発達障害の人が実践したい遅刻対策7選~ADHDでも遅刻は減らせます

2020年06月18日

こんにちは、ケアストレスカウンセラー有資格者の寺田淳平です。

発達障害をお持ちのあなたは、遅刻が多いことに悩んではいませんか

「遅刻しないと思っていても遅刻してしまう」
「どのような遅刻対策が有効か、わからない」
「発達障害に原因があるならどうしようもない」

上記のような悩みゆえに、「遅刻癖は治らない」とあきらめている方もいるかと思います。

しかし、発達障害であっても、工夫次第で遅刻を減らすことは可能です。

そこで今回は、発達障害の人が遅刻するときのパターンと、効果のある遅刻対策を紹介します

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遅刻しやすい発達障害の種類とは?

遅刻しやすい発達障害の種類とは?

発達障害には、主に以下の3種類があります。(参考:中島美鈴『もしかして、私、大人のADHD?』)

この3つの発達障害のうち、特性に伴って遅刻が多く見られると言われているのが「ADHD」です

ADHDによる遅刻の主な要因は、「不注意」と「衝動性」にあるとされています。

特に、障害特性として衝動性が強い方は、「計画を立てる」「スケジュールを調整する」ということをした上でも、意図せずして注意の対象が他のことに向くことで、「予定そのものを忘れた」というケースも見られます。

専門家の中には、こうした時間管理が苦手な傾向を「時間処理の障害(Temporal Processing)」として、まとめて考えている方もいます。

臨床心理士の中島美鈴氏によれば、ADHDの方の中には、「時間の経過を正確に把握することが難しい」という特性を持っている方もいるそうです。

そうした特性を持っている方の場合、「本人の見積もっている時間」と「実際にかかる所要時間」との間にズレが生じやすいと言われています。

その結果、計画を立てても時間内に終わらずに締切りを過ぎたり、想像以上に準備に時間がかかり、待ち合わせに遅刻したりするのです。

このように、ADHDに一般的に見られる不注意や衝動性、時間処理の障害などの特性は、「遅刻しやすい」ことにつながる可能性があります

発達障害の人が遅刻するときの4つのパターン

それでは、発達障害の方が特性によって遅刻するパターンには、どのようなものがあるのでしょうか。(参考:司馬理英子『大人の発達障害 アスペルガー症候群・ADHD シーン別解決ブック』、星野仁彦『発達障害に気づかない大人たち』)

