ADHDの人が活躍できる職業10選!仕事探しや仕事術のポイントまで徹底解説!

ADHDの人が活躍できる職業10選!仕事探しや仕事術のポイントまで徹底解説!

2019年10月08日

こんにちは。就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)の寺田です。

近年、ADHDによる職業上の困難を抱えている人が多くなっていると言われています。あなたも、今の職業を続けられるのか、この就職先で大丈夫か…そういった悩みを抱えていませんか?

本記事では、ADHDの方に向いている職業から、仕事探しをするときのポイントまで、徹底解説いたします。ADHDと向き合いながら働き続けられる環境を見つける手助けになれば幸いです。

※この記事では、具体的な適職や仕事術などを紹介します。「大人のADHDと仕事」について、全体的な観点の悩み対策などについては、コラム「ADHDの大人の『仕事の悩み対策』をまとめて紹介〜働き続けるコツ、配慮を得る方法、働き方、適職探し、女性の観点、休職・退職など〜」をご覧ください。

安田祐輔

監修:キズキ代表 安田祐輔 (やすだ・ゆうすけ)

発達障害(ASD/ADHD)当事者。特性に関連して、大学新卒時の職場環境に馴染めず、うつ病になり退職、引きこもり生活へ。

その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。また、「かつての自分と同じように苦しんでいる人たちの助けになりたい」という思いから、発達障害やうつ病の方々のための「キズキビジネスカレッジ」を開校。一人ひとりの「適職発見」や「ビジネスキャリア構築」のサポートを行う。

【著書など(一部)】
暗闇でも走る(講談社)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』

日経新聞インタビュー『働けたのは4カ月 発達障害の僕がやり直せた理由』 現代ビジネス執筆記事一覧

【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

執筆:寺田淳平(てらだ・じゅんぺい)

ケアストレスカウンセラー。
高校2年の春から半年ほど不登校を経験。保健室登校をしながら卒業し、慶應義塾大学に入学。同大学卒業後の就職先(3,500人規模)で人事業務に従事する中、うつ病を発症し約10か月休職。寛解・職場復帰後、勤務を2年継続したのち現職のフリーライターに。2019年に一般財団法人職業技能振興会の認定資格「企業中間管理職ケアストレスカウンセラー」を取得。

サイト運営:キズキビジネスカレッジ(KBC)

うつ・発達障害などの方のための、就労移行支援事業所。就労継続をゴールに、あなたに本当に合っているスキルと仕事を一緒に探し、ビジネスキャリアを築く就労移行支援サービスを提供します。トップページはこちら→

【関連動画】
【ADHDの就活】活躍できる仕事10選【発達障害の方の就労移行支援事業所キズキビジネスカレッジが解説】

↑発達障害、特にADHDの人が活躍できる職業にはどのようなものがあるのでしょうか?この動画では、ADHDの強みを生かして活躍できる職業について紹介しています!

ADHDの特性とは?職業上の強み・弱みも紹介

ADHDの症状とは?

ADHDとは、注意欠如多動性障害(Attention-Deficit Hyperactivity Disorder)を意味する発達障害の一種です。

ADHDには多くの特性がありますが、その中でも下記の2点がよく見られるものとして挙げられます。

今回は、この代表的な特性に絞ってご説明します。

  • 不注意…忘れ物やケアレスミスが多く、確認作業を苦手とする
  • 多動・衝動性…気が散りやすく、貧乏ゆすりなど常に身体を動かしていないと落ちつかない

その他にもよく挙がる特徴として、「マルチタスクやスケジュール管理が苦手」といったものがあります。(参考:田中康雄『大人のAD/HD』)

こうしたADHDは、以前は子ども特有のものと考えられていました。

しかし、2013年にアメリカ精神医学会の定める『DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル』で成人のADHDが規定されたことで、自分の職業や仕事の進め方に悩んでいる「大人のADHD」が話題を集めるようになったのです。(参考:岩波明『大人のADHD:もっとも身近な発達障害』)

とは言え、基本的には上記の「不注意性、多動・衝動性」が前面に出やすい特徴がある、というだけです。

必要以上に深刻にならなくても大丈夫ですので、ご安心ください。

ADHDの特徴をそれぞれ強みと弱みにわけて理解することができれば、向いている職業や仕事探しのポイントは見えてきますので、順に一緒に見ていきましょう。

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■①ADHDの人の職業上の強みとは?

