引きこもりの我が子との関わり方〜「どうすれば」と悩む親へ〜

引きこもりの我が子との関わり方〜「どうすれば」と悩む親へ〜

2018年9月10日 月曜日 投稿

引きこもりの我が子との関わり方〜「どうすれば」と悩む親へ〜

こんにちは、キズキの清水優希です。

お子さんが引きこもりになると、親御さんは心配になります。

お子さんの気持ちに寄り添ったり、お子さんの意思を尊重しようしたりするでしょう。

しかし、寄り添おうとすればするほど、お子さんの気持ちがわからなくなり、段々とすれ違っていく。
本人の意思を尊重するあまり、親として何をすればいいのかわからず、お子さんの変わらない状態に焦りを感じる。

こんな経験ありませんか?

今回のコラムでは、実際に引きこもりを経験した私が当時の気持ちを振り返りながら、「親として、引きこもりの子どもにどうすればいいのか」を考えていきたいと思います。

お子さんも親御さんも、次の一歩に進めるきっかけとなれば幸いです。


①お子さんと信頼関係を(再)構築しましょう

引きこもりのお子さんのために親御さんができることの第一歩は、「親子の信頼関係」の(再)構築です。

引きこもりになる前に信頼関係があった場合でも、引きこもりになった後のお子さんは思考がネガティブになり、親御さんのことも信頼できなくなっていることがあります。

親子で信頼関係を(再)構築できれば、お子さんは「自分は一人じゃない」と思えるようになり、「次の一歩」について前向きになることができます。

以下に、信頼関係の(再)構築の方法をお伝えします。


お子さんの「今」を受け入れて、安心できる存在になってほしい

引きこもり当時の私が一番感じていたこと、それは将来に関する焦りと不安でした。

親御さんの視点でも、どうしてもお子さんの「将来」を考えると思います。

お子さんに「このままでいいの?将来大丈夫なの?」と声をかけたくなる気持ちはわかります。

ですが、将来への焦り・不安は、誰よりも引きこもりの当事者であるお子さん自身が一番抱いています

その上で、引きこもりという選択をしている(、または引きこもりから一歩先に進めない)のです。

親御さんは、まずはお子さんの「将来」ではなく「今」を見つめてください
そして、ありのままのお子さんを受け入れてください。

「焦り」と「不安」に押しつぶされているお子さんにとって、今のありのままの自分を受け入れてくれる人がいるだけで、大きな救いになるからです。

私の場合は、祖母に
「大丈夫だよ。何があっても、かわいい孫だよ。いつもがんばっていて、本当に偉いね」
と言ってもらえたことを今でも覚えています。

祖母の言葉で「自分を責めなくていいんだ」と思えて、肩の荷が非常に軽くなった気持ちになりました。


「引きこもりであること」を必要以上に意識せずにコミュニケーションをしてほしい

「引きこもりであること」を必要以上に意識せずにコミュニケーションをしてほしい

もう一つ、引きこもっていた当時の私が救われたのは、私を「はれ物」のように扱わず、それまでどおりのコミュニケーションをしてくれた兄弟の存在でした。

引きこもりのお子さんは、「はれ物」のように扱われると、
「気を使わせてしまっている。もっとちゃんとしなきゃ」
「家族にまで気を使わせている。なんとかしないと」
と、家庭内で、家族間で常に気を張るようになることがあります。

気を張るプレッシャーが常につきまとうと、段々と「弱い自分」を隠すようになります。

するとお子さんは、素直な自分の気持ちを伝えたり、助けを求めることができなくなったりして、さらに自分の殻にこもっていってしまいます。

その結果、引きこもりが長期化することもあるのです。

お子さんが「引きこもりであること」を必要以上に特別視せず、それまでどおりのコミュニケーションをとってください

すると、次第に親御さんが安心できる存在になり、お子さんが素直な気持ちを表現してくれるようになると思います。


親御さんから積極的に自己開示してほしい

では、「引きこもりであること」を意識する必要があるコミュニケーションはどんなときでしょうか。

言い換えると、それまでとは違うコミュニケーションとして、何が必要なのでしょうか。

それは、親御さん自身からお子さんに自己開示をしていくことです。

さりげなく、しかし明確に言葉にして
「私は君と話したいよ」
「私は君のことを責めていないよ」
「私も君と同い年ぐらいの時にたくさん悩んだよ」
などと伝えてあげてください。

そうすることで、お子さんは親御さんをより信頼できるようになります。

逆に、
「私はこんなにやってあげているのに、どうして君は返してくれないの?」
「君もつらいかもしれないけど、私もつらいよ」
など、(親御さんにそんなつもりはなくても)お子さんを責めるような言い方をしてしまうと、お子さんは心を閉ざしてしまうこともあります。

