
やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための「キズキビジネスカレッジ」も運営。
こんにちは、ブランクがある方の学び直しをサポートする個別指導塾・キズキ共育塾の岡田和哉です。
この記事では、現在ニート状態にある10代・20代のご本人やその親御さんに向けて、ニートからの社会復帰のために必要なことをご紹介します。
私自身、高校で不登校になりその後中退、それから約10年間のニート・ひきこもり生活を送りました。
ニート状態が長く続くと、社会復帰のきっかけをなかなか作れなくなることは、自分の経験からもよくわかります。
また、ニートからの社会復帰を目指すとき、壁にぶち当たっては「自分はどうしてこんなことができないのか」と悩み、自分に失望することも多いと思います。
私がニートだったときは昼夜逆転状態で、社会復帰に向けて規則正しい生活を身につけるのに特に苦労しました。
昼夜逆転を直そうとしても、12時間以上寝ては夜寝られなくなって朝まで起きている…そんな生活の繰り返しでした。
今でも朝は苦手ですが、社会復帰はできています。
そんな私がお伝えする内容が、少しでもお役に立ったなら幸いです。
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目次
ニートからの社会復帰を目指すとき、いきなり大きな目標を立てて途中で挫折したり、目標を立てるだけで前に進めなかったりしていませんか。
私自身、ニート時代に大学受験を目指した時期があったのですが、スケジュール的にも学力的にも合格できる見通しをつけないまま臨んでしまいました。
そのため自信を持って進むことができず、勉強のやる気も起きずに、ただ日々が過ぎていきました。
目標を決めるときには、目標達成のために必要なことを逆算し、自分がその目標を達成できる見通しをつけ、自信を持って一歩ずつ進むことが大切です。
ただ、「社会復帰のための具体的な目標」は必ずしも最初から立てる必要はないと思います。
目標を立てるより先に、心身を整えた方がよい場合があるからです。
私の場合も、目標設定よりも先に、次章のような「社会復帰の準備」が必要でした。
あなたも、現在の状況やご自身の性格などによって、目標を立てることと準備から行うこと、どちらを先に行った方がよいか、考えてみてはいかがでしょうか。
この章では、ニートからの社会復帰に必要な3つの準備を、私の経験からご紹介します。
ニートやひきこもりでは、不規則な生活を送りがちです。その状態が長く続くと、体力がなくなります。
体力がないと、具体的な目標ができたときにも、それに向かって進むことが難しくなります。
そのため、体力づくりの運動が重要です。
体力がつくと、肉体的にはもちろん精神的にもプラスになり、いろいろなことができるようになります。
私の場合は、なるべく毎日ジョギングをするようにして、体力づくりを行いました。
昼夜逆転がなかなか直らなかったので、深夜に行うこともありました。
昼夜逆転は直さなくはいけないのですが、「人目が気にならない」という意味では、深夜のジョギングもよかったですね。
最初はすぐに足がつってしまい、なかなか苦労しました(笑)。
繰り返しになりますが、私は昼夜逆転の不規則な状態にだいぶ悩まされました。
このような状態では、一日の生活リズムが24時間以上(あるいは以下)の周期でまわります。
すると、生活時間が毎日ずれていく負のスパイラルに陥り、生活リズムがどんどん不安定になっていきます。
生活リズムが不安定なままでは、社会復帰はできません。
規則正しい生活にも体力が必要ですので、体力づくりと合わせて規則正しい生活を身につけるようにするといいと思います。
ただ、これもいきなり「完全に規則正しい状態」を目指しても無理だと思います(私もそうでした)。
なので、朝に太陽の光を浴びる、昼寝は15分以内にするようにするなど、少しずつ改善していくようにしましょう。
私の場合は、寝る前から部屋のカーテンを開けておき、朝になると太陽の光が顔に当たるような場所で寝たり、昼寝は眠り過ぎないように座りながらしたりするなどの工夫をしていました。
ニート生活が長くなると、人と話す機会がなくなり、コミュニケーション能力に支障をきたす人が多くいます(私もそうでした)。
コミュニケーション力は、体力同様、使わないとどんどん鈍ってていきます。
鈍ったままでの社会復帰は難しいものです。
コミュニケーションが不得意な人やコミュニケーションから遠ざかっている人も、コミュニケーション力は、練習によって(ある程度)能力をつけることができます。
オススメなのは、コミュニケーションに関する講座や面接の練習などのサービスを受けられる公共の職業訓練所です。
一例になりますが、私たちキズキでは新宿区の若年者就労支援室「あんだんて」(新宿区新宿七丁目)にて、社会参加に向けたコミュニケーション能力養成やボランティア体験のプログラムなどを実施しています。
どのようなサービスがあるか、お住いの地域の職業訓練所を調べてみてはいかがでしょうか。
ニートからの社会復帰を目指すとき、最初に「アルバイトをはじめること」を目指す人も多いでしょう。