ADHDの人の職業上の強みは、例えば下記の5つを挙げることができます。(参考:榊原洋一『図解 よくわかる大人のADHD』)

ADHDの強み

  • 発想力に富んでいてアイディアが豊富
  • 好奇心旺盛で新しいことにチャレンジできる
  • 興味のある分野には没頭することができる
  • 決断力があるのでスピーディーに物事を判断できる
  • 感覚に優れていて周囲の環境に敏感

上記の特性をうまく活かすことができれば、主に多動・衝動性から生まれる、職業上の強みにつながるかもしれません。

こうして見ると、ADHDは単なる「障害」ではなく、「特性」の一面を持つということがわかりますよね。

自分の弱みをきちんと補いつつも、これらの強みを生かせる職業に就くことで、ADHDの人は活躍できる可能性があります。


■②ADHDの人の職業上の弱みとは?

反対に、ADHDの人が仕事を進める上では、どうしても弱みになる面もあります。

こちらも代表的なものを5つ挙げてみましょう。

ADHDの弱み

  • 書類の記入漏れなどのミスをしやすい
  • 仕事の優先順位をつけるのが苦手で先延ばししやすい
  • 複数案件を処理しようとすると業務効率がぐんと落ちる
  • 整理整頓が苦手で書類や物をなくすことが多い
  • 他人の意見に耳を傾ける前に発言したり行動する

上記は、ADHDの人が抱えやすい職業上の困難だと言われています。(参考:日本精神神経学会『今村明先生に「ADHD」を訊く』)

仕事探しをする際には、上記の弱みができる限り表れにくい職業を考えることが大切です。

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ADHDの人に合った職業を見分けるためのタイプ別チェックポイント2点

それでは、ADHDの人に合った職業を見分けるための具体的なチェックポイントを見ていきましょう。

適職を探す上で重要なのは、「ADHDの症状の中でも、自分はどの症状が特に強いかを見極めること」です

今回は、先ほど紹介したADHDの2つの傾向である不注意、多動性・衝動性の視点から、それぞれの仕事探しのポイントをまとめました。

もちろん、このようにADHDの方々をはっきりと分類できるとは限りません。

しかし、「不注意、多動・衝動性のどの傾向が自分にとって強いか」を認識しておくことは、今後の役に立つかもしれません。

ADHDが原因で仕事がうまく進められずに転職を考えている方や、これから就職先を探そうとしている方は、ぜひ以下のタイプ別チェックポイントを参考にして、あなたに合った職業を考えてみてください。

