不登校と引きこもりの違い・心理・対応法〜経験者が解説します〜

不登校と引きこもりの違い・心理・対応法〜経験者が解説します〜

こんにちは。不登校のお子さんの勉強とメンタルを完全個別指導でサポートするキズキ共育塾の寺田淳平です。

あなたは、お子さんが不登校や引きこもりで、「不登校・引きこもりの原因がわからない…」「どう支援・サポートすれば解決するの…?」と悩んでいるのではないでしょうか。

子どもが不登校や引きこもりになると、親子間のコミュニケーションが減少する傾向があります。

そうなると、お子さんが「何を考えているのか」「どんなことを望んでいるか」がわからずに、手詰まりに感じることもあるでしょう。

ですが、それを知るためとはいえ、お子さんに無理に対してコミュニケーションを求めると、解決から遠ざかる可能性があります(理由は後ほど詳しくお伝えします)。

親子とはいえ、適切な距離感を保つこと、長い目で見て支援・サポートをすることが、お子さんが「次の一歩」を踏みだすためには必要になります。

そこでこのコラムでは、その「次の一歩」を踏み出すために大切な、不登校・引きこもりの子どもの心理や親御さんの対応方法を解説します

不登校と引きこもりの定義の違いや、実際に不登校を経験した私が当時考えていたことも詳しくお伝えします。

いま、不登校や引きこもりによって学校に行けずに悩んでいる学生さんも、ぜひ読んでみてください。

共同監修・不登校新聞社 代表理事 石井志昂氏からの
アドバイス

ご家族や親御さんだけで抱え込まず、専門家を利用しましょう

不登校や引きこもりの心理や対処法は、あまり知られていません。
このコラムに書かれている内容を読むと、「甘やかしすぎではないか」と思うかもしれません。
ですが、これらの対処法は、不登校や引きこもりを経験した親子が、血と涙を流してたどり着いた結論です。

生半可な思いで書かれているものではありません。
とはいえ、疑問を感じる部分もあると思います。
家庭内や親御さん一人だけで抱え込まずに、伴走してくれる専門家や支援団体などを利用することで、「実際のあなた(のお子さん)のためにできること」が見えてきます。

不登校と引きこもりの定義の違い

まず、不登校と引きこもりの定義の違いについて解説します。

不登校と引きこもりを兼ねているお子さんもいます。ですが、この2つは基本的な定義が異なります。

ポイントは「日数」と「社会的参加の有無」です

文部科学省と厚生労働省による公式の定義がそれぞれにありますので、順に見ていきましょう。

①文部科学省の不登校の定義

不登校の定義

文部科学省による不登校の定義は、次のようになっています。

何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間 30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの

つまり、習い事に通ったり、友達と遊んだりしていても、病気や経済的な理由を除き、学校の欠席日数が「年間30日以上」であれば、定義の上では「不登校」になります

ただし、学校に登校していなくても、教育支援センター(適応指導教室)に通っている場合、一定要件を満たすことで「出席扱い」となる可能性があります。(参考:文部科学省『教育支援センター(適応指導教室)』)

そのため、教育支援センターに通っている日数によっては、定義上は不登校に該当しないこともあるのです。

逆に、「公的な定義」に限って言えば、年間29日以下の欠席や、病気が理由の長期欠席などは、不登校にはなりません。

欠席日数が29日の場合と30日の場合では大きな違いはないかもしれませんし、公的な定義だけが言葉の意味ではありません。ですが、ひとまず「公的にはそういう意味」とご理解ください。

②厚生労働省による引きこもりの定義

引きこもりの定義

一方、厚生労働省による引きこもりの定義は、次の通りです。

様々な要因の結果として、社会的参加(義務教育を含む就学、非常勤職を含む就労、家庭外での交遊など)を回避し、原則的には6か月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態

ちなみに、この定義には「他者と関わらない形での外出をしている場合も含む」というただし書きがあります。

つまり、部屋や家から出ていても、6か月以上にわたって「社会的参加」をしていなければ、定義上は引きこもりとして扱われることになります

公的な定義を文字どおり理解すると、原則的には、引きこもっている期間が「5か月29日間以下」なら引きこもりではないことになるのです。

「原則的には」とある以上は例外があることが考えられます。また、不登校同様にその1日の差にどれほどの意味があるかは議論の余地があるでしょう。こちらも、やはりひとまず「公的には、こういう意味」としてご理解ください。

