自閉症スペクトラム障害(ASD)の方が就職を成功させるための7つのコツ | キズキビジネスカレッジ

自閉症スペクトラム障害(ASD)の方が就職を成功させるための7つのコツ

2020年12月14日

こんにちは、就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジの寺田淳平です。

自閉症スペクトラム障害(ASD)をお持ちのあなたは、新卒・転職を問わず、なかなか就職が決まらずに、悩んではいませんか

自閉症スペクトラムの方の中には、その特性ゆえに就職活動で苦労されるケースが少なくありません。

しかし、様々な支援も受けながら、自身の特性を理解した上で就職活動を進めれば、あなたに合ったお勤め先を見つけられる可能性が高まります。

この記事では、自閉症スペクトラムの方が、就職を成功させるためのコツを紹介します

就職活動の場面で抱えやすい悩み、アピールしやすい強み、支援機関、自閉症スペクトラムの方に向いていると考えられる仕事などもあわせて解説しますので、ぜひご一読ください。

安田祐輔

監修:キズキ代表 安田祐輔 (やすだ・ゆうすけ)

発達障害(ASD/ADHD)当事者。特性に関連して、大学新卒時の職場環境に馴染めず、うつ病になり退職、引きこもり生活へ。

その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。また、「かつての自分と同じように苦しんでいる人たちの助けになりたい」という思いから、発達障害やうつ病の方々のための「キズキビジネスカレッジ」を開校。一人ひとりの「適職発見」や「ビジネスキャリア構築」のサポートを行う。

【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2022年2月現在9校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年2月現在4校)

【著書など】
暗闇でも走る(講談社)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』

日経新聞インタビュー『働けたのは4カ月 発達障害の僕がやり直せた理由』 現代ビジネス執筆記事一覧

執筆:寺田淳平 (てらだ・じゅんぺい)

ペンネーム。1991年静岡県生まれ。
高校2年の春から半年ほど不登校を経験。保健室登校をしながら卒業し、慶應義塾大学文学部に入学。同大学卒業後の就職先(3,500人規模)で人事業務に従事する中、うつ病を発症し約10か月休職。寛解・職場復帰後、勤務を2年継続したのち現職のフリーライターに。
2019年に一般財団法人職業技能振興会の認定資格「企業中間管理職ケアストレスカウンセラー」を取得。

サイト運営:キズキビジネスカレッジ(KBC)

うつ・発達障害などの方のための、就労移行支援事業所。就労継続をゴールに、あなたに本当に合っているスキルと仕事を一緒に探し、ビジネスキャリアを築く就労移行支援サービスを提供します。トップページはこちら→

自閉症スペクトラム障害(ASD)とは?

まず、自閉症スペクトラム障害(ASD)の概要をお伝えします。

少し長いので、すでにご存じの方は次章「自閉症スペクトラムの方が就職活動で抱えやすい4つの悩み」までお進みください。


自閉症スペクトラムの概要・変遷

自閉症スペクトラムの概要・変遷

自閉症スペクトラム障害(ASD:Autism Spectrum Disorder)とは、社会性・コミュニケーション・想像力の3つの特性に困難がある発達障害です

以前は、自閉症スペクトラム障害は「自閉症」と「アスペルガー症候群」に分かれていました。

しかし、2013年に刊行されたアメリカ精神医学会の診断基準『DSM-V 精神疾患の分類と診断の手引』の中で、自閉症スペクトラム障害としてまとめられるようになりました。

「スペクトラム」とは、自閉症とアスペルガー症候群の病態をはっきりと区別するのではなく、地続きの「連続体」として捉えようという考えを反映したものです。

ただし現在でも、「医者以外が行う、一般的な表現」としては、言語発達に遅れのある場合を自閉症、知能が定型の人と同等で言語発達の遅れがない場合をアスペルガー症候群と分類しているケースもよく見られます。(参考:本田秀夫『自閉症スペクトラムがよくわかる本』)