とは言え、自分の強みや弱みは、あなた一人ではわかりづらいものです。

実際に仕事を探すときは、客観的に強みや弱みを判断してくれる人や専門機関の助力を仰ぐことをオススメします


■①不注意の傾向が強い方:慎重さを求められない職業かどうか

不注意型ADHD:慎重さを求められない職業かどうか

ミスや物忘れが多い不注意の傾向が強い人は、「慎重さを求められないかどうか」を基準に職業を考えるとよいでしょう

このタイプの人は、細かな事務仕事や確認作業にあまり向いていません。

見落としや忘れ物をしやすいため、誰かがカバーする必要が出てきます。

つまり、特に不注意の傾向が強い人は、ミスが許されない職業は避けた方がよいということです

電車の車掌やバスの運転手のような職業に就くと、ちょっとした不注意が大きな事故に繋がる可能性があります。

上記を考慮した上で、ふだん様々な考えが頭に浮かんで集中できないという不注意型ADHDの方は、その豊かな発想力や独創性を活かせる職業を検討してみてください

クリエイティブな仕事は発案と実行が大切なので、細かな事務作業の入り込む余地が少なくなります。

上記のような不注意性の強いADHDの人は、慎重さの代わりに企画力が試される職業に就くと活躍できるでしょう。


■②多動・衝動性の傾向が強い方:じっとすることを求められない職業かどうか

多動型ADHD:行動力を活かせる職業かどうか

じっとしているのが苦手な多動・衝動性の傾向が強い人は、「じっとしなくてもよいか」を軸に職種を選びましょう

このタイプの人は、内勤よりも外勤が基本になる職業や、出張が多い業種に就くと能力を活かせる可能性があります。

また、詳しくは後述しますが、ADHDの人に向いている職業を考える上では就労形態も大切です。

特に、多動・衝動の傾向が強い人の中には、淡々とした日常の繰り返しが苦手な人もいます。

そのため、就労時間や業務内容が固定されている仕事には、あまり向かない可能性があります。

反対に、フレックス制やフリーランスに多い職業に就くことで、成功しやすくなることもあるでしょう

多動・衝動性の傾向が強い人は、行動力を活かすことのできる、自由度の高い職業を探すとうまくいく可能性があります。

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ADHDの人が活躍できる職業例10選

さて、ここからは具体的にADHDの人に向いている職業の例を見ていきましょう。

繰り返しになりますが、ADHDの特性(強み・弱み)は、共通する部分がある一方、人によって異なります。

また、各職業の環境も、それぞれの職場や業務内容によって異なります。

これから紹介する職業はあくまで例であり、「この職業じゃないと向いていない」という意味ではありません。

ご紹介する職業は、まずは、「ADHDの特性を活かせる職業はある」という安心材料にしてください。

その上で、「それぞれの職業がなぜオススメなのか」「実際の自分に向いていそうか」「環境の合う求人がありそうか」などについて、就労移行支援施設や就職エージェントなどにも相談しながら検討することで、あなたに向いた職業がきっと見つかるはずです


■①不注意の傾向が強い方に向いている職業例3選

不注意型ADHDに向いている職業例3選

不注意の傾向が強い人には、以下のようなクリエイティブ系の職業であれば活躍できるかもしれません。

クリエイティブ系の職業

  • デザイナー
  • アニメーター
  • イラストレーター

先述したように、不注意型ADHDの人は、作業中でも取り留めのない考えやアイディアが浮かびやすく、それが不注意の原因になっている場合があります。

そのような場合は、上の3つのような職業であれば、そうした発想力や独創性を活かせるかもしれません


■②多動・衝動性の傾向が強い方に向いている職業例7選

多動型ADHDに向いている職業例7選

多動・衝動性の傾向が強い人には、テキパキと行動できる性質を活かした以下のような職業が合うかもしれません。

行動力を活かせる職業

  • 営業職
  • ジャーナリスト
  • カメラマン
  • 起業家

上記のような職業は、一か所に留まることが少ない職業のため、多動・衝動性の傾向が強い人に向いている場合があります

「営業職として営業先を回る」「ジャーナリストとして取材に行く」「カメラマンとして撮影場所を転々とする」「起業家として様々な事業を立ち上げる」などが、特性の活かし方として考えられるかもしれません。

ただし、多動・衝動性の傾向が強い人の中には、段取りを頭の中で組み立てながら、並行して作業をするのが苦手な人も多いです。

そのため、後述する「作業のリスト化」や「自分専用のマニュアルを作る」といった仕事の工夫が必要になってくるという点は覚えておいてください。

段取りが苦手という特徴さえ意識できれば、多動型ADHDの人の強みを活かせるでしょう。

また、不注意型、多動・衝動型に限らず、集中力が高い人も中にはいます。

興味のある分野に高い集中力を発揮できる人には、以下のような職業をオススメします。

興味と集中力を活かせる職業

  • プログラマー(※)
  • エンジニア
  • 研究者

※「ADHDとプログラマー」については、コラム「ADHDの人がプログラマーに向いている理由・向いていないケースを紹介」で詳細をお伝えしていますので、よければご覧ください。

上記のような職業は、いずれも専門性が高いという特徴があります。

ADHDの人は、関心分野と職種の専門性が合致したときには、素晴らしい成果を発揮できる可能性があります

発達障害に関する著書を多く残している福島学院大学大学院教授の星野仁彦先生は、専門的な資格を取ることでなれる専門的技術職こそがADHDの人の一番の適職だと明言しています。(参考:星野仁彦『発達障害に気づかない大人たち〈職場編〉』)