あくまで、「自分が子どもの味方であること」を伝えてください


②お子さんの声と向き合っていきましょう

お子さんの声と向き合っていきましょう

以上のように、親御さんがお子さんにとって安心できる存在になっていければ、信頼関係が築けます。

そうすれば、お子さんも親御さんに自分の気持ちを素直に伝えることができるようになります。

この段階では、お子さんの声に向き合ってみてください

「○○をし始めたい」
「○○はしたくない」
「○○な学校に行きたい」
「○○な仕事に就きたい」

お子さんのそういった声に向き合うと、「次に何ができるか」が見えてきます。

例えば、お子さんに向いていそうな外出先や学校や仕事を探したり、逆に向いていなさそうなところを選択肢から外したり、といったことです。

お子さんの気持ちと向き合う上での注意点を、以下に紹介します。


お子さんの意思を尊重してほしい

このとき忘れないでほしいのは、お子さんは「一人の人間である」ということです。

親子の関係であっても、お子さんは自分の考えを持つ一人の人間であり、それが親御さんと必ずしも同じ考えであるとは限りません。

もしあなたとお子さんの考えが違ったとしても、一人の人間の意見として頭ごなしに否定せず、尊重してください

そしてこの段階でも、「お子さんの将来」を見据えるばかりではなく、お子さんの「今」の声と向き合うということも意識してほしいと思います。

「こんなふうになりたい」「こうしてみたい」というお子さんの声を前向きに検討してほしいということです。

「そんな学校(仕事)はダメだ。将来のために○○を目指すべきだ」
といった対応では、せっかく前向きになったお子さんの心が再び沈んでしまいます。

親としてお子さんに「こうなってほしい」という理想像があることは、一般論として「間違い」ではありません。

ですが先述のとおり、(引きこもりであるどうかに関わらず、)お子さんは「一人の人間」です。

親の理想像の押しつけになっては、(引きこもりでなくても)親子関係がこじれることはよくあります。

そして、特に引きこもりのお子さんが必要なのは、「今」の自分に対しての言葉です。

お子さんが一歩ずつ前に進めるよう、ぜひ「今」のお子さんの気持ちに向き合ってほしいと思います。


③お子さんを適切な支援機関につなぎましょう

お子さんを適切な支援機関につなぎましょう

さて、お子さんの意思を尊重し、「今」を受け入れましょうという話をしてきました。

しかしこれは、「お子さんの言いなりになりましょう」ということではありません。

前言を翻すようですが、例えば「お子さんのしたいこと」があまりにも現実離れしすぎている場合などでは、結局実行(実現)できずに、お子さんの新たな「失敗体験」となってしまうこともあります。

ここで思い出してほしいのは、お子さんは「一人の人間である」と同時に、「社会との接点があまりない」、ということです。

仮にお子さんが成人していて法律的には「大人」であっても、(特に長期間)引きこもることによって社会との接点が減っていれば、「引きこもりではない人」と比べると、現実との向き合い方がよくわかっていないこともよくあります。

お子さんが実際に「子ども」ならなおのことです。

「引きこもりではない大人」と同程度の知識、経験、判断力などがあるとは限らない、ということを忘れてはいけません。

つまり、お子さんが一歩ずつ前に進むためには、気持ちを尊重されつつ、「現実」とも向き合う必要があるということです。

そしてこれは、親御さんにも似たようなことが言えます。

親御さんは「引きこもり支援」の専門家ではありません

お子さんが「現実との向き合い方」を知らないことがあるのと同様、親御さんも(我が子とは言え)「引きこもりのお子さんとの向き合い方」を知らないことも、よくあります(責めているわけではありません)。

お子さんのためにも親御さんのためにも、お子さんを「適切な支援」に繋げてほしいと思います。

お子さんと一緒に、相談機関を探してみてはいかがでしょうか。

今は引きこもり支援の団体もたくさんあり、お子さんに向いた支援機関も必ず見つかります。

私が引きこもりだったときは、とにかく孤独で、引きこもりであることが恥ずかしくてしょうがなかったので、一人で相談機関に行ったりすることは怖くてできませんでした。

信頼関係を(再)構築した親御さんと一緒なら、お子さんも支援機関を探し、通えると思います。

親御さんだけでの相談を受け入れている団体もあります。

順番が前後して恐縮ですが、この段階まで待たずに、「子どもが引きこもり気味になってきたな…」という時期に、先んじて親御さんだけでご相談に向かうこともオススメします。


まとめ〜お子さんを大事にするように、親御さん自身のことも大事にしましょう〜

お子さんを大事にするように、親御さん自身のことも大事にしましょう

ここまでは、引きこもりのお子さんとどう関わってほしいかを書いてきました。

まずは、お子さんの「今」に寄り添ってほしいと思います。

お子さんの将来が心配な気持ちはわかりますが、将来への焦りや不安は、お子さん自身が一番抱いています。

そして、お子さんが引きこもりであることを特別に意識せず、それまでどおりのコミュニケーションをとっていただければと思います。

そうするうちに、お子さんは親御さんを(改めて)信頼するようになります。

信頼関係を構築できたら、お子さんの気持ちに向き合い、「○○がしたい」といったお子さんの声に耳を傾けてください

ですが親御さんは引きこもりの専門家ではありませんし、親御さんが全てを抱え込む必要もありません。

今は引きこもりの支援団体もたくさんありますので、お子さんに合いそうな支援団体を一緒に探してみてください(キズキでも無料相談を受け付けています)。

最後に、元引きこもりの私から伝えたいことは、
「親御さんは親御さんで、自分の生活を楽しんでほしい」
ということです。

引きこもりの子どもには、「親御さんのお子さんを想う気持ち」は十分伝わってきます。

だからこそ、その気持ちがプレッシャーとなってしまうこともあるのです。

私も引きこもり当時、「自分のせいで、親にいろんなことを犠牲にさせてしまっているのではないか?」と自分を責めたこともあります。

なので、親御さんは親御さんで、自分を大切にし、楽しむことを忘れないでほしいのです。

するとお子さんの方も、親御さんに気を使わずに済みます。
また、親御さんが楽しんでいる姿は、お子さんにとって安心につながります。

お子さんも親御さんも、次の一歩に進めるよう、祈っています。


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※文中の写真は、全てイメージです。