保護者さまにできる、お子さまが不登校になってからの対策

2018年4月12日 木曜日 投稿

保護者さまにできる、お子さまが不登校になってからの対策

キズキ共育塾の木原彩です。現在大阪校で講師をしながらライターをしています。

私自身、中学3年生の秋から春にかけて不登校だった「不登校当事者」でもあり、不登校だった弟を持つ「不登校の家族」でもあります。

「子どもが2学期から不登校なんです…」
「子どもが不登校になってしまいました。このままだと外出もできなくなるのではないでしょうか…」
「不登校になったこの子は、この先どうやって生きていくんでしょう…?」
「不登校になった理由はわかりません。対策もできず、月日だけがどんどん経って行くんです…」

今回のコラムは、そんな悩みや不安をお持ちの保護者さまに向けて、お子さまの気持ちや、お子さまが不登校になってからできる対策をお伝えします。

「対策」というやや硬い言葉を使っていますが、記事を読んだ方のお気持ちが少しでも軽くなればと思っています。

お子さまが再び前に進めるようになってもらいたいのはもちろんのこと、保護者さま自身が少しでも「今日も一日よかった」と感じていただけるようになれたら嬉しいです。


不登校状態にある子ってどんな気持ち?

不登校状態にある子ってどんな気持ち?

不登校のお子さまへの対策を考える前に、まずお子さまの気持ちを考えたいです。

自分自身の不登校体験から、そして不登校の生徒さんと接する個人的経験から考えると、「不登校になる子には、感受性のとても強い子が多い」と思います。

感受性が強いために、周りの目が気になりすぎて、周りの目が怖くなったりしているのです。

その結果、学校に行けなくなったり、過去のつらい経験を引きずったりして苦しんでいます。

そんな苦しさの発散方法がわからずに、家の中で攻撃的になる子がいます。
逆に、家の中という居場所を守りたいからか家族に過度に気を遣う子もいます。
無気力になってしまう子もいます。

いずれの場合も、行動こそ違うものの「言葉にできない苦しさや不安があり、苦しんでいる」状態です。

私の場合、部活動での挫折経験の後に不登校になりました。

部活動でのつらい出来事を思い出したくなくて、大事に書き留めていた部活の練習日誌をビリビリに破ったり、部活に関連するものを壊したりすることで、モヤモヤした気持ちを外に出していました。


お子さまと同じように苦しい保護者さま

お子さまと同じように苦しい保護者さま

最初に述べたとおり、私自身、不登校当事者でもあり、また不登校だった弟を持つ「家族」です。

そのため、不登校本人の苦しみと同じように、ご家族、とりわけ保護者さまの苦しい気持もわかります。

弟が不登校になったとき、私は高校生で、すでに不登校ではありませんでした。

そんな私は、不登校の弟を見て、
「弟はなぜ不登校になったんだろう?」
「私に何ができるんだろう…弟はつらそうだ」
と考えていました。

そして「不登校」について、弟が話すことを聞くたびに、
「私がいなければ弟は不登校にならなかったのかな?」
「私はそんなつもりじゃなかったけど、私の存在が弟を傷つけていたのかな?」
と自責しました。

と言うのも、高校生のときの私は、不登校ではなかったのものの、母親との気持ちのすれ違いがあり、母と口をきかず無視をしていた時期があったのです。

私と母のそんな関係によって、弟は、「家は安心できる場所ではない、楽しい場所ではない」と感じていたそうです。

私が自分と向き合い、母とも向き合っていれば、弟は少なくとも家でつらい思いはしなかったのかなと、申しわけない気持ちになりました。

そして「不登校状態の弟は、将来に向かって進むことができるのかな?」と感じました。
「私に何ができるんだろう」と不登校状態にある弟の将来の対策を考え続けました。
また「過去のつらい気持ちがはやく癒されますように…」と願い続けました。

こうした経験から、保護者さまがお子さまについて、
「自分が悪かったのだろうか」
「どうしたら子どもが少しでも幸せになれるんだろう」
「もう一度笑顔を見せてくれるのかな?」
などとお考えなのは、よくわかるつもりです。