③不登校・引きこもりの定義のまとめ

ここまでお伝えしてきた内容をまとめると、不登校と引きこもりの公的な定義の違いは、次のようになります。

  • 不登校:社会的参加の有無に関わらず、病気・経済以外の理由で年間30日以上の欠席がある
  • 引きこもり:社会的参加のない状態が6か月以上継続している
  • 不登校かつ引きこもり:不登校の中でも社会的参加が6か月以上ない状態が継続している

なお、これらに関連して「社会的引きこもり」や「ニート」という言葉が用いられることがあります。

そうした引きこもり関連の話題やその違いについては、以下のコラムにまとめています。ご興味がある方はお読みください。

 

不登校・引きこもりの子の5つの心理

不登校・引きこもりを解決するためには、お子さんの置かれている状況だけでなく、心理を理解することが必要になります。

心理状態を知ることで、お子さんが「どういった距離感で接することを求めているのか」「何をしないでほしいのか」がわかりやすくなるからです。

ただし、先述したとおり、今の気持ちや不登校・引きこもりの原因を。お子さんから無理に聞き出そうとすることは、解決にはつながりません。

この章では、私の経験とともに、臨床心理士の磯部潮氏による『不登校・ひきこもりの心がわかる本』を副読本として、不登校・引きこもりの子どもの心理をご紹介します。

お子さんの気持ちを理解するためにも、ぜひ目を通してみてください。

心理①自分に自信が持てない

自分に自信が持てない

1つ目は「自分に自信が持てない」という心理です。

お子さんはまだ年齢が若いため、さまざまな社会体験を積んできた大人と比べると、人格と個性が安定せず、自信を持ちづらい状態です

だからこそ、学校に通い同級生や先生と交流することで、「人格形成」が進むという考え方もあります。

ですが、学校生活の中でのつまずきや、成績の比較などによって自信を持てなくったことが原因で、不登校や引きこもりになる子どもは珍しくありません。

不登校や引きこもりに限らず、自信が持てないことによって自暴自棄になり、「自分は何をやってもダメだ」という絶望感に襲われる子どももいるようです。

心理②人間関係全般が怖い

人間関係全般が怖い

2つ目は「人間関係全般が怖い」という心理です。

KY(空気が読めない)という言葉が流行したことからもわかる通り、いまは「コミュニケーション力」を重視する風潮が強くあります。

そういった中で、学校生活ではクラスや部活などの人間関係でプレッシャーを感じる場面が増えているように思われます。

特に、もともと周囲との雑談が苦手だったり、内向的な性格だったりする子どもの場合、そのプレッシャーを強く感じるはずです。

こうしたプレッシャーが「学校での人間関係」に限る場合は、不登校になったとしても、引きこもりになることは少ないでしょう。

ですが、人間関係全般において強いプレッシャーを抱えていると、その心理が原因となり、「人と会うことが怖い」と感じ、社会的参加を回避するようになるのです

実際、不登校から軽度の引きこもりに移行した当時の私は、人と会ったり話したりすること自体に、強い不安を感じていました。

「人間関係全般が怖い」というのは、不登校・引きこもりの子に多い心理状態かと思います。

心理③学校や家族に反発したい

学校や家族に反発したい

3つ目の心理は「学校や家族に反発したい」です。

不登校や引きこもりの子どもは、学校の規則・制度に息苦しさを感じていることがあります。そして、それに反発したいと思っていることがあるのです

また、家族に対する不満やストレスが原因となり、不登校・引きこもりになるケースもあります。

子どもが「両親が自分のことを気に掛けていない」と感じることで自己肯定感が下がり、親を興味を引いたり困らせたりするために、学校へ行かない選択をしていることもあるようです。

こうした心理を持つ不登校・引きこもりの子どもは、その子なりの不満やストレスを溜め込んだまま主張を控えていることがあります。機会を見て、きちんと話を聞くことが大切です