とは言え、興味が持てる分野は人によって異なりますので、上記の3つの職業が必ずしも適職であるとは限りません。

関心分野への専門知識や技能を活かして、作曲家や音楽家などの芸術方面へ進むケースもあるかもしれません。

それゆえ、大切なのは「自分が何に関心を持っているのかを吟味すること」、その一方で「自分の特性を理解して、苦手なことを避けること」です

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ADHDの人にあった働き方のポイントは「自由度の高さ」

続いて、職業ではなく「ADHDの人にあった働き方」という観点でオススメを紹介します。

一部のADHDの人に向いているのは、「自由度の高い」働き方です

具体的な就労形態としては、以下の3つを挙げることができます。

  • 裁量労働制
  • フレックス制
  • フリーランス

上記のものは、特に多動性の傾向が強い方に向いている労働形態と言えるかもしれません。

裁量労働制とフレックス制はどう違うのかといった疑問もあるかと思いますので、順に詳しく見ていきましょう。


■①裁量労働制

裁量労働制

裁量労働制とは、実際の労働時間ではなく、残業時間・残業代も含めてあらかじめ定められた労働時間分の給料が発生する、みなし残業制の一種です

労働者の裁量で残業や業務の進め方を決められるため、自由度の高い働き方となっています。

主に経営に関わるような企画業務や、保守開発といった技術性を求められる専門業務で適用されることが多いです。

先に挙げたプログラマーやエンジニアといった職種の中には、この裁量労働制を行うものもありますので、ADHDの人には馴染みやすい就労形態といえるかもしれません。

ただし、会社によっては、「あらかじめ定められた残業時間」と「残業代を含む給料」のバランスが悪かったり、事実上残業時間が非常に長くなったりすることもあります。

ですので、就職や転職にあたっては、「この会社の裁量労働制は、実際はどのように機能しているか」を確認するようにしましょう。


■②フレックス制

フレックス制

フレックス制とは、始業と終業の時間を固定せずに、労働者本人にゆだねる就労形態を言います

一定期間における総労働時間を定めることで、その範囲内であれば1日単位での始業と終業の時間は労働者本人で決めることができます。

例えば、今日は朝9時から夕方6時まで働く、明日は昼12時から夜9時まで働く、といったような働き方が可能です。

裁量労働制と似て見えるかもしれませんが、フレックス制は、基本労働時間・残業時間などについて実際の労働時間が測られるのに対して、裁量労働制では実労働時間を測られない、という根本的な違いがあります。

とは言え、フレックス制も完全に自由というわけではありません。

たいていの企業は、必ず労働していなくてはならない「コアタイム」が設定されている点に注意が必要です。

例えば、「午後2時から午後4時までは必ず労働する」というような設定があるということです(コアタイムがない会社もあります)。

フレックス制もIT関係やデザイン職でよく用いられる労働形態のため、これらの職業に就いているADHDの方には馴染み深い働き方でしょう。


■③フリーランス

フリーランス

最後に、フリーランスです。

フリーランスとは、組織に属さずに個人で業務を請け負う働き方を言います

近年では、インターネット環境の整備やクラウドサービスの浸透によって、フリーランスとして時間や場所を気にしない働き方も行いやすくなっています。

フリーランスは、システムエンジニアやWebデザイナーといった職種に多く、自由度は最も高いと言っていいでしょう。

ただし、「仕事を取る努力」は会社員よりも大変なことも多く、また、「仕事がないとき」には収入もなくなります。

そして、社会保険の加入手続きや法人税の申告等も、基本的には自力でやらなければなりません。

行動力を活かせるADHDの人向きの働き方とは言えるものの、収入やマルチタスクには注意しておいた方がよいでしょう。

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適職発見メソッドとは?

ADHDの人が活躍しづらい職業3選

ADHDの人が活躍しづらい職業3選

ここまでADHDの人が活躍できる職業・働き方を紹介してきました。

反対に、活躍しづらい職業にはどのようなものがあるのでしょうか?

