シリーズ勉強する意味:選択肢を増やすことができる、自分と同じ気持ちの人がいることがわかる

シリーズ勉強する意味:選択肢を増やすことができる、自分と同じ気持ちの人がいることがわかる

2017年5月22日 月曜日 投稿

キズキ共育塾の講師やスタッフが思う「勉強する意味」をお伝えするシリーズコラムです。今回は木村杏講師が、自身の経験と生徒さんの事例から「勉強する意味」についてお話しします。

筆者紹介:木村杏(きむら・あん。仮名)。1991年生まれ、東北の漁村出身。立教大学文学部教育学科卒業。主婦生活と兼ねて、キズキ共育塾代々木校で週5日授業を実施している。担当科目は国語(現代文・古文・漢文)、英語、日本史。趣味は古本屋巡り(最近は『近世悪女奇聞』という本を2,000円でゲットした)。


勉強することで、選択肢を増やすことができる

子どものころにいた故郷には、いじめられたり周りと合わなくて浮いたりと、あまりいい思い出がありません。

私の故郷は村社会が根強く残る「田舎」で、一度何かで失敗した人は、そこにいる限り「あの人は失敗した人だ、ダメな人だ」という周囲の認識を逆転したり打破したりといったことが難しい場所でした(もちろん全部の「田舎」がそうだと言うつもりはありません)。

私の場合は「あいつはいじめられっ子だ」「あいつは浮いている」という認識がされており、非常に生きづらい思いをしていました。

そんな私が考える勉強する意味の大きな一つは、「選択肢を増やすことができること」だと思います。

私は大学進学によって、つまり勉強を通じて生じた選択肢によって故郷を出て、東京や大学という新しい場所で「やり直す」ことができました。

逆に言うと、「故郷を出てやり直すという選択肢」を増やすために勉強した、ということです。

人それぞれの事情や価値観によって、生きづらさを感じる状況は、「田舎」に限らず「都会」にも、「学校」や「家庭」にもあると思います。

また「勉強」とは、大学受験のようないわゆる5教科7科目に限りません。

もっと幅広く、いろいろなことを調べたり、知ろうとしたり、やってみたりすることも含みます。

勉強によって新しく何かを知るということは、「生きづらい、いまの自分」が変わるための新たな道を選択できる可能性を得るということだと思います。

勉強することで「世の中にはこういうものもあって、こういう道もある。だから自分もいま・ここでしか生きられないわけじゃないんだ」と選択肢を増やし、生きづらさを解消する、自分について肯定的になって生きることができるのではないでしょうか。

余談ですが、私は、大学で教育について勉強する中で、子どものころの自分がなぜ辛かったのかについても整理して考えられるようになりました。

この学びも、私がこれから生きていく上での選択肢を大いに増やしてくれていると思います。


勉強することで、自分と同じ気持ちの人がいると知ることができる

次に、生徒さんの事例から、勉強する意味の例をお伝えします。

以前担当した生徒さん(以下、Aさん)の話です。

Aさんは、やや内向的な性格と、「通信制高校を卒業後に大学受験に向けて浪人中」という環境から、家族をはじめ他人と話すことがあまりありませんでした。

そのためか、Aさんは自分の気持ちを表現したり、人と共有したりすることが苦手でした。

さて、勉強を始めたころのAさんは、「古文なんていまは誰も使ってないんだから、勉強しても意味がないんじゃないですか」などと言っていました。

とは言え大学受験を目指すAさんは渋々ながらも勉強を続け、だんだんと古文が読めるようになっていきました。

すると「自分もこの和歌と同じような気持ちになったことがある」とか「自分もこの主人公と似たような経験をしたことがある」などと発言するようになってきたのです。

Aさんは、「自分みたいな人が大昔にもいたんだと思って驚くと同時に安心したし、『この気持ちをこんなふうに表現できるんだ』というのも面白かった」と言ってくれました。

確かに古文を勉強したところで昔の日本人と話せるようになるわけではありませんし、古典文学に触れることは人生の必須条件ではありません。

しかし、Aさんのように自分の気持ちをあまり他人に話す機会がない人にとって、古文を通じて「自分と同じ人がいるんだ」「この気持ちをこんなふうに表現できるんだ」と知ることができるのは、素晴らしいことだと思います。

月並みな言い方になりますが、古文の勉強を通じて「世界は意外と広く、自分と同じ気持ちの人がいる。誰も自分のことを全く理解してくれないわけではないのかもしれない」とわかることもあるということです。

Aさんの場合はたまたま古文でしたが、英語でも、現代文でも、他の科目でもこういうことはあるでしょう。

授業では、そんな体験を少しでも生徒さんにしてもらえたらなと思っています。


勉強する意味は人それぞれ。勉強する中でその意味を考えてもよいのではないでしょうか

「勉強する意味」の正解は、一つではありません。むしろ、それを見出すのは人それぞれだと思います。

また「勉強する意味がわからないから勉強したくない」という気持ちもわかるつもりではあります。

ですが、意味がありそうかどうかということ自体を、勉強を通じて考えてみるのもよいのではないでしょうか。

私のように選択肢を増やしたり、Aさんのように世界が広がったりするかもしれませんよ。

もしかしたら、勉強した結果「やっぱり意味がなかったな」と思うことがあるかもしれません。

でもそれはそれで、自分にとって意味を見出せるもの・見出せないものがわかったということです。

何も知らなければ、自分にとって何が大事かもわかりません。

そういった観点では、「意味がないとわかること」も、とても価値のある学びだと、私は思います。


※紹介した生徒さんの事例は、記事の趣旨を損なわない範囲で、個人の特定ができないように一部事実を変更しています。
※文中の写真は、全てイメージです


ゼロからの学び直しや受験勉強のやり直しは、ぜひキズキ共育塾にご相談ください。講師とスタッフがあなたの学びを温かくサポートします。ご相談は無料です。

関連コラム


関連リンク