保護者さまにできる対策…お子さまの「心の居場所」になってほしい

では、保護者さまができる、「お子さまが不登校になってからの対策」とは何でしょうか。

大学の心理学の授業で、不登校支援では「どうやったら、今日のその子が笑顔になれるんだろう」と考えることが、巡り巡って将来への対策になると学びました。

お子さまが不登校になると、保護者さまは「不登校になった原因」や「すぐ効く対策」を探してしまいがちです。

そうではなく、「不登校の人が『今日はよかった』と感じられるように関わろう」という考え方です。

不登校の人は、「不登校の自分はダメな人間だ」と自分のことを否定的に考えていることがあります。
以前の私のように、他人を怖いと感じることもあります。

不登校になる理由は様々ですが、お子さまは、不登校になる前もなってからも苦しんでいます

そんな中、「あなたはあなたのままでいいんだよ。今までよくがんばったね」と受容してくれる場所や存在があれば、お子さまはその日を笑顔で過ごすことができます。

笑顔で過ごせる日が増えれば、不登校のことやつらいことだけでなく、少しずつ将来のことを考えられるようになるということです。

私自身や弟の経験を振り返ると、この考え方は適切な方法の一つだと思います。

そして、お子さまを受容できる第一の場所は家庭であり、第一の存在は保護者さま(ご家族)ではないでしょうか。

どんな自分でも受け止めてもらえる。
安心して生きることができる。
その上で、自分がやってみたいと思えることに挑戦できる場所が、「心の居場所」です。

まずは家庭と保護者さまがお子さまの「心の居場所」になること、それが不登校になったお子さまの「今後に向けた対策」になると思います。


お子さまが「今日はよかった」と思える場所を見つけてほしい

お子さまが「今日はよかった」と思える場所を見つけてほしい

とは言え、家庭「だけ」、保護者さま「だけ」でお子さまの全てを受け入れるのは現実的には難しいと思いますし、その必要はありません。

また、「具体的に何をすればいいのかわからなくて悩みが深まる」ということもあるでしょう。

不登校のお子さまへの対策の大前提として、「保護者さまが無理をして倒れてしまっては元も子もない」ということがあります。

「お子さまの『心の居場所』になる保護者さま」というだけでなく、「一個人でもある保護者さま」としても、どうか元気でいてほしいのです。

またお子さまは、家庭や保護者以外の第三者からも
「あなたはかけがえのない存在である」
「あなたにはこんなにいいところがあるね」
などと言ってもらえることで、
「自分は家にいるだけじゃなくて外にも出ていける」
と自信を持てるようになります。

お子さまの将来の幸せのための対策として、ご家庭と保護者さまのほかにも、「ありのままの自分を認めてくれる人」と出会うことが、より効果的です。

最近は、不登校児のためのフリースクールや個別指導塾も増えてきました。

そうした団体は、子どもたち一人ひとりに合わせ、学習支援や生活支援をしています。

デイキャンプなど、子どもの好きなことをテーマに一緒にやってみる活動団体もあります。

そうした場所での活動を通して、子どもたちは、「自分は受け入れられている」という体験や「自分はやればできるんだ」という体験をし、自分のことを少しずつ好きになっていきます。

私たち、キズキ共育塾もその一つです。

キズキ共育塾では、担当の講師やスタッフが生徒さん一人ひとりと向き合い、生徒さんが将来に進むためのお手伝いをしています。

一人ひとりに合わせて授業をつくり、授業を通して自己肯定感をはぐくんでいます。

学習面だけでなく、授業で先生と話すことで「自分は(家族以外の)人とも話せるんだ」、という気づきを得たり、「自分にはいいところがあるんだ」という気づきも得ることができます。

お子さまの一つひとつの成功体験が、お子さまが将来へ踏み出す一歩になります。

キズキ共育塾では、無料相談も行っています。

保護者さまだけ、ご家庭だけで抱え込まず、お気軽にご連絡ください。それぞれのお子さまやご家庭に応じて、より具体的なお話ができると思います。


保護者さまも、自分らしく幸せでいてほしい

保護者さまも、自分らしく幸せでいてほしい

そして保護者さまに最後に伝えたいことは、
「保護者さまも、自分らしく幸せでいてほしい」
ということです。

不登校になったお子さまのために何かしてあげたいという気持ちはわかります。

でも、「不登校になったお子さまのため」という理由で仕事や趣味を辞めたりしてほしくないのです…

私が不登校だったとき、母は「私を一人にしないですむように」と仕事を早抜けし、私の将来の対策をたくさん考えてくれました。

また、「不登校で苦しんでいる娘を差し置いて、自分だけが楽しむことはできない」と考え、好きな小説を読まずに「不登校」や「心理学」に関する本ばかり読んだりしていました。

夜中に母が友人や親戚に「私の育て方が悪かったのかな」と電話し、涙ぐんでいるのを見たこともあります。

その様子はあまり幸せそうではありませんでした。

子ども心に、
「私が学校に行けば、お母さんも趣味の小説とか読むのかな?」
「私が不登校だから、お母さんは幸せじゃないのかな」
と申しわけなく思いました。

そんな母も今は、「(今までの経験や育児を生かして)人のために働きたい」と介護ヘルパーの勉強をしています。

母が自分のやりたいことを見つけ、がんばっている姿を見ると私もうれしくなります。

私たち姉弟が不登校のとき、悩みながらも私たちのことを考えてくれた母だからこそ、母のことを必要だと思ってくれる人がいるだろうなと感じます。

そして母には母個人として楽しく幸せに過ごしてほしいと心から願っています。

「保護者さまは保護者さまで幸せでいること」が、不登校になったお子さまへの「対策」になります。

そうは言っても、「自分が幸せでいること」について、不登校で苦しんでいるお子さまに対して罪悪感を覚えるかもしれません。

あるいは、「自分が幸せでいることと、子どもの『心の居場所』になることが両立できるだろうか…」と不安かもしれません。

些細なことでも悩みがあれば、キズキ共育塾にお越しください

それぞれのお子さまや保護者さまに応じて、より具体的なお話ができます。

そして何より、一緒にお話しすることで、保護者さまのお気持ちが少しでも晴れればと思っています。


※文中の写真は全てイメージです。


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