一般的に、ADHDの人には、スケジュール管理を求められる仕事や事務仕事が向いていないと言われています

代表的なものを3つ挙げてみましょう。

向いていないと言われる仕事

  • 秘書
  • 経理
  • 総務

1番目の秘書のように細かなスケジュール調整が必要となる職業は、ADHDの方には向いていないことがあります

2番目の経理と3番目の総務は、細かな作業が必要となる事務職の代表例ですね

経理職は淡々とした作業をこなすことが基本となる上に財務管理を行うため、ミスに厳しい職種です。

一方、総務は扱う業務内容が多岐にわたるため、一見するとADHDの人の多動性を活かせるように思いますが、マルチタスクをする必要があるので、ADHDの場合は作業効率がガクンと落ちることがあるかもしれません。

また、いずれも内勤で行動力を活かせないという点も、ADHDの人にはネックになってくるでしょう

とは言え、上記に挙げた職種でも、仕事を上手に進めている方がいるのは事実です。

そこで次の章では、活躍しづらい職業に就いた場合にADHDの人ができる仕事術を紹介いたします。

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活躍しづらい職業でもできるADHDの人の仕事術5選

ADHDでは活躍しづらい業務の担当になった場合でも、仕事を続けることは充分に可能です。

その際には、「ADHDの弱みを補う仕組みづくりをする」ことが重要になってきます

ミスをカバーする準備ができていれば、安心して仕事に取り組めますよね。

以下に挙げる5つの仕事術は、日常業務の中で実践できる簡単なものに厳選しましたので、ひとつずつ確認していきましょう。


■仕事術①整理整頓する時間をあらかじめ決めておく

仕事術①整理整頓する時間をあらかじめ決めておく

ADHDの人は、あらかじめ整理整頓する時間を決めておきましょう

ADHDの人は掃除が苦手なため、机の上を散らかったままにしがちです。

そして他の業務に気を取られるあまり、大切な書類をなくすまで放置するということが往々にしてあります。

こうした事態を避けるために、整理整頓だけをする時間を取るとよいでしょう。

これは物理的なレベルにとどまらず、思考のレベルにも応用してほしい仕事術です

先述したように、ADHDの人は優先順位を決めて行動することが得意ではありません。

締切が迫っているにも関わらず、つい先延ばしにすることがあります。

そのため、「頭の中を整理整頓する」ということも、ADHDの人が仕事を進めていく上では大切なのです。

一日のうち短い時間でかまわないので、整理整頓の時間を取るようにしましょう。


■仕事術②リスト化を徹底する

仕事術②リスト化を徹底する

仕事術の2つ目は、「リスト化の徹底」です

これも整理整頓に似たものになりますが、見落としや忘れ物が多いADHDの方は、やるべきことを失念することが多いです。

こうした抜け落ちは、タスクリストをつくることで回避できます

するべき仕事を書きだして、任務が完了したら線を引いて消す習慣をつけるようにしましょう。

関連して、ADHDとマルチタスクの関係は、コラム「マルチタスクが苦手なADHDの方に伝える、3つの前提と8つの対策例」に書いていますので、ご興味がありましたらご覧ください。


