特に、前に述べた「二次障害」をお持ちの方は、まずは医師に相談して、治療を進めるようにしてください。

また、公・民を問わず、発達障害を含む障害をお持ちの方をサポートしている機関は複数あります

具体的には、以下の支援機関が挙げられます(各項目のリンクをクリックすると、全国の一覧を紹介するサイトが新しいタブで開くます)。

後述する「就労移行支援事業所」のように、仕事の悩みにしっかり寄り添って解決策を提示してくれる機関もあります。

もし、どの支援機関が適切か分からないという場合は、お住いの自治体の障害福祉課が窓口になりますので、お悩みの方は一度、問い合わせてみるとよいでしょう。


②就労移行支援事業所に通所する

就労移行支援事業所に通所する

2つ目は「就労移行支援事業所に通所する」です。

就労移行支援事業所では、病気や障害をお持ちの方を対象に、障害者総合支援法に基づいて行われる障害福祉サービスを提供しています

利用にあたって、職歴の有無は問われません。

また、障害者手帳は必須ではなく、専門医による診断書があれば支援を受けることができます。

支援の詳細は事業所ごとに異なりますが、あなたの特性に合わせた「個別支援計画」に基づき、仕事の相談からメンタル面の相談、コミュニケーションの訓練、専門スキルの習得、就職先の紹介までと、幅広いサポートを行っています。

また、就職・転職された方の「職場定着支援」をあわせて行っている事業所もあります。

就労定着支援では、一般的な定期面談の他に、就職先での業務内容や業務量の調整といった、職場で長く働き続けるためのサポートが受けられますので、仕事が続かないことでお悩みの方には、特にオススメです

実際、障害者職業総合支援センターの統計によると、職場定着支援を受けた人とそうでない人で、1年後の職場定着率に「20%」近い差が出ています。(参考:障害者職業総合支援センター『障害者の就業状況等に関する調査研究』)

相談・見学は無料ですので、支援内容に興味を抱いた事業所に一度、詳細を問い合わせるのがよいでしょう(私たちキズキビジネスカレッジも、就労移行支援事業所の一つです)。

就労移行支援事業所のさらなる詳細は、コラム「就労移行支援とは?サービス内容から就労継続支援との違いまで解説」で紹介していますので、ご興味がありましたらご覧ください。


③整理整頓だけする時間を設定する

整理整頓だけする時間を設定する

3つ目は「整理整頓だけする時間を設定する」という対策です。

一日のうちに「整理整頓しかしない時間」を設けると、自分の行動やタスクを一度落ちついて確認できる機会ができます

まずは、時間の枠を設定することが大切です。

その時間に、メモを一つの手帳・ノートにまとめたり、いま取り掛かっている業務に直接関係のない書類を決まったところに片付けたりすれば、仕事の見通しがよくなるでしょう。


④徹底的にリスト化する

徹底的にリスト化する

「徹底的にリスト化する」というのも有効です。

特に、タスクの見落としや忘れ物が多いというADHDの方にオススメの対策です。

リスト化のコツは、できるだけ「一つの」ノートや紙など、媒体をまとめることです

その上で、仕事や持ち物を書きだし、完了したら線を引いて消す習慣をつけましょう。

マーカーの色にルールを設けて優先順位をコントロールするなど、工夫したリスト作成ができれば、さらに仕事が楽になるかもしれません


⑤持ち物などは前日に準備する

持ち物などは前日に準備する

5つ目は「持ち物などを前日に準備する」です。

これは、当日の支度に時間がかかることで遅刻しやすい人、忘れものをして取りに戻ることが多い人にオススメな対策です

さらに、持ち物を「できるだけ一つのバッグにまとめる」習慣をつけると、より効果が上がります。

前日に準備しても、バッグが複数あると、バッグごと忘れる可能性が生じますので、普段から持ち歩くバッグを一つに決めておくのがよいでしょう。


⑥ゲーム要素を取り入れる

ゲーム要素を取り入れる

「ゲーム要素を取り入れる」という方法もあります。

これは特に、興味のあること以外はやる気になれないという人に有効です

医学博士である星野仁彦先生は、ADHDの方はゲームやネットなどにはまりやすく、寝食も忘れてのめり込む傾向が顕著だと指摘しています。(参考:星野仁彦『発達障害に気づかない大人たち』)

観方を変えれば、ゲームやネットにはまりやすい傾向を利用することで、仕事に対しても集中力を切らさずに取り組める可能性があるのです

ここで言う「ゲーム要素」とは、競争心をあおられるようなことや勝負事のこと、という程度に捉えてください。

具体的には、タイムアタック形式のようにどれだけ早く作業を終えられるかを計測してみたり、一緒に仕事をしている同僚とどちらが多く契約を取れるかを競ってみたりするといった方法が挙げられます。

仕事に楽しみを見出すためにも、ゲームや勝負事を取り込んでみてはいかがでしょうか?