自閉症スペクトラムの3つの特性

自閉症スペクトラムの方には、次のような、3つの特性上の困難が見られます。

①の「社会性」とは、「他人と関係を持とうという意識」を指します。

自閉症スペクトラムの方は、対人関係にぎこちなさが生じやすく、グループワークが苦手と考えられています

②のコミュニケーションにおける特性は、具体的には「ジェスチャーや表情を読み取れない」といった仕方で表れます。

とりわけ表情は、コミュニケーションを取る上で重要な要素のひとつです。

コミュニケーションには、言葉のやり取りからなる「言語的コミュニケーション」と、表情や声のトーンからなる「非言語的コミュニケーション」があります。

このうち、非言語的コミュニケーションが占める割合は90%以上とも言われるのです。

しかし、自閉症スペクトラムの方は、例えば相手が笑いながら「冗談を言わないでくれよ」と打ち解けたコミュニケーションを求めてきても、真意を読み取れずに、言葉どおりに受け取って、「冗談なんて言っていない」と返事をするといったケースが見られます

③の想像力における特性は、「自分の思考が絶対に正しいと思い込む」「別の考え方まで気が回らない」などの形で表面化します。

想像力における特性ゆえに、自閉症スペクトラムの方には「こだわりが強い」という傾向があり、決まった行動パターン(常同行動)を取らないと落ちつかないという方もいます(参考:中村真 ※PDF「3.表情とコミュニケーション」)


自閉症スペクトラムとADHDの違い

自閉症スペクトラムとADHDの違い

自閉症スペクトラムとADHDは、「発達障害の一種」として一緒に語られることも多いのですが、その特性は異なります。

ADHD(Attention-deficit hyperactivity disorder、注意欠陥・多動性障害)とは、不注意性・多動性・衝動性の傾向が見られる発達障害の一種です。

ADHDと自閉症スペクトラムの主な違いは、対人関係でのコミュニケーション能力の差にあらわれます

ADHDの方は、書類の記入間違いや物忘れといったミスが多いです。

一方、自閉症スペクトラムの方と比べると、コミュニケーションに大きな齟齬が生じたり、会話のやり取りに不自由さが生じたりするということが少ないです

また、ADHDの方は、他人の身振りの意味などを理解することができ、個人差はありますが運動が特段苦手ということはありません。

一方、自閉症スペクトラムの方は他人の身振りの意味などを察することができず、運動をするのが苦手なことが多いといった違いがあります。

とはいえ、自閉症スペクトラムの方の中にはADHD傾向が多分に含まれている人(=ASDとADHDを同時に抱える人)もいますので、個々人の特性の程度については、専門機関の診断を仰ぐことをオススメします

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自閉症スペクトラムの方が就職活動で抱えやすい4つの悩み

では、自閉症スペクトラムの方が就職活動で抱えやすい悩みには、どのようなものがあるのでしょうか?

この章では、よく聞かれる悩みを、4つ紹介します。(参考:梅永雄二『大人のアスペルガーがわかる』)


悩み①履歴書でアピールできる強みを書けない

①履歴書でアピールできる強みを書けない

就職活動の際には、エントリーシートや履歴書の中で、アピールポイントを書くよう求められることが少なくありません。

こうした要求には、言外に、「就職先の企業で活かせそうな点をアピールするように」という意味が込められています。

しかし、自閉症スペクトラムの方は、そうした言外の意味や要求の真意を読み取り、適切に答えるというのが苦手です

それゆえ、「履歴書の中でアピールできる強みを書けない」という悩みをお持ちの方は多いようです。

こうした悩みの対策としては、自分の強みを書きだしたものを支援者に確認してもらい、あらかじめ定型的な問答集を作成するという工夫が効果的です


悩み②面接でコミュニケーションがうまく取れない

2つ目は「面接でコミュニケーションがうまく取れない」という悩みです。

これは、自閉症スペクトラムの「コミュニケーションにおける困難」から生じる就職活動中の悩みになります

よくある事例に、面接の冒頭で「会場までどうやって来ましたか」という質問を受けたとき、どこから話はじめていいかがわからなくなるというケースがあります。

面接官がこのような質問をする狙いとして、簡単な質問からはじめて緊張を解きほぐす「アイスブレイク」の意味合いが強く、詳細な回答を求めていない場合が多いものです。

したがって、回答例としては、「JR○○駅で■■線に乗り、そのまま◆◆駅で降りて、そこから徒歩で参りました」のような、簡単な答えで大丈夫です。

しかし、自閉症スペクトラムの方は、「朝の何時に起きて支度をして、○時に家を出て、徒歩○分のバス停に行き、○番のバスに乗って…」ということを延々と話してしまいがちです。