ここでは、発達障害の人が遅刻するときに、よくある事例を4つ挙げます。

なおASDやLDの人の中にも、ADHDの特性を併せ持つ人が少なからずいます。

そのため、これ以降の項目ではADHDに限定せず、「発達障害」という総称でまとめるかたちで紹介します。


パターン①:別のことに過集中している

別のことに過集中している

1つ目は「別のことに過集中している」というパターンです。

発達障害の特性の一つとして、一つの物事や興味・関心のある分野の作業に没頭して、他のことに注意が一切引かれない状態になる「過集中」というものがあります

この特性は、ASDやADHDの方に見られることが多いです。

過集中状態では、時間に関係なく、体力が続く限り作業に没頭することがあるため、他のことに気が回らなかった結果、遅刻することがあります。

それ以外にも、発達障害の特性として「こだわりの強さがある」場合には、仕事の進め方にこだわりがあり、自分のペースで取り組む方もいます。

それゆえ、「時間を気にせずに作業していた」ことが、遅刻につながるケースも見られるのです


パターン②:時間の逆算が苦手である

時間の逆算が苦手である

2つ目は「時間の逆算が苦手である」というパターンです。

先述した通り、ADHDの傾向がある人の中には、時間処理の障害を持つ人がいます。

また、その特性に加えて、「整理整頓が苦手」という特性が見られる人には、「時間の逆算が苦手」というパターンも見られます

整理整頓が苦手な場合は、いざ出かけようと思っても、持っていくべき物が見つからなかったり、所持品の確認に時間がかかったりしやすいです。

「時間処理の障害」と「整理整頓が苦手」という2つの特性がある場合、結果として準備に手間取り、時間の逆算がうまくいかず、遅刻するということが少なくないようです。


パターン③:待ち合わせ時間・場所についての計画が苦手

待ち合わせ時間・場所についての計画が苦手

3つ目は「待ち合わせ時間・場所についての計画が苦手」というものです。

これは、衝動性と不注意性の特性のある方によく見られるパターンです

衝動性が強い場合には、待ち合わせ場所について、「ひとまず最寄り駅に着けばどうにかなるだろう」と考える傾向があります。

そして、目的地だけ確認して、交通手段や所要時間を調べずに、予想以上に時間がかかって遅刻するといったケースがあるのです。

また、不注意性が強い場合は、待ち合わせ場所を勘違いしたり、乗り込む電車を間違えることで、遅刻につながったというケースも見られます。


パターン④:朝寝坊をする

朝寝坊をする

最後のパターンは「朝寝坊をする」というものです。

先述した過集中傾向がある場合に顕著ですが、特定の作業に没頭するなどして、夜更けまで作業をしていると、眠るのが遅くなる場合があります

特に、生活リズムが後ろ倒しになっているときに、朝早くに予定が入っていると、早く眠りに就くことに難しさを感じる人もいます。

結果として、朝寝坊による遅刻を繰り返すという場合があるようです。

発達障害の人の遅刻対策7選

ここからは具体的に、発達障害の人が実践したい遅刻対策を紹介していきます。(参考:村上由香『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に暮らすための本』)

基本的には、あなた自身で講じられる対策にはなりますが、発達障害は脳の機能の偏りに原因があるため、独力ですべてをカバーするのは難しいと言われています。

そのため、ご家族やご友人、職場の同僚といった、周囲の人の助けを求めることも大切です

特に、絶対に遅刻できないという状況のときは、できるだけ周りの人にも助けを仰ぐようにしましょう。

その上で、これから紹介する7つの遅刻対策を取り入れてみてください。


対策①:作業ごとにアラームアプリを設定する

作業ごとにアラームアプリを設定する

1つ目の対策は「アラームアプリを設定する」です。

これは、ASDの特徴の一つである「特定の分野に関して強い興味を持つ特性のある人」、ADHDの特徴の一つである「時間経過を体感的に把握しづらい特性のある人」に有効です。

「作業に過集中していると、食事を忘れて深夜まで取り組み続ける」などの場合には、作業ごとや予定ごとにアラームを設定することがオススメです

予定を守るために、支度を開始する時間までアラームとして設定しておくと、後から慌てて準備をして、遅刻をするといったリスクを下げることができます。

しかし、人によっては、「アラームの設定をしたいけれど、アラーム音が不快だから抵抗感がある」という方もいるかと思います。

そういった方は、例えば「おこしてME」というアプリのように、端末に保存してある音楽が鳴るように設定できるものがオススメです。

また、周りにアラーム音を聞かれたくないという人や、作業に集中するためにイヤホンをしているという人は、「イヤホン目覚まし時計」のようなアプリを利用するとよいでしょう。

いずれも無料ですので、手軽に利用できるアラームアプリで遅刻対策をしてみてください


対策②:持ち物などは前日に準備する

持ち物などは前日に準備する

2つ目は「持ち物などを前日に準備する」という対策です。

この対策は、「当日の支度に時間がかかって遅刻しやすい人」だけでなく、「つい忘れものをして取りに戻ることが多い人」にも効果的です。

前日に持ち物などを準備する際は、「できるだけ一つのバッグにまとめる」ことをオススメします

バッグを複数に分けると、バッグごと忘れる可能性もありますので、特に普段から持ち歩くものは、一つのバッグにまとめておくとよいでしょう。

また、バッグを複数に分けた上で、「忘れないように目に付く場所に並べておく」といった対策も考えられますが、これは「注意が他の場所に向いた結果、忘れ物をする」というリスクにつながります。