⑦アプリやツールを利用する

アプリやツールを利用する

7つ目は「アプリやツールを利用する」です。

スマートフォンの内蔵アプリや、Googleの提供しているカレンダーアプリのように、設定した時刻になるとプッシュ通知をしてくれる無料のアプリは数多くあります

こうしたアプリの「リマインダー機能」を活用すれば、タスクや予定を忘れずに済むでしょう。

また、「Time Tree」のような予定共有アプリを使って家族や同僚とスケジュールを共有し、予定を忘れかけているときは声を掛けてもらうなど、アプリを足掛かりとして支援を求めるのも有効です。

最近では、ADHDの方の支援目的で開発された「タスク管理ツール」なども注目を集めています

具体的には、社会福祉法人SHIPの提供している「タスクペディア」や、株式会社Welbyの開発した「AOZORA」などです。

いずれも、当事者や医療関係者が共同開発していますので、安心して使えます。

仕事の悩みをお持ちの方は、このようなアプリやツールを利用するのもよいでしょう。


⑧雇用枠を見直す

雇用枠を見直す

最後は「雇用枠を見直す」です。

ADHDの方の中には、障害者向けに設けられた「障害者雇用枠」ではなく、通常の「一般枠」で就労されている方がいるのではないでしょうか。

その場合、障害者雇用枠に再就職することで、仕事の運びが楽になる可能性があります。

障害者雇用枠では、障害特性に合わせて仕事内容や業務量を調整できるなど、特別な配慮を受けることができます

ただし、一般枠と比較すると、給与・キャリア・待遇の面で差が生じるかもしれないというデメリットもあります。

障害者雇用枠での就労には、一般的に、障害者手帳の取得が必要です

「どちらの雇用枠が向いているか」「障害者手帳をどう取ればよいか」など、判断に迷う方は、前に述べた就労移行支援事業所などの支援機関で相談が可能ですので、興味のある方は問い合わせてみましょう。

ADHDに悩む方に向いていると言われる職業と働き方

最後に、この章では、ADHDに悩む方に向いていると言われる職業と働き方を紹介します。

ただし、向いている・向いていないは、(ADHDの傾向を含む)その人の特性によっても異なります。

それゆえ、これから紹介する職業や働き方が、必ずしもあなたに向いているとは限りません。

あくまでも参考程度に留めて、実際のお仕事探しの際には、あなたの特性に詳しい医師や支援者の助言を得ながら就職活動をすることをオススメします


①不注意性の強い方に向いている職業

不注意性の強い方に向いている職業

ADHDの方は、不注意によるミスや抜け落ちが多い傾向にありますが、これは「アイディアが次々に思い浮かぶ」ことに一因があると言われています

こうした不注意性にも関係している「発想力と独創性に富んでいる」という特性がある方の場合、以下のような職業が向いていると言われています。

上記の職業であれば、持ち味である発想力・独創性を活かしやすいでしょう。


②多動・衝動性が強い方に向いている職業

多動・衝動性が強い方に向いている職業

一方、多動・衝動性が強い方は、特定の場所に留まって作業をするよりも、行動力や好奇心を活かせる職業が向いていると言われています

具体的には、以下の職業が該当するでしょう。

上記の職業であれば、比較的、行動力を活かして仕事に取り組めるはずです。

ただし、営業職であっても事務仕事が付随するなど、ADHDの人が必ずしも得意でない業務が発生することはありますので、これまでに解説してきた対策と組み合わせることが大切です。


③特定分野への関心が強い方に向いている職業

特定分野への関心が強い方に向いている職業

特定分野への関心が強い方には、専門性の高い、以下のような職業が向いていると言われています

ADHDの方は、関心分野と職種の専門性がマッチしたときには、素晴らしい成果を発揮できる可能性があります

発達障害に関する著書を多く残している福島学院大学大学院教授の星野仁彦先生は、専門的な資格を取ることでなれる専門的技術職こそがADHDの人の一番の適職だと明言しています。(参考:星野仁彦『発達障害に気づかない大人たち〈職場編〉』)