このような悩みの対策には、「質問には3文以内で答える」などのルールや条件を明確に定めるという方法があります


悩み③自分に合いそうな職業が見つからない

③自分に合いそうな職業が見つからない

就職活動中に「自分に合いそうな職業が見つからない」という自閉症スペクトラムの方も多いです。

仕事をする上では、職場での人間関係を良好に保つ意味でも、ある程度のコミュニケーション能力が求められます。

そうした対人スキルが必要とされない職業も存在しますが、種類が限られるため、求人数も少なくなりがちです。

それゆえ、コミュニケーションに困難を抱える自閉症スペクトラムの方は、就職活動中に、「自分に合いそうな職業が見つからない」「そもそも向いている職業なんて無いのではないか」という悩みを抱えやすいのです

※自閉症スペクトラムの方に向いている可能性のある職業については、後の章「自閉症スペクトラムの方に向いていると考えられる仕事」で解説します。


悩み④どこに相談をしていいかわからない

最後は「どこに相談していいかわからない」という悩みです。

自閉症スペクトラムの方の中には、定期的に病院やクリニックに通院している方もいるでしょう。

しかし、特性に伴う悩みならともかく「就職活動の悩みは医師に話す事柄ではない」と考えている方も少なくありません

コミュニケーションが苦手なことから、困り事を抱えていても、「どこにどう相談していいかわからない」と、単独で就職活動に取り組むことに固執するケースもあります。

このような方は、後述するように、まずは自閉症スペクトラムに理解のある専門機関を訪ねるのがよいでしょう

自閉症スペクトラムの方が就職活動でアピールしやすい強み

この章では、就職活動時の参考になるように、自閉症スペクトラムの方がアピールしやすい「強み」を紹介します。

ただし、ここで挙げる強みは一般論であり、自閉症スペクトラムを抱える方全てに当てはまるとは限らず、特性や性格によって多少の個人差はあります。

お伝えする内容は「自閉症スペクトラムでも強みはある・強みを述べることはできる」という安心材料にしていただいた上で、実際の「あなた」の具体的な強みについては、後述する支援機関などを頼って見つけていくことをオススメします(参考:木津谷岳『これからの発達障害者「雇用」』、本田秀夫『自閉症スペクトラム』、厚生労働省「No.1 職域で問題となる大人の自閉症スペクトラム障害」)


自閉症スペクトラムの方の5つの強み

自閉症スペクトラムの方の5つの強み

自閉症スペクトラムの方が就職時に強みにできることとして、以下の5つが考えられます。

実際に「①文字情報の処理能力」を活かして、原稿の中の間違いを探す「校閲」の職業に従事している方はいらっしゃいます。

②や③の記憶力や集中力の高さについては、その人の関心のある分野によって変わるため、どの分野に興味を持っているのかを見極めることが大切です。

④の規範意識の強さは、特性に見られる「ルールへのこだわり」を言い換えたものです。

特に法人業務など、規定や法令の順守が大切になってくる仕事で強みになります。
経理業務で特性を活かしている方もいらっしゃいます。

⑤の論理的思考が得意という強みは、どんな仕事にも応用が利く特性です。

しかし、あまり突き詰めすぎると、会話中に対話者を追い詰めてしまうこともありうるため、注意が必要でしょう。


自閉症スペクトラムの方が強みを活かせる例

自閉症スペクトラムの強みが活きるのは、自分の関心分野への「こだわり」が役立つときだと言われています

例えば、法令といった公的なルールに強い「こだわり」を持つ人が法務部門に就職すると、マイペースな特徴もあいまって、他人の意見に惑わされず、堅実に職務を全うできる可能性があります。

また、言葉や文字への「こだわり」と視覚情報を得意とする特徴があわさった自閉症スペクトラムの方は、出版社に就職して、文章のチェックや校閲に従事したところ、指摘や確認が性格で重宝されたという事例もあります。

「こだわり」の強さをポジティブに捉えることが、就職活動でのアピールや、就職後の活躍に繋がる可能性があります

自閉症スペクトラムの方が就職を成功させるための7つのコツ

ここからは、自閉症スペクトラムの方が就職を成功させるためのコツを、具体的に紹介します。

前提として大切なのは、就職活動中に生じる悩みを、一人で抱え込まないことです

第三者や支援者に相談することで、あなたの特性や現状に適したアドバイスが得られます。

専門家の意見を取り入れることで視野が広がり、就職活動を効果的に進めることができるはずです。

ぜひ、周囲の人の意見に耳を傾けることを意識しながら、以下のコツを実践していってください。(参考:對馬陽一郎『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に働くための本』)