特にニート状態が続いていた人がアルバイトを探すときには、仕事内容も大事ですが、「どんな人(特に上司)と働くのか」がより重要だと思っています。
ニートで社会から遠ざかっていた人が新たな環境に馴染むためには、周りの人が「自分と合う」必要があるからです。
社会復帰を目指す人の中には、「社会復帰をするからには、どんな人とも円滑にコミュニケーションを取れるようにしなければ!」と意気込む人もいるのですが、それはニートを経験していない人であっても結構大変なことです。
まずは自分に合った職場で、自分に合った人たちとコミュニケーションが取れるようになることを目指す方が現実的だと言っていいでしょう。
怖がらせるつもりはありませんが、自分と職場の人が合わないと苦労することも多くあります。
ニートを経験していない知り合いでも、怒鳴られることの多い職場に入ってしまって1週間で辞めた場合もありました。
と言っても、どんな人がいる職場なのかは、働いてみるまでなかなかわからないことも多いでしょう。
個人的には、面接のときに自分の弱み(例えばニート経験や引きこもり経験など)を話して、理解してもらうことが大切だと思っています。
そうすると、ニートや引きこもりの経験に理解を示さない職場の場合は受かる可能性は下がりますが、逆に、採用となった場合は自分について理解してくれる可能性が高いからです。
そうした職場でコミュニケーション力が身につくと、アルバイト以外でも苦労がだいぶ減ります。
私は、自分でいうのもなんですが、コミュニケーションはかなり苦手なタイプです。
それでもニートからの復帰後にアルバイトを長く続けられてきたのは、人に恵まれたことが大きいと思っています。
派遣や短期のアルバイトでは、まずは「他人や社会に慣れる」ということも重要です。
そして、ある程度アルバイトに慣れてきたなら、自分を受け入れてくれる職場を探して長く勤めることに挑戦するのもいいと思います。
ニートからの社会復帰を目指すとき、高卒認定の取得や専門学校・大学などへの入学を目指す人もいます。
例えば大卒の資格があると、その後の就職や資格試験などでも選択肢が広がります。
私たちキズキ共育塾の生徒さんにも、何年もニートやひきこもりだった状態から学び始め、高卒認定を取得したり、専門学校・大学に合格したりした方がたくさんいます。
勉強を始めるのに、遅すぎるということはありません。
「○年もニートだったからもう勉強はできない」のような不安は、取り越し苦労です。
まずは現在の自分の学力を確認し、そして、自分が将来どうありたいかを考えることが重要です。
そうすると、どんな学校でどんな学問を学びたいか、そのためにこれから具体的に何をすべきかという道が拓けてきます。
とは言え、学力や受験勉強については、自分一人ではわからないことも多いと思います。
私たちキズキ共育塾ではそうした内容の無料相談を受け付けていますので、よかったらご相談ください。
私たちキズキ共育塾は、いまから学び直したい方のための完全個別指導塾です。進路/勉強/受験/生活などについて、無料相談ができます。高認や大学の合格実績多数。お気軽にご連絡ください。
資料を無料ダウンロードニートやひきこもりからの社会復帰には時間がかかるため、最初の方は成果が出ずに失望することも多いと思います。
私も体力づくりのためにはじめたジョギングで自分の体力のなさを悲観し、なかなか前に進めなかった時期もありました。
ですが、地道に続けていくうちに、今ではフットサルも普通にプレイできるようになりました。
少しずつ、一歩ずつ進んでいたんだなと、振り返って思います。
さて、社会復帰とは、「正社員としての就職」や「大学への進学」だけではないと思います。
「社会に関わること」自体が、社会復帰(の第一歩)なのではないでしょうか。
私の場合は、アルバイトの開始が、ニート・ひきこもりからの社会復帰の第一歩になりました。
社会問題に関心があったので、社会問題について学べる社会人向けの学校に通ったりもしました。
さらに、2016年の熊本地震での震災ボランティアの活動にも参加しました。
人に感謝される喜びややりがいを知ると同時に、社会勉強にもなりました。
今も被災地に思いを寄せています。
あなたにも興味あることがあれば、関連するスクールやコミュニティ、ボランティア、イベントなどを探してみてはいかがでしょうか。
また私は、ニート・ひきこもりが長かったことによる「いろんな経験の少なさ」が自分の弱点だと感じていました。
ただこれは、裏を返せば「成長の余地がある」とも言えます。
現在29歳の私は、いま行っている活動の一つ一つを新鮮に感じます。
そして、それぞれの活動を通じて自分が成長していると実感することもとても多いです。
ニート・ひきこもりだった数年前の自分と比べると、驚くほどたくさんの経験を得られています。
あなたも、社会復帰へ向けて一歩ずつ進んでみてください。きっとうまくいきます。
もし「あなたの社会復帰」が勉強に関係することであれば、私たちキズキ共育塾にお気軽にご相談ください。お待ちしています。
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