■仕事術③自分だけのマニュアルをつくる

仕事術③自分だけのマニュアルをつくる

オススメしたい仕事術の3番目は、「自分だけのマニュアルをつくる」です

仕事をしていると、前任者からの引き継ぎを受けるような場面もあるでしょう。

その際には、口頭説明だけでなく、マニュアルも一緒に渡されるかもしれません。

しかし、それはあくまでも前任者にとって最適な作業手順であって、ADHDであるあなたにとって最適だとは限りません。

特にADHDの人は仕事の進め方にこだわりを持っている場合もありますので、自分が理解しやすい仕方で業務をまとめた方がよいでしょう

加えて、ADHDの人は、一般的なマニュアルに注意書きのないところでも、ミスを避けるために自分なりにアレンジして追記する必要が出てきます。

新しく業務を引き継いだ際には、自分専用のマニュアルを作成するようにしましょう。

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■仕事術④メモ帳とペンを常に持ち歩く

仕事術④メモ帳とペンを常に持ち歩く

4つ目の仕事術は、「メモ帳とペンを常に持ち歩く」というものです

ADHDの人は、メモを取ろうと心掛けていても、肝心のメモ帳とペンを忘れるという場合があります。

そのため、小さいサイズのメモ帳とペンをスーツの胸ポケットに入れるなどして、常に携帯できる工夫をするとよいでしょう。

ADHDの人にとって、メモを取ることは特に有効です。

というのも、注意力が散漫になりがちなため、他の情報に気を取られて耳から入ってきた情報を記憶するのが困難だからです。

そのようなときにメモ帳があれば重宝します。

手を動かすことは、集中力を保つという意味でも効果的な手段のひとつです

ぜひ日頃からメモ帳とペンを持ち歩いて、メモをつける習慣を身につけてください。

メモをつける際には、「メモ帳をなくす」「メモが乱雑になり、後で見返した際に読めなくなる」といった点にも注意をしましょう。


■仕事術⑤ゲーム要素を取り込んでみる

仕事術⑤ゲーム要素を取り込んでみる

最後にオススメしたいのが、「ゲーム要素を取り込んでみる」という工夫です

先ほども挙げた医学博士である星野仁彦先生は、ADHDの人はゲームやネットなどにはまりやすく、寝るのも忘れてのめり込む傾向が顕著だと指摘しています。(参考:星野仁彦『発達障害に気づかない大人たち』)

これは同時に、ゲームやネットにはまりやすい傾向を利用できれば、仕事に対しても集中力を切らさずに取り組めるということを意味しています。

タイムアタック形式のようにどれだけ早く作業を終えられるか計測してみたり、一緒に仕事をしている同僚とどちらが多く契約を取れるかを競ってみたりるなど、仕事の中に勝負事を持ち込んでみるとよいでしょう。

ゲーム要素を取り入れることで、興味を持ちづらい事柄であっても意欲的に取り組めるようになるはずです。

仕事に楽しみを見出すためにも、ゲームや勝負事を取りいれてみてはいかがでしょうか?

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ADHDの人が自分に合った職業を探すためにできる4つのこと

これまで、ADHDの症状を解説した上で、タイプ別に向いている職業例などを紹介してきました。

最後に、この章では、ADHDの人が自分に合った職業を探すためにできることを紹介します。

職探しをする上では、悩みを一人で抱え込まずに、専門機関に頼ることをオススメします

これから解説するように、ADHDの人が頼れる支援機関は、たくさんあります(無料で利用できるものもたくさんあります)。

ぜひ、周囲の力を借りながら、あなたが能力を発揮しやすい職業を探すようにしましょう。


■①医師やカウンセラーに相談してみる

医師やカウンセラーに相談

まずは「医師やカウンセラーに相談してみる」ことが大切です。

「特性に関する悩みならともかく、就労の悩みは医師に話すべきでない」と思う方もいるかもしれません。

しかし、ADHDに伴って生じる悩みである以上、専門医はそういった相談も受け付けていますから、安心して悩みを打ち明けてみてください

継続して診てもらっているかかりつけ医であれば、あなたの特性にも詳しいはずですから、あなたに合ったアドバイスを得られるでしょう。

また、現在、医師の診断しか受けていないという人は、専門の臨床心理士・公認心理師などによるカウンセリングを受けるのも一つの手段です。

カウンセラーの中には、発達障害を持つ方の悩みを専門的に扱っている人がいます(そうでないカウンセラーでも対応は可能です)。

もちろん職業に関する悩みにも耳を傾けてもらえますので、お困りの方はカウンセリングも視野に入れてみてください。

ちなみに、発達障害の人を扱っているカウンセラーは、日本臨床心理士会のウェブサイト「臨床心理士に出会うには」から検索が可能です。


■②専門の支援機関に手伝ってもらう

2つ目は「専門の支援機関に手伝ってもらう」です。

ADHDでお悩みの人が頼れる公的な支援機関として、例えば、以下が挙げられます。

発達障害者支援センター」では、確定診断が下りていなくても、ADHDの傾向に伴う困難があれば、相談を受け付けています。

また、「地域障害者職業センター」と「障害者就業・生活支援センター」では、就労に関するお悩みや職業相談を受け付けているので、特に仕事のことでお困りの方に向いているかもしれません。

いずれの支援機関も、基本的には無料でサービスを提供しています。

また、ADHDに特化していなくても、「ハローワーク」や「職業訓練校」などで、専門的な職業訓練を受けながら、「どんな仕事が自分に合っているのか」を考えるのもよいでしょう。

どの支援機関に頼るのがよいかわからない場合には、通常は、お住まいの自治体の障害者福祉の担当部署が窓口になっていますので、そちらに問い合わせてみてください。


■③就労移行支援事業所に通所する

医師やカウンセラーに相談

就労移行支援事業所」は、発達障害や病気をお持ちの方で、一般企業への就職を目指す方に向け、就労移行支援を実施しています(私たちキズキビジネスカレッジ(KBC)もその一つです)。