コツ①(二次障害がある場合)治療を進める

コツ①(二次障害がある場合)治療を進める

自閉症スペクトラムに関連した二次障害がある場合は、まず「治療を進める」ことに専念しましょう。

二次障害とは、発達障害に伴って起こる精神疾患などの病気などのことをいいます

発達障害の方は社会性・コミュニケーションに困難があるため、学校へ通う思春期前後に集団生活に馴染むことができず、いじめ被害を受けやすいです。

その結果、心的外傷後ストレス障害(PTSD)やうつ病を患ってしまい、それが就職活動にまで影響している可能性が高いと言われています。

二次障害には主に以下のようなものがあります。

就職活動をはじめるときには、専門医の診断を受けて、まずは二次障害がないかを確認し、必要に応じて治療を進めるようにしましょう


コツ②専門の支援機関を頼る

国や民間公民を問わず、自閉症スペクトラムの方の就職支援を行っている機関は、多数あります

具体的には、以下のような支援機関が挙げられます。

発達障害者支援センター」は、発達障害のある人が安定した生活が営めるよう、総合的な支援を目的として設置されている支援センターです。

就職だけでなく、生活面や教育など、発達障害に特化した相談を受け付けているのが特徴です。

就労移行支援事業所」では、病気・障害をお持ちの方に対して、定期面談や専門スキルの講習などの就労支援を行っています。

とりわけ就職を考えている方には、効果的かつ包括的な支援を実施していますので、就労移行支援については、次の項目で詳しく解説します。

障害者職業センター」「障害者就業・生活支援センター」では、発達障害を含む障害をお持ちの方に、専門的な職業サポートを実施しています。

上記の支援機関は、障害者手帳を取得していない方でも、通常は無料で利用可能です。

基本的にはお住いの市区町村役場が窓口になっておりますので、どの支援機関が適切かわからないと言う場合は、役場の総合窓口に相談してみてください(参考: 国立障害者リハビリテーションセンター「発達障害者支援センター・一覧|相談窓口の情報」、独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構「地域障害者職業センター」、厚生労働省 ※PDF「障害者就業・生活支援センター」)


コツ③就労移行支援事業所に通う

コツ③就労移行支援事業所に通う

特に就職をお考えの自閉症スペクトラムの方にオススメしたいのが、「就労移行支援事業所」です(私たちキズキビジネスカレッジもその一つです)。

就労移行支援事業所では、一般企業への就職を目指す、発達障害や疾患を持つ方に向けて、就労支援を実施しています

主な支援内容は以下の5つで、自閉症スペクトラムの特性及び利用者個人の特性に合わせて、就職に関する全般的なサポートを受けることができます。

①の生活習慣改善、②のメンタル面のケアは、各事業所が行う「改善プログラム」や日常的な相談を通じて行われます。

③の就職に関連するスキルの講習は、事業所によって個性が現れるところです。

基礎的なスキル(ワード・エクセル・軽作業など)を重視しているところ、より高度なスキル(会計・ビジネス英語・ウェブマーケティングなど)を重視しているところなど、内容や方向性が様々に異なります。

④の実際の就職活動の支援には、あなたに向いた仕事・働き方・就職先探し、模擬面接、雇用枠の検討、インターン先探しなどがあります。

⑤の職場定着支援は、就職後のサポートです(行っていない事業所もあります)。

就労定着支援では、一般的な定期面談の他に、必要に応じて就職先も交えて、業務内容や業務量の調整といった、職場で長く働き続けるためのサポートが受けられます

これまで仕事が続かないことに悩んできた方には、特にオススメです。

2017年に行われた障害者職業総合センターの調査によると、定着支援を受けた発達障害者の1年後の職場定着率が80.0%に対し、受けなかった人たちの職場定着率は61.6%と、20%近い差が出ています(出典元: 障害者職業総合支援センター ※PDF「障害者の就業状況等に関する調査研究」)

相談・見学は無料ですので、支援内容に興味を抱いた事業所があれば、問い合わせや見学を行うことをオススメします。


コツ④自分の特性を理解する

自閉症スペクトラムに限らず、発達障害をお持ちの方は、特性による向き・不向きや、得意・不得意が顕著に現れる傾向にあります

中でも、「できないこと」については、そもそも発達障害が脳の機能の偏りから生じていることもあり、カバーできる部分もしきれない面もあります(カバーできる部分については後述します)。