心理④将来に漠然とした不安がある

将来に漠然とした不安がある

4つ目の心理は「将来に漠然とした不安がある」です。

まだ若く可能性があるとはいえ、子供が全員はっきりした夢や目標を持っているわけではありません。

次のような疑問から、将来に対して漠然とした不安を抱く子どもがいるのです。

  • 「この勉強が将来、何の役に立つんだろう?」
  • 「学校を卒業するまでに、やりたいことが見つかるのかな?」
  • 「将来どうやって生活していけばいいんだろう?」

実際、文部科学省の調査によると、不登校の要因として『「不安」の傾向がある』と分類される児童の割合は、小・中学校で「33.3%」、高校で「23.3%」と、高い割合を示しています。(参考:文部科学省※PDF『平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について』)

学校へ通うことをやめたり、部屋に引きこもったりする原因として、こうした「将来に対する漠然とした不安」が考えられるのです

心理⑤原因がわからずに混乱している

原因がわからずに混乱している

最後にお伝えしたいのが、「原因がわからずに混乱している」という心理状態です。

この心理は、私が実際に不登校だった頃に、特に強く感じていました。

不登校のはじまりが「何となく学校へ行きたくない」という、漠然とした感情だったという子どもは少なくありません。

中には、その漠然とした感情がなぜ起こるのかがわからず、原因探しに集中して、そのまま考え込む子どももいます

ですが、不登校や引きこもりには、明確に「これだ!」と言える原因がなく、原因を特定できない場合がほとんどです。

結果として、「原因がわからずに混乱している」状態のまま、不登校や引きこもりが継続するケースがあります。

また、そうした原因探しが、不登校や引きこもりの解決に直結するとも限りません。

例えば、先生の言葉に傷ついて不登校になった場合、先生が謝罪すれば必ず登校を再開できるかと言えば、そうでもないことが多いです。

そもそものトラウマを取り除けていなければ、登校を再開できないこともあります。

逆に、先生の謝罪がないままでも、子どもの心のケアをしっかりと行ったり、転校して環境を変えたりすることで、あっさり登校できるようになることもある、ということです。

なお、不登校と原因の関係については、以下のコラムで詳しく解説しています。よろしければ併せてお読みください。

 

不登校・引きこもりだったときに私が考えていたこと~体験談~

不登校・引きこもりだったときに私が考えていたこと

ここでは、不登校から軽度の引きこもりになっていたときに、私が考えていたことをお話しします。

私が定義通りの「不登校」になったのは、高校2年生になったばかりの4月でした。

先述したように、はじまりは何となく「学校に通いたくない」という気持ちです

不登校生活の当初は、「この心理状態の原因は何か」を考えており、その原因を解消すれば「自然と学校へ行きたい気持ちになるはず」と思っていました。

そのときに、思いついた「不登校になった原因」は、おおよそ次のようなものです。

  • クラス替えで人間関係に不安を感じはじめた
  • 授業の進度が合わなかった
  • 担任の先生が苦手だった
  • 家族が病気になって不安だった

ですが、「不登校になった原因」をいくら考えても、「これが決定的な原因だ」と自信を持って言うことはできませんでした。

また、「その原因が解消したら、また学校へ行きたくなるのか?」と自問すると、そういうわけでもなさそうでした。

最終的には混乱するだけで、原因を考えるだけでもつらく感じるようになりました。

また、考え込むうちに不登校の期間が長引き、人と接する機会が減った結果、以前よりも一層自分のコミュニケーション力に自信が持てなくなりました

不登校・引きこもりだったときに私が考えていたこと

その頃に私が特に嫌だったのが、家族が無理にでもコミュニケーションを取ろうとしてきたことです

不登校になると、学費を払っている両親に対する罪悪感が出てきます。

その両親の「期待」に応えたいという思いはもちろんありましたが、応えられる心理状態では決してありません。心に余裕ができるまでは、「そっとしておいてほしい」というのが本音でした。

結果的に、家族との接触も避けるようになり、部屋に引きこもる時間は増えていきました。

私の経験からお伝えしたいことは、不登校や引きこもりの解決のためには、「適切な距離感やコミュニケーションのタイミングへの配慮が必要」ということです

お子さんとコミュニケーションを取ること自体は、決して悪いことではありません。

親御さんが「何とか子どもを支援・サポートしたい」と思うのは、当然のことでしょう。

ですが、不登校や引きこもりの子どもは、コミュニケーションを取りたくても取れる心理状態ではなく、無理なコミュニケーションが余計にお子さんを追い詰めていることがあります。