とは言え、興味が持てる分野は人によって異なりますので、上記の3つの職業が必ずしも適職であるとは限りません。

関心分野への専門知識や技能を活かして、作曲家や音楽家などの芸術方面へ進むという人も少なからずいます。


④ADHDの方に向きづらい職業

ADHDの方に向きづらい職業

反対に、ADHDの方が向きづらい職業として、以下が挙げられます。

秘書のように「シビアなスケジュール調整が求められる仕事」や、経理・事務職のように「細やかで正確な処理が求められる仕事」は、ADHDの不注意特性と相性がよくないと考えられます

また、いずれも内勤が基本となるという点でも、行動力を活かしづらいでしょう。

とはいえ、具体的な業務内容・担当によっては、ADHDの特性を活かせる場合もありますので、対策がマッチすれば、仕事を上手に進められる場合もあります。

それゆえ、上記の向いている職業・向きづらい職業は、あくまでも一例として捉えてください。


⑤ADHDの方に合った働き方

ADHDの方に合った働き方

一般的に、ADHDの方には「自由度の高い」働き方が合っているとされています

以下の3つの就労形態が、具体例として挙げられます。

裁量労働制とは、実労働時間ではなく、残業時間・残業代も含めてあらかじめ定められた労働時間分の給料が発生する、みなし残業制の一種です

働き手の裁量で残業や業務の進め方を決められるため、自由度は高いでしょう。

フレックス制とは、始業と終業の時間を固定せずに、就業時間の設定を働き手にゆだねる就労形態のことです

一定期間における総労働時間を定めることで、その範囲内であれば1日単位での始業と終業の時間は働き手の方で決めることができます(ただし、「コアタイム」と呼ばれる必ず就業していなくてはならない時間が規定されている場合が多いです)。

具体的には、今日は朝8時から夕方5時まで働く、明日は昼12時から夜9時まで働く、といった働き方が可能になります。

フリーランスは、組織に属さずに個人で業務を請け負う、自由業を意味します

近年では、クラウドサービスの進歩や今般の新型コロナ禍により、時間や場所にとらわれない働き方が浸透しつつあり、珍しいものではなくなってきています。

上述のような自由度の高い働き方であれば、ADHDの人の独創性や行動力を発揮しやすいのではないでしょうか。

まとめ:ADHDの仕事の悩みは対策次第で解決できます

ADHDの仕事の悩みは対策次第で解決できます

ADHDの人が抱えやすい悩みから、実践的な対策、向いていると言われている職業・働き方を紹介してきましたが、あなたの仕事に取り入れられそうなものは見つかりましたか?

繰り返しにはなりますが、大切なのは、周囲の人や専門家に協力を求めることです

特に、かかりつけ医の先生への相談は、欠かさないようにしましょう。

その上で、状況に応じて、専門の支援機関を頼りながら、対策を実践していくのがオススメです。

ぜひ、一人で抱え込まずに、支援先に相談・問い合わせをしてみてください

このコラムが、ADHDの特性に悩む人の助けになれば幸いです。

さて、私たちキズキビジネスカレッジは、うつや発達障害などの方のための、就労移行支援事業所です。

就労移行支援事業とは、一般企業での就職や、仕事で独立する事を目指す障害者の方の、本人に適した職場への就職・定着を目的として行われる、障害福祉サービスの1つです。

発達障害であることが診断書から明らかな場合などは、国の補償で最低0円から就労支援を受けられることもあります。

キズキビジネスカレッジの特徴は、会計・ファイナンス、マーケティング、プログラミング、ビジネス英語などの高度で専門的なスキルを学べる講座やプログラムを用意していることです。

少しでも気になる方は、【キズキビジネスカレッジの概要】をご覧の上、お気軽にお問い合わせください(ご相談は無料です)。


よくある質問(1)

ADHDで仕事ができないと悩む自分が実践できる対策はありますか?

一般論として、次の8点が考えられます。(1)医師や支援機関に相談する、(2)就労移行支援事業所に通所する、(3)整理整頓だけする時間を設定する、(4)徹底的にリスト化する、(5)持ち物などは前日に準備する、(6)ゲーム要素を取り入れる、(7)アプリやツールを利用する、(8)雇用枠を見直す。詳細はこちらをご覧ください。

よくある質問(2)

ADHDの特性に向いている仕事/職業や働き方はありますか?

実際の個人や職場によって異なりますが、例えば、「多動・衝動性が強い方」には「営業職」「ジャーナリスト」「カメラマン」「起業家」が向いている可能性があります。「向いている職業や働き方はある」と安心した上で、就職・転職活動に臨みましょう。詳細はこちらをご覧ください。

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