そのため、できる限り持ち物は一つのバッグにまとめ、複数に分けることは避けるようにしましょう。


対策③:毎日の起床と就寝の時間を定める

毎日の起床と就寝の時間を定める

3つ目は「毎日の起床と就寝の時間を定める」です。

すでに述べた通り、発達障害の人は、その集中力の高さゆえに夜更かしをしやすい傾向があります。

しかしその傾向は、起床と就寝の時間を定めて慣習化することで、生活リズムを安定させることができます。

大切なのは、「起床と就寝の時間だけは厳守する」というように、自分の生活上のルールを明確にすることです

もしかすると、「いきなり就寝と起床の時間を固定することは難しい」という方もいるかもしれません。

その場合は、まずは「起床の時間だけ固定してみる」といった工夫をすることで、習慣化しやすくなります

また、同居人がいらっしゃる方は、就寝の30分前に声を掛けてもらうなど、協力を仰ぐのもよいでしょう。

結果として、朝寝坊などによる遅刻を減らすことできるはずです。


対策④:日頃から所要時間を計測する

日頃から所要時間を計測する

4つ目は「日頃から所要時間を計測する」という対策です。

これは特に、時間処理の障害に悩む特性がある方に効果を発揮します

食事や歯磨きなどの日常動作や、定常的に行っている業務を遂行するのに、普段どれだけの時間がかかっているのかを計測してみてください。

その日のコンディションなどによって、多少の違いはあるかと思いますが、目安となる数値を取ることができるはずです。

そうした「特定の行動にかかる時間」をメモしたり、記憶したりするようにしましょう。

そうすれば、もし行動と体感時間の間にズレがあったとしても、所要時間をある程度、正確に見積もることができるようになるため、遅刻を減らすことができます

また、時間を計測する癖をつけて慣らすことで、多少は体感時間のズレも修正できるでしょう。

時間の逆算が苦手で遅刻しやすいという発達特性をお持ちの方は、ぜひ生活に取り入れてみてください。


対策⑤:前倒しで行動する癖をつける

前倒しで行動する癖をつける

5つ目の対策は「前倒しで行動する癖をつける」です。

もし、事前準備や下調べが苦手なために「計算外の事態」が発生したとしても、日頃から予定より早く行動をする癖をつけておけば、リカバリーできる可能性が高まります。

特に、「待ち合わせ場所を勘違いしやすい」「遅延や運休が出ているのに、交通情報を調べずに遅刻することが多い」という人に有効な対策です。

例えば、遅刻したときに「遅刻してしまった」で終わらせるのではなく、「あと何分あれば遅刻しなかったか」を考えて、前倒しで行動する際の時間の目安にしてみてください

「待ち合わせのときは、20分前に着く予定で行くと時間に間に合う」など、遅刻しやすい人はその度合いに応じてルールを作り、前倒しで行動する癖をつけるとよいでしょう。


対策⑥:予定時刻を早めに設定してもらう

予定時刻を早めに設定してもらう

6つ目は「予定時刻を早めに設定してもらう」という対策です。

これはあなた自身ではなく、お友達や同僚などにお願いする形の対策になります。

日頃から、「自分と待ち合わせるときは、本来見積もるべき待ち合わせの時刻よりも、早めの時刻を指定してほしい」とお願いしましょう

ただし、このときは、時間の目安は明示しない方がよいかもしれません。

というのも、お互いの中に「何分早める」といったはっきりした取り決めがあると、「あと何分遅れても問題ないはずだ」という慢心につながり、結果として遅刻する可能性も上がるからです。

そのため、どのくらい早めに時間を設定するかは、相手に判断してもらうのがよいでしょう。

あなたの方では、提示された予定時刻にとにかく間に合うように行動するよう心掛ければ、致命的な遅刻を防げるはずです。


対策⑦:当日にリマインドできる仕組みを作る

当日にリマインドできる仕組みを作る

最後の対策は「当日にリマインドできる仕組みを作る」というもの。

具体的には、以下のような方法があります。

紙などに予定をまとめる際には、できるだけシンプルかつ目立つようにすることが肝心です

目に留めても読み飛ばすことのないよう、工夫してみてください。

また、周囲の人に予定を尋ねて教えてもらうだけでなく、あなた自身が確認するように促してもらうことも大切です

最近では、「Googleカレンダー」のようなカレンダーアプリにも、当日になったら画面上に予定を通知してくれるリマインダー機能を持つものが多くあります。

こうしたツールを頼ることで、適切なタイミングで予定を思い出せば、遅刻を減らせるはずです。

まとめ:発達障害でも工夫次第で遅刻は減らせます

発達障害でも工夫次第で遅刻は減らせます

遅刻しやすい発達障害の種類から、遅刻するときのパターン、具体的な対策までを紹介してきましたが、あなたの生活に取り入れられそうなものはありましたか?

前にも述べたように、発達障害の方が、困りごとを自力で全てカバーすることは難しいです。

頼れることがあれば、一人で抱え込まずに、周囲の人に頼るようにしましょう。

発達障害者の支援に特化した「発達障害者支援センター」や、生活だけでなく就労上の相談にも乗ってもらえる「就労移行支援所」など、専門的な知識を持っている人に助力を仰ぐのも一つの手段です。

ぜひ、周囲の人の力も借りながら、発達障害に伴う困難をひとつずつ解決していってみてください。

このコラムが、遅刻に悩む発達障害の人の助けになれば幸いです。

さて、私たちキズキビジネスカレッジは、うつや発達障害などの方のための、就労移行支援事業所です。

就労移行支援事業とは、一般企業での就職や、仕事で独立する事を目指す障害者の方の、本人に適した職場への就職・定着を目的として行われる、障害福祉サービスの1つです。

うつや発達障害であることが診断書から明らかな場合などは、国の補償で最低0円から就労支援を受けられることもあります。

キズキビジネスカレッジの特徴は、会計・ファイナンス、マーケティング、プログラミング、ビジネス英語などの高度で専門的なスキルを学べる講座やプログラムを用意していることです。

少しでも気になる方は、【キズキビジネスカレッジの概要】をご覧の上、お気軽にお問い合わせください(ご相談は無料です)。

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