ですので、多少はがゆく感じても、無理にコミュニケーションを取ろうとせず、お子さんの方から「話そう」と思えるまで見守ることが、不登校や引きこもりを解決するためには重要です。

なお、私の場合は、自分から話せるくらいに気持ちが回復し、考えが多少まとまってから担任の先生との三者面談の機会を設けていました。そして保健室登校を開始し、不登校・引きこもりから脱出しました。

その後は、休みを挟みながらではありましたが、留年することなく卒業まで高校に通い続けられました。

不登校・引きこもりの子への接し方と対応法

ご紹介した不登校・引きこもりの子どもの心理を踏まえて、ここからは接し方と対処法を詳しくお伝えします。

大切なのは、不登校や引きこもりが続いているからといって、お子さんに焦りを見せないことです

親御さんが焦燥感や苛立ちを感じていると、それがお子さんに伝わって、プレッシャーになる可能性があります。

親御さん自身も、お子さんについて抱いている悩みを一人で抱え込まずに、家族、先生、専門家などに相談することが大切です。

では、不登校・引きこもりの子どもへの接し方と対処法を5つ解説します。

対応法①感情的にならずに見守る

感情的にならずに見守る

1つ目は「感情的にならずに見守る」です。

不登校や引きこもりの間、家で漫画を読んだり、ゲームをしたりするお子さんは多いと思います。

その姿が、親御さんの目から見て、怠けているように見えることもあるでしょう。

「そんな暇があるなら学校に行けるだろう」と感情的に叱りたくなるかもしれません。ですが、そのように厳しく接することで、お子さんの気持ちがふさぎ込み、不登校や引きこもりの解決が遠ざかる可能性があります

次のように考えて、できるだけ気長に接して、お子さんを見守ることが大切です。

  • 「この子にとって必要な充電期間だ」
  • 「気晴らしをすることも大切だ」

ただ、「気長に見守る」ことを意識していても、その間に大きな焦りに襲われて、不安やストレスを感じる親御さんもいるかもしれません。

その場合は、親御さん自身のストレスを意識的に発散・リフレッシュすることが大切です。

不登校のお子さんを持つ親御さんが抱えやすいストレスへの対処法は、以下の記事にまとめています。ぜひ併せて読んでみてください。

また、後述しますが、専門の支援機関を含む第三者への相談したり、支援を受けたりすることで、不安やストレスが大きく緩和されることがあります。

親御さんだけで悩みを抱え込まず、積極的に支援機関を利用してみてください。

対応法②意見を尊重する

接し方・対応法の2つ目は「意見を尊重する」です。

これは、お子さんが落ちつきを取り戻して、自発的に会話をするようになるなど、心理状態が安定した時期に意識してほしいことです

不登校や引きこもりの子どもは、「もしかすると自分は甘えているだけかも…」という不安を抱えながら、勇気を持って親御さんに相談することが多いです。私自身がそうでした。

頭ごなしにお子さんの考え方を否定したり、もっとこうすべきだと一方的なアドバイスを投げかけたりすると、お子さんは自信を失い、解決までの期間がさらに長くなる可能性があるのです。