そのため、まずはあなた自身が、特性に対する自己理解を深めることが大切です

自己理解が深まれば、面接の場などで、あなたの特性をより詳しく知ってもらうための説明ができます。

また、「何ができて・何ができないか」という特性理解は、実際に就職して働くときに、業務内容や業務量について職場の人と相談したり、自分を理解してもらったりする際の前提となるものです

それゆえ、まずは自分の特性を理解した上で、もう一歩先に進みたいという方は、それをうまく説明できるようにしておくとよいでしょう。

具体的には、「紙に書きだしてリスト化して記憶する」「専門機関の支援員などに文章を見てもらいながら修正を重ねて、テンプレート化する」などが有効です。

ご自身の特性を考える際には、あなたが普段感じていることの他に、「周囲の人から言われたこと」もヒントになることが多いです

そして、「専門家」の観点も参考になります。

ですので、ご家族やご友人、先に挙げた「専門の支援機関」などを積極的に頼るようにしましょう


コツ⑤雇用枠をじっくり検討する

コツ⑤雇用枠をじっくり検討する

5つ目のコツは「雇用枠をじっくり検討する」です。

求人・雇用の中には、「障害者枠」というものがあります

障害者枠とは、文字どおり、「障害者を対象とする求人・雇用枠」のことです。

障害者枠ではない求人・雇用のことは「一般枠」と言います。

障害者枠では、発達障害の特性や程度に応じて、業務内容や業務量への配慮を得ながら働くことができます(ただし、通常は障害者手帳の取得が必須です)

一方で、障害者枠は、一般枠に比べると、給与水準や昇進などのキャリア面において、満足のいく待遇を得られない可能性があります。

ご自身の特性や程度、経済状況、生活と仕事の優先順位などを総合的に考えて判断することが大切です。

前項の特性理解と同様に、雇用枠についても、専門家と一緒にじっくり検討を進めるようにしましょう


コツ⑥特性をカバーする習慣を身につける

「特性をカバーする習慣を身につける」というのも、就職を成功させるコツです。

例えば、仕事で曖昧な指示を受けて混乱することがないように、日頃から「具体的な指示を得るために質問をする習慣」を身につけるとよいでしょう

また、自閉症スペクトラムの方は、自分の関心分野などには高い集中力を発揮できる分、何時間もぶっ続けで作業をする「過集中」という状態に陥りがちと言われています。

こうした特性と「自分の体調や疲労に気づきにくい」という傾向が相まって、倒れ込むほど作業に没頭することも少なくありません。

それゆえ「アラームで時間管理をして休憩時間をつくる」という習慣も、自閉症スペクトラムの方には効果的です

上記のような習慣を身につけることは、実際の仕事で役立つだけでなく、就職活動中にも「特性を補うために努力をしている」というアピールポイントにもできますのでオススメです。


コツ⑦アルバイトから始めてみる

コツ⑦アルバイトから始めてみる

正規雇用を考えているけれど、就職先がなかなか決まらない…という方は、「アルバイトなどの非正規雇用から始めてみる」のも一つの手段です。

「絶対に、すぐに正規雇用で働く」と気負わずに、まずはアルバイトからスタートすることで、働くこと自体に徐々に慣れていくことができます

また、アルバイトで興味のある業界・職種・働き方を試すうちに、あなたの向き・不向きもわかっていきます。

あなたに合った業種・働き方がわかれば、その分野での正規雇用を求めて、ステップアップすることも可能です。

お勤め先によっては、長く働くうちに、正規雇用への打診があるかもしれません。

また、アルバイトであれば、失敗しても、「不向きがわかった」とポジティブに捉えやすいかと思いますので、就職先が見つからないという自閉症スペクトラムの方は、ぜひ検討してみてください

そして、アルバイトと並行的に支援者を頼ることで、あなたに向いた「就職先」はより見つかりやすくなります。

自閉症スペクトラムの方に向いていると考えられる仕事

自閉症スペクトラムの方に向いていると考えられる仕事

自閉症スペクトラムの方に向いている仕事を考える上で大切なのは、以下の2点に着目することです。

上記の観点から、「自閉症スペクトラムの方に向いているかもしれない職業」には、以下のものがあります。

このような職業であれば、臨機応変な対応が求められたりトラブルが生じたりしない限り、自閉症スペクトラムでお悩みの方でも働きやすいかと思われます。

ただし、裁量の範囲があまりにも広く、曖昧な指示が多い場合は、パニックを起こす可能性もありますので注意してください。

また、自閉症スペクトラムと一口に言っても、その症状や程度は人によって異なります。

したがって、上述した職業に就いていても、職場や担当業務によっては多少の向き・不向きがあると思います(次章の「自閉症スペクトラムの方に向いていないと考えられる仕事」も同様です)。