職業相談だけでなく、メンタル面のケアや、専門的なスキルの講習、実際の就職活動の支援、インターン先の紹介など、包括的なサポートを行っている点に特長があります

運営主体は様々ですが、いずれも公的機関から認可を受けていますので、安心してご利用いただけます。

事業所によっては、就職後の職場定着までサポートしているところもあります。

職場定着支援とは、例えば、あなたと職場の間に入って、仕事での悩みを調整したりするということです。

実際、障害者職業総合支援センターの調査研究によれば、職場定着支援を受けた人とそうでない人で、1年後の職場定着率に20%近い差が出ています(出典元:障害者職業総合支援センター「障害者の就業状況等に関する調査研究」)

インターネットで、「就労移行支援事業所 ○○市」などと検索すると、お近くの事業所が見つかると思います。

相談は無料ですので、支援内容に興味を抱いた事業所に、詳細を問い合わせてみることをオススメします。

就労移行支援事業所の詳細は、コラム「就労移行支援とは?サービス内容から就労継続支援との違いまで解説」をご覧ください。

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利用者の体験談

■④障害者枠を検討してみる

最後は「障害者枠を検討してみる」です。

求人・雇用の中には、「障害者枠」というものがあります。

障害者枠とは、文字どおり、「障害者を対象とする求人・雇用枠」のことです(障害者枠ではない求人・雇用のことは「一般枠」と言います)。

障害者枠雇用であれば、ADHDの特性や程度に応じて、職場から業務内容や業務量への配慮を得ながら働くことができます(ただし、通常は障害者手帳の取得が必須です)。

これまで「一般枠」で働いてきた発達障害の方は、「障害者枠」に移ることで、これまでと同じ職業であっても、就労のつらさを軽減できるかもしれません

一方で、障害者枠は、一般枠に比べると、給与や昇進などのキャリア面において、水準が低いこともよくある話です。

障害者枠と一般枠のどちらにするかは、あなたのADHDの特性や程度、経済状況、生活と仕事の優先順位などを総合的に考えて判断することが大切です。

雇用枠を考える際にも、先述した支援機関や就労移行支援事業所などに相談しながら検討することをオススメします。

障害者枠の詳細は、コラム「障害者雇用で働くための条件とは〜メリット・注意点・サポート団体なども紹介〜」をご覧ください。

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まとめ〜あなたの特性にあった職業は、きっと見つかります〜

まとめ〜あなたの特性にあった職業は、きっと見つかります〜

これまで、ADHDの症状を解説した上で、タイプ別に向いている職業例などを紹介してきました。

この職種なら自分に向いていそうと思うものがあったでしょうか。

そして、先述のとおり、実際の就職活動にあたっては、就労移行支援施設や就職エージェントなどに相談しながら、ご自身のADHDの傾向・特性や求人内容を分析しつつ行うことをオススメします。

この記事がお役に立ったなら幸いです。

さて、私たちキズキビジネスカレッジ(KBC)は、うつや発達障害の方のための、就労移行支援事業所です。

就労移行支援事業とは、一般企業での就職や、仕事で独立する事を目指す障害者の方の、本人に適した職場への就職・定着を目的として行われる、障害福祉サービスの1つです。

ADHDであることが診断書から明らかな場合などは、国の補償で最低0円から就労支援を受けられることもあります。

キズキビジネスカレッジ(KBC)の特徴は、会計・ファイナンス、マーケティング、プログラミング、ビジネス英語などの高度で専門的なスキルを学べる講座やプログラムを用意していることです。

少しでも気になる方は、【キズキビジネスカレッジ(KBC)の概要】をご覧の上、お気軽にお問い合わせください(ご相談は無料です)。


よくある質問(1)

ADHDの特性に向いてる仕事/職業(適職)には何がありますか?

例としては、デザイナー、アニメーター、イラストレーター、営業職、ジャーナリスト、カメラマン、起業家、プログラマー、エンジニア、研究者が挙げられます。詳細はこちらをご覧ください。

よくある質問(2)

ADHDの人が自分に向いてる仕事/職業(適職)を見つける方法はありますか?

就労移行支援事業所の利用が考えられます。就労移行支援の詳細は、コラム「就労移行支援とは?サービス内容から就労継続支援との違いまで解説」をご覧ください。

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