お子さんが相談を持ち掛けたときには、親御さんに思うところがあっても、まずは受け止めてお子さんの意見を尊重するように意識してみてください。

対応法③生活リズムの乱れに注意する

生活リズムの乱れに注意する

3つ目は「生活リズムの乱れに注意する」です。

不登校や引きこもりの場合、決まった時間に寝起きして食事を取るなどの習慣が失われがちです。

そのため、昼夜が逆転するなど、生活のリズムに変化が起こることも少なくありません

登校を再開できても、生活リズムが乱れたままでは、眠気から来るストレスが原因となり、お子さんの心身に不調を招くこともあります。

中には、不登校や引きこもりの原因になった精神的なショックは癒えても、生活リズムが元に戻らないために、不登校や引きこもりの状況が継続しているケースもあるのです。

お子さんの生活リズムの乱れによる昼夜逆転が気になる場合は、以下のコラムを併せてお読みください。

対応法④専門の支援機関に相談する

専門の支援機関に相談する

4つ目は「専門の支援機関に相談する」です。

まずは、身近な相談先として、担任の先生やスクールカウンセラーが挙げられます。併せて国や自治体が設置している相談窓口など、専門の支援機関にも相談しましょう。

支援機関には、不登校や引きこもりの解決に向けての知見を持った専門家が在籍しています。

お子さんの不登校や引きこもりの要因に応じた、適切なアドバイスを得られることも多いため、積極的に活用されることをオススメします

代表的な支援機関は、次の通りです。

お子さんの状況に適した支援機関がわからない場合は、お住いの地域の役所の総合窓口や代表電話でも確認できます。

また、民間の支援団体やフリースクール、私たちキズキ共育塾のような不登校の支援を行っている学習塾に相談するのも、有効な手段のひとつです。

不登校や引きこもりの解決のためのサポートが得られるだけでなく、親御さんのストレスを軽減するきっかけにもなるはずです。

対応法⑤親御さん自身が元気な姿を見せる

親御さん自身が元気な姿を見せる

最後は、「親御さん自身が元気な姿を見せる」です。

「自分のせいで親が思い悩んでいるのでいるかも…」と、不登校や引きこもりの状況に罪悪感覚えるお子さんもいます。

また、親御さんが不安や焦りを言葉として出さなくても、お子さんにその心情が伝わって、プレッシャーに感じることもあります。

だからこそ、親御さん自身が元気な姿を見せることが、不登校や引きこもりの解決につながるのです。

親御さんご自身が生活を楽しみ、元気な姿を見せることは、子どもに安心感をもたらすだけでなく、「大人として望ましいロールモデルを見せること」にもつながります

それによって、お子さんが「自分ももっと自立しよう」「こんな大人になりたい」と思えるようになることもあるのです。

「子どもが不登校で悩んでいるのに、私だけが元気にはなれない」と思われる方もいらっしゃるでしょう。

子どもが悩んでいるときに、自分だけが元気になれないのは、親の感情として当然だと思います。

ですが、親御さんの元気な姿を見せることが、不登校や引きこもりの解決には欠かせません。

お子さんが将来の希望を持てるように、まずは親御さん自身が生活を充実させて、元気な姿をお子さんに見せるようにしてみてください

不登校・引きこもりに関するQ&Aまとめ

最後に、不登校・引きこもりに関するQ&Aをご紹介します。

今回は、キズキ共育塾でも多く寄せられる、不登校や引きこもりに悩む人たちからのご相談・質問をピックアップしました。

同じ疑問をお持ちの方も多いと思いますので、ぜひ参考にしてください。

①家庭環境が不登校や引きこもりの原因になるというのは本当?

家庭環境が不登校や引きこもりの原因になるというのは本当

不登校や引きこもりのお子さんの中には、家庭環境が一因になっているというケースも存在します。

文部科学省による『平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について』では、不登校の要因を3つに区分しています。そのうちのひとつは「家庭に係る状況」となっています。

そして、この不登校に関わる「家庭に係る状況」としては、具体的に次の3つが挙げられています。

  • 家庭の生活環境の急激な変化
  • 親子関係をめぐる問題
  • 家庭内の不和

ですが、あなたのご家庭が上記のような状況にあるからと言って、「原因はすべて親の自分にある」とご自身を責める必要はありません。

あくまでもこれは「原因のひとつ」です。

不登校や引きこもりは、さまざまな要因が複雑に絡みあっている場合がほとんどです。

要因の一つに家庭環境があったとしても、学校生活や勉強における要因など、お子さんがさまざまな面で悩みを抱えていることも少なくありません

また、「不登校になった原因」と「不登校が継続している原因」は別であることが多いです。

仮に「不登校になった原因」が家庭環境にあったとしても、その後に生活リズムが乱れたり、交遊の機会が減って対人恐怖を抱いたりしたことが、「不登校が継続している原因」となることもあります

よって、「家庭環境が一因になることはあっても、それがすべての原因ではない」ということです。

なお、家庭環境と不登校との関わりについては、以下のコラムに詳細にまとめてありますので、ご参照ください。

②引きこもりは病気・障害の一種でしょうか?