これから就職活動をされる方は、上記の職業を参考にしつつ、これまでに述べた支援機関の専門家と一緒に、お勤め先の特徴や業務内容を吟味しましょう

自閉症スペクトラムの方に向いていないと考えられる仕事

自閉症スペクトラムの方に向いていないと考えられる仕事

反対に、自閉症スペクトラムの方に向いていない職業には、以下のものが挙げられます。

この3つには、「対人スキルが求められる」「予想外の出来事が多い」という共通点があります

これまで述べてきたように、自閉症スペクトラムの方は、社会性やコミュニケーションに困難があるため、「対人折衝が必要になる接客系の職業は難しい」と考えられます。

ただし、「一次対応が完全にマニュアル化されていて、それ以外の対応になったら別の担当者に引き継ぐ」体制が徹底されているのであれば、上記の職業も問題なくこなせる場合があります。

したがって、上記の業務に従事する場合は、オペレーションが定型的かつ単純であることが条件と言えるでしょう。

さて、ここまで向いている職業と向いていない職業を解説してきましたが、先述のとおり、上記はあくまでも一例です。

自閉症スペクトラムの程度や職場の特徴次第で、「その仕事にマッチするかどうか」は多少変わってきます。

上述の職業は参考に留めて、実際の就職活動では専門家の意見を取り入れつつ、職場ごとに判断するようにしてください

就職活動を有利に進めたい方は「周囲の助けを借りる」ようにしましょう

就職活動を有利に進めたい方は「周囲の助けを借りる」ようにしましょう

今回は、自閉症スペクトラム障害の方の就職活動の悩みから、面接などでアピールできそうな強み、就職活動のコツなどを解説しました。

就職活動を開始するにあたって、覚えておいていただきたいのは、悩みを一人で抱え込まないということです

できるだけ、ご家族やご友人、かかりつけ医に悩みを相談するようにしましょう。

もし「相談してもわかってもらえない」という場合は、自閉症スペクトラムの特性に理解のある、専門機関の支援員を頼ってみてください。

あなたの特性や状況に即したアドバイスがもらえるはずです。

周囲の助けを上手に借りることが、就職活動を有利に進める一番のコツだということを、忘れないようにしましょう

さて、私たちキズキビジネスカレッジは、うつや発達障害などの方のための、就労移行支援事業所です。

就労移行支援事業とは、一般企業での就職や、仕事で独立する事を目指す障害者の方の、本人に適した職場への就職・定着を目的として行われる、障害福祉サービスの1つです。

自閉症スペクトラムであることが診断書から明らかな場合などは、国の補償で最低0円から就労支援を受けられることもあります。

キズキビジネスカレッジの特徴は、会計・ファイナンス、マーケティング、プログラミング、ビジネス英語などの高度で専門的なスキルを学べる講座やプログラムを用意していることです。

少しでも気になる方は、【キズキビジネスカレッジの概要】をご覧の上、お気軽にお問い合わせください(ご相談は無料です)。

【人気コンテンツ】
○体験談:キズキビジネスカレッジはスキルだけでなく、自信も得られた場所でした
○スタッフ紹介:利用者が自立して働き続けることができるように、主体性を伸長するためのサポートを意識
○コラム:就労移行支援事業所の選び方のポイント7選|通所までのプロセスも解説


よくある質問(1)

自閉症スペクトラム(ASD)の自分が就職活動でアピールしやすい強みを知りたいです。

一般論として、次の5点が挙げられます(個人差はもちろんあります)。(1)文字情報の処理に優れる、(2)特定領域の記憶力に長けている、(3)関心分野に高い集中力を発揮できる、(4)規則に従順で規範意識が強い(5)論理的な思考が得意。詳細はこちらをご覧ください。

よくある質問(2)

自閉症スペクトラム(ASD)の自分に向いている仕事を知りたいです。

一般論として、次のような職種が向いている可能性があります(個人差や職場による差はもちろんあります)。(1)プログラミングなどのIT系、(2)経理、(3)事務、(4)法務。詳細はこちらをご覧ください。

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