引きこもりは病気の一種でしょうか

引きこもりは「病気・障害の一種」ではありません。

ただし、引きこもりと病気や障害が関連したり、引きこもりの背景に病気や障害が潜んでいたりすることが、後で明らかになることはあります

例としてよく挙がるのが、引きこもりをきっかけにクリニックを受診したところ、発達障害であることが判明したというケースです。

発達障害の一種である自閉症スペクトラム(ASD)などでは、コミュニケーションに関連する障害や、特定分野へのこだわりといった症状が、社会生活や学生生活に困難を来たす場合があります。

そうした困難から、二次障害として、うつ病などの精神疾患を抱えて、引きこもりになることがあるのです

もちろん、引きこもりの人の全員が、そうした発達障害を潜在的に抱えているわけではありません。

ですが、その症状に合致している点が多いと感じた場合は、病院や発達障害者支援センターなどに相談してみてください。

なお、発達障害については、以下のコラムにまとめています。ご参照ください。

 

参考:学校休んだほうがいいよチェックリストのご紹介

2023年8月23日、不登校支援を行う3つの団体(キズキ不登校新聞Branch)と、精神科医の松本俊彦氏が、共同で「学校休んだほうがいいよチェックリスト」を作成・公開しました。LINEにて無料で利用可能です。

このリストを利用する対象は、「学校に行きたがらない子ども、学校が苦手な子ども、不登校子ども、その他気になる様子がある子どもがいる、保護者または教員(子ども本人以外の人)」です。

このリストを利用することで、お子さんが学校を休んだほうがよいのか(休ませるべきなのか)どうかの目安がわかります。その結果、お子さんを追い詰めず、うつ病や自殺のリスクを減らすこともできます。

公開から約1か月の時点で、約5万人からご利用いただいています。お子さんのためにも、保護者さまや教員のためにも、ぜひこのリストを活用していただければと思います。

私たちキズキでは、上記チェックリスト以外にも、「学校に行きたがらないお子さん」「学校が苦手なお子さん」「不登校のお子さん」について、勉強・進路・生活・親子関係・発達特性などの無料相談を行っています。チェックリストと合わせて、無料相談もぜひお気軽にご利用ください。

まとめ:不登校・引きこもりの子には、無理なコミュニケーションを求めないことが大切です

不登校・引きこもりの子には、無理なコミュニケーションを求めないことが大切です

不登校・引きこもりの子の心理と対応法について、体験談を交えながらお伝えしました。活かせる情報はあったでしょうか?

不登校や引きこもりのお子さんを手助けするためにまず大切なのは、お子さんが話そうという気持ちになるまで無理なコミュニケーションを求めないことです

まずは、お子さんが自分のペースを取り戻し、これからのことを考える余裕が出てくるまで、長い目で見守るようにしましょう。

その上で、親御さんも自分自身の生活を充実させ、お子さんの問題をひとりで抱え込まないようにしてください。また、第三者への相談を積極的に行うことが大切です。

このコラムが、不登校や引きこもりの子の対処法や接し方に迷われているあなたの助けになれば幸いです。

私たちキズキ共育塾では、不登校や引きこもりの悩みから、次のステップへ進もうとしている人たちを支援しています。

高校・大学受験、高卒認定試験、学校復帰などについての無料相談も随時行っております。お悩みがあれば、ぜひ一度ご相談ください。

[author_juku1_ishi]

/Q&Aよくある質問

不登校・引きこもりの我が子の心理を知りたいです。

よくある5つの心理は、次のようなものです。
  1. 自分に自信が持てない
  2. 人間関係全般が怖い
  3. 学校や家族に反発したい
  4. 将来に漠然とした不安がある
  5. 原因がわからずに混乱している
詳細はこちらをご覧ください。

不登校・引きこもりの我が子への接し方と対処法を知りたいです。

一般論として、次のような応対が大切です。
  1. 感情的にならずに見守る
  2. 意見を尊重する
  3. 生活リズムの乱れに注意する
  4. 専門の支援機関に相談する
  5. 親御さん自身が元気な姿を見せる
詳細はこちらをご